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生理始まったと思ったら血が出ない!量少ない時の原因【妊娠・不正出血・受診目安】

生理が始まる時期なのに、予測していたような出血が見られず、不安を感じている方もいるかもしれません。「生理が来たと思ったのに血が出ない」「少量の出血だけ」といった状況には、いくつかの原因が考えられます。これらの原因を知ることは、不要な心配を減らし、適切に対処するために役立ちます。

この記事では、「生理が始まったと思ったら血が出ない、量が少ない」という状況で考えられる主な原因や、妊娠の可能性、ホルモンバランスの乱れ、不正出血、そして病院を受診すべき目安や、ご自身でできるセルフケア・対処法について解説します。もし今、生理のことで悩んでいるのであれば、この記事があなたの不安を少しでも和らげ、次の行動への一歩を助ける情報となることを願っています。

目次

生理前に血が出そうで出ない・量が少ない主な原因

生理が来るはずの時期になっても、期待していた出血が見られず、少量の茶色いおりものや、ごくわずかな出血があるだけで終わってしまう、あるいは全く出血がない、といった状況は珍しいことではありません。このような「生理前に血が出そうで出ない」「生理の量が極端に少ない」と感じる背景には、様々な要因が関係しています。

考えられる主な原因としては、以下のようなものがあります。

  • 妊娠初期に見られる着床出血
  • 様々な要因で引き起こされるホルモンバランスの乱れ
  • 生理とは異なる出血である不正出血の可能性
  • その他の体調や生活習慣による影響

これらの原因は単独で起こることもあれば、複数が組み合わさって影響していることもあります。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

妊娠の可能性は?「着床出血」との見分け方

生理予定日頃に少量の出血が見られる場合、多くの人が最初に「もしかして妊娠?」と考えるかもしれません。特に、通常の生理と比べて出血量が明らかに少ない、またはごく短い期間で出血が終わってしまったという場合には、妊娠初期に起こりうる「着床出血」の可能性を疑うことがあるでしょう。

しかし、着床出血はすべての妊婦さんに起こるわけではなく、むしろ経験しない人の方が多いとされています。また、着床出血と生理の出血、あるいはその他の不正出血を見分けることは、見た目だけでは難しい場合があります。

着床出血とは?生理の出血との違い

着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に、子宮内膜の血管が傷つき、ごく少量の出血が起こる現象です。妊娠をご希望の方にとっては期待する兆候の一つかもしれませんが、医学的にすべての妊娠で起こる生理現象として定義されているわけではありません。

着床出血が起こる時期は、一般的に受精から約7日~10日後、つまり次の生理予定日の数日前から生理予定日頃にかけてが多いとされています。しかし、個人差が大きく、生理予定日を過ぎてから起こることもあります。

着床出血と通常の生理の出血を比較すると、いくつかの違いが見られることが多いです。ただし、これらの特徴はあくまで一般的な傾向であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

特徴 着床出血 生理の出血
時期 生理予定日の数日前~生理予定日頃 ほぼ毎月決まった周期で起こる(生理周期による)
非常に少ない(おりものに混じる程度が多い) 通常は着床出血より多い(個人差が大きい)
薄いピンク、茶色、または鮮血の場合も 鮮血から次第に茶色や黒っぽい色に変化(個人差あり)
期間 数時間~長くても2~3日で終わることが多い 3日~7日程度続くのが一般的(個人差あり)
随伴症状 下腹部痛、胸の張り、だるさなど、PMSに似た症状や妊娠超初期症状が見られることも 生理痛、腰痛、気分の落ち込みなど(PMS)

もし生理予定日頃に普段と違う少量の出血があり、妊娠の可能性がある(性交渉があったなど)場合には、まずは市販の妊娠検査薬を試してみるのが最も手軽で確実な方法の一つです。正確な結果を得るためには、生理予定日から1週間以上経過してから使用することが推奨されます。検査薬で陽性反応が出た場合は、速やかに産婦人科を受診して医師の診断を受けましょう。陰性でも生理が始まらない状態が続く場合は、後述する他の原因も考えられるため、状況に応じて医療機関への相談を検討してください。

ホルモンバランスの乱れによる影響

「生理が来たと思ったら血が出ない」あるいは「生理の量が極端に少ない」という状況の、妊娠に次いで多く見られる原因の一つが、ホルモンバランスの乱れです。女性の体では、脳の視床下部、下垂体、そして卵巣が連携して、月経周期をコントロールするためのホルモン(卵胞ホルモン/エストロゲンと黄体ホルモン/プロゲステロン)を分泌しています。この繊細なバランスが崩れると、排卵がうまくいかなくなったり、子宮内膜が十分に厚くならなかったりして、生理不順や、出血量が少ない「過少月経」といった症状を引き起こすことがあります。

ホルモンバランスは非常にデリケートで、様々な要因によって容易に影響を受けてしまいます。

ストレスや疲労

精神的なストレスや肉体的な疲労は、脳の視床下部に影響を与え、ホルモン分泌の司令塔である下垂体への指令が滞ることがあります。これにより、卵胞の成長や排卵が抑制されたり、黄体機能が低下したりして、生理周期の乱れや、生理が来ない(無月経)、出血量が極端に少ないなどの症状が現れることがあります。仕事や人間関係の悩み、睡眠不足、過労などが原因となることが多いです。

年齢による変化(特に40代)

女性の体は年齢とともにホルモンバランスが変化します。特に40代に入ると、卵巣の機能が徐々に低下し始め、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が不安定になります。これにより、生理周期が短くなったり長くなったり、出血量が変化したりといった「プレ更年期」と呼ばれる症状が現れることがあります。生理が来たと思っても少量の出血で終わる、というのもこの時期によく見られる症状の一つです。閉経が近づくにつれて、生理は不規則になり、やがて停止します。

急激な体重変化や無理なダイエット

極端な食事制限によるダイエットや、短期間での大幅な体重減少は、体が飢餓状態であると認識し、妊娠・出産に適さない環境だと判断します。これにより、脳はホルモン分泌を抑制し、生理を止めたり、周期を乱したりすることがあります。体脂肪率が極端に低下すると、卵胞ホルモンの生成に必要なコレステロールが不足し、ホルモンバランスが大きく崩れることもあります。逆に、急激な体重増加もホルモンバランスに影響を与えることがあります。

生活習慣の乱れ

不規則な生活リズム、睡眠不足、偏った食事、喫煙、過度の飲酒なども、ホルモンバランスを乱す要因となります。特に、体内時計の乱れは、ホルモン分泌のリズムに影響を与えやすいと言われています。健康的な生活習慣は、ホルモンバランスを整え、正常な月経周期を維持するために非常に重要です。

これらの要因によるホルモンバランスの乱れは、時に一時的なものですが、放置すると生理不順が慢性化したり、将来的な不妊や骨粗しょう症などのリスクを高める可能性もあります。生理の状態が数ヶ月にわたって不安定な場合や、心配な症状がある場合は、一度婦人科を受診して相談することをおすすめします。医師は問診や検査(ホルモン検査、超音波検査など)を通じて、ホルモンバランスの状態を評価し、適切なアドバイスや治療を行ってくれるでしょう。

生理ではない出血(不正出血)の可能性

生理が来たと思った出血が、実は生理とは異なる「不正出血」である可能性も考えられます。不正出血(ふせいしゅっけつ)とは、月経・分娩などの正常な時期以外で起こる女性器からの出血の総称です。その原因は多岐にわたります。

不正出血とは

不正出血は、通常の生理周期における月経期間以外のタイミングで起こる、性器からの出血です。生理周期の途中で排卵期に見られる「中間期出血」のような生理的なものから、子宮や卵巣の病気、炎症など、病的な原因によるものまで様々です。

生理が来たと思ったのに、量が極端に少ない、期間が短い、色がいつもと違う、腹痛や他の症状(おりものの変化、性交時の痛みなど)を伴うといった場合には、不正出血の可能性も考慮する必要があります。

考えられる不正出血の原因

不正出血の原因は、大きく分けて「子宮や卵巣などの生殖器からの出血」と「その他の原因による出血」に分類できます。

子宮や卵巣の病気

不正出血の背景に、子宮や卵巣の病気が隠れていることがあります。特に注意が必要なのは、悪性の疾患(がん)ですが、良性の疾患でも不正出血を引き起こすことがあります。

  • 子宮頸がん: 子宮頸部にできるがんです。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると性交時の出血や不正出血が見られることがあります。定期的な子宮頸がん検診が早期発見のために重要です。
  • 子宮体がん: 子宮の内側(子宮内膜)にできるがんです。不正出血が最も典型的な症状であり、閉経後でも出血が見られる場合は特に注意が必要です。
  • 子宮筋腫: 子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。筋腫ができる場所や大きさによっては、生理の量が増える(過多月経)ことや、生理期間以外の不正出血、生理痛などを引き起こすことがあります。筋腫が粘膜下(子宮内膜側)にできると、小さなものでも出血の原因になりやすいです。
  • 子宮内膜症: 子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖する病気です。強い生理痛や性交痛、不妊の原因となるほか、まれに不正出血が見られることもあります。
  • 子宮頸管ポリープ: 子宮頸部にできる良性の腫瘍です。比較的小さなものでも、性交や診察などの刺激で出血しやすい特徴があります。
  • 卵巣腫瘍: 卵巣にできる腫瘍です。ホルモンを分泌するタイプの腫瘍(ホルモン産生腫瘍)の場合、ホルモンバランスが乱れ、不正出血や月経不順を引き起こすことがあります。

これらの病気による出血は、生理の出血と区別がつきにくいこともありますが、普段の生理とは異なる様子の出血(色、量、期間など)が見られた場合は、安易に自己判断せず、婦人科を受診することが重要です。

炎症やその他の要因

病気以外にも、炎症やその他の要因によって不正出血が起こることがあります。

  • 膣炎・子宮頸管炎: 細菌や真菌、ウイルスなどによる感染が原因で、膣や子宮頸管に炎症が起こることで出血することがあります。おりものの異常(量、色、臭い)や痒み、痛みなどを伴うことが多いです。
  • ホルモン剤の使用: ピル(低用量・中用量ピル)、ホルモン補充療法、緊急避妊薬など、ホルモンを含む薬剤の使用中や、使用を中止した後に、少量の出血(不正出血、消退出血など)が見られることがあります。これは薬剤の作用によるもので、多くは一時的なものですが、気になる場合は処方医に相談しましょう。
  • 排卵期出血: 生理と生理の間に、少量の出血が見られることがあります。これは排卵の時期に一時的にホルモンバランスが変動することによって起こる生理的な出血で、多くの場合数時間から1~2日で自然に止まります。一般的に病的なものではありませんが、心配な場合は医師に相談してください。
  • 性交による出血: 性交時の刺激で、子宮頸部や膣が傷つき、出血することがあります。これは多くの場合心配いりませんが、繰り返し起こる場合や量が多い場合は、炎症やポリープなどの原因がないか婦人科で確認してもらうと良いでしょう。

不正出血は、軽いものから重い病気のサインまで、様々な原因が考えられます。「生理が来たと思ったのに量が少ない」という状況が一度きりではなく続く場合や、普段と違う様子が見られる場合は、自己判断せず、早めに婦人科を受診して原因を調べてもらうことが大切です。医師の診断を受けることで、原因が特定され、適切な治療や経過観察を行うことができます。

腹痛があるのに血が出ない場合

生理が来る前の兆候として、下腹部痛や腰痛を感じる人は多いでしょう。しかし、「生理痛のような腹痛があるのに、出血がほとんどない、または全くない」という状況は、不安をさらに募らせることがあります。このような場合も、いくつかの原因が考えられます。

腹痛の原因

生理が来る時期の腹痛は、通常、生理周期に伴うホルモンバランスの変化や、子宮を収縮させて経血を排出するためのプロスタグランジンという物質の分泌によって引き起こされます。しかし、出血を伴わない、あるいは少量の出血しかないのに腹痛がある場合は、生理痛以外の原因も考慮する必要があります。

  • 妊娠初期の症状: 妊娠初期には、受精卵が子宮に着床したり、子宮が大きくなり始めたりすることで、生理痛のような下腹部痛や、チクチクとした痛みを感じることがあります。同時に、着床出血が見られることもありますが、出血がない場合もあります。妊娠の可能性がある時期に腹痛がある場合は、妊娠検査薬で確認してみるのが一つの方法です。
  • 排卵痛: 生理周期の真ん中あたり、排卵が起こる際に下腹部に痛みを感じることがあります。これは生理の時期とは異なりますが、稀に排卵期出血を伴ったり、痛みの感じ方によっては生理痛と勘違いしてしまう人もいます。
  • 子宮や卵巣の病気: 前述した子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などの病気は、不正出血だけでなく、慢性的な下腹部痛や、生理周期に関わらず起こる痛み、生理時の痛みの増強などを引き起こすことがあります。特に、卵巣嚢腫茎捻転(卵巣の茎がねじれる)や卵巣出血などが起こると、激しい下腹部痛に見舞われることがあります。
  • ストレスや体の冷え: ストレスや体の冷えは、血行を悪くしたり、筋肉を緊張させたりすることで、下腹部痛や腰痛を引き起こすことがあります。これらはホルモンバランスの乱れにもつながるため、生理の兆候はあっても、出血が少ない、または遅れるといった状況と同時に腹痛が起こることもあります。
  • 過敏性腸症候群(IBS)など消化器系の問題: 婦人科系の問題ではなく、腸の不調(便秘や下痢など)によって腹痛が引き起こされている可能性も考えられます。腸と子宮は位置が近いため、どちらの痛みが区別しにくいこともあります。

腹痛があるのに出血がない、あるいは少量の出血にとどまるという状況が続く場合や、痛みが強い場合、他の症状(発熱、吐き気、おりものの異常など)を伴う場合は、自己判断せず、婦人科や内科などの医療機関を受診して相談することが重要です。特に、今まで経験したことのない強い痛みが突然現れた場合は、緊急性の高い病気(卵巣嚢腫茎捻転、急性虫垂炎など)の可能性も考慮し、速やかに医療機関を受診してください。

その他考えられる原因

妊娠、ホルモンバランスの乱れ、不正出血、腹痛といった主要な原因の他にも、「生理が来たと思ったら血が出ない、量が少ない」状況には、様々な要因が関わっていることがあります。

体の冷え

体が冷えると、血行が悪くなります。子宮や卵巣への血行不良は、ホルモンバランスの乱れを引き起こしたり、子宮内膜の成長を妨げたりする可能性があります。その結果、生理周期が不安定になったり、経血量が減少したりすることがあります。特に、デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっている人や、冷たい飲食物を多く摂る人、薄着をする人は、体の冷えに注意が必要です。体を温めることは、生理のトラブルを改善するための基本的なケアの一つとされています。

特定の薬の影響

現在服用している薬が、生理周期や出血量に影響を与えている可能性も考えられます。

  • ピル(経口避妊薬、LEP製剤): 低用量ピルやLEP製剤を服用している場合、ホルモンの作用によって子宮内膜が薄くなるため、経血量が極端に少なくなる、あるいは生理が来なくなる(休薬期間中の出血がない)ことがあります。これは薬剤による正常な反応の一つであり、多くの場合心配いりませんが、不安な場合は処方医に確認しましょう。
  • 精神科系の薬(抗うつ薬、向精神薬など): 一部の精神科系の薬は、脳の視床下部や下垂体に影響を与え、ホルモンバランスを乱すことがあります。これにより、生理不順や生理が来ないといった副作用が現れることがあります。
  • その他の薬剤: 高血圧の薬や胃薬、特定の鎮痛剤など、ごく一部の薬剤が生理周期や出血量に影響を与える可能性が指摘されることもありますが、頻度は稀です。

もし新しい薬を飲み始めてから生理の状態が変わったと感じる場合は、自己判断で薬を中止せず、必ず処方医や薬剤師に相談してください。

病院を受診すべき目安

「生理が来たと思ったら血が出ない、量が少ない」という状況は、一時的な体調の変化によるものであることも少なくありません。しかし、中には病気が隠れていたり、治療が必要な状態であったりすることもあります。どのような場合に医療機関を受診すべきかの目安を知っておくことは、早期発見や適切な対処につながります。

どんな症状があったら受診すべき?

以下のような症状が見られる場合は、一度婦人科を受診して相談することをおすすめします。

  • 「血が出そうで出ない」「量が少ない」という状況が、2~3周期以上続く場合: 一時的なものではなく、慢性的になっている可能性があるため、原因を調べる必要があります。
  • 普段の生理と比べて、出血の色、量、期間などが明らかに違う場合: 不正出血や、子宮・卵巣の病気のサインかもしれません。特に、今まで経験したことのない性状の出血が見られた場合は注意が必要です。
  • 強い腹痛や腰痛を伴う場合: 生理痛にしては痛みが強い、生理周期に関わらず痛みが続く、吐き気や発熱など他の症状を伴う場合は、病気が原因である可能性も考えられます。
  • おりものの量や色、臭いに異常がある場合: 炎症や感染症などが原因で出血が見られることがあります。
  • 性交時に痛みや出血がある場合: 子宮頸部や膣の炎症、ポリープ、または初期の子宮頸がんなどが原因の可能性があります。
  • 妊娠の可能性がある場合: 性交があった時期に普段と違う少量の出血や腹痛があり、妊娠検査薬で陽性反応が出た、あるいは陰性でも妊娠の可能性を完全に否定できない場合(フライング検査など)。
  • 体調不良(倦怠感、めまいなど)を伴う場合: ホルモンバランスの乱れや、貧血(出血が多い場合ですが、慢性の少量出血でも貧血になることがあります)などが考えられます。
  • 原因が分からず、強い不安を感じる場合: 不安な気持ちを抱えたまま過ごすことは、ストレスとなりさらに体調を崩す原因になりかねません。専門家である医師に相談することで、安心できることもあります。

これらの症状は、必ずしも重篤な病気を意味するわけではありませんが、自己判断せず、専門医の意見を聞くことが大切です。特に、不正出血は放置せず、必ず原因を調べてもらいましょう。

何科を受診すればいい?

生理や女性器からの出血に関する相談は、基本的に婦人科を受診します。婦人科では、問診、内診、超音波検査、ホルモン検査、細胞診(子宮頸がん検診など)、必要に応じてその他の精密検査などを通じて、出血の原因を特定し、適切な診断と治療を行います。

かかりつけの婦人科があればそこを受診するのが良いでしょう。初めて受診する場合は、インターネットの口コミなどを参考に、ご自身が相談しやすいクリニックを探してみるのも良いかもしれません。もし、腹痛が非常に強く、救急性の高い状況が疑われる場合は、夜間や休日でも対応している救急外来や病院の婦人科を受診してください。

血が出そうで出ない状況へのセルフケア・対処法

生理が来たと思っても出血が少ない、あるいはなかなか始まらない状況で、すぐに病院に行くほどではないけれど気になる、という場合に、ご自身でできるセルフケアや対処法があります。これらの方法は、体調を整え、ホルモンバランスを安定させることにもつながります。

ストレスケア

ストレスはホルモンバランスの最大の敵の一つです。仕事や人間関係の悩み、将来への不安など、ストレスの原因を特定し、適切に解消する努力をしましょう。

  • 十分な休息と睡眠: 毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい生活を心がけましょう。
  • リラクゼーションを取り入れる: 好きな音楽を聴く、アロマセラピー、瞑想、ヨガなど、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。
  • 趣味や楽しめることを見つける: 気分転換になるような活動に時間を費やしましょう。
  • 信頼できる人に相談する: 一人で抱え込まず、家族や友人、パートナーなどに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることがあります。

生活習慣の見直し

バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠といった基本的な生活習慣は、体の機能を正常に保ち、ホルモンバランスを整えるために非常に重要です。

  • バランスの取れた食事: 偏食せず、様々な栄養素をバランスよく摂りましょう。特に、ビタミンB群やミネラル(亜鉛、マグネシウムなど)、良質なタンパク質、食物繊維などはホルモンバランスに関わると言われています。無理なダイエットは避け、健康的な体重を維持することが大切です。
  • 適度な運動: ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。血行促進効果があり、ストレス解消にもつながります。ただし、過度な運動は逆に体に負担をかけることがあるので注意が必要です。
  • カフェインやアルコールの制限: 過剰な摂取は、生理不順やPMS症状を悪化させる可能性があると言われています。控えめにしましょう。
  • 禁煙: 喫煙は血行を悪くし、ホルモンバランスに悪影響を及ぼすことが知られています。

体を温める

体の冷えは血行不良を招き、生理のトラブルの原因となることがあります。体を温めることを意識しましょう。

  • 温かい飲食物を摂る: 冷たい飲み物や食べ物は避け、温かいものを積極的に摂りましょう。
  • 入浴: シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かることで体の芯から温まり、血行が促進されます。
  • 服装の工夫: 首、手首、足首など、冷えやすい箇所を温めるようにしましょう。腹巻きや温かいインナーなども有効です。
  • 適度な運動: 体を動かすことでも血行が良くなり、体温が上がります。

これらのセルフケアは、すべてのケースで症状が改善することを保証するものではありませんが、自身の体と向き合い、より健康的な状態を目指すための基本的なステップです。セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、不安が解消されない場合は、やはり医療機関を受診することが最も重要です。

まとめ|不安な時は専門医に相談を

「生理が始まったと思ったら血が出ない、量が少ない」という状況は、多くの女性が経験しうることであり、原因は妊娠の可能性、ホルモンバランスの乱れ、不正出血、または一時的な体調の変化など、多岐にわたります。

生理予定日頃の少量の出血は着床出血の可能性もありますが、それ以外の不正出血のサインであることも少なくありません。不正出血(ふせいしゅっけつ)の背景には、子宮筋腫や子宮内膜症といった良性の病気から、子宮頸がんや子宮体がんといった悪性の病気まで、様々な原因が考えられます。また、腹痛があるのに出血がない場合も、妊娠初期症状や婦人科系の病気などが原因である可能性があります。

一時的なストレスや疲労、体の冷え、生活習慣の乱れなどによってホルモンバランスが崩れ、生理の様子が変わることもよくあります。まずはご自身の最近の生活を振り返り、セルフケアを試みることも有効です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスケア、体を温めることなどは、生理周期を整える上で基本的な対策となります。

しかし、「血が出そうで出ない」「量が少ない」という状況が数周期続く場合や、出血の色や性状がいつもと違う、強い腹痛や他の症状を伴う、またはご自身で原因が分からず強い不安を感じる場合は、自己判断せずに必ず婦人科を受診してください。特に、不正出血は放置せず、原因を特定することが非常に重要です。

この記事でご紹介した情報は一般的なものあり、個々の状況によって当てはまらない場合もあります。あなたの体の状態を正確に把握し、適切な診断とアドバイスを得るためには、専門家である医師の診察を受けることが最も確実です。不安な時は一人で悩まず、勇気を出して婦人科のドアを叩いてみましょう。


免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。個人の症状に関する正確な診断や治療法については、必ず医療機関を受診し、医師の判断を仰いでください。本記事の情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。

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