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クラミジアの症状【見逃し注意】男女別の違いと無症状のサイン

クラミジアは、性感染症(STI)の中で最も感染者数が多い疾患の一つです。「クラミジア 症状」と検索する方は、ご自身やパートナーの体調に変化を感じ、感染の可能性について不安を感じているかもしれません。クラミジア感染症は、男女で症状の現れ方が異なり、また感染部位によっても多様な症状を引き起こします。
さらに、多くの場合は自覚症状がほとんどない「無症状」で進行するため、知らず知らずのうちにパートナーにうつしてしまうリスクもあります。この記事では、クラミジアの主な症状を男女別・部位別に詳しく解説し、感染経路、潜伏期間、検査方法、治療法、そして放置した場合のリスクについて網羅的に説明します。感染の不安がある方や、すでに症状が出ている方は、ぜひこの記事を参考に、適切な行動をとるための知識を深めてください。

目次

クラミジア感染症とは

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)という細菌によって引き起こされる性感染症です。世界中で広く蔓延しており、特に若年層の間で感染が拡大しています。クラミジアの大きな特徴は、感染しても症状が出にくい、あるいは非常に軽微な症状しか現れないことが多いため、感染に気づきにくい点にあります。しかし、無症状であっても体内で病原菌は増殖しており、放置するとさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

クラミジアの原因と特徴

クラミジア感染症の原因となるクラミジア・トラコマティスは、他の多くの細菌とは異なり、細胞内でしか増殖できないという特殊な性質を持っています。このため、一般的な細菌検査では検出が難しく、細胞を採取して遺伝子を検出するPCR検査などが用いられます。

クラミジア感染症は、主に性器やのどの粘膜に感染します。感染した部位で炎症を起こし、さまざまな症状を引き起こしますが、感染者の多く、特に女性では70〜80%が無症状であると言われています。男性でも無症状の場合が少なくありません。この「無症状感染」が、クラミジア感染拡大の大きな要因となっています。

クラミジアの主な感染経路

クラミジアの主な感染経路は、性的な接触です。具体的には、以下の経路で感染が広がります。

性器クラミジアの感染経路

性器クラミジアは、主に性器と性器の接触(膣性交)によって感染します。感染者の性器の粘膜や分泌物に触れることで、パートナーの性器に菌が移動し、感染が成立します。

咽頭クラミジア(のど)の感染経路

咽頭クラミジアは、オーラルセックス(口腔と性器の接触)によって感染します。感染者の性器の分泌物がパートナーののどの粘膜に付着したり、感染者ののどの菌がパートナーの性器に付着したりすることで感染します。近年、オーラルセックスの普及に伴い、咽頭クラミジアの感染が増加傾向にあります。

感染しても心当たりがない場合

「性行為の心当たりがないのにクラミジアに感染していた」というケースも少なくありません。これにはいくつかの理由が考えられます。

  • 無症状感染: 過去に性行為があったものの、相手も自分も無症状だったため、感染に気づかずに時間が経過していた。
  • オーラルセックスやアナルセックス: 性器同士の性行為ではないため、感染リスクを認識していなかった。
  • 感染経路の誤解: 性行為以外の経路(風呂、タオルなど)での感染を心配する人がいますが、医学的には性行為以外の経路での感染は極めて稀であると考えられています。基本的には、過去の性的な接触が原因です。
  • 潜伏期間: 感染から症状が出たり検査で検出可能になるまでの潜伏期間があるため、直近の性行為が原因とは限らず、数週間前の接触が原因である可能性もあります。

クラミジアの潜伏期間

クラミジアの潜伏期間は、感染機会から症状が出始めるまでの期間を指します。一般的には1週間から3週間程度が多いとされていますが、個人差があり、さらに長いこともあります。

ただし、先述の通り、多くの場合は無症状で経過するため、潜伏期間が経過しても症状が現れないことの方が多いです。症状が現れない場合でも、感染からおよそ24時間〜数日で検査によって検出可能になることが多いと言われています。したがって、感染の不安がある場合は、潜伏期間を考慮しつつ、適切なタイミングで検査を受けることが重要です。

クラミジアの男女別症状

クラミジアの症状は、感染部位と性別によって大きく異なります。また、最も重要な特徴は、多くの人が無症状であるという点です。

男性(男)の症状

男性の場合、クラミジアは主に尿道に感染し、尿道炎を引き起こすことがあります。しかし、女性と同様に無症状の場合が非常に多いです。

男性に現れやすい主な症状

男性に症状が現れた場合、以下のような尿道炎の症状が多いです。

  • 排尿時の痛みや不快感: 特に排尿の終わりごろに軽い痛みやしみるような感覚を覚えることがあります。
  • 尿道のかゆみ: 尿道の出口付近にかゆみや違和感を感じることがあります。
  • 透明または白色の分泌物(膿): 尿道から少量、透明または白っぽいサラサラした分泌物が出る場合があります。これは、朝起きた時に下着に付着していることで気づくこともあります。淋病の膿に比べて量は少なく、色も薄い傾向があります。
  • 尿道の不快感: 尿道に漠然とした違和感やむずがゆさを感じることがあります。

これらの症状は、淋病による尿道炎に比べて比較的軽微であることが多いです。そのため、「たいしたことないだろう」と放置してしまう人も少なくありません。

男性クラミジアの無症状について

男性の場合も、半数程度が無症状であると言われています。症状が全くない、あるいは非常に軽微で気づかないまま感染しているケースが多く存在します。無症状でも感染力はあるため、パートナーに感染させてしまうリスクがあります。

女性(女)の症状

女性の場合、クラミジアは主に子宮頸管に感染し、子宮頸管炎を引き起こします。女性は男性以上に無症状の割合が高く、70〜80%が無症状であると言われています。これが、女性のクラミジア感染が放置されやすい大きな理由です。

女性に現れやすい主な症状

女性に症状が現れた場合、以下のような子宮頸管炎の症状が多いですが、これらの症状に気づかないことも多いです。

  • おりものの変化: おりものの量が増えたり、色が普段と変わったりすることがあります。しかし、これも個人差が大きく、気づきにくい変化である場合が多いです。
  • 不正出血: 性行為の後や生理期間以外に出血が見られることがあります。
  • 下腹部痛: 軽い下腹部の痛みや違和感を感じることがあります。

子宮頸管からさらに菌が上行すると、卵管や骨盤内に炎症が広がり、骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こす可能性があります。PIDになると、強い下腹部痛、発熱、吐き気などの症状が現れます。PIDまで進行すると、後述するように不妊などの深刻な合併症のリスクが高まります。

女性クラミジアの無症状について

女性のクラミジア感染症は、圧倒的に無症状が多いという点が最大の特徴です。子宮頸管に感染しても、自覚できるような症状がほとんど現れないまま経過することが一般的です。このため、定期的な検査を受けない限り、感染に気づく機会が非常に少ないのが現状です。パートナーがクラミジアに感染していたことがきっかけで、ご自身も検査を受けて感染が判明するというケースも多く見られます。

クラミジア症状の部位別特徴(性器・のど・直腸)

クラミジアは性器以外にも、オーラルセックスやアナルセックスによって、のどや直腸に感染することがあります。

  • 咽頭クラミジア(のど): のどの痛み、赤み、腫れ、咳、痰、声のかすれなどの症状が現れることがありますが、ほとんどが無症状です。症状があっても風邪と間違えられやすく、気づきにくい感染部位です。のどの炎症が進行すると、扁桃腺が腫れたり、白い膿が付着したりすることもあります。
  • 直腸クラミジア: アナルセックスによって感染します。直腸の痛み、かゆみ、出血、粘液の排出、排便時の不快感などが現れることがありますが、こちらも無症状が多いです。

このように、クラミジアは感染部位によって多様な症状を引き起こす可能性がありますが、どの部位においても無症状で経過するケースが非常に多いことを理解しておくことが重要です。

クラミジア症状の写真について

「クラミジア 症状 写真」と検索する方もいらっしゃるかもしれませんが、クラミジアの症状は、尿道からの分泌物やおりものの変化など、見た目だけで判断することが非常に難しい場合が多いです。特に女性の子宮頸管炎などは、医師が診察しないと分からない状態です。また、皮膚に水ぶくれやイボができるような症状はクラミジアでは起こりません。見た目の情報に頼らず、少しでも感染の不安があれば、医療機関を受診して正確な検査を受けることが最も確実な方法です。

クラミジアの検査方法

クラミジア感染症の診断は、主に病原体であるクラミジア・トラコマティスを検出する検査によって行われます。症状の有無に関わらず、正確な診断のためには検査が不可欠です。

検査を受けるタイミング

クラミジアの検査は、感染機会から1週間〜2週間程度経過してから受けるのが一般的です。これは、クラミジア菌が体内で増殖し、検査で検出できる量になるまでに時間がかかるためです。感染機会があった直後では、正確な結果が得られない可能性があります。不安な場合は、医療機関に相談し、適切な検査タイミングについてアドバイスをもらうと良いでしょう。

検査方法の種類

クラミジアの検査方法にはいくつかの種類があります。主に感染部位から直接検体を採取して、病原体を検出する方法が用いられます。

検査方法の種類 採取する検体 主な感染部位 特徴
核酸増幅法(PCR法など) 尿、子宮頸管ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、直腸ぬぐい液 性器、咽頭、直腸 クラミジアの遺伝子(DNA/RNA)を増幅して検出する方法。感度が高く、最も一般的に用いられる検査法です。尿検査で済むため、比較的負担が少ないです。
抗原検出法 子宮頸管ぬぐい液、尿など 性器(主に女性) クラミジアの持つ特定のタンパク質(抗原)を検出する方法。核酸増幅法より感度はやや低い傾向があります。
細胞診(チール・ネルゼン染色) 子宮頸管ぬぐい液 性器(主に女性) 染色して顕微鏡でクラミジアに感染した細胞を探す方法。手軽ですが感度が低く、現在ではあまり単独で用いられません。
血清抗体検査 血液 全身(過去または現在の感染) クラミジアに対する抗体(IgA抗体、IgG抗体)を血液中で測定する方法。主に過去の感染や現在の感染の目安として行われます。活動性の感染を確認するには核酸増幅法が有効です。

男性の場合は尿検査、女性の場合は子宮頸管のぬぐい液検査(膣の入り口付近を綿棒などで拭う)、咽頭や直腸の感染が疑われる場合はそれぞれの部位のぬぐい液を採取して、主にPCR法で検査が行われます。これらの検査は、医療機関(泌尿器科、婦人科、性病科など)で受けることができます。最近では、自宅で自分で検体を採取して郵送する性病検査キットも普及しており、医療機関に行く時間がない方や、受診に抵抗がある方の選択肢となっています。ただし、検査キットの精度や信頼性については、提供元をよく確認することが重要です。

クラミジアの治療法

クラミジア感染症は、適切な抗菌薬(抗生物質)による治療で完治が可能です。早期に発見し、治療を開始することが重要です。

クラミジアの治療薬(市販薬について)

クラミジアの治療には、医師から処方される抗菌薬が必要です。クラミジア・トラコマティスに有効な抗菌薬としては、マクロライド系(アジスロマイシンなど)、テトラサイクリン系(ドキシサイクリンなど)、ニューキノロン系などが用いられます。

主な治療薬の種類 投与方法 特徴
アジスロマイシン (例: ジスロマック®) 1回の内服 比較的短い期間で治療が完了するため、手軽で効果的な選択肢として広く用いられます。効果が長く持続する特性があります。
ドキシサイクリン (例: ビブラマイシン®) 1日1〜2回、7日間程度継続して内服 確実に菌を排除するために用いられることが多い抗菌薬です。アジスロマイシンが効果不十分な場合や、混合感染が疑われる場合などにも使用されます。
その他 各薬剤の指示に従う(ニューキノロン系など) 患者の状態やアレルギー、地域の薬剤耐性などを考慮して、医師が最適な薬剤を選択します。

【重要】クラミジアの市販薬について

クラミジアに効く市販薬は存在しません。薬局やドラッグストアなどで販売されている風邪薬や一般的な抗生物質は、クラミジア・トラコマティスには効果がありません。また、インターネットなどで個人輸入できるとする「性病治療薬」の中には、偽造品や基準を満たさないものが多く含まれており、効果がないだけでなく、健康被害を引き起こすリスクが非常に高いです。絶対に自己判断で市販薬や個人輸入品を使用せず、必ず医療機関を受診して医師の処方を受けましょう。

治療期間と注意点

クラミジアの治療期間は、処方される抗菌薬の種類によって異なります。アジスロマイシンの場合は1回の内服で治療が完了することが多いですが、ドキシサイクリンなどの場合は通常7日間程度の継続的な内服が必要です。医師の指示通りに、処方された薬は全て飲み切ることが非常に重要です。症状が改善したからといって自己判断で服用を中止すると、菌が完全に死滅せず、再発したり、薬剤耐性菌が出現したりする可能性があります。

治療期間中の重要な注意点として、以下の点が挙げられます。

  • 禁欲: 治療効果を確実にするため、またパートナーへの感染やピンポン感染(治癒したと思ってもパートナーから再び感染すること)を防ぐため、治療開始から一定期間(通常は治療終了まで、または医師の指示する期間)は性行為を控える必要があります。
  • パートナーの同時治療: クラミジアは性行為によって感染するため、パートナーも同時に検査を受け、感染していれば必ず一緒に治療を行う必要があります。片方だけが治療しても、再び性行為をすれば容易に再感染してしまいます(ピンポン感染)。パートナーにも感染の可能性があることを伝え、一緒に医療機関を受診することを勧めてください。
  • 治癒確認検査: 治療が完了した後、菌が完全に排除されたかを確認するために、治癒確認検査を受けることが推奨されます。検査を受けるタイミングは、抗菌薬の種類によって異なりますが、通常は治療薬を飲み終えてから2〜3週間後に行われます。

クラミジアを放置するリスク

クラミジア感染症は、無症状の場合が多いため放置されやすいですが、放置すると男女ともに深刻な合併症を引き起こす可能性があります。早期治療によってこれらのリスクは回避できます。

男性が放置した場合のリスク

男性がクラミジアを放置すると、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。

  • 精巣上体炎(副睾丸炎): 尿道から菌が上行し、精巣上体に炎症を引き起こします。陰嚢の腫れや強い痛み、発熱などの症状が現れます。
  • 不妊: 慢性的な炎症が精巣上体や精管に影響を与え、精子の通り道を塞いだり、精子の質を低下させたりすることで、男性不妊の原因となる可能性があります。
  • 関節炎: 稀ですが、クラミジア感染後に反応性関節炎(ライター症候群とも呼ばれる)を発症し、関節の痛みや腫れ、尿道炎、結膜炎などの症状が現れることがあります。

女性が放置した場合のリスク

女性のクラミジア感染症は、無症状で進行し、放置されることで男性以上に深刻な合併症を引き起こすリスクが高いです。

  • 骨盤内炎症性疾患(PID): 子宮頸管から菌が子宮、卵管、卵巣、骨盤腹膜などに上行し、広範囲に炎症を引き起こします。強い下腹部痛、発熱、吐き気などの急性症状が現れることもありますが、慢性的な軽い痛みとして現れる場合もあります。PIDは卵管の損傷を引き起こす主な原因となります。
  • 異所性妊娠(子宮外妊娠): PIDによって卵管が狭くなったり閉塞したりすると、受精卵が子宮に到達できずに卵管などの子宮外で着床してしまうリスクが高まります。異所性妊娠は命に関わる緊急性の高い状態です。
  • 不妊: 卵管が炎症によって損傷・閉塞されると、卵子や精子が卵管を通れなくなり、不妊の原因となります。クラミジア感染症は、女性不妊の最も多い原因の一つです。
  • 周肝炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群): 稀ですが、骨盤内の炎症が腹腔内を伝って肝臓の周りに炎症を引き起こすことがあります。右季肋部(右あばら骨の下あたり)の痛みが主な症状です。

パートナーへの影響

感染者が治療せずに放置していると、性行為をする度にパートナーにクラミジアを感染させてしまうリスクがあります。知らないうちに大切なパートナーを危険に晒してしまう可能性があります。また、パートナーが妊娠している場合は、後述するような胎児や新生児への影響も懸念されます。

淋病との違い

クラミジア感染症は、同じ細菌性の性感染症である淋病と混同されることがあります。どちらも尿道炎や子宮頸管炎などを引き起こしますが、原因菌、症状、治療薬が異なります。

クラミジア感染症 淋病
原因菌 クラミジア・トラコマティス 淋菌(Neisseria gonorrhoeae)
潜伏期間 1〜3週間程度 2〜7日程度(クラミジアより短い)
主な症状 軽微または無症状が多い。透明〜白色の少量分泌物、排尿時不快感、下腹部痛、おりもの変化など。 症状が強く出やすい。黄色〜黄緑色の多量分泌物、排尿時の強い痛み、発熱、強い下腹部痛など。
男性の主な症状 軽い尿道のかゆみや不快感、透明〜白色の少量分泌物。無症状も多い。 排尿時の強い痛み、黄色〜黄緑色の多量分泌物。症状が顕著に出やすい。
女性の主な症状 おりもの変化、不正出血、下腹部痛など。無症状が非常に多い(70〜80%) 強い下腹部痛、多量の黄色いおりもの、発熱など。無症状の場合もあるが、クラミジアほど多くはない。
放置した場合のリスク 不妊(卵管性不妊)、異所性妊娠、PID、精巣上体炎、不妊など。 不妊(卵管性不妊)、異所性妊娠、PID、精巣上体炎、化膿性関節炎など。
治療法 抗菌薬(マクロライド系、テトラサイクリン系など) 抗菌薬(主にセフトリアキソンなどの注射薬)
検査法 核酸増幅法(PCR法など)、抗体検査など。 核酸増幅法(PCR法など)、培養検査など。

このように、クラミジアは淋病に比べて症状が軽く、無症状の割合が高いという特徴があります。しかし、どちらも放置すると不妊などの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、正確な診断と早期治療が非常に重要です。自己判断せず、必ず医療機関で適切な検査を受けて診断を確定し、治療方針を決定してもらいましょう。

クラミジアに感染したと気づくには?

クラミジアに感染したことに気づくきっかけは、人によって様々です。多くの場合、以下のような状況で感染が判明します。

  1. 症状が出た場合: 男性であれば尿道の不快感や分泌物、女性であればおりものの変化や下腹部痛などの症状が現れたことで、医療機関を受診して検査を受け、感染が判明するケースです。ただし、これらの症状は軽く、他の病気と間違えやすいため、症状だけを頼りにするのは難しい場合があります。
  2. パートナーが感染していた場合: 性行為のパートナーがクラミジアに感染していたことが判明し、「もしかしたら自分も?」と思って検査を受けた結果、感染が見つかるケースは非常に多いです。パートナーから感染したことを知らされた場合は、ご自身も必ず検査を受けるようにしましょう。
  3. 性病検査を受けた場合: 自覚症状は全くないけれど、性感染症のリスクを懸念して定期的に検査を受けている人や、新しいパートナーとの関係が始まる前に検査を受ける人(ブライダルチェックなど)が、検査の結果、無症状で感染していることが判明するケースです。また、健康診断や婦人科検診などで偶然発見されることもあります。
  4. 妊娠に関連する検査: 妊婦健診でクラミジアの検査が routinely (日常的に)行われるため、妊娠中にクラミジア感染が判明するケースがあります。

このように、自覚症状がないことが多いため、パートナーが感染していた場合や、リスクが心配な場合に自主的に検査を受けることが、クラミジア感染に気づくための重要な機会となります。

クラミジアは性行為以外で感染しますか?

クラミジア感染症の主要な感染経路は、性行為(膣性交、オーラルセックス、アナルセックス)です。感染者の性器やのど、直腸の粘膜や分泌物に、性的な接触によって触れることで感染が成立します。

一方で、「タオルや食器を共有した」「温泉や銭湯に入った」「トイレの便座に座った」といった日常生活の中での接触によってクラミジアに感染する可能性は、医学的には極めて低いと考えられています。クラミジア菌は、人間の細胞内でしか長く生存できないため、体外の環境ではすぐに死滅してしまいます。また、感染が成立するためにはある程度の菌量が必要であり、短時間の接触で感染する可能性はほとんどありません。したがって、日常生活での感染を過度に心配する必要はありません。

ただし、例外的に母子感染は起こり得ます。クラミジアに感染している母親が分娩する際に、産道を通る際に赤ちゃんにクラミジアが感染し、新生児肺炎や新生児結膜炎(クラミジア結膜炎)を引き起こすことがあります。妊娠中のクラミジア感染は、流産や早産のリスクも高めるとされているため、妊婦健診でのクラミジア検査は非常に重要です。

クラミジアは危ない病気ですか?

クラミジアは、感染してもすぐに重篤な症状が現れることが少ないため、「大したことのない病気」と軽く考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、放置すると男女ともに不妊の原因となるなど、将来的に深刻な健康問題を引き起こす可能性があるという意味で、決して軽視できない「危ない病気」と言えます。

特に女性の場合、無症状のまま感染が進行し、卵管が損傷されて不妊になって初めて感染に気づく、というケースも少なくありません。男性も、慢性的な炎症が精巣や精管に影響を与え、不妊につながることがあります。また、妊娠中に感染していると、赤ちゃんに感染させてしまったり、流産や早産のリスクが高まったりします。

このように、クラミジアは生命に直接関わるような急性の危険性は低いものの、将来の妊娠や出産に関わる深刻な後遺症を残す可能性があるという点で注意が必要です。早期発見と適切な治療によって、これらのリスクは十分に回避できます。感染が疑われる場合は、恥ずかしがらずに医療機関を受診し、検査と治療を受けることが、ご自身の健康とパートナーの健康を守るために最も大切です。

クラミジアに関するよくある質問

ここでは、クラミジアに関してよくある質問とその回答をまとめました。

Q1:クラミジアは自然に治ることはありますか?

クラミジアは、自然に治癒することはほとんどありません。抗菌薬による適切な治療を受けなければ、菌が体内に残り続け、症状がなくても感染力は維持されます。放置すると、前述のような深刻な合併症(不妊など)を引き起こすリスクが高まります。

Q2:一度クラミジアにかかったら、もう感染しませんか?

いいえ、一度クラミジアにかかって治療しても、免疫ができるわけではないため、再び性行為などで感染する可能性があります(再感染)。特に、パートナーが治療を受けていない場合や、新たな感染機会があった場合は、再感染のリスクが高まります。治療後に再び感染の可能性があった場合は、再度検査を受けることが推奨されます。

Q3:クラミジア治療中に避妊具を使えば性行為をしても大丈夫ですか?

治療期間中は、避妊具を使用した場合でも性行為は控えるべきです。避妊具を使用しても感染リスクを完全にゼロにすることは難しく、パートナーへの感染やピンポン感染のリスクがあります。また、性行為によって炎症部位に負担がかかり、治癒を遅らせる可能性も考えられます。医師から性行為を再開して良いと言われるまでは、禁欲することが最も安全です。

Q4:妊娠中にクラミジアにかかるとどうなりますか?

妊娠中にクラミジアに感染していると、流産や早産のリスクが高まる可能性があります。また、出産時に産道感染によって赤ちゃんにクラミジアが感染し、新生児肺炎や新生児結膜炎(クラミジア結膜炎)を引き起こすことがあります。これらのリスクを避けるため、妊婦健診ではクラミジア検査が標準的に行われます。妊娠中に感染が判明しても、妊娠週数や状態に応じて安全に治療できる抗菌薬がありますので、必ず医師の指示に従って治療を受けてください。

Q5:クラミジア感染は、将来の不妊にどのくらい影響しますか?

女性の場合、クラミジア感染を放置すると、卵管性不妊の最も多い原因の一つとなります。クラミジアによって卵管が損傷・閉塞されると、自然妊娠が難しくなります。男性の場合も、精巣上体炎などによって精子の通り道が塞がれたり、精子の質が低下したりして不妊の原因となることがあります。適切な治療を早期に行えば、これらのリスクを大幅に減らすことができます。

Q6:無症状でも治療は必要ですか?

はい、無症状でも治療は絶対に必要です。無症状であっても、体内で菌は増殖しており、パートナーに感染させるリスクがあり、また放置すれば前述のような不妊などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。検査で陽性となった場合は、症状の有無に関わらず、必ず医師の指示に従って治療を受けてください。

感染が疑われる場合は医療機関へ

この記事では、クラミジアのさまざまな症状、感染経路、検査、治療、そして放置するリスクについて詳しく解説しました。クラミジア感染症は、多くの場合無症状で進行し、気づかないうちにパートナーにうつしてしまったり、不妊などの深刻な後遺症につながったりする可能性がある病気です。

もし、性行為の経験があり、以下のような点に一つでも当てはまる場合は、クラミジア感染の可能性があります。

  • 尿道や性器にいつもと違う不快感や症状がある
  • おりものの量や色が変わった、不正出血がある
  • のどや直腸に違和感や痛みがある
  • 性行為をしたパートナーがクラミジアに感染していた
  • 不特定多数との性行為経験がある
  • 過去に性感染症にかかったことがある
  • 新しいパートナーとの関係が始まったばかりである
  • 妊娠を希望している、または妊娠中である

これらの点に心当たりがある場合は、決して自己判断せず、必ず医療機関を受診して検査を受けることを強くお勧めします。クラミジアの検査や治療は、泌尿器科(男性)、婦人科(女性)、性病科などで受けることができます。最近では、オンライン診療で検査キットの手配や、陽性時の治療薬処方を行っているクリニックもあります。受診に抵抗がある方や、忙しい方は、そういった選択肢も検討してみると良いでしょう。

クラミジアは、早期に発見し、適切な抗菌薬で治療すれば完治する病気です。放置することによるリスクの方がはるかに大きいです。ご自身の健康のため、そして大切なパートナーの健康のためにも、勇気を出して医療機関に相談しましょう。

【免責事項】

本記事は、クラミジア感染症に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスや診断、治療を推奨するものではありません。個別の症状や状態については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。本記事の情報に基づいて行った行為によって生じたいかなる損害についても、当方は一切責任を負いかねます。

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