生理痛がひどい、出血量が多い、子宮内膜症の症状に悩んでいる…。そんなとき、医師から「超低用量ピル」という選択肢を提案されたり、ご自身で調べたりしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。超低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜症の治療に特化した低用量経口避妊薬です。様々な種類があり、それぞれに特徴や価格、服用方法が異なります。
この記事では、日本で処方されている超低用量ピルの種類を一覧でご紹介し、それぞれの特徴や効果、副作用、価格、そして病院やオンラインでの処方方法について詳しく解説します。ご自身に合ったピル選びの参考に、ぜひ最後までお読みください。
超低用量ピルとは?低用量ピルとの違い
超低用量ピルは、主に月経困難症や子宮内膜症などの治療に用いられるホルモン剤です。低用量ピルと同様にエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを含んでいますが、最大の特徴はエストロゲンの含有量が低用量ピルよりもさらに少ない点にあります。
一般的に、経口避妊薬は含まれるエストロゲンの量によって以下の3種類に分類されます。
- 高用量ピル: エストロゲン量が多い(現在はほとんど使用されない)
- 中用量ピル: エストロゲン量が中程度(月経移動、緊急避妊などに使用)
- 低用量ピル: エストロゲン量が50μg未満(避妊、月経困難症治療などに使用)
- 超低用量ピル: エストロゲン量が30μg未満(主に月経困難症・子宮内膜症治療に使用)
エストロゲンの含有量が少ない超低用量ピルは、吐き気や頭痛といった副作用を軽減することが期待できます。特に血栓症のリスクはエストロゲン量と関連が深いため、超低用量ピルは低用量ピルと比較してそのリスクが低いとされています(ただし、ゼロではありません)。
低用量ピルが主に避妊を目的とするのに対し、超低用量ピルは治療目的で処方されるのが一般的です。どちらもホルモンバランスを調整することで効果を発揮しますが、その主たる目的とホルモン含有量に違いがあります。
超低用量ピルの主な効果(月経困難症・子宮内膜症など)
超低用量ピルは、配合されている女性ホルモンの働きにより、排卵を抑制し、子宮内膜が厚くなるのを抑える効果があります。この作用によって、主に以下のような症状の改善や病気の進行抑制が期待できます。
- 月経困難症の症状緩和: 生理痛(下腹部痛、腰痛)、頭痛、吐き気、疲労感などの生理期間中のつらい症状を和らげます。
子宮内膜の増殖を抑えることで、痛みの原因となるプロスタグランジンという物質の生成を減らすためです。 - 過多月経・過長月経の改善: 生理の出血量が異常に多い過多月経や、生理期間が長く続く過長月経を改善し、貧血予防にもつながります。
- 子宮内膜症の進行抑制と症状緩和: 子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできる病気で、強い生理痛や骨盤痛、不妊の原因となります。
超低用量ピルは病巣の発育を抑え、痛みを和らげる効果があります。 - 月経周期の安定: 不規則だった月経周期を整え、生理日の予測がつきやすくなります。
これらの症状に対して、超低用量ピルは根本的な体質の改善というよりは、ホルモンバランスを調整することで症状をコントロールし、QOL(生活の質)を向上させることを目的として使用されます。
超低用量ピルに避妊効果はある?
超低用量ピルは、もともと月経困難症や子宮内膜症の治療薬として開発・承認されています。しかし、配合されているホルモン剤は、低用量ピルと同様に排卵を抑制し、子宮頸管粘液を変化させて精子の通過を妨げる働きを持っています。
そのため、指示通りに毎日正しく服用すれば、高い避妊効果も期待できます。 多くの超低用量ピルは、低用量ピルと同程度の避妊効果があると考えられています。
ただし、保険適用で超低用量ピルが処方されるのは、あくまで月経困難症や子宮内膜症などの治療目的である場合に限られます。もし主目的が避妊である場合は、保険適用外となり、自費診療となるか、避妊目的で保険適用となる低用量ピル(避妊目的の場合は保険適用外、月経困難症などの治療目的であれば保険適用となる種類もあります)が推奨される場合もあります。医師と相談し、ご自身の目的と健康状態に合ったピルを選択することが重要です。
日本で処方される超低用量ピルの種類一覧(5種類)
現在、日本で月経困難症や子宮内膜症の治療目的で保険適用される主な超低用量ピルは以下の5種類です。それぞれの特徴や含まれるホルモン、価格帯を見ていきましょう。
これらのピルは、含まれるホルモン剤の種類や組み合わせ、含有量、そして服用方法(偽薬の数や服用サイクル)によって、効果や副作用の出方に個人差があります。
製品名 | 有効成分(エストロゲン/プロゲステロン) | 特徴 | 服用サイクル | 保険適用対象 | 標準的な価格(1シート/3割負担目安) | ジェネリック |
---|---|---|---|---|---|---|
ルナベル配合錠ULD | エチニルエストラジオール(超低用量)/ノルエチステロン | 日本で最初に承認された超低用量ピル。月経困難症、子宮内膜症の治療に広く用いられる。 | 21日(実薬)+7日(偽薬) | 月経困難症、子宮内膜症 | 2,000円〜2,500円 | あり(フリウェルULD) |
フリウェル配合錠ULD | エチニルエストラジオール(超低用量)/ノルエチステロン | ルナベルULDのジェネリック医薬品。ルナベルULDと同等の効果・安全性が期待でき、価格が抑えられる。 | 21日(実薬)+7日(偽薬) | 月経困難症、子宮内膜症 | 1,500円〜2,000円 | ― |
ヤーズ配合錠 | エチニルエストラジオール(超低用量)/ドロスピレノン | 超低用量のエストロゲンと、抗ミネラルコルチコイド作用を持つプロゲステロン(ドロスピレノン)を配合。 | 24日(実薬)+4日(偽薬) | 月経困難症、PMS、ニキビなど | 2,500円〜3,000円 | あり(ドロエチ) |
ドロエチ配合錠 | エチニルエストラジオール(超低用量)/ドロスピレノン | ヤーズ配合錠のジェネリック医薬品。ヤーズと同等の効果・安全性が期待でき、価格が抑えられる。 | 24日(実薬)+4日(偽薬) | 月経困難症、PMS、ニキビなど | 1,800円〜2,300円 | ― |
ヤーズフレックス配合錠 | エチニルエストラジオール(超低用量)/ドロスピレノン | 最大120日連続で実薬を服用可能。出血日数をコントロールし、月経回数を減らしたい場合に用いられる。 | 最大120日(実薬)+4日(偽薬) | 月経困難症、PMS | 3,000円〜4,000円(服用日数による) | ― |
※価格はあくまで目安であり、医療機関や調剤薬局によって異なります。また、自己負担割合(3割負担など)によっても実際の金額は変動します。
ルナベル配合錠ULDの特徴と価格
ルナベル配合錠ULDは、ノルエチステロンと超低用量のエチニルエストラジオールを含む混合ホルモン剤です。日本で初めて月経困難症治療薬として承認された低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合薬であり、その中でも特にエストロゲン量を抑えたULD(Ultra Low Dose)製剤です。
- 有効成分: エチニルエストラジオール 0.5mg + ノルエチステロン 1.0mg
- 特徴:
月経困難症や子宮内膜症の症状緩和に広く用いられます。
21日間の実薬(白色)と7日間の偽薬(青色)を服用する28日サイクルです。偽薬期間に出血(消退出血)が起こります。
長年の使用実績があり、多くの患者さんに処方されています。 - 価格: 保険適用の場合、1シート(28錠)あたり自己負担3割で2,000円〜2,500円程度が目安です。
ルナベルには、エストロゲン量がやや多い低用量製剤(ルナベル配合錠LD)もあります。ULDはLDと比較して副作用が少ない傾向があります。
フリウェル配合錠ULDの特徴と価格
フリウェル配合錠ULDは、ルナベル配合錠ULDのジェネリック医薬品(後発医薬品)です。ルナベルULDと全く同じ有効成分が、同じ量だけ含まれており、効果や安全性も同等とされています。
- 有効成分: エチニルエストラジオール 0.5mg + ノルエチステロン 1.0mg(ルナベルULDと同等)
- 特徴:
ルナベルULDと同様に、月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられます。
21日間の実薬と7日間の偽薬を服用する28日サイクルです。
先発医薬品であるルナベルULDよりも価格が安いのが最大のメリットです。継続して服用する場合の経済的な負担を軽減できます。 - 価格: 保険適用の場合、1シート(28錠)あたり自己負担3割で1,500円〜2,000円程度が目安です。
医師に処方してもらう際に、ジェネリック医薬品であるフリウェルULDを希望することができます。
ヤーズ配合錠の特徴と価格
ヤーズ配合錠は、超低用量のエチニルエストラジオールと、ドロスピレノンという新しいタイプのプロゲステロンを含む混合ホルモン剤です。ドロスピレノンは、体内の水分やナトリウムの貯留を抑える作用(抗ミネラルコルチコイド作用)や、男性ホルモンの作用を抑える作用(抗アンドロゲン作用)を持つことが特徴です。
- 有効成分: エチニルエストラジオール 0.02mg + ドロスピレノン 3mg
- 特徴:
月経困難症の治療に加え、月経前症候群(PMS)やにきびの改善効果も期待できる点が特徴です。これは、ドロスピレノンが持つ上記の作用によるものと考えられています。
24日間の実薬(ピンク色)と4日間の偽薬(白色)を服用する28日サイクルです。偽薬期間が4日と短いため、偽薬期間中の出血量が少なくなる傾向があります。
新しいタイプのピルとして、生理前の不調に悩む方にも処方されることがあります。 - 価格: 保険適用の場合、1シート(28錠)あたり自己負担3割で2,500円〜3,000円程度が目安です。
ドロスピレノンを含むピルは、他の種類のピルと比較して血栓症のリスクがわずかに高まる可能性が指摘されているため、医師との十分な相談が必要です。
ドロエチ配合錠の特徴と価格
ドロエチ配合錠は、ヤーズ配合錠のジェネリック医薬品です。ヤーズ配合錠と全く同じ有効成分(エチニルエストラジオールとドロスピレノン)が、同じ量だけ含まれています。
- 有効成分: エチニルエストラジオール 0.02mg + ドロスピレノン 3mg(ヤーズと同等)
- 特徴:
ヤーズと同様に、月経困難症、PMS、にきびなどの改善が期待できます。
24日間の実薬と4日間の偽薬を服用する28日サイクルです。
ヤーズと比較して価格が安いため、ヤーズと同じ効果をより経済的に得たい場合に選択肢となります。 - 価格: 保険適用の場合、1シート(28錠)あたり自己負担3割で1,800円〜2,300円程度が目安です。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同等の品質、有効性、安全性が公的に認められています。
ヤーズフレックス配合錠の特徴とヤーズとの違い
ヤーズフレックス配合錠は、ヤーズ配合錠と同じ有効成分(エチニルエストラジオールとドロスピレノン)を含みますが、服用方法が大きく異なります。最大の特徴は、最長120日間連続で実薬を服用できる点です。
- 有効成分: エチニルエストラジオール 0.02mg + ドロスピレノン 3mg(ヤーズと同等)
- 特徴:
主に月経困難症の治療に用いられます。
出血回数を大幅に減らすことができます。生理痛やPMSの症状が重く、毎月の生理が負担になっている場合に有効です。
連続服用中に3日間連続で出血がみられた場合、その時点で最長4日間の休薬期間を設けます。出血が止まれば再び連続服用を開始できます。
偽薬は4日間のみで、最長120日の実薬服用後に設定します。
生理の回数を減らすことで、生理に伴う不快な症状から解放される期間を長くすることが可能です。 - ヤーズとの違い: 有効成分は同じですが、服用方法(連続服用が可能)が最大の違いです。ヤーズが毎月決まった周期で出血を起こさせるのに対し、ヤーズフレックスは出血をコントロールして回数を減らすことを目的としています。
- 価格: 保険適用の場合、価格は服用日数によって変動します。1シート(28錠)あたりの価格はヤーズと同程度ですが、連続服用するため、1ヶ月あたりの費用はヤーズより高くなる可能性があります。例えば、3シート連続服用した場合、約3ヶ月分の費用が一度にかかります。1シートあたり自己負担3割で3,000円〜4,000円程度が目安です。(服用日数による)
ヤーズフレックスは、連続服用によって不正出血が起こりやすい傾向があります。しかし、不正出血は体の慣れとともに減っていくことが期待されます。
超低用量ピルの副作用とデメリット
超低用量ピルは、低用量ピルと比較して副作用が少ないとされていますが、全くないわけではありません。ホルモンバランスの変化により、様々な症状が現れる可能性があります。
服用初期に見られる主な副作用
超低用量ピルを飲み始めた最初の1~2ヶ月は、体がホルモンバランスの変化に慣れるまで、一時的に以下のような副作用が見られることがあります。これらの症状は、多くの場合、服用を続けるうちに自然に軽減または消失していきます。
- 不正出血(月経期間以外の出血): 最もよく見られる副作用です。特に飲み始めやヤーズフレックスのような連続服用タイプのピルで起こりやすいですが、通常は少量で、体が慣れると減少します。
- 吐き気: 軽い吐き気を感じることがあります。
空腹時を避けて食後や就寝前に服用することで軽減される場合があります。 - 頭痛: ホルモンバランスの変化が原因で頭痛が起こることがあります。
市販の鎮痛剤で対処できる場合もありますが、症状が続く場合は医師に相談してください。 - 乳房の張りや痛み: 胸が張ったり、痛みを感じたりすることがあります。
- 下腹部の張り: お腹が張った感じがすることがあります。
- むくみ: 体に水分が溜まりやすくなることがあります。
ドロスピレノンを含むピル(ヤーズ、ドロエチ、ヤーズフレックス)は、このむくみを軽減する作用が期待されます。 - 気分の変動: 気持ちが落ち込んだり、イライラしやすくなったりすることがあります。
これらの初期副作用は、通常、服用を継続することで改善されます。もし症状がつらい場合や、数ヶ月経っても改善しない場合は、他の種類のピルに変更するなど、医師に相談してみましょう。
重大な副作用のリスク
頻度は非常に低いですが、超低用量ピルを服用する上で注意すべき重大な副作用として、血栓症があります。血栓症は、血管の中に血の塊(血栓)ができ、血管が詰まってしまう病気です。足の血管にできる深部静脈血栓症や、肺の血管に詰まる肺血栓塞栓症などが知られています。喫煙者、肥満、高齢、長時間のフライトなど、血栓症のリスクが高い方は特に注意が必要です。
血栓症の初期症状には以下のようなものがあります。 これらの症状に気づいたら、すぐにピルの服用を中止し、医療機関を受診してください。
- 足の痛み、腫れ、しびれ、赤み
- 突然の息切れ、呼吸困難
- 胸の痛み
- 手足のまひ、力が入らない
- 視力障害(見えにくい、目がかすむなど)
- 激しい頭痛
- しゃべりにくい
超低用量ピルは、低用量ピルに比べてエストロゲン量が少ないため、血栓症のリスクは低用量ピルよりもさらに低いとされています。しかし、リスクがゼロではないため、定期的な検診を受けたり、上記のような症状がないか日頃から注意したりすることが重要です。
その他のまれな副作用としては、肝機能障害やアナフィラキシーなどのアレルギー反応があります。
超低用量ピル服用中に生理がこない場合
超低用量ピルを正しく服用している場合、通常、偽薬期間中に出血(消退出血)が起こります。これは「生理」ではなく、ホルモン剤の服用を一時的に中断したことによる出血です。
しかし、偽薬期間になっても出血がこないことがあります。正しく服用していれば、ほとんどの場合は妊娠ではありません。ピルによって子宮内膜の増殖が十分に抑えられ、剥がれる内膜が少なくなり、出血量が減ったり、全く出血しなかったりすることがあります。特にヤーズやドロエチ(偽薬が4日間)や、ヤーズフレックスのような連続服用タイプのピルで起こりやすい傾向があります。
ただし、服用を忘れた場合や、他の薬との飲み合わせによっては避妊効果が低下し、妊娠の可能性もゼロではありません。もし出血がこない状態が続く場合や、妊娠の心配がある場合は、必ず医師に相談し、必要に応じて妊娠検査を受けるようにしましょう。自己判断で服用を中止したり、次のシートを飲み始めたりしないように注意が必要です。
超低用量ピルの価格と保険適用について
超低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜症といった病気の治療薬として厚生労働省に承認されているため、これらの病気と診断された場合、保険が適用されます。
保険適用となる場合、医療費の自己負担割合は通常3割となります。上記の「日本で処方される超低用量ピルの種類一覧」の表に記載した価格は、この3割負担を想定した目安金額です。
例えば、ルナベルULDやフリウェルULDであれば1シートあたり約1,500円〜2,500円程度、ヤーズやドロエチであれば約1,800円〜3,000円程度、ヤーズフレックスは服用日数によりますが約3,000円〜4,000円程度が目安となります。(診察料や調剤薬局の手数料は別途かかります)
製品名 | 標準的な価格(1シート/3割負担目安) |
---|---|
ルナベル配合錠ULD | 2,000円〜2,500円 |
フリウェル配合錠ULD | 1,500円〜2,000円 |
ヤーズ配合錠 | 2,500円〜3,000円 |
ドロエチ配合錠 | 1,800円〜2,300円 |
ヤーズフレックス配合錠 | 3,000円〜4,000円(服用日数による) |
※上記は目安であり、薬価改定や受診する医療機関によって変動します。
もし、美容目的(ニキビ改善など)や純粋な避妊目的で超低用量ピルを希望する場合、医療機関によっては保険適用外となり、自費診療となる場合があります。自費診療の場合、価格は医療機関が自由に設定できるため、保険適用時よりも高額になります。
超低用量ピルは、長期にわたって服用を続けることが多い薬です。保険が適用されるかどうかは、診断名によって決まりますので、医師との相談が必要です。経済的な負担を軽減するためには、ジェネリック医薬品を選択することも有効な方法です。
超低用量ピルを処方してもらう方法
超低用量ピルは、市販薬としてドラッグストアなどで購入することはできません。必ず医師の診察を受けて、処方してもらう必要があります。処方を受ける方法は、主に以下の2つがあります。
産婦人科での対面診療と処方
最も一般的な方法は、お近くの産婦人科クリニックや総合病院の婦人科を受診する対面診療です。
- 予約: 医療機関に電話またはインターネットで予約します。生理痛や子宮内膜症の症状で受診したい旨を伝えます。
- 問診票の記入: 受付で問診票を受け取り、氏名、年齢、既往歴(今までにかかった病気)、服用中の薬、アレルギー、喫煙習慣、現在の症状(生理痛の程度、出血量など)などを記入します。
- 医師の診察: 医師による問診を受けます。記入した問診票をもとに、現在の症状、生理周期、ピルの服用経験などを詳しく聞かれます。内診や超音波検査が行われることもあります。
- ピルの種類選択と説明: 医師が診察結果をもとに、最適な超低用量ピルの種類を提案してくれます。それぞれのピルの特徴、効果、副作用、服用方法などについて詳しく説明を受けます。疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。
- 処方箋の発行: ピルを処方してもらうことが決まったら、処方箋が発行されます。
- 薬局での受け取り: 病院の近くにある薬局(院外薬局)に処方箋を持っていき、ピルを受け取ります。薬剤師から服用方法や注意点について再度説明を受けます。
対面診療のメリット:
- 医師に直接会って相談できるため、より細やかな診察や検査を受けやすい。
- 内診などが必要な場合に対応できる。
- 医師やスタッフとの信頼関係を築きやすい。
対面診療のデメリット:
- 診療時間や休診日に合わせて通院する必要がある。
- 待ち時間が発生することがある。
- 受診していることを他の人に知られる可能性がある(プライバシーの懸念)。
オンライン診療での診察と処方
近年、オンライン診療に対応している医療機関が増えています。超低用量ピルもオンライン診療で処方してもらうことが可能です。
- クリニックの選択と予約: オンライン診療に対応しているクリニックを探し、ウェブサイトやアプリから予約します。ピル処方を希望することを伝えます。
- 事前問診票の入力: オンライン上で、氏名、年齢、既往歴、服用中の薬、アレルギー、現在の症状などの問診票に入力します。
- オンライン診察: 予約した時間に、パソコンやスマートフォンのビデオ通話機能を使って医師の診察を受けます。問診票の内容をもとに、医師から症状や健康状態について確認されます。
- ピルの種類選択と説明: 医師がオンラインで診察した上で、適したピルを提案し、効果、副作用、服用方法などの説明を行います。
- 決済: オンラインで診察料や薬代を支払います。クレジットカード決済が一般的です。
- 自宅への配送/受け取り: 決済後、ピルが自宅などに郵送されます。多くの場合、プライバシーに配慮した形で梱包されています。
オンライン診療のメリット:
- 場所を選ばずに診察を受けられる(自宅、職場など)。
- 移動時間や待ち時間がなく、忙しい方でも利用しやすい。
- 対面での受診に抵抗がある方でも利用しやすい。
- プライバシーが守られやすい。
オンライン診療のデメリット:
- 内診などの対面での検査ができない。
- 通信環境によっては診察がスムーズに進まないことがある。
- 薬の受け取りまで数日かかる場合がある。
どちらの処方方法を選択する場合でも、ご自身の体調やライフスタイルに合わせて、信頼できる医療機関を選ぶことが大切です。初めて超低用量ピルを服用する場合は、医師や薬剤師から十分な説明を受け、納得した上で始めるようにしましょう。
まとめ:超低用量ピルは月経困難症・子宮内膜症に悩む女性の強い味方
超低用量ピルは、従来の低用量ピルよりもエストロゲンの含有量を減らすことで、副作用のリスクを低減しつつ、月経困難症や子宮内膜症のつらい症状を和らげる目的で使用されるお薬です。ルナベルULD、フリウェルULD、ヤーズ、ドロエチ、ヤーズフレックスといった種類があり、それぞれに配合されているホルモンの種類や服用方法が異なります。
これらのピルは、月経痛や過多月経を改善し、子宮内膜症の進行を抑える効果が期待できます。また、正しく服用すれば高い避妊効果も得られます。ただし、あくまで治療目的で保険適用となるのが原則です。
服用初期には不正出血や吐き気、頭痛などの副作用が見られることがありますが、多くは一時的なものです。まれではありますが、血栓症のような重篤な副作用のリスクもあるため、定期的な検診を受け、異常を感じたらすぐに医療機関を受診することが重要です。
超低用量ピルを処方してもらうには、産婦人科での対面診療か、オンライン診療を利用する方法があります。どちらの方法もメリット・デメリットがありますので、ご自身の状況に合った方法を選びましょう。
月経困難症や子宮内膜症は、女性のQOLを大きく低下させる病気です。超低用量ピルは、これらの症状に悩む方にとって、生活の質を向上させるための有効な治療選択肢の一つとなります。ご自身の症状に心当たりがある場合は、一人で悩まずに婦人科を受診し、医師に相談してみることをおすすめします。適切な診断と治療によって、生理との付き合い方がより楽になる可能性があります。
免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の症状や病気の診断、治療法を推奨するものではありません。超低用量ピルの服用にあたっては、必ず医師の診察を受け、その指示に従ってください。個々の症状や体質、既往歴などによって適した治療法は異なります。この記事の情報に基づいてご自身の判断で治療を行うことはお控えください。