双極性障害は、気分が高揚し活動的になる「躁状態」と、気分が落ち込み無気力になる「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。
これらの極端な気分の波は、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼします。
双極性障害の原因は一つに特定されておらず、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
遺伝的な体質、脳の機能的な特徴に加え、育ってきた環境、特に幼少期の経験が発症リスクに影響を及ぼす可能性が指摘されています。
この記事では、双極性障害の原因として現在考えられている様々な側面と、幼少期の経験がどのように関わるのかについて、最新の知見も踏まえながら詳しく解説していきます。
双極性障害とはどのような病気か
双極性障害は、かつては躁うつ病と呼ばれていた気分障害の一つです。
主な特徴は、日常生活に支障をきたすレベルの躁状態(または軽躁状態)とうつ状態を周期的に繰り返すことです。
躁状態では、気分が異常に高揚し、自分は何でもできるという万能感に満たされたり、ほとんど眠らずに活動し続けたり、次々にアイデアが浮かんだり、衝動的な買い物やギャンブルに走ったり、怒りっぽくなったりといった症状が見られます。
思考が次々と飛躍し、会話が早口になることもあります。
他者から見ると、異常にハイテンションであったり、無謀な行動を取っていたりするように映ることが少なくありません。
躁状態の程度が軽い場合は軽躁状態と呼ばれ、本人にとっては調子が良いと感じられることもありますが、周囲からはやはり普段と違う様子が見られます。
一方、うつ状態では、気分がひどく落ち込み、何事にも興味や喜びを感じなくなり、体がだるく疲れやすい、眠れない(あるいは眠りすぎる)、食欲がない(あるいは過食になる)、自分を責める、将来に絶望するといった症状が現れます。
思考力や集中力が低下し、決断が困難になることもあります。
重症化すると、死について繰り返し考えたり、自殺を計画したりすることもあります。
双極性障害は、躁状態の程度によって主に以下の二つのタイプに分けられます。
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双極I型障害: 明らかな躁状態とうつ状態を繰り返します。
躁状態は社会的、職業的な機能に著しい障害をもたらしたり、精神病症状(幻覚や妄想)を伴ったり、入院が必要になったりするほど重い場合が多いです。
うつ状態は必須ではありませんが、多くの場合経験します。 -
双極II型障害: 軽躁状態とうつ状態を繰り返します。
軽躁状態は双極I型の躁状態ほど重くなく、大きな問題を引き起こさないこともありますが、うつ状態は双極I型と同様に深刻な場合があります。
うつ状態が主症状として現れることが多く、うつ病と誤診されやすいタイプです。
双極性障害は慢性的な経過をたどることが多いですが、適切な診断と継続的な治療を受けることで気分の波をコントロールし、安定した生活を送ることが十分に可能です。
治療によって、気分の波の頻度や重症度を減らし、再発を予防することが目指されます。
双極性障害の主な原因
双極性障害は、特定の単一の原因によって引き起こされるのではなく、複数の要因が複合的に作用して発症すると考えられています。
現在、原因として有力視されているのは、主に以下の三つの側面です。
これらの要因が、個々人の生物学的脆弱性や環境からの影響として重なり合うことで、病気が発症すると考えられています。
遺伝的要因の影響
双極性障害の発症には、遺伝的な要因が関与していることが多くの研究で示されています。
双極性障害は、特定の単一遺伝子の異常で発症する「遺伝病」ではありませんが、いくつかの遺伝子の組み合わせによって、双極性障害になりやすい「体質」や「脆弱性」が遺伝すると考えられています。
このような、複数の遺伝子が関わる遺伝形式を「ポリジェニック」と呼びます。
双極性障害の患者さんの血縁者に、同じく双極性障害や他の気分障害(うつ病など)を発症する方が多い傾向があります。
例えば、双極性障害の患者さんの親や兄弟姉妹が双極性障害を発症するリスクは、血縁者に双極性障害の人がいない場合と比較して有意に高いことが示されています。
一卵性双生児(遺伝情報がほぼ一致)の場合、片方が双極性障害を発症すると、もう片方も発症する確率は二卵性双生児(遺伝情報が約50%一致)や一般的な兄弟姉妹よりも高いことが示されており、これは遺伝的な素因の重要性を示唆しています。
具体的にどの遺伝子が双極性障害の発症に関わるのかについては、現在も研究が進められています。
気分の調節、神経伝達物質の機能、脳の発達などに関わる様々な遺伝子の関与が示唆されていますが、まだ特定の遺伝子を特定する段階にはありません。
重要な点は、遺伝的な脆弱性があるからといって、必ずしも双極性障害を発症するわけではないということです。
遺伝的な素因はあくまで「なりやすさ」を高める要因であり、他の要因(環境要因など)と組み合わさることで発症に至ると考えられています。
例えば、遺伝的な脆弱性が高くても、安定した生育環境で育ち、適切なストレス対処スキルを身につければ発症しない可能性もあります。
逆に、遺伝的な脆弱性がそれほど高くなくても、強い環境ストレスに晒されることで発症する可能性もゼロではありません。
環境要因の影響
遺伝的な脆弱性を持つ人が、どのような環境で育ち、どのような経験をするかが、双極性障害の発症や病状に影響を与えます。
この考え方は「ストレス脆弱性モデル」として広く受け入れられています。
個人の持つ生物学的な脆弱性(遺伝や脳の機能など)に、環境からのストレスが加わることで、その脆弱性が顕在化し、精神疾患が発症するというモデルです。
環境要因は、ストレスの程度、期間、種類などによって影響の仕方が異なります。
双極性障害における環境要因としては、様々なものが考えられますが、特に以下の時期や種類の経験が重要視されています。
幼少期の経験(逆境体験・トラウマ)
人生の初期段階である幼少期は、脳が急速に発達し、人格形成や社会性の習得が行われる非常に重要な時期です。
この時期に受ける様々な環境からの影響は、その後の精神的な発達やストレスへの対処能力、感情の調節能力に大きな影響を与えます。
特に、不適切あるいは有害な経験、いわゆる「逆境体験(Adverse Childhood Experiences: ACE)」や「トラウマ」は、双極性障害を含む様々な精神疾患の発症リスクを高めることが、近年の研究で明らかになっています。
幼少期の脳は非常に可塑性が高いため、この時期の経験は、ストレス反応システムや感情を司る脳回路の構築に永続的な影響を与えると考えられています。
成人期のストレスやライフイベント
成人期になってからのストレスや大きなライフイベントも、双極性障害の発症や再発の引き金となることが知られています。
ストレスは、進学、就職、結婚、出産、引越しといった、一見ポジティブに思える出来事であっても、環境が大きく変化し、それに適応するためのエネルギーが必要とされるため、心身への負担となり得ます。
また、離婚、死別、失業、経済的な困難、病気、人間関係のトラブルといったネガティブな出来事は、より大きなストレスとなり、気分の波を誘発したり、病状を悪化させたりする可能性があります。
特に、初めての躁状態やうつ状態は、こうした大きなストレスやライフイベントをきっかけに発症することが少なくありません。
これは、ストレスによって脳内の神経伝達物質のバランスが崩れたり、生体リズムが乱れたりすることが原因と考えられます。
しかし、病気が進行し、再発を繰り返すようになると、明らかな誘因がなくても気分の波が現れるようになることもあります。
ストレスへの対処スキルを身につけることは、再発予防において重要な課題となります。
脳の機能的・構造的な変化
双極性障害は、脳の働きに何らかの異常があるために起こると考えられています。
これは単に脳の構造的な損傷があるということではなく、脳の特定の部位の機能が過剰になったり低下したり、あるいはそれらの部位間の連携に問題が生じたりしている状態を指します。
研究によって、双極性障害の患者さんの脳には、健常な人と比較していくつかの機能的・構造的な違いが見られることが示唆されています。
一つの可能性として挙げられるのが、脳内の神経伝達物質の調節異常です。
神経伝達物質とは、脳の神経細胞間で情報伝達を行う化学物質であり、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどが気分、意欲、活動性、思考、睡眠などを調節する上で重要な役割を果たしています。
双極性障害では、これらの神経伝達物質の量や働きが不安定になったり、それを受け取る側の受容体の感受性に問題があったりすることで、気分の波が生じると考えられます。
例えば、躁状態では特定の神経伝達物質(ドーパミンなど)の活動が過剰になり、うつ状態では低下するといった仮説があります。
また、感情の処理や意思決定、衝動性の制御、ストレス反応などに関わる脳の特定の領域の機能や構造にも変化が見られるという報告があります。
例えば、感情の識別や恐怖反応に関わる扁桃体(Amygdala)が、双極性障害では活動が過剰になったり、構造的な違いが見られたりすることが示唆されています。
また、思考や計画、衝動性の抑制を司る前頭前野(Prefrontal Cortex)の機能低下や構造的な変化も報告されています。
さらに、記憶や学習、ストレス応答に関わる海馬(Hippocampus)や、気分や情動、意思決定に関わる前帯状皮質(Anterior Cingulate Cortex)などの領域の機能異常も研究されています。
これらの脳領域間のネットワークの異常が、双極性障害の気分の調節困難や症状多様性に関与している可能性が考えられています。
これらの脳の変化は、遺伝的な要因や環境要因(特に幼少期のストレスなど)が複雑に影響し合った結果として生じる可能性もありますし、病気が慢性化する過程で生じる可能性もあります。
脳の研究は、MRIやPETなどの脳画像技術の進歩によって日々進められており、双極性障害の病態解明に向けた重要な領域です。
これらの知見は、より効果的な診断法や治療法の開発につながることが期待されています。
幼少期の経験と双極性障害発症リスクの関連性
双極性障害の原因論において、近年特に注目されているのが幼少期の経験が発症リスクに与える影響です。
幼少期は脳が発達し、自己認識、感情調節能力、対人関係のスキルといった、生涯にわたる精神的な健康の基盤が築かれる重要な時期であり、この時期に受けた環境からの影響は、その後の人生に長く影響を及ぼします。
幼少期の逆境体験は、生物学的、心理学的、社会的な側面から、双極性障害の発症に対する脆弱性を高めると考えられています。
幼少期の逆境体験(ACE)とは
幼少期の逆境体験(Adverse Childhood Experiences: ACE)とは、18歳になるまでに経験した、心身に有害な影響を与える可能性のある様々な出来事や状況のことです。
ACE研究は、1990年代後半にアメリカのCDC(疾病予防管理センター)とKaiser Permanente社によって行われた大規模な調査をきっかけに注目されるようになりました。
この研究では、ACEの種類や数を尋ねる質問票を用いた調査を行い、ACEの数が多いほど、成人期に様々な健康問題(心臓病、糖尿病、肥満など)や社会的な問題(薬物乱用、早期妊娠、失業など)を抱えるリスクが高まることが明らかになりました。
精神疾患も、ACEとの関連性が強く指摘されている分野であり、双極性障害もその例外ではありません。
代表的なACEの種類には以下のようなものがあります。
これらの経験は単独で起こることもあれば、複数重なって起こることも少なくありません。
ACEの種類 | 具体的な経験の例 |
---|---|
虐待 (Abuse) | 身体的虐待(叩く、殴るなど)、精神的虐待(暴言、無視、脅迫など)、性的虐待(性的な行為を強要される、性的な接触を受けるなど) |
ネグレクト (Neglect) | 身体的ネグレクト(子供の食事、衣服、衛生状態、医療的ケアなどの最低限のニーズが満たされない)、感情的ネグレクト(子供の感情的なニーズへの無関心、愛情や励ましの不足) |
家庭機能不全 (Household Dysfunction) | 親や同居家族の精神疾患(うつ病、統合失調症、双極性障害など)、親や同居家族の物質乱用(アルコール・薬物依存)、家庭内暴力(DV、パートナーへの暴力)、親の別離/離婚、世帯員の投獄 |
ACEを経験することは、発達段階にある子供の脳に物理的および化学的な影響を与えることが研究で示唆されています。
慢性的なストレスは、ストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌を過剰にし、脳の発達、特にストレス反応や感情調節に関わる脳領域(扁桃体、海馬、前頭前野など)の構造や機能に影響を与えると考えられています。
これにより、成人期になってからのストレスへの過剰な反応、感情のコントロール困難、衝動性の問題などが生じやすくなります。
これらの変化は、双極性障害のような気分障害の発症に対する生物学的な脆弱性を高める要因となり得ます。
また、ACEは心理社会的側面からも影響を与えます。
安全で予測可能な環境で育つことができないと、子供は世界や他者に対する基本的な信頼感を築きにくくなります。
自己肯定感が低くなり、困難な状況に対処する能力(コーピングスキル)を十分に身につけられない可能性もあります。
安定した愛着関係を形成できないことは、その後の人間関係にも影響し、孤独感や孤立感を深めることにつながることもあります。
これらの心理社会的な困難は、精神的な健康全般に対する脆弱性を高め、双極性障害の発症や病状の悪化につながる可能性があります。
双極性障害とACEに関する研究では、ACEを経験した人は、そうでない人に比べて双極性障害の発症リスクが高いという結果が多数報告されています。
さらに、幼少期の逆境体験の数が多いほど、双極性障害の発症リスクが比例して高まることが示唆されています。
ACEを経験した双極性障害患者さんは、そうでない患者さんと比較して、より早期に発症する、症状が重い、急速交代型(1年間に4回以上の気分のエピソードを繰り返す)の病状を呈しやすい、薬物療法への反応性が低い、自殺企図のリスクが高い、といった傾向があることも研究で示されています。
これは、幼少期のトラウマが、病気の神経生物学的な基盤や、ストレスへの脆弱性をより強く形成することを示唆しています。
幼少期の具体的な経験が双極性障害に与える影響
幼少期の様々な逆境体験は、それぞれ異なるメカニズムで子供の発達に影響を与え、双極性障害の発症リスクや病状に影響を与えると推測されています。
不適切な養育環境
一貫性のない養育(例えば、褒めたり厳しく叱ったりが予測不可能)、過干渉すぎる、あるいは逆に子供の存在を無視するような放任すぎるなど、子供の心理的なニーズに適切に応えられない養育環境は、子供の愛着形成を不安定にする可能性があります。
安定した愛着関係(安全基地)は、子供が安心して世界を探索し、感情を表現し、自己肯定感を育む上で不可欠です。
養育者が子供の感情やニーズに適切に応答しない場合、子供は自分の感情を理解したり、他者との健全な関係を築いたりすることが困難になることがあります。
このような不安定な愛着は、成人期になってからの人間関係の困難さや感情調節の問題につながりやすく、これが双極性障害の気分の波を増幅させたり、病状を不安定にしたりする要因となり得ます。
例えば、養育者自身の気分が不安定で感情的に予測不可能であった場合、子供は自身の感情をどのように扱えば良いか学ぶ機会が少なく、結果として自身の感情の起伏も激しくなる傾向を持つ可能性が指摘されています。
児童期の虐待やネグレクト
身体的、精神的、性的な虐待や、身体的・感情的なネグレクトは、子供の心身に深刻なダメージを与えます。
虐待やネグレクトは、子供にとって最も基本的な安全感や信頼感を根底から覆す経験です。
このような経験は、発達段階にある子供の脳に大きな影響を与え、特にストレス反応システム(視床下部-下垂体-副腎皮質系など)の機能に永続的な変化をもたらすことが知られています。
これにより、過剰なストレス反応、過覚醒、解離症状、感情のコントロール困難などが生じやすくなります。
虐待やネグレクトを経験した人は、そうでない人に比べて双極性障害の発症リスクが高いという研究結果が複数報告されています。
また、虐待経験のある双極性障害患者さんは、そうでない患者さんと比較して、より重い症状、早期の発症(特に思春期以前)、急速交代型の病状を呈しやすい、薬物療法への反応性が低い、自殺企図のリスクが高い、といった傾向があることも研究で示されています。
これらの経験は、複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)などを併発している可能性もあり、双極性障害の診断や治療をより複雑で困難なものにすることがあります。
親の精神疾患や家庭内の不和
親が精神疾患(うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害、物質乱用など)を抱えている場合、子供は親から安定した養育を受けられない可能性が高まります。
親の病状によっては、育児の能力が低下したり、感情的に不安定になったり、子供に対して不適切な言動をとったりすることがあります。
また、家庭内に常に緊張や争いがある環境(例えば、家庭内暴力がある、夫婦喧嘩が絶えないなど)は、子供にとって安心できない状況であり、慢性的なストレスとなります。
このような環境で育った子供は、親の病状や家庭内の雰囲気に過敏になり、感情的な不安定さを抱えやすくなったり、対人関係において不安や恐れを感じやすくなったりすることがあります。
親の精神疾患は、子供への遺伝的な影響も考えられますが、それとは別に、親の病気によってもたらされる養育環境の困難さも、子供の双極性障害発症リスクを高める環境要因として重要視されています。
子供は親をモデルとして多くのことを学びますが、親の感情や行動が不安定であると、子供はどのように感情を扱い、どのように行動すれば良いか混乱し、自身の感情調節や行動制御も困難になる可能性があります。
重大な喪失体験
幼少期における近親者(特に親)の死、親の離婚、頻繁な引っ越しによる人間関係の断絶、長期入院による家族との離別といった重大な喪失体験も、子供にとって大きなストレス源となります。
愛着対象との別れは、子供に強い悲しみ、不安、孤独感をもたらします。
特に、これらの喪失体験に対する適切なサポートやグリーフケア(悲嘆からの回復を支援すること)が行われない場合、子供は強い感情を一人で抱え込むことになり、心理的な負担が大きくなります。
幼少期の喪失体験は、その後の人生におけるストレスへの脆弱性を高め、双極性障害を含む気分障害の発症リスクを高める可能性が指摘されています。
これは、喪失体験がストレス反応システムに影響を与えたり、世界に対する安全感を損なわせたりすることを通じて、気分の調節を困難にするためと考えられます。
特に、予測できない形での喪失や、子供自身の責任ではないことに対する喪失は、より深刻なトラウマとなる可能性があります。
このように、幼少期の様々な逆境体験は、生物学的(脳機能の変化)、心理学的(自己肯定感、愛着、コーピングスキル)、社会的な側面から子供の発達に影響を与え、双極性障害の発症リスクを高める可能性があります。
これらの経験は、子供が本来得るべき安全感、安定した人間関係、自己肯定感を損ない、生涯にわたる脆弱性をもたらすと考えられます。
ただし、これらの経験が直接的に双極性障害を引き起こすわけではなく、遺伝的素因や他の様々な要因と複雑に絡み合って発症に至ると理解することが重要です。
全ての幼少期の逆境体験者が双極性障害を発症するわけではありませんし、幼少期に困難な経験がなかった人でも双極性障害を発症することはあります。
幼少期の経験は、あくまで双極性障害という複雑な病気のパズルのピースの一つとして考える必要があります。
双極性障害の診断と治療
双極性障害の適切な診断と治療は、病状を安定させ、再発を防ぎ、日常生活の質を維持するために非常に重要です。
特に、うつ病と間違えられやすく、不適切な治療を受けると病状が悪化するリスクがあるため、精神医療の専門家による慎重な診断が必要です。
専門機関での診断プロセス
双極性障害の診断は、精神科医などの精神医療の専門家によって行われます。
診断プロセスは通常、以下のような流れで進みます。
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問診: 最も重要かつ時間をかけて行われるステップです。
医師が患者さん本人から、現在の症状(気分の波の種類や頻度、持続期間、重症度、躁状態・うつ状態の具体的な内容)、過去の気分の波のエピソード、病歴、家族歴(家族に精神疾患を持つ人がいないか)、幼少期の経験を含む生育歴、学業や職歴、人間関係、ストレスの状況、飲酒や薬物の使用歴、現在の服薬状況(他の疾患の薬を含む)、身体的な健康状態などについて詳しく聞き取ります。
家族や親しい友人など、患者さんの日頃の様子をよく知っている人からの情報(家族からの情報提供)も、診断の参考になる場合が多くあります。
患者さん自身は躁状態や軽躁状態を病的なものと認識していないことも多いため、客観的な情報が非常に重要です。
症状の日記や気分グラフをつけている場合は、医師に提示すると診断の助けになります。 -
診断基準に基づく評価: アメリカ精神医学会が定める診断基準であるDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)や、世界保健機関(WHO)が定めるICD(International Classification of Diseases)といった国際的な診断基準に基づいて、患者さんの症状が双極性障害の基準を満たすかどうかを評価します。
DSM-5では、双極I型障害は少なくとも1回の躁病エピソード、双極II型障害は少なくとも1回の軽躁病エピソードと少なくとも1回の大うつ病エピソードの既往があることなどが診断基準に含まれます。
症状のパターン(躁状態とうつ状態の繰り返し)、症状の持続期間、重症度、社会生活への影響などが総合的に評価されます。 -
他の疾患との鑑別: 双極性障害と似た症状を示す他の精神疾患(うつ病、統合失調症、統合失調感情障害、境界性パーソナリティ障害、注意欠如・多動症(ADHD)など)や、脳腫瘍、甲状腺機能亢進症、薬物の影響など、身体疾患や物質関連による気分の変化を除外するための鑑別診断を行います。
特にうつ病は双極性障害のうつ状態と区別が難しく、うつ病と誤診されて抗うつ薬単独で治療が行われると、躁転を誘発したり病状を不安定にさせたりするリスクがあるため、慎重な鑑別が必要です。
診断を確定するために、数回の診察を経て症状の経過を慎重に観察することが必要な場合もあります。 -
補助的な検査: 診断を補助するために、血液検査(貧血や甲状腺機能異常などの身体疾患の除外、薬物血中濃度の測定など)、脳波検査、頭部画像検査(MRI、CTなど:他の疾患の除外のため)、心理検査などが補助的に行われることもありますが、これらの検査だけで双極性障害と診断できるものではありません。
あくまで問診を中心とした臨床診断が基本となります。
幼少期の経験に関する情報は、直接的な診断基準ではありませんが、患者さんの病状の背景や、ストレスへの脆弱性、予後を理解する上で重要な情報となり得ます。
問診の際に、医師が患者さんの生育歴や幼少期の経験について尋ねることもあります。
過去の経験について話すことは、時に辛いことですが、治療者との間に信頼関係が築けていれば、現在の病状をより深く理解するための手がかりとなり得ます。
双極性障害の主な治療法
双極性障害の治療は、病状を安定させ、再発を予防することを主な目標とします。
双極性障害は慢性的な経過をたどることが多いため、一時的な症状の改善だけでなく、生涯にわたる病状の管理を見据えた長期的な視点に立った治療計画が立てられます。
治療の中心となるのは薬物療法ですが、精神療法や心理社会的療法を併せて行うことで、薬物療法の効果を高め、病気との付き合い方を学ぶことができます。
薬物療法
双極性障害の治療において、薬物療法は病状を安定させる上で最も基本的な治療法です。
主に気分の波を抑える「気分安定薬」が中心となります。
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気分安定薬: 双極性障害の治療薬として最も重要な位置を占めます。
躁状態とうつ状態の両方のエピソードを予防したり、症状の重症度を軽減したりする効果があります。
代表的なものに、リチウム、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ラモトリギンなどがあります。
リチウムは双極性障害の治療において古くから使用されており、再発予防効果が高く、特に躁状態の抑制に有効であることが知られています。
また、自殺リスクを低下させる効果も示唆されています。
バルプロ酸ナトリウムやカルバマゼピンも躁状態の治療や再発予防に有効です。
ラモトリギンは、特に双極性障害のうつ状態に有効であり、うつ状態の再発予防にも用いられます。
これらの薬は、効果が出るまでに時間がかかったり、副作用(吐き気、手の震え、眠気、発疹など)があったりする場合があるため、医師と相談しながら用量調整や薬の変更を行うことがあります。
定期的な採血によって、薬の血中濃度や肝機能・腎機能などをチェックする必要がある場合もあります。 -
抗精神病薬: 躁状態の治療や、気分安定薬で効果が不十分な場合の補助薬として用いられることがあります。
また、双極性障害に伴う精神病症状(幻覚、妄想)がある場合にも使用されます。
非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、リスペリドン、ジプラシドン、アセナピンなど)は、躁状態だけでなく、双極性障害に伴ううつ状態にも効果がある場合があり、気分安定薬としても用いられることがあります。
これらの薬は、眠気、体重増加、代謝異常などの副作用に注意が必要です。 -
抗うつ薬: 双極性障害のうつ状態に対して抗うつ薬を使用する場合は、特に慎重な判断が必要です。
抗うつ薬単独の使用は、躁転(うつ状態から躁状態に移行すること)のリスクを高める可能性が指摘されています。
そのため、抗うつ薬を使用する際には、必ず気分安定薬や抗精神病薬と併用することが一般的です。
うつ状態の治療にはラモトリギンや一部の非定型抗精神病薬が第一選択薬として推奨されることが増えています。 -
睡眠導入剤・抗不安薬: 気分の波に伴う不眠や強い不安、焦燥感に対して、一時的に用いられることがあります。
しかし、これらの薬には依存のリスクがあるため、長期的な使用は避けられる傾向があります。
薬物療法は、医師の指示通りに規則正しく継続して服用することが非常に重要です。
自己判断での減量、中止、あるいは増量は、病状の悪化や再発につながるリスクが非常に高いです。
副作用についても、自己判断せず必ず医師に相談しましょう。
最適な薬の種類や用量は個人によって異なるため、医師と密に連携を取りながら治療を進めていくことが大切です。
精神療法・心理社会的療法
薬物療法に加え、精神療法や心理社会的療法を行うことで、病気への理解を深め、ストレスへの対処法や再発の兆候に気づくスキルを身につけることができます。
これは、薬物療法の効果を高め、再発予防や病気との付き合い方を学ぶ上で非常に有効です。
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心理教育: 双極性障害という病気について、症状、原因、治療法、再発予防の工夫、ライフスタイル管理の重要性などを患者さん本人や家族が正しく理解することを目的とします。
病気に関する正しい知識を身につけることで、治療への積極性が高まり、病気とより良く付き合っていくための力をつけることができます。
再発の早期兆候(例えば、睡眠時間の変化、活動性の増加、イライラ感など)に気づき、早めに対処することの重要性を学びます。 -
対人関係・社会リズム療法 (IPSRT: Interpersonal and Social Rhythm Therapy): 双極性障害の気分の波は、睡眠や食事などの生活リズムの乱れ、対人関係の問題、大きなライフイベントなどによって誘発されやすいことが知られています。
IPSRTでは、これらのトリガーに対処し、規則正しい生活リズム(特に睡眠覚醒サイクル)を確立することを目指します。
また、対人関係の問題を解決するスキルを身につけることで、ストレスを軽減し、気分の安定を図ります。 -
認知行動療法 (CBT: Cognitive Behavioral Therapy): 自分の思考パターン(認知)や行動が気分にどのように影響するかを理解し、より適応的な考え方や行動を身につけることを目指します。
うつ状態の改善や、躁状態につながる非現実的な思考パターン(例えば、「自分は何でもできる」といった誇大妄想的な考え)の修正に役立ちます。
また、ストレスへの対処スキルや問題解決能力を高めることも目的とします。 -
家族療法: 患者さん本人だけでなく、家族も対象とします。
家族が病気を理解し、患者さんをサポートする方法を学び、家庭内のコミュニケーションを改善することを目指します。
特に、家族関係のストレスが病状に影響している場合や、家族の協力が必要な場合に有効です。
家族が病気について正しく理解することで、患者さんに対する偏見や誤解が減り、より良いサポート体制が築けます。 -
弁証法的行動療法 (DBT: Dialectical Behavior Therapy): 元々は境界性パーソナリティ障害の治療として開発されましたが、感情調節の困難さを抱える双極性障害の患者さんにも応用されることがあります。
DBTでは、マインドフルネス、苦悩耐性、感情調節、対人効果性のスキルを身につけることを通じて、感情のコントロールや衝動的な行動を改善することを目指します。
幼少期の経験に起因するトラウマや愛着の問題などが現在の病状に影響している場合は、これらの精神療法の中で、安全な治療関係の下で過去の経験について話し合い、整理していくことも行われることがあります。
例えば、CBTやDBT、あるいはよりトラウマに特化した治療法(ただし、双極性障害の治療としては慎重に行われることが多い)が検討される場合があります。
しかし、過去のトラウマを扱う際は、双極性障害の病状が安定していることが前提となり、躁状態やうつ状態が強い時期には行われません。
無理に過去を掘り起こすことは、かえって病状を不安定にさせる可能性があるため、治療者とよく相談し、安全なペースで、そして現在の病状への対処と並行して進めていくことが大切です。
精神療法は薬物療法と組み合わせることで、病状の安定化や再発予防効果を高めることが期待できます。
双極性障害における幼少期の影響への向き合い方
双極性障害の原因として幼少期の経験が重要であるという知見は、過去の辛い出来事が現在の病状と関連しているという可能性を示唆しています。
これは、時に受け入れがたい事実であったり、自分を責める気持ちにつながったりすることもあります。「あの時の経験のせいで、自分はこんな病気になってしまったのか」「もっと良い環境で育っていれば、違った人生があったのだろうか」といった感情が湧き上がってくるかもしれません。
しかし、幼少期の経験は、あくまで双極性障害の発症リスクを高める「要因の一つ」であり、それが病気の全てを決定するわけではありません。
双極性障害は遺伝的素因、脳機能、環境要因など、複数の要因が複雑に絡み合って生じる病気です。
そして最も重要な点は、過去は変えられなくても、過去の経験が現在の自分にどのように影響しているかを理解し、それに対して今できる対処法を学び、未来をより良く変えていくことは可能であるということです。
もし幼少期に逆境体験やトラウマを経験している場合、その経験が現在のストレスへの脆弱性や感情調節の困難さ、人間関係のパターン、自己肯定感の低さなどに影響を与えている可能性があります。
これらの影響に気づき、それが自分の双極性障害の症状や病状とどのように関連しているのかを理解することは、病気と向き合い、治療を進める上で重要なステップとなります。
治療のプロセスの中で、信頼できる専門家(精神科医や臨床心理士など)との間で、過去の経験について安全な環境で話し合う機会を持つことは、心の傷を癒し、過去の経験によって形成された現在の認知や行動パターンを修正する助けとなります。
例えば、
- 安全でない環境で育ったことで他者を信頼することに困難を感じる場合、治療者との安全で一貫した関係性の中で少しずつ信頼関係を築く経験を積むことは、その後の対人関係を改善する一歩となり得ます。
- 感情的なネグレクトにより自分の感情を表現することが苦手な場合、治療者との対話を通じて感情を言葉にする練習をしたり、感情の扱い方を学んだりすることができます。
- 自己肯定感が低い場合、過去の経験がどのように自己肯定感を低下させたかを理解し、治療の中で自己肯定感を高めるための取り組み(例えば、ポジティブな自己評価を意識する、小さな成功体験を積み重ねるなど)を行うことができます。
- トラウマ体験により過剰な警戒心やストレス反応が生じやすい場合、トラウマに焦点を当てた精神療法(例:EMDRなど、ただし双極性障害の治療としては病状の安定が必須で、慎重に行われる)や、ストレスマネジメント、感情調節スキルを学ぶことで、ストレスへの対処能力を高めることができます。
ただし、過去のトラウマと向き合うことは、時に強い感情を伴うため、双極性障害の病状が安定している時期に行われるべきです。
躁状態やうつ状態が強い時期に無理に過去を掘り起こすことは、かえって病状を不安定にさせる可能性があります。
治療者とよく相談し、安全なペースで、そして現在の病状への対処(薬物療法や生活リズムの調整など)と並行して進めていくことが大切です。
幼少期の経験が双極性障害の発症に関与している可能性を知ることは、自分自身を深く理解するための手がかりとなります。
それは、決して自分や親を責めるための情報ではなく、「なぜ自分はこのような困難を抱えているのか」という問いに対する理解を深め、自分の抱える困難が、個人の性格や弱さだけでなく、育ってきた環境の影響も受けているということを知ることで、自己受容につながる可能性もあります。
そして、過去の影響を理解した上で、現在の治療に積極的に取り組み、病気との付き合い方を学び、より良い未来を築いていく力に変えることが重要です。
病気になった原因を完全に特定することは難しい場合が多いですが、遺伝、環境、脳機能など、多角的な視点から自分の状況を理解しようと努めることは、病気との付き合い方を考える上で役立ちます。
もし幼少期の経験が現在の病状に大きく影響していると感じる場合は、精神療法の専門家と協力しながら、安全な方法で過去の影響について深く掘り下げていくことも検討できます。
大切なのは、過去の経験に支配されるのではなく、そこから学び、現在の自分をより良く変えていくことです。
まとめ|多角的な視点で原因を理解すること
双極性障害は、単一の原因によって引き起こされる単純な病気ではなく、遺伝的な素因、脳の機能的・構造的な特徴といった生物学的な要因と、幼少期の経験を含む環境要因、そして成人期以降のストレスやライフイベントといった心理社会的要因が複雑に絡み合って発症する、多因子性の病気です。
これらの要因が、個々人の持つ脆弱性と相互作用することで、気分の調節機能が障害され、双極性障害という形で現れると考えられます。
特に、幼少期の逆境体験(ACE)は、双極性障害の発症リスクを高める重要な環境要因の一つとして、近年の研究で注目されています。
不適切な養育環境、虐待(身体的、精神的、性的)、ネグレクト(身体的、感情的)、家庭内の機能不全(親の精神疾患、物質乱用、家庭内暴力など)、重大な喪失体験といった経験は、発達段階にある子供の脳やストレス反応システムに影響を与え、後の人生におけるストレスへの脆弱性や感情調節の困難さを増大させる可能性があります。
また、幼少期の困難な経験は、双極性障害の病状(例えば、早期発症、急速交代型、重症度)や予後にも影響を与えることが示唆されています。
しかし、幼少期の経験が双極性障害の全てを決定するわけではありません。
幼少期に困難な経験がなかった人でも双極性障害を発症することはありますし、逆に多くの困難を経験しても発症しない人もいます。
これは、遺伝的な素因や他の保護的な要因(例えば、安全な環境の存在、サポートしてくれる他者の存在、レジリエンスなど)が複雑に関与しているためです。
双極性障害の原因を多角的に理解することは、「なぜ自分がこの病気になったのか」という問いに対する理解を深め、自分自身をより受け入れるための助けとなります。
それは、決して自分や過去の経験を責めるための情報ではなく、双極性障害が個人の性格や努力の問題ではなく、様々な要因が組み合わさって生じる病気であるという認識を深めることにつながります。
双極性障害の治療は、正確な診断に基づいた薬物療法(気分安定薬など)と精神療法(心理教育、IPSRT、CBTなど)を組み合わせて行うことが基本です。
早期に精神科医などの専門家による診断を受け、継続的な治療に取り組むことで、気分の波をコントロールし、病状を安定させ、再発を予防し、安定した日常生活を送ることが十分に可能です。
もし幼少期の経験が現在の病状に影響している可能性がある場合でも、治療の中で専門家のサポートを受けながら過去を安全な形で整理し、向き合っていくことで、心の傷を癒し、回復に向けた力を引き出すことができます。
双極性障害は、適切な治療と病気への理解があれば、コントロール可能な病気です。
もし、ご自身やご家族が双極性障害かもしれないと感じたり、気分の波に悩んでいたりする場合は、一人で抱え込まず、専門機関に相談することが大切です。
双極性障害に関するご相談はこちら(医療機関への誘導)
双極性障害の症状(気分の波、活動性の変化、睡眠や食欲の変化など)や、ご自身の気分の波、幼少期の経験と現在の状態との関連性などについて悩みを抱えている方は、まずは精神科や心療内科といった精神医療の専門機関にご相談ください。
専門の医師や臨床心理士は、あなたの抱える困難を丁寧に聞き取り、症状の経過や背景を詳しく評価することで、正確な診断を行います。
双極性障害と診断された場合でも、悲観する必要はありません。
適切な治療計画を立て、薬物療法や精神療法、生活リズムの調整など、病状を管理し、安定した生活を送るための具体的なサポートを提供してくれます。
医療機関を選ぶ際には、双極性障害の診療経験が豊富な医師がいるか、薬物療法だけでなく心理教育や精神療法なども含めた包括的な治療を提供しているか、といった点も参考にすると良いでしょう。
また、医師との信頼関係は治療を進める上で非常に重要です。
自身の病状や治療に関する疑問、そして幼少期の経験について正直に話すことができる、安心して相談できる医師を見つけることが大切です。
早期に相談し、適切なケアを受けることが、双極性障害の病状を安定させ、症状による日常生活への影響を最小限に抑え、回復への道を歩み始めるための最も重要な一歩となります。
一人で悩まず、専門家の力を借りて、希望を持って病気と向き合いましょう。
【免責事項】
本記事は双極性障害に関する一般的な情報を提供するものであり、医療行為を代替するものではありません。
個々の症状、診断、治療法、および幼少期の経験に関する具体的な相談については、必ず医療機関で専門の医師にご相談ください。
本記事の情報に基づいて行われた、いかなる行為によって生じた、いかなる結果または損害についても、当社は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。