ED治療薬として世界中で広く使用されているシアリス。その「効果がすごい」と耳にしたことがある方もいるかもしれません。シアリスは、他のED治療薬と比較していくつかのユニークな特徴を持っており、多くの男性にとって有効な選択肢となっています。しかし、その効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい知識が不可欠です。この記事では、シアリスの効果について、持続時間、硬さへの影響、適切な服用タイミング、さらには副作用や他の薬との飲み合わせまで、医師監修のもと詳しく解説します。ED（勃起不全）にお悩みの方、シアリスについてもっと知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
シアリス（タダラフィル）とは
シアリスは、イーライリリー社によって開発され、日本イーライリリー社から販売されているED治療薬（勃起不全治療薬）です。有効成分として「タダラフィル」を含んでおり、2007年に日本で承認されました。タダラフィルは、ホスホジエステラーゼ5（PDE5）という酵素の働きを阻害することで、血管を拡張させ、陰茎への血流を改善する作用を持っています。この作用機序により、性的刺激があった際に十分な勃起を促すことが可能となります。
シアリスは、バイアグラ、レビトラに次いで登場した第三のED治療薬であり、特にその長い持続時間から、世界中で高いシェアを誇っています。日本では先発医薬品である「シアリス錠」に加え、2020年には有効成分タダラフィルを配合したジェネリック医薬品も複数メーカーから承認され、より手に入りやすい価格帯でも利用できるようになっています。
シアリスの主な効果と特徴
シアリスの効果は、その有効成分であるタダラフィルによってもたらされます。タダラフィルは、PDE5という酵素の働きを妨げます。PDE5は、勃起に関わる環状グアノシン一リン酸（cGMP）という物質を分解する酵素です。性的刺激を受けると、陰茎の血管内皮から一酸化窒素（NO）が放出され、cGMPが生成されます。cGMPが増えると、陰茎の血管が弛緩し、血流が増加して勃起が起こります。PDE5阻害剤であるタダラフィルは、cGMPの分解を防ぐことで、性的刺激があったときにcGMPの量を高く保ち、十分な勃起反応が得られやすくします。
シアリスの効果：硬さと持続性
シアリスの主な効果は、勃起の硬さを改善し、その状態を持続させることです。性的興奮を感じた際に、これまで十分な硬さや持続が得られなかった方でも、シアリスを服用することで、満足のいく性行為に必要な勃起力が得られやすくなります。
特にシアリスが他のED治療薬と一線を画すのが「持続性」です。多くのED治療薬の効果は数時間で消失しますが、シアリスは体内で成分がゆっくりと吸収・分解される特性から、最大で30～36時間効果が持続するとされています。これは、週末に服用すれば土曜日いっぱい、あるいは日曜日まで効果が期待できることから、「ウィークエンドピル」とも呼ばれる所以です。この長い持続時間により、性行為の直前に薬を飲む必要がなくなり、より自然な形で性行為に臨めるというメリットがあります。
シアリスの効果が「すごい」と感じる理由
シアリスの効果が「すごい」と多くの人に評価される背景には、主に以下の3つの特徴が挙げられます。
- 圧倒的な効果持続時間: 前述の通り、最大36時間という長時間効果が持続することは、他のED治療薬にはない最大の特徴です。これにより、服用タイミングに縛られず、パートナーとの時間や関係性をより重視できるようになります。
- 食事の影響が少ない: バイアグラなど他のED治療薬は、食事、特に脂っこい食事の影響で効果が弱まることがあります。一方、シアリスは比較的食事の影響を受けにくいとされています。これにより、食事の時間を気にせず服用できる柔軟性があります。（ただし、全く影響がないわけではないため、後述する注意点も重要です。）
- 副作用が比較的穏やか: 全ての医薬品には副作用のリスクがありますが、シアリスは他のPDE5阻害剤と比較して、副作用の発現頻度が低い、あるいは症状が軽い傾向があると言われています。これにより、より快適に服用を続けやすいと感じる方が多いようです。
これらの特徴が組み合わさることで、シアリスは単に勃起を助けるだけでなく、性生活全体の質を高める可能性を持つ薬剤として、「すごい」という評価につながっていると考えられます。
他のED治療薬との効果比較
シアリス以外にも、バイアグラ（シルデナフィル）、レビトラ（バルデナフィル）といったED治療薬があります。それぞれの薬剤には特徴があり、どれが最適かは個人の体質やライフスタイル、EDの原因などによって異なります。主要なED治療薬の効果を比較した表は以下の通りです。
| 項目 | シアリス（タダラフィル） | バイアグラ（シルデナフィル） | レビトラ（バルデナフィル） |
|---|---|---|---|
| 有効成分 | タダラフィル | シルデナフィル | バルデナフィル |
| 効果発現時間 | 1〜4時間 | 30分〜1時間 | 15分〜30分 |
| 効果持続時間 | 最大30〜36時間 | 4〜5時間 | 5〜6時間 |
| 食事の影響 | 少ない | 大きい（空腹時推奨） | 少ない（ただし多量の脂肪は影響） |
| アルコールの影響 | 少ない（適量なら） | 大きい（影響を受けやすい） | 少ない（適量なら） |
| 勃起の硬さ | 自然な硬さ | 硬さが出やすい | 硬さが出やすい |
| 国内承認 | 2007年 | 1999年 | 2004年 |
この表からも分かるように、シアリスの最大の特徴は圧倒的な持続時間です。即効性ではバイアグラやレビトラにやや劣るものの、一度服用すれば長時間効果が持続するため、服用タイミングを気にせずパートナーとの関係を楽しみたい方に向いています。硬さに関しては、個人差や用量にもよりますが、バイアグラやレビトラの方が「硬くなる」と感じる方もいるかもしれません。しかし、シアリスは自然な勃起をサポートするイメージで、性的な興奮があって初めて効果を発揮します。食事やアルコールの影響が少ない点も、日常的に使いやすい理由の一つです。
シアリスの効果時間
シアリスの最大の特徴である効果持続時間について、さらに詳しく見ていきましょう。
シアリスの効果が現れるまでの時間
シアリスの効果は、服用後すぐに出るわけではありません。有効成分のタダラフィルが体内に吸収され、血中濃度が十分に高まるまでに時間がかかります。一般的に、シアリスの効果が現れ始めるのは服用後1時間程度とされています。ただし、効果の発現時間には個人差があり、体調や服用時の状況によっては1時間未満で効果を感じる方もいれば、2時間、3時間とかかる方もいます。添付文書によると、効果の発現ピークは服用後1～4時間とされています。
シアリスの効果持続時間（最大36時間）
シアリスの最も有名な特徴が、最大30〜36時間という長い効果持続時間です。これは、服用した有効成分タダラフィルが体内でゆっくりと代謝・排泄されるためです。他のED治療薬の効果が数時間で切れるのに対し、シアリスは1日半近くにわたって効果が持続する可能性があります。
この「最大36時間」というのは、効果が全く切れずに36時間同じ強さで持続するという意味ではありません。服用から時間が経過するにつれて、薬の血中濃度は徐々に低下していきます。そのため、効果のピークは服用後数時間ですが、その後も性的刺激があれば勃起しやすい状態が緩やかに続くということです。例えば、金曜日の夜に服用すれば、土曜日の性行為にも十分対応できるため、「ウィークエンドピル」と呼ばれています。
シアリスが一番効く時間帯
シアリスの効果が最も強く感じられるのは、服用後1〜4時間後あたりがピークとなることが多いです。この時間帯に性行為を行うことで、より高い効果を実感できる可能性が高まります。ただし、効果はその後も長時間持続するため、このピーク時間に合わせて行動する必要性は他の薬ほど高くありません。ライフスタイルに合わせて、性行為の機会がありそうなタイミングより数時間前に服用するという使い方が、シアリスのメリットを活かす方法と言えます。
シアリスの効果時間と食事・アルコールの影響
シアリスは「食事の影響が少ない」と言われますが、これはバイアグラと比較した場合の相対的な特徴です。全く影響がないわけではありません。特に、脂っこい食事を大量に摂取した直後に服用すると、薬の吸収が遅くなり、効果の発現が遅れたり、効果が弱まったりする可能性があります。シアリスの最大のメリットである持続時間を活かすためにも、可能であれば空腹時に服用するか、食後であれば時間を少し置いてから服用するのがおすすめです。
アルコールについては、適量であればシアリスの効果に大きな影響を与えないとされています。むしろ、リラックス効果によってEDの改善に繋がる場合もあります。しかし、過度の飲酒は血管を拡張させる作用があり、めまいや立ちくらみなどの副作用を強める可能性があります。また、泥酔状態では性的刺激に対する反応が鈍くなり、シアリスの効果が得られにくくなることもあります。シアリス服用中の飲酒は、あくまで「適量」に留めることが重要です。
シアリスの用量と効果の違い
シアリスには、いくつかの異なる用量（含有量）の製剤があります。日本では、主に5mg、10mg、20mgの3種類の用量が処方されています。これらの用量によって、期待できる効果や適した服用方法が異なります。適切な用量は、個々の体質、EDの症状の程度、他の病気の有無などを考慮して医師が判断します。
シアリス 5mgの効果と特徴（毎日服用も可能）
シアリス5mgは、主に「毎日服用（低用量タダラフィル療法）」のために処方されることが多い用量です。毎日決まった時間に服用することで、体内のタダラフィル濃度を一定に保ち、いつでも性的刺激があれば勃起しやすい状態を維持することを目指します。
毎日服用には以下のようなメリットがあります。
- 性行為のタイミングを気にせず済む: いつでも自然な形で性行為に臨めます。
- EDの根本的な改善効果: 長期的な服用により、陰茎の血管機能が改善され、薬なしでも勃起できるようになる可能性が示唆されています。
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害の改善効果: タダラフィルには、前立腺や膀胱の平滑筋を弛緩させる作用もあり、前立腺肥大症による排尿困難などの症状を和らげる効果も期待できます。
毎日服用は、パートナーとの性行為の頻度が高い方や、EDの根本的な改善を目指したい方に適しています。副作用のリスクも他の用量に比べて低い傾向がありますが、医師の指導のもとで行うことが重要です。
シアリス 10mgの効果と特徴
シアリス10mgは、日本で最初に承認された際の標準的な用量です。性行為の機会がある時に「都度服用」するのに適しており、十分な効果と比較的少ない副作用のバランスが良いとされています。初めてシアリスを服用する場合や、他のED治療薬で効果が強すぎたり副作用が出やすかったりした方が試すケースもあります。
10mgでも最大36時間の持続時間は期待できますが、効果の強さやピークは20mgに比べて穏やかになる傾向があります。性的刺激があれば十分な効果を感じられるものの、より強い効果を求める場合は20mgが選択されることがあります。
シアリス 20mgの効果と特徴
シアリス20mgは、シアリスの中で最も高用量の製剤です。より強い勃起改善効果が期待できます。10mgで効果が不十分だった場合や、重度のED症状がある場合などに医師が処方することがあります。
高用量であるため、効果が強く現れる一方で、副作用の発現頻度も10mgに比べてやや高まる傾向があります。頭痛やほてりなどの副作用が強く出る可能性があるため、初めて服用する場合は少量から開始し、必要に応じて用量を増減するのが一般的です。必ず医師の指示に従って服用してください。
シアリス 10mgと20mgの効果の違い
10mgと20mgの最も大きな違いは、「効果の強さ」です。一般的に、用量が多いほど勃起改善効果は強く現れる傾向があります。添付文書によると、臨床試験では10mgと20mgの効果に大きな差は見られなかったとされていますが、個人差や体質によって、20mgの方がより効果を実感できる場合があります。
一方で、「効果の持続時間」については、10mgも20mgも最大36時間という点では大きな違いはありません。用量の違いが持続時間に直接的に影響を与えるというよりも、血中濃度のピークの高さに影響すると考えられます。
また、「副作用の発現頻度」は、20mgの方が10mgよりも高くなる傾向があります。用量が多いほど、血管拡張作用が全身に強く現れ、それに伴う副作用（頭痛、ほてり、鼻づまりなど）が出やすくなる可能性があります。
シアリス 20mgを半分に割った場合の効果
シアリス20mg錠を半分に割って10mgとして服用することを考える方もいるかもしれません。物理的に割ることは可能ですが、医薬品の錠剤は、有効成分が均一に配合されるように製造されています。特に、シアリスのように割線（割るための溝）が入っていない錠剤を割った場合、正確に半分に分けることが難しく、含まれる有効成分量に偏りが生じる可能性があります。
したがって、20mg錠を割って服用することは、期待通りの効果が得られなかったり、予期せぬ副作用が出たりするリスクがあるため、基本的におすすめできません。10mgの服用を希望する場合は、10mg錠を処方してもらうようにしましょう。また、錠剤の分割は医師の指示がない限り行わないでください。
シアリスの正しい飲み方とタイミング
シアリスの効果を最大限に引き出し、安全に服用するためには、正しい飲み方とタイミングを知ることが重要です。
シアリスの推奨される服用タイミング
シアリスの最も一般的な服用方法は、性行為を行う機会がありそうなタイミングの「2～3時間前」に服用することです。これは、前述したように、シアリスの効果が服用後1時間程度で現れ始め、1～4時間後にピークを迎えることを考慮したタイミングです。
シアリスの長い持続時間（最大36時間）を考慮すると、厳密に性行為の直前である必要はありません。例えば、金曜日の夜に服用しておけば、土曜日の午前中はもちろん、午後の性行為にも対応可能です。パートナーとの予定に合わせて、余裕を持って服用できるのがシアリスの大きなメリットです。
服用する際は、コップ1杯程度の水またはぬるま湯と一緒に服用してください。お茶や清涼飲料水などで服用しても構いませんが、多量のアルコールは控えるようにしましょう。
シアリスを毎日飲む場合の注意点
シアリス5mgを毎日服用する場合（低用量タダラフィル療法）は、医師の指示に従って、毎日ほぼ同じ時間に服用することが推奨されます。例えば、毎朝食後に飲む、寝る前に飲むなど、習慣化しやすいタイミングを選びましょう。毎日服用することで、体内のタダラフィル濃度が一定に保たれ、いつでも性的刺激に応じた勃起が可能になります。
毎日服用を開始する前には、必ず医師に相談し、自身の健康状態や他の服用薬などを伝えて、適応があるか確認してもらいましょう。毎日服用中も、定期的に医師の診察を受け、効果や副作用の状況を報告することが大切です。
シアリス服用中の性行為回数について
シアリスの効果持続時間である最大36時間の間に、何回性行為が可能か、という疑問を持つ方もいるかもしれません。薬の効果という点だけを見れば、効果が持続している間は、性的刺激があれば理論上、複数回の性行為が可能と考えられます。薬自体が性行為の回数を物理的に制限するわけではありません。
しかし、実際の性行為の回数は、服用者の体力、精神状態、パートナーとの関係性など、様々な要因に左右されます。また、連続して性行為を行うことは、体に負担をかける可能性もあります。薬の効果に頼りすぎるのではなく、自身の体調やパートナーとのコミュニケーションを大切にしながら、無理のない範囲で楽しむことが重要です。競合記事で具体的な回数が示されていますが、個人の状況によって大きく異なるため、数値で断定することは避けるべきでしょう。
シアリスの副作用と対策
全ての医薬品には副作用のリスクが伴います。シアリスも例外ではありません。しかし、シアリスで報告される副作用は、多くの場合軽度で一時的なものです。
シアリスで報告される主な副作用（頭痛、ほてりなど）
シアリスで比較的多く報告される副作用は、タダラフィルの血管拡張作用に関連するものです。主なものとして以下が挙げられます。
- 頭痛: 血管が拡張し、頭部の血流が増えることで起こることがあります。
- 潮紅（顔のほてり）、紅潮: 顔や体が赤くなる、熱っぽく感じるなどの症状です。
- ほてり: 体全体が熱っぽく感じる症状です。
- 消化不良: 胃のむかつきや胸やけなどを感じることがあります。
- 背部痛、筋肉痛: まれに報告される副作用です。
- 鼻づまり: 鼻の粘膜の血管が拡張することで起こることがあります。
- 目の充血: 目の血管が拡張することで起こることがあります。
これらの副作用は、薬の効果が持続する時間帯に一時的に現れることが多く、通常は時間の経過とともに自然に治まります。
副作用が出た場合の対処法
軽い頭痛やほてりなどの副作用であれば、特に治療せず様子を見ることで改善することがほとんどです。どうしてもつらい場合は、医師に相談してください。頭痛に対しては、アセトアミノフェンなどの一般的な鎮痛剤を服用しても問題ない場合がありますが、必ず医師に確認しましょう。
副作用が強く現れた場合や、症状が長く続く場合、あるいは上記以外の予期せぬ症状が現れた場合は、速やかに服用を中止し、医師に相談してください。特に、以下のような症状が現れた場合は、緊急性が高い可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
- 4時間以上勃起が続く（持続勃起症）
- 急激な視力低下や視野の異常
- 急激な聴力低下や耳鳴り
- 胸痛や息切れなどの心血管系の症状
シアリスの併用禁忌薬・注意薬
シアリスを含むPDE5阻害剤は、特定の薬剤との飲み合わせによって重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。特に重要なのは、硝酸剤および一酸化窒素（NO）供与剤との併用です。
- 併用禁忌薬（絶対に一緒に飲んではいけない薬）:
- 硝酸剤: ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど（狭心症や心筋梗塞の治療薬）。これらの薬剤とシアリスを併用すると、過度に血圧が低下し、めまい、失神、さらには命に関わる重篤な状態に陥る危険性があります。
- NO供与剤: アミリスコットなど（一部の血管拡張剤）。硝酸剤と同様の作用があり、併用禁忌です。
- 併用注意薬（一緒に飲む際に注意が必要な薬）:
- α遮断薬: 高血圧治療薬や前立腺肥大症治療薬の一部（タムスロシン、シロドシンなど）。併用により血圧が下がりすぎる可能性があります。
- CYP3A4阻害薬: 一部の抗真菌薬、抗HIV薬など。シアリスの分解を遅らせ、血中濃度を上げて副作用が出やすくなる可能性があります。
- 降圧剤: 他の血圧を下げる薬。併用によりさらに血圧が下がる可能性があります。
シアリスを服用する前に、現在服用している全ての医薬品（処方薬、市販薬、サプリメント含む）を必ず医師または薬剤師に伝え、飲み合わせに問題がないか確認してもらってください。自己判断で服用するのは非常に危険です。
シアリスの効果に関するよくある質問
シアリスの効果や服用方法に関して、多くの方が疑問に思う点をまとめました。
シアリスは服用後何時間で効果が出ますか？
シアリスの効果は、一般的に服用後1時間程度で現れ始めます。個人差があり、早い方では30分程度で効果を感じることもありますが、多くの場合、1～4時間後が効果のピークとなります。性行為の予定より数時間前に服用することで、十分な効果を得られるタイミングを確保できます。
シアリスを飲むと何回性行為ができますか？
シアリスの最大36時間という効果持続時間内であれば、理論上、性的刺激があれば複数回の性行為は可能です。薬が性行為の回数を制限するわけではありません。しかし、実際の回数は個人の体力や精神的な要因に左右されます。無理のない範囲で楽しむことが大切です。
シアリスにはどんな欠点がありますか？
シアリスの主な欠点としては、他のED治療薬（バイアグラやレビトラ）に比べて即効性がやや劣る点、そして薬価が比較的高価である点が挙げられるかもしれません。また、一部の方には効果が十分得られない場合や、特定の副作用（特に背部痛や筋肉痛は他のED薬より報告頻度が高い傾向がある）が現れる可能性もあります。
シアリスを毎回飲んでも大丈夫ですか？
医師の指示のもと、シアリス（特に5mgの低用量）を毎日服用することは可能です。毎日服用は、EDの根本的な改善やいつでも性行為に対応できるメリットがあります。ただし、これは医師があなたの健康状態を確認し、安全と判断した場合に限られます。自己判断で毎日の服用を開始したり、高用量のシアリスを毎日服用したりすることは避けてください。必要に応じて毎回服用する場合も、次の服用までには必ず24時間以上あける必要があります。
シアリスを飲んでも勃起しない原因は？
シアリスは性的刺激があって初めて効果を発揮します。薬を飲んだだけで自動的に勃起するわけではありません。性的興奮が十分でない場合は、効果が得られないことがあります。また、EDの原因が薬でアプローチできる血流の問題以外にある場合（神経障害やホルモン異常など）、効果が限定的になることもあります。精神的なストレスや不安、体調不良も効果を妨げる要因となり得ます。効果がないと感じる場合は、医師に相談し、原因を特定してもらうことが重要です。
シアリスは心臓に負担をかける？
シアリスを含むPDE5阻害剤は、心臓病のある方が服用できない場合がありますが、適切に使用すれば心臓に過度の負担をかけることは通常ありません。むしろ、健康な方や軽度の心臓病で管理されている方が医師の許可を得て服用する場合、性行為による心臓への負担（軽い運動程度の負担）は、シアリスの服用によって大きく増えることはないとされています。ただし、重度の心血管系疾患がある方や、硝酸剤などを服用している方は禁忌となります。必ず医師に相談し、安全性を確認してください。
シアリスは動脈硬化予防に効果がある？
シアリスの有効成分であるタダラフィルには、血管内皮機能を改善する作用があることが研究で示唆されており、動脈硬化の予防や改善につながる可能性が期待されています。EDそのものが動脈硬化などの血管系疾患の初期兆候である場合もあるため、ED治療を通じて血管健康への意識が高まることも重要です。しかし、現状ではシアリスはED治療薬として承認されているものであり、動脈硬化の予防・治療薬として正式に推奨されているわけではありません。動脈硬化の治療や予防は、専門医の指導のもと、適切な治療法で行う必要があります。
シアリスは女性が飲んでも効果がある？
シアリスは、男性のED治療薬として開発・承認されたものであり、女性が服用してもED治療のような効果は期待できません。女性の性的機能障害の原因は男性とは異なり、ホルモンバランスや心理的な要因などが複雑に関わっています。シアリスの血管拡張作用が女性にどのような影響を与えるかについては、十分な臨床データがなく、安全性も確立されていません。女性の服用は推奨されません。
シアリスは筋肉増強効果が期待できる？
タダラフィルには血管拡張作用があるため、筋肉への血流を増加させる可能性が示唆されています。これにより、運動中の筋肉への酸素や栄養供給が促進されたり、疲労物質の排出が早まったりすることで、パフォーマンス向上や筋肉の回復に間接的に寄与する可能性が一部で研究されています。しかし、これはあくまで研究段階の話であり、シアリスが直接的な筋肉増強剤として使用されたり、その目的で処方されたりすることはありません。ボディビルダーなどが不正に使用するケースが報告されていますが、健康リスクを伴う行為であり、絶対に行わないでください。
シアリスの効果を最大限に引き出すには
シアリスの効果をより実感するためには、以下の点を意識すると良いでしょう。
- 正しい服用タイミング: 性行為の2〜3時間前を目安に服用しましょう。毎日服用する場合は、決まった時間に服用を続けましょう。
- 空腹時の服用: 食事の影響は少ないとされますが、可能であれば空腹時に服用するか、食後2時間以上空けてから服用する方が、より確実に効果を得られる可能性があります。
- 十分な性的刺激: シアリスは性的刺激があって初めて効果を発揮します。リラックスして、パートナーとのコミュニケーションを大切にしましょう。
- 体調を整える: ストレスや疲労はEDの原因となることがあります。十分な睡眠をとり、体調を整えることも重要です。
- 禁酒・節酒: アルコールは適量であれば問題ありませんが、飲みすぎは効果を弱めたり副作用を強めたりする可能性があります。
- 医師との連携: 服用量や効果、副作用について医師と正直に話し合い、自分に合った最適な服用方法を見つけましょう。
シアリスの処方について
シアリスは、医師の診察と処方が必要な「処方箋医薬品」です。薬局やドラッグストアで市販されていません。安全かつ適切にシアリスを手に入れるためには、以下の方法があります。
- 病院やクリニックでの対面診療: 泌尿器科やED専門クリニックを受診し、医師の診察を受けて処方してもらう方法です。対面でじっくり相談できる安心感があります。
- オンライン診療による処方: 近年増えているのが、オンライン診療によるED治療薬の処方です。パソコンやスマートフォンを使って自宅などから医師の診察を受け、薬を郵送してもらうことができます。人に会わずに済む、通院の手間がない、時間や場所を選ばないといったメリットがあり、忙しい方やプライバシーを重視したい方におすすめです。多くのオンライン診療サービスでは、問診票の入力、医師によるオンライン診察、決済、薬の配送という流れで進みます。
- 個人輸入の危険性: インターネットの海外サイトなどからの個人輸入は絶対に行わないでください。個人輸入された医薬品には、偽造薬や粗悪品が多く流通しており、有効成分が含まれていなかったり、不純物が混入していたりする危険性が非常に高いです。偽造薬を服用すると、効果がないばかりか、重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。また、個人輸入した薬で健康被害が生じても、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり、公的な救済を受けられません。シアリスは必ず国内の医療機関で処方されたものを使用してください。
まとめ：シアリスの効果を理解し、正しく服用しましょう
シアリスは、最大36時間という長い効果持続時間、食事の影響を受けにくい、副作用が比較的穏やかといった特徴を持つ、非常に使い勝手の良いED治療薬です。これらの「すごい」効果により、多くの男性の性生活の質の向上に貢献しています。
しかし、シアリスの効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい知識と医師の指導が不可欠です。適切な用量、正しい服用タイミング、他の薬との飲み合わせ、副作用のリスクなどを十分に理解した上で服用することが極めて重要です。
EDは多くの男性が抱える悩みであり、決して恥ずかしいことではありません。シアリスのようなED治療薬は、その解決策の一つとなり得ます。まずは一人で悩まず、専門の医師に相談してみましょう。対面診療はもちろん、近年はオンライン診療も普及しており、より手軽に専門家のアドバイスを受けることができます。
この記事で解説した情報を参考に、ご自身のEDについて理解を深め、最適な治療法や薬の選択について医師とよく相談してください。正しい知識を持ってシアリスを服用することで、より安全で満足のいく性生活を取り戻すことができるでしょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状や体質に合わせた診断・治療を行うものではありません。シアリスの服用を検討される場合は、必ず医師の診察を受け、処方および指導に従ってください。