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【症状別】自律神経失調症は何科?最適な受診先を徹底解説

自律神経失調症の症状に悩んでいるけれど、「一体、何科を受診すれば良いんだろう?」と迷っていませんか?

自律神経失調症は、全身の様々な症状が現れるため、どの診療科にかかるべきか判断が難しい病気の一つです。内科的な症状から精神的な症状まで多岐にわたるため、「まずはどこに行けば良いの?」と不安に感じている方も少なくないでしょう。

この記事では、自律神経失調症が疑われる場合に何科を受診すべきか、症状や原因、診断方法、そして主な治療法について、専門的な知見に基づいて詳しく解説します。病院選びのポイントやよくある疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。

自律神経失調症かも?何科に行けば良いか

自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることで心身に様々な不調が現れる状態を指します。症状が全身に及ぶため、「これといった原因が分からない」「どの科を受診すれば良いか分からない」と感じる方が多いのです。

受診する科を選ぶ際には、最もつらい症状や、どのような症状が中心的に現れているかを基準に考えると良いでしょう。

症状から考える受診科目の選び方
自律神経失調症の症状は非常に多様です。身体症状が中心であれば内科系の診療科を、精神症状が中心であれば精神科や心療内科を検討するのが一般的です。

例えば、

  • 動悸や息切れ、胸の痛みが強い場合は、まず循環器内科を受診して心臓に器質的な異常がないかを確認する。
  • 胃の痛み、吐き気、下痢や便秘などの消化器症状が続く場合は、消化器内科を受診して胃腸の病気を鑑別する。
  • めまいや立ちくらみ、ふらつきがひどい場合は、脳神経内科耳鼻咽喉科を受診して、脳や耳の病気を除外する。
  • 原因不明の発熱、倦怠感、体重減少などがある場合は、まず総合内科などで全身をチェックしてもらう。

このように、まずは最も気になる症状が出ている体の部位に関連する専門科を受診し、その症状が他の具体的な病気によるものではないかを確認することが重要です。

まずは内科でも良い?他の病気の可能性を鑑別
「自律神経失調症かもしれない」と感じたら、まずはかかりつけ医のいる内科を受診するのも良い選択肢です。内科医は全身の状態を広く診ることができるため、自律神経失調症と似た症状を引き起こす他の様々な病気(例えば、甲状腺疾患、貧血、隠れた感染症、更年期障害など)の可能性を鑑別してくれます。

自律神経失調症は、これらの他の病気が否定された上で診断されることが多い状態です。内科で必要な検査(血液検査、心電図など)を行い、もし他の病気ではないと判断された場合、内科医から心療内科や精神科への紹介を受けることもあります。

心療内科・精神科を選ぶ目安
心療内科や精神科は、自律神経失調症の専門的な治療を行う医療機関です。

  • 心療内科:主に、ストレスなど心の問題が原因となって身体に症状が現れる「心身症」を専門とします。自律神経失調症も心身症の一つとされることが多いため、身体症状と精神症状の両方がある場合に適しています。内科的な知識も持ち合わせている医師が多いのが特徴です。
  • 精神科:心の病気を専門とします。不安感、気分の落ち込み、不眠、イライラといった精神症状が強く現れている場合に適しています。

どちらを受診するか迷う場合は、身体症状と精神症状のどちらがよりつらいか、あるいは両方の症状に悩んでいるかなどを考慮して選ぶと良いでしょう。多くの心療内科・精神科では、自律神経失調症の診療を行っています。

婦人科や脳神経内科の場合
女性の場合、更年期にはホルモンバランスの変化により自律神経が乱れやすく、自律神経失調症と似た症状が現れることがあります。この場合は、婦人科で相談することで、ホルモン補充療法など適切なアプローチが見つかる可能性があります。

また、めまいやふらつき、手足のしびれ、感覚異常といった神経系の症状が目立つ場合は、脳神経内科を受診することも検討できます。脳や神経系の疾患ではないことを確認することが重要です。

どの科を受診するかは、症状の種類、程度、持続期間によって異なります。判断に迷う場合は、まずはかかりつけ医や地域の相談窓口に相談してみるのも良いでしょう。

自律神経失調症の主な症状と原因

自律神経失調症の症状は本当に多岐にわたり、人によって現れ方が大きく異なります。ある日突然症状が出ることもあれば、ゆっくりと進行することもあります。

多様な身体症状
自律神経は全身の臓器や機能をコントロールしているため、そのバランスが崩れると体のあらゆる場所に不調が現れます。代表的な身体症状には以下のようなものがあります。

  • 全身の症状: 倦怠感、疲労感、微熱、めまい、立ちくらみ、ふらつき、ほてり、冷え、発汗異常、体重の変動
  • 頭部の症状: 頭痛、頭重感、首や肩のこり
  • 循環器系の症状: 動悸、息切れ、胸の痛みや圧迫感、血圧の変動(高血圧または低血圧)
  • 消化器系の症状: 吐き気、食欲不振、胃の痛みや不快感、下痢、便秘、膨満感
  • 呼吸器系の症状: 息苦しさ、喉の異物感(ヒステリー球)
  • 泌尿器・生殖器系の症状: 頻尿、残尿感、ED(勃起不全)、生理不順、月経前症候群(PMS)の悪化
  • 感覚器系の症状: 目のかすみや疲れ、ドライアイ、耳鳴り、聴覚過敏、味覚・嗅覚の異常
  • その他: 睡眠障害(不眠、過眠、寝つきが悪い、途中で目が覚める)、口の渇き、しびれ、ふるえ

これらの症状は、午前中に軽くても午後からひどくなる、特定の状況で悪化するなど、日内変動や状況による変化が見られることもあります。また、複数の症状が同時に現れたり、次々に異なる症状が出たりすることも珍しくありません。

精神的な症状
自律神経の乱れは、心の状態にも影響を及ぼします。身体症状とともに、あるいは身体症状よりも精神症状が強く現れる場合もあります。

代表的な精神症状は以下の通りです。

  • 気分の変調: 不安感、イライラ、焦燥感、憂鬱な気分、落ち込み、情緒不安定
  • 意欲・集中力の低下: 何事にも興味が持てない、やる気が出ない、集中できない、物忘れ
  • 睡眠の問題: 不眠(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、早朝に目が覚める)、寝ても疲れが取れない、過眠
  • その他: 強い緊張感、恐怖感、人前での動悸や発汗(社交不安)、閉鎖空間や特定の場所での不安(パニック発作のような症状)

身体症状が中心のタイプ、精神症状が中心のタイプ、あるいは両方の症状が混在するタイプなど、自律神経失調症の現れ方は非常に多様です。

考えられる主な原因
自律神経失調症を引き起こす原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

ストレスとの関係
最も一般的な原因として挙げられるのがストレスです。ストレスには精神的なものと身体的なものがあります。

  • 精神的ストレス: 人間関係の悩み、仕事や学業のプレッシャー、将来への不安、環境の変化(引っ越し、転職、入学、結婚など)、喪失体験などが含まれます。強いストレスが続くと、脳の視床下部が過剰に刺激され、自律神経のバランスを司る部分に影響を与えます。
  • 身体的ストレス: 過労、睡眠不足、不規則な生活、夜勤、時差、騒音や温度の極端な変化、病気や怪我、女性の場合は月経周期や更年期によるホルモンバランスの変化などが含まれます。体が物理的に疲弊したり、体内時計が乱れたりすることで、自律神経に負担がかかります。

特に、長期間にわたる慢性的なストレスや、複数のストレス要因が同時に重なることで、自律神経の調整機能がうまく働かなくなり、心身の不調として現れやすくなります。

体質や生活習慣
ストレスだけでなく、個人の体質生活習慣も自律神経の乱れに大きく影響します。

  • 体質: 元々、繊細で感受性が強い人、完璧主義な人、几帳面な人、責任感が強い人などは、ストレスを感じやすく、自律神経のバランスを崩しやすい傾向があると言われています。また、低血圧や虚弱体質の人も自律神経の調整がうまくいきにくい場合があります。
  • 生活習慣: 不規則な食事時間、偏った食事、運動不足、睡眠不足、夜更かし、スマートフォンやパソコンの長時間使用によるブルーライトの影響なども、体内時計を乱し、自律神経に悪影響を与えます。特に、生活リズムが大きく崩れると、自律神経の中でも活動時に優位になる交感神経と休息時に優位になる副交感神経の切り替えがうまくいかなくなります。

これらの原因が単独で、あるいは組み合わさることで、自律神経失調症は発症すると考えられています。原因を特定し、それに対してアプローチすることが治療において重要となります。

自律神経失調症の診断方法

自律神経失調症の診断は、特定の検査だけで確定できるものではなく、患者さんの訴え(問診)と医師による診察(身体所見)、そして他の疾患を鑑別するための検査を総合して行われます。

特定の検査による診断は難しい
残念ながら、「自律神経失調症である」と確実に診断できる単一の画像検査や血液検査などは現在のところ存在しません。自律神経の機能そのものを直接的に測定する検査はありますが、その結果だけで自律神経失調症と診断することは一般的ではありません。

問診と身体所見
診断において最も重要となるのが、医師による丁寧な問診と身体所見です。

問診では、以下のようなことが聞かれます。

  • どのような症状が、いつから、どのくらいの頻度で現れているか
  • 症状の程度や、悪化・軽減する要因(時間帯、状況、特定の活動など)
  • 過去の病歴や治療歴
  • 現在服用している薬(市販薬、サプリメントなども含む)
  • アレルギーの有無
  • 仕事や家庭など、日常生活でのストレスの状況
  • 睡眠時間や食事、運動習慣などの生活習慣
  • 家族の病歴

医師はこれらの情報から、症状が自律神経の乱れによるものかどうかを推測するとともに、他の病気の可能性を探ります。身体所見では、血圧や脈拍、呼吸の状態、皮膚の色つや、反射などを確認し、全身の状態を把握します。

他の病気ではないかを確認する検査
自律神経失調症と診断するためには、まず症状を引き起こしている可能性のある他の病気を否定することが非常に重要です。そのため、問診や身体所見で疑われる疾患に基づいて、様々な検査が行われます。

血液検査
一般的な血液検査では、炎症の有無、貧血、血糖値、脂質異常などを調べることができます。また、甲状腺ホルモンの異常は自律神経失調症とよく似た症状(動悸、発汗、体重減少や増加、疲労感など)を引き起こすため、甲状腺機能検査も行われることがあります。その他、自己免疫疾患や特定の感染症など、全身疾患のスクリーニングも行われる場合があります。

心電図検査
動悸や息切れ、胸の痛みなどの症状がある場合は、心電図検査を行います。不整脈や狭心症など、心臓に由来する疾患がないかを確認します。必要に応じて、24時間ホルター心電図検査(小型の心電図を装着して日常生活中の心電図を記録する検査)が行われることもあります。

胃カメラ・大腸カメラ
吐き気や胃痛、下痢や便秘などの消化器症状が顕著な場合は、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)や大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)が行われることがあります。これにより、胃炎、胃潰瘍、腸炎、過敏性腸症候群など、消化器自体の病気がないかを確認します。

これらの検査は、あくまで他の病気を除外し、消去法的に自律神経失調症という状態にたどり着くために必要なステップです。検査結果に異常が見られない場合でも、問診や症状の経過から総合的に判断し、自律神経のバランスの乱れが原因である可能性が高いと診断されることがあります。

診断テストの活用について
インターネットや書籍などで「自律神経失調症チェックリスト」や「診断テスト」のようなものを見かけることがあります。これらは、自分の症状が自律神経失調症の傾向にあるかどうかを知るための自己チェックとしては役立つ可能性があります。

しかし、これらのテストはあくまで簡易的なものであり、医学的な診断に代わるものではありません。テストの結果だけで「自分は自律神経失調症だ」と決めつけたり、あるいは「違うから大丈夫」と安心したりせず、必ず専門の医療機関を受診し、医師による正式な診断を受けるようにしましょう。

医師による診断があって初めて、適切な治療法やアドバイスを受けることができます。自己判断で済ませず、専門家の意見を仰ぐことが回復への第一歩となります。

自律神経失調症の主な治療法

自律神経失調症の治療は、単に症状を抑えるだけでなく、自律神経のバランスが乱れている根本的な原因にアプローチし、心身の状態を整えていくことを目指します。治療法は、患者さんの症状、原因、体質などによって tailor-made に行われます。

薬物療法
症状が強い場合や、日常生活に支障が出ている場合は、薬物療法が用いられることがあります。症状に合わせて様々な種類の薬が使われます。

抗不安薬や抗うつ薬
不安感や気分の落ち込みが強い場合、あるいは全身の身体症状が強い場合に、抗不安薬抗うつ薬が処方されることがあります。これらの薬は脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、精神症状だけでなく、自律神経のバランスを間接的に調整し、身体症状の緩和にも繋がる場合があります。

  • 抗不安薬: 即効性があるものもあり、強い不安や緊張を和らげるために使われます。ただし、依存性が生じる可能性もあるため、漫然と長期にわたって使用するのではなく、必要に応じて頓服として使用したり、量を調整したりしながら医師の指示に従うことが重要です。
  • 抗うつ薬: 効果が現れるまでに時間がかかりますが、継続して服用することで、気分の落ち込みや意欲の低下を改善し、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。最近の抗うつ薬は副作用が少なく、比較的安全に使用できるようになっていますが、効果や副作用には個人差があります。

漢方薬
自律神経失調症には、様々な漢方薬が用いられます。漢方医学では、個々の体質(証)や症状に合わせて薬を選ぶため、同じ自律神経失調症でも人によって処方される漢方薬は異なります。

例えば、

  • 冷えやだるさが強い場合: 補中益気湯、当帰芍薬散など
  • イライラやのぼせが強い場合: 加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯など
  • 胃腸の不調や不安が強い場合: 半夏厚朴湯、六君子湯など
  • 不眠や動悸が強い場合: 酸棗仁湯、加味帰脾湯など

漢方薬は、体の自然な回復力を高め、全体のバランスを整えることを目指します。西洋薬に比べて副作用が少ないとされていますが、全くないわけではありません。必ず専門の医師や薬剤師に相談し、自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。

睡眠導入剤
不眠がひどく、日常生活に支障が出ている場合は、一時的に睡眠導入剤が処方されることがあります。睡眠導入剤は、寝つきを良くしたり、夜中に目が覚める回数を減らしたりする効果がありますが、根本的な不眠の原因を解決するものではありません。依存性や日中の眠気などの副作用もあるため、できるだけ短期間の使用に留め、睡眠習慣の改善と並行して治療を進めることが推奨されます。

薬物療法はあくまで症状を緩和し、回復をサポートするための手段です。薬だけに頼るのではなく、他の治療法や生活習慣の見直しと組み合わせて行うことが重要です。

精神療法(カウンセリングなど)
自律神経失調症の大きな原因の一つにストレスが挙げられることから、精神療法も有効な治療法となります。

  • カウンセリング: 臨床心理士やカウンセラーとの対話を通じて、自分の抱えているストレスや悩み、感情などを整理し、それらへの対処法を見つけていきます。話を聞いてもらうだけでも心が軽くなることがあります。
  • 認知行動療法(CBT): 自分の考え方や行動のパターンが、症状や感情にどのように影響しているかを理解し、より適応的な考え方や行動を身につけることを目指す治療法です。不安や気分の落ち込み、不眠などに対して効果が期待できます。
  • 自律訓練法: 自分自身でリラックス状態を作り出す訓練法です。心身の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整える効果があると言われています。専門家の指導を受けて習得すると効果的です。

精神療法は、自律神経失調症になりやすい考え方やストレス反応のパターンを改善し、ストレス耐性を高めることに役立ちます。薬物療法と並行して行われることも多くあります。

生活習慣の見直し
自律神経のバランスを整えるためには、日々の生活習慣の見直しが非常に重要です。これは治療の基本となります。

  • 規則正しい生活: 毎日決まった時間に寝て起きるように心がけ、体内時計を整えましょう。休日も寝坊しすぎないように注意が必要です。
  • バランスの取れた食事: 3食しっかり食べ、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特に、ビタミンB群やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルは自律神経の働きに関与すると言われています。カフェインやアルコールの過剰摂取は控えましょう。
  • 適度な運動: 無理のない範囲で体を動かすことは、自律神経のバランスを整え、ストレス解消にも繋がります。ウォーキング、ストレッチ、ヨガなど、自分が楽しめる運動を習慣にしましょう。
  • 十分な休養と睡眠: 疲れを感じたら無理せず休息を取りましょう。質の良い睡眠を確保することが、心身の回復には不可欠です。寝る前にリラックスできる時間を作る、寝室環境を整えるなどの工夫をしましょう。
  • リラクゼーション: 自分に合ったリラックス方法を見つけ、意識的に休息する時間を作りましょう。入浴、音楽鑑賞、アロマテラピー、軽いストレッチ、深呼吸、瞑想など、様々な方法があります。
  • ストレスマネジメント: ストレスの原因を特定し、可能であればそれを取り除くか、それが難しい場合はストレスへの対処法(コーピング)を身につけることが重要です。気分転換の方法をいくつか持っておくと良いでしょう。

生活習慣の見直しは、薬のようにすぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで確実に体は変化していきます。医師や専門家の指導を受けながら、自分に合ったペースで取り組むことが大切です。

自律神経失調症の治療は、これらの薬物療法、精神療法、生活習慣の見直しを組み合わせて行われることが一般的です。焦らず、じっくりと体と向き合いながら治療を進めていきましょう。

自律神経失調症で病院を選ぶ際のポイント

自律神経失調症の治療を受ける上で、自分に合った医療機関を選ぶことは非常に重要です。いくつかのポイントを考慮して、信頼できる医師を見つけましょう。

専門医のいる医療機関
自律神経失調症の診療に慣れている、あるいは専門としている医師がいる医療機関を選ぶのが安心です。心療内科や精神科はもちろんですが、自律神経失調症に理解のある内科医や、症状に合わせて専門科の医師がいる総合病院なども選択肢となります。

  • 心療内科・精神科: 自律神経失調症の専門的な治療経験が豊富です。カウンセリング体制が整っているかなども確認すると良いでしょう。
  • 内科: まず他の病気を鑑別してほしい場合や、かかりつけ医に相談したい場合に適しています。自律神経失調症についても知識があり、必要に応じて専門医への紹介を行ってくれる医師を選ぶとスムーズです。
  • 総合病院: 複数の専門科があるため、様々な身体症状がある場合に、それぞれの専門医の診察を連携して受けられるメリットがあります。ただし、予約が取りにくい場合もあります。

病院のウェブサイトを見たり、事前に電話で問い合わせたりして、どのような医師がいて、どのような治療方針をとっているかなどを確認すると参考になります。

アクセスや通いやすさ
自律神経失調症の治療は、すぐに終わるものではなく、数ヶ月から場合によっては年単位で継続的な通院が必要となることがあります。そのため、自宅や職場からのアクセスが良く、通いやすい場所にある医療機関を選ぶことも重要なポイントです。通院自体がストレスにならないように、無理なく通える場所を選びましょう。

また、診療時間や予約の取りやすさなども考慮に入れると、仕事や日常生活との両立がしやすくなります。最近では、オンライン診療に対応している医療機関も増えてきており、通院の負担を軽減できる選択肢として注目されています。

医師との相性
自律神経失調症の治療においては、医師との信頼関係が非常に大切です。自分の症状や悩みを正直に話せるか、医師がしっかりと話を聞いてくれるか、疑問点に丁寧に答えてくれるかなど、医師との相性も考慮して選びましょう。

初診で「この医師とは合わないな」と感じた場合は、セカンドオピニオンを求めたり、他の医療機関を検討することも悪いことではありません。納得のいく医師と出会い、安心して治療に取り組めることが、回復への大きな支えとなります。

これらのポイントを踏まえて、複数の医療機関を比較検討し、自分に最も合った病院を選ぶようにしましょう。

自律神経失調症に関するよくある質問

自律神経失調症は本当に治る?
自律神経失調症は、適切な治療と生活習慣の改善によって回復や症状の軽減が大いに期待できる状態です。ただし、完全に「治る」と一律に断言することは難しく、症状が完全に消失する人もいれば、うまくコントロールしながら付き合っていく人もいます。

回復までの期間は、症状の重さ、原因、治療への取り組み方、周囲のサポートなど、様々な要因によって個人差があります。焦らず、根気強く治療に取り組むことが大切です。再発することもありますが、早期に気づき対処することで、症状をコントロールしやすくなります。

薬は必ず必要?
自律神経失調症の治療において、薬が必ずしも必要というわけではありません。症状の程度が軽度で、生活習慣の見直しやストレスケアで十分に改善が見込める場合は、薬を使わない治療が選択されることもあります。

一方で、症状が強く、日常生活に大きな支障が出ている場合や、他の病気を鑑別した結果、自律神経の乱れが原因と判断された場合は、症状を緩和し、心身の回復をサポートするために薬物療法が有効な選択肢となります。

薬を使用するかどうか、どのような薬を使うかは、医師が患者さんの症状や状態、体質、生活背景などを総合的に判断して決定します。薬の使用に不安がある場合は、遠慮せずに医師に相談しましょう。薬以外の治療法についても相談に乗ってくれるはずです。

診断テストはどこでできる?
医学的な診断としての「自律神経失調症の診断テスト」は、一般的には病院やクリニックなどの医療機関で行われます。医師による問診や身体診察、必要に応じて他の病気を鑑別するための検査(血液検査、心電図など)を総合して診断が下されます。

インターネット上や書籍などで見かける簡易的な「自律神経失調症チェックリスト」のようなものは、あくまで自己チェックのためのものであり、正式な診断を行うものではありません。

自分の症状が自律神経失調症の可能性があるかどうかを知りたい場合は、まずは医療機関を受診し、医師に相談することが最も確実で安全な方法です。

目次

まとめ:自律神経失調症の受診は症状に合わせて検討を

自律神経失調症は、その症状の多様性から、どこに相談すれば良いか迷いやすい病気です。しかし、適切な医療機関を受診し、自分に合った治療を受けることで、症状は改善し、元の生活を取り戻すことが可能です。

自律神経失調症が疑われる場合の受診科目は、現れている症状によって異なります。

  • 身体症状が中心で、特定の部位の症状が強い場合は、その症状に関連する専門科(循環器内科、消化器内科、脳神経内科など)をまず受診し、他の病気ではないかを確認しましょう。
  • 全身の倦怠感や原因不明の不調など、漠然とした身体症状がある場合は、かかりつけの内科医に相談するのが良いでしょう。
  • 不安感、気分の落ち込み、不眠など、精神的な症状が強く現れている場合は、心療内科または精神科の受診を検討しましょう。
  • 女性で更年期に関連する症状が疑われる場合は、婦人科への相談も有効です。

迷った場合は、まずはかかりつけ医や地域の相談窓口に相談するか、心療内科・精神科に直接相談してみるのも良いでしょう。

自律神経失調症の診断は、問診や身体所見、他の病気を鑑別するための検査を総合して行われます。特定の検査だけで確定できるものではありません。診断テストは自己チェックのツールとして活用できますが、医学的な診断に代わるものではありません。

治療は、薬物療法、精神療法、そして何よりも生活習慣の見直しが重要となります。焦らず、医師や専門家とともに、自分に合ったペースで治療に取り組むことが大切です。

一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみましょう。あなたの症状が改善し、心身ともに健やかな毎日を送れるようになることを願っています。


免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。記事中の情報は、執筆時点での一般的な医学的知識に基づいています。個人の症状や状況は多様であり、医学的判断は必ず医師の診察のもとで行われる必要があります。自律神経失調症の診断や治療については、必ず医療機関で専門医にご相談ください。本記事の情報に基づいて行った行為や判断によって生じた一切の不利益、損害等に対して、当方は責任を負いかねます。

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