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妊娠しにくい時期はいつ?安全日との関係と正しい知識

妊娠しにくい時期について、正確な知識は非常に重要です。
特に、妊娠を希望しない場合に「この時期なら大丈夫だろう」と自己判断することは、予期せぬ妊娠に繋がるリスクを伴います。
生理周期は女性の体の状態を知る上で大切なサインですが、それを基にした「安全日」という考え方には、大きな落とし穴があります。
この記事では、生理周期と妊娠の可能性の関係性、いわゆる妊娠しにくい時期とされる期間でもなぜ妊娠する可能性があるのか、そして妊娠を望まない場合に知っておくべき正しい知識について、詳しく解説します。
自身の体を守るため、またパートナーとの関係を良好に保つためにも、ぜひ参考にしてください。

目次

妊娠しにくい時期はいつ?生理周期との関係

女性の体は、生理周期(月経周期)と呼ばれる約1ヶ月のサイクルで変化しています。この周期の中で、妊娠しやすい時期と妊娠しにくい時期が存在します。
妊娠は、排卵された卵子と精子が出会って受精し、その受精卵が子宮内膜に着床することで成立します。
そのため、排卵がいつ起こるか、子宮内膜の状態がどうなっているかによって、妊娠のしやすさが変わってくるのです。

生理周期は、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの期間に分けられます。
妊娠しやすい時期は主に排卵期とその前後数日ですが、これらの期間の特定は必ずしも容易ではありません。
それぞれの期間における妊娠の可能性について詳しく見ていきましょう。

生理中(月経期)が最も妊娠しにくい

生理期間中、つまり月経期は、一般的に最も妊娠しにくい時期と言われています。
この期間は、妊娠のために厚く準備されていた子宮内膜が剥がれ落ち、体外に排出されています。
もしこの時期に受精卵ができたとしても、子宮内膜が着床に適さない状態であるため、妊娠が成立することは極めて難しいからです。

また、月経期は生理周期の最初の時期にあたり、次の排卵からは遠いタイミングです。
一般的に、排卵は次の生理が始まる約14日前に起こるとされています。
したがって、生理が始まったばかりの時期は、排卵までまだ期間があると考えられます。
出血を伴うため、性行為自体を避けるカップルが多いことも、妊娠の確率が低くなる要因の一つでしょう。

しかし、生理中であっても妊娠の可能性はゼロではありません。
非常に稀なケースではありますが、生理期間が長く続く方や、生理周期が極端に短い方の場合、生理期間中に排卵が起こる可能性も否定できません。
また、性行為の際に膣内に放出された精子は、女性の生殖器内で数日間生き続けることができます。
もし生理中の性行為で体内に精子が侵入し、その数日後に(生理が終わりきる前に)排卵が起こった場合、妊娠が成立する可能性も理論上はゼロではないのです。
したがって、「生理中だから絶対に大丈夫」という考え方は医学的には推奨されません。

生理後すぐ(低温期)の妊娠確率

生理が終わってすぐの期間は、生理周期における卵胞期にあたります。
この時期は体温が比較的低い「低温期」であり、卵巣では次の排卵に向けて卵胞がゆっくりと成長している段階です。
まだ排卵は起こっていないため、卵子と精子が出会う機会はないように思えます。

しかし、この時期も妊娠の可能性はあります。
その理由は、先述の通り精子の寿命が長いことにあります。
射精された精子は、女性の生殖器内、特に子宮頸管の粘液中などで、条件が良ければ3日から長い時には5~7日も生き続けることができると言われています。

つまり、生理が終わってすぐの、まだ排卵には時間があるだろうと思われるタイミングで性行為があったとしても、その時に体内に侵入した精子が数日間生き続け、その後に排卵が起こった卵子と出会い、受精・妊娠が成立する可能性があるのです。
もし排卵が予想よりも早く起こった場合、このリスクはさらに高まります。

特に、生理周期が短い方の場合、生理終了から排卵までの期間が短くなるため、生理後すぐでも妊娠しやすい時期に重なってしまうリスクが高まります。
例えば、生理周期が24日で生理期間が6日間続く方の場合、生理が終わった翌日にはもう排卵予定日の1週間前を切っていることになります。
精子の寿命を考えると、このタイミングの性行為でも十分に妊娠の可能性があります。

個人の体調やストレス、生活習慣などによっても排卵のタイミングは変動しやすいため、「生理後すぐは安全なはず」という思い込みは危険です。
自身の生理周期が規則的だと思っていても、例外は起こり得ます。

生理前(高温期)の妊娠確率

生理が始まる直前の期間は、一般的に「高温期」にあたり、排卵が終わった後の黄体期です。
この時期は、排卵された卵子が受精可能な期間(約12~24時間)をすでに経過している可能性が非常に高いため、一般的に妊娠しにくい時期とされています。
黄体期は通常、排卵日から次の月経開始まで約14日間続きます。
この期間の後半になればなるほど、排卵から時間が経っているため、妊娠の可能性は低くなります。
理論上、月経開始予定日の約1週間前以降は、排卵済みの卵子の寿命が尽きていると考えられ、妊娠の可能性は極めて低いと言えます。

しかし、ここにも注意点があります。
最も重要なのは、排卵が予定通りに起こったかどうか、そしてその排卵日がいつだったかを正確に把握できているか、という点です。
もしストレスや体調の変化などによって排卵が通常より遅れた場合、生理予定日も後ろにずれることになります。
その場合、生理が始まる直前だと思って性行為をしても、実際にはまだ排卵期であったり、排卵からそれほど時間が経っていない時期である可能性もゼロではありません。

例えば、普段は周期が28日の方でも、体調不良で排卵が10日遅れたとします。
その場合、生理予定日も10日遅れます。
普段の生理予定日の直前に性行為をしても、それは遅れた排卵の数日前~排卵日当日にあたっていた、というケースも起こり得ます。
また、稀ですが、一つの周期に二度排卵が起こる「多排卵」の可能性も指摘されています。

このように、生理前の高温期後半は一般的に妊娠確率が低い時期ではありますが、排卵日の不確実性や体調による変動があるため、「生理前だから絶対に妊娠しない」と断言することはできません。
特に生理周期が不安定な方や、自身の排卵タイミングを把握できていない方は、この時期も避妊を怠るべきではありません。

各生理周期の期間と妊娠確率の一般的な傾向をまとめた表を以下に示します。
これはあくまで平均的な目安であり、個人差が大きいため、鵜呑みにせず参考程度に留めてください。

時期 生理周期におけるフェーズ 妊娠確率(一般的な傾向) 確率がゼロではない理由・注意点
生理中(月経期) 月経期 最も低い 排卵のずれ(生理中の排卵)、精子の生存期間(数日後の排卵)、不規則な周期、生理期間の長さ
生理後すぐ 卵胞期(低温期) 低い~中程度 精子の生存期間(数日後の排卵)、早期排卵、不規則な周期、精子の生存能力の個人差
排卵期(前後数日) 排卵期 最も高い 卵子の受精可能期間、精子の生存能力、妊娠に最適な体の状態
生理前(黄体期後半) 黄体期(高温期後半) 低い 排卵の遅れ、不規則な周期、多排卵(稀)、黄体期の長さの個人差、精子の生存期間(過去の性行為)

この表からも分かる通り、生理周期の中には相対的に妊娠確率が低い時期は存在しますが、どの時期も「絶対に妊娠しない」と言い切ることはできません。

安全日に性行為をしても妊娠しない?

「安全日」という言葉は、妊娠を避けたい人が生理周期に基づいて妊娠しにくいだろうと考える日を指して使われます。
しかし、この「安全日」という考え方に頼った避妊は、医学的には非常に危険であるとされています。
なぜなら、絶対に妊娠しない「安全日」は存在しないからです。

絶対に妊娠しない「安全日」は存在しない理由

「安全日」という言葉が誤解を生む最大の理由は、人間の体の生殖機能が、常に一定のサイクルで正確に動く機械ではないからです。
生理周期や排卵のタイミングは、個人の体質、その時の体調、ストレス、生活習慣、年齢など、様々な要因によって簡単に変動します。

例えば、「前回の生理から○日後だから排卵はまだ」「次の生理予定日まであと○日だから排卵は終わっている」といった計算は、あくまで過去のパターンや一般的な目安に基づいた推測に過ぎません。
実際の排卵日は、その推測から大きくずれる可能性があります。

もし計算上の「安全日」だと思って性行為をした日に、予想外のタイミングで排卵が起こったり、数日前に侵入していた精子が生き残っていて排卵された卵子と出会ったりすれば、妊娠は成立してしまいます。
「安全日」に頼った避妊は、この不確実性を無視しているため、失敗する可能性が高いのです。

また、ごく稀にですが、生理中でも排卵が起こる可能性や、周期の途中で二度排卵が起こる可能性も指摘されています。
これらの例外的なケースも、「安全日」に頼った避妊が危険である理由の一つです。

排卵日の予測が難しいことによる不確実性

「安全日」を計算するためには、まず排卵日を特定または予測する必要があります。
しかし、前述の通り、排卵日を正確に予測することは非常に難しいのが現状です。

排卵日は、一般的に次の月経が始まる日の約14日前(黄体期の長さ)と言われています。
この14日間という黄体期の長さは個人差が比較的少ないとされていますが、問題は「次の月経がいつ始まるか」が確定できないことです。
次の月経開始日は、その周期の排卵がいつ起こるかによって決まります。
つまり、「次の生理予定日から逆算して排卵日を予測する」という方法は、卵胞期の日数が変動しやすいことを考慮すると、それほど確実な方法ではないのです。

排卵日を予測するためのツールや方法として、基礎体温の測定、排卵検査薬の使用、生理周期記録アプリなどがあります。

  • 基礎体温: 毎朝安静時の体温を測定し、グラフにすることで、排卵後に体温が上昇するパターン(二相性)から排卵があったことを知ることができます。しかし、これからいつ排卵が起こるかを正確に予測することはできません。また、風邪や寝不足、生活リズムの乱れなどで容易に変動します。
  • 排卵検査薬: 尿中のLH(黄体形成ホルモン)の濃度上昇(LHサージ)を検出するものです。LHサージが起こると約24~36時間以内に排卵が起こると予測されますが、この予測も絶対ではありません。また、排卵が起こる数日前に使う必要があるため、ある程度の生理周期の予測が必要です。
  • 生理周期記録アプリ: 過去の生理開始日を入力することで、統計的に排卵予定日や生理予定日を予測するものです。しかし、これは過去のデータに基づいた予測に過ぎず、その周期に実際にいつ排卵が起こるかを保証するものではありません。周期が不規則な場合は、予測の精度はさらに低くなります。

これらの方法を組み合わせても、排卵日をピンポイントで特定することは難しく、ましてや数ヶ月先の排卵日を正確に予測することは不可能です。
排卵日が不確実である以上、「安全日」計算はリスクの高い方法と言わざるを得ません。

精子と卵子の寿命について

妊娠の可能性を考える上で、精子と卵子がそれぞれどれくらいの時間、受精可能な状態にあるかを知ることは非常に重要です。
この「寿命」が、「安全日」という概念の危険性をより明確に示しています。

  • 卵子の寿命: 卵巣から排卵された卵子が受精可能な状態にあるのは、一般的に約12時間から24時間と非常に短い時間です。この間に精子と出会って受精できなければ、卵子は受精能力を失い、やがて体内で処理されるか、次の月経時に体外へ排出されます。つまり、排卵から丸1日以上経過していれば、その卵子によって妊娠する可能性はほぼなくなると考えられます。
  • 精子の寿命: 射精された精子は、男性の体外に出てもすぐに死んでしまうわけではありません。女性の生殖器内、特に子宮頸管の粘液や卵管の環境下では、比較的長く生存することができます。一般的に、精子の寿命は3日~5日、条件が特に良ければ最長で7日生きている可能性も指摘されています。

この「精子の寿命の長さ」が、「安全日」計算の最大の盲点となります。
たとえ生理周期から計算して「妊娠しにくい時期」だと思われる排卵日よりかなり前に性行為を行ったとしても、その時に膣内に放出された精子が生き続け、数日後に起こった排卵を待ち構えて受精してしまう可能性があるからです。

例えば、「排卵予定日の1週間前だから安全だろう」と思って性行為をしたとします。
もしその時の精子が7日間生き続け、性行為から6日後に排卵が起こった場合、精子と卵子が出会う機会が生まれてしまいます。

したがって、最も妊娠しやすい期間は、卵子の寿命(排卵後約24時間)と精子の寿命(最長約7日間)を考慮して、排卵日の約7日前から排卵日当日までと言われています。
この期間に性行為をすると、妊娠する可能性が最も高くなります。
この事実を踏まえると、「安全日」に頼る方法がいかに不確かであるかが理解できるでしょう。

妊娠しにくい時期に関する注意点

「妊娠しにくい時期」は「妊娠しない時期」ではないこと、そして「安全日」という考え方が避妊法として信頼できないことを理解した上で、実際にどのように行動すべきか、いくつかの注意点を確認しておきましょう。

不規則な生理周期の場合

生理周期が不安定な方は、「安全日」計算は全く当てになりません。
周期が不規則ということは、排卵のタイミングも月によって大きく変動する可能性が高いということです。
いつ排卵が起こるか正確に予測できないため、生理周期から妊娠しやすい時期や妊娠しにくい時期を特定することは事実上不可能です。

周期が短かったり長かったり、毎月日数が大きく変動したり、数ヶ月生理が来なかったりする方は、排卵自体が不規則だったり、無排卵周期だったりする可能性も考えられます。
このような状況では、基礎体温を測っても綺麗な二相性にならなかったり、排卵検査薬を使っても正確な結果が得られなかったりすることが多くあります。

もし生理周期が不規則で不安を感じている、または妊娠を避けたいと考えているのであれば、自己判断で「たぶん大丈夫だろう」と考えるのは非常に危険です。
まずは一度婦人科を受診することを強くお勧めします。
医師に相談することで、周期が不規則な原因(ホルモンバランスの乱れ、多嚢胞性卵巣症候群、甲状腺疾患、ストレス、急激な体重変動など)を調べることができます。
原因が分かれば、治療によって周期が安定したり、適切なアドバイスや対処法を得ることができます。

そして、最も重要なこととして、妊娠を望まない場合は、生理周期の規則性に関わらず、確実な避妊法を実践する必要があります。
「不規則だから分からない」ではなく、「不規則だからこそ、いつ妊娠しやすいか分からないので、確実な方法で避妊する」という意識を持つことが不可欠です。

妊娠を望まない場合の正しい避妊方法

予期せぬ妊娠を確実に防ぐためには、「安全日」計算のような不確実な方法ではなく、医学的・科学的に避妊効果が証明されている信頼性の高い避妊法を選択することが最も重要です。
主な避妊法とその特徴を以下に示します。

避妊法 仕組み 避妊効果(適切使用時) メリット デメリット・注意点
低用量ピル(OC/LEP) ホルモン剤を毎日服用し、排卵を抑制する。子宮内膜を変化させて着床を妨げ、頸管粘液を変化させて精子の侵入を妨げる。 99%以上 避妊効果が高い、生理周期が安定する、生理痛・PMSの緩和、一部の病気リスク低下、ニキビ改善など。 毎日決まった時間に服用する必要がある、副作用(吐き気、頭痛など)の可能性、血栓症リスクの上昇(稀)、医師の処方が必要。
コンドーム 性行為の際に男性がペニスに装着し、精子が女性生殖器内に入るのを物理的に防ぐ。 85%~98% 入手しやすい、比較的安価、性感染症の予防にも有効。 破損や外れによる失敗の可能性、正しく使用する必要がある、避妊効果はピルよりやや劣る。
IUS/IUD 子宮内に小さな器具を挿入する。IUSはホルモンを放出し、子宮内膜や頸管粘液を変化させる。IUDは主に銅の作用で受精・着床を妨げる。 99%以上 一度装着すれば数年間効果が持続する(IUS:5年、IUD:5~10年)、毎日の手間がない、避妊効果が高い。 装着・除去には医療処置が必要、初期に不正出血や痛みを伴うことがある、費用がかかる。
避妊インプラント 女性の上腕皮下に小さな棒状の器具を埋め込み、ホルモンを放出させて排卵を抑制し避妊効果を持続させる。 99%以上 一度装着すれば長期間効果が持続する(3年)、避妊効果が非常に高い。 日本ではあまり普及していない、装着・除去に医療処置が必要、費用がかかる、生理不順や不正出血の可能性。
不妊手術 外科手術により、卵管や精管を切断・閉鎖し、卵子と精子が出会えないようにする(女性:卵管結紮術、男性:パイプカット)。 99%以上 避妊効果が最も高い、永続的な避妊方法。 基本的に元に戻すことが困難、手術が必要、将来子供を望む可能性がない場合に選択される。

これらの避妊法の中で、日常的に使用されるものとしては低用量ピルやコンドームが一般的です。
「安全日」計算や膣外射精といった方法は、避妊法としての信頼性が極めて低く、予期せぬ妊娠のリスクが非常に高いため、避妊法として行うべきではありません。

妊娠を望まない場合は、パートナーとよく話し合い、お互いが納得できる信頼性の高い避妊法を選択し、正しく継続することが何よりも大切です。
どの避妊法が自分に合っているか分からない場合は、婦人科で医師に相談することをお勧めします。

妊娠を希望する場合の知識

この記事は「妊娠しにくい時期」について解説していますが、妊娠を希望する方にとっても、生理周期と妊娠の関係を知ることは非常に重要です。
「妊娠しにくい時期」を知ることは、妊娠しやすい時期、つまり排卵期を理解することの裏返しでもあります。

妊娠しやすい時期は、前述の通り排卵日の数日前から排卵日当日にかけての期間です。
この期間に性行為を持つことで、精子と卵子が出会う確率が高まり、妊娠の可能性を最大限に高めることができます。
排卵日を特定するためには、基礎体温の測定、排卵検査薬の使用、頸管粘液の変化の観察などを組み合わせて行うのが一般的です。
より正確に排卵日を知りたい場合は、婦人科で卵胞の大きさを超音波検査で測ってもらう「卵胞チェック」も有効です。

また、妊娠を希望する場合は、女性だけでなくパートナーの健康状態も重要です。
男性の側も、禁煙やバランスの取れた食事、適度な運動などを心がけることが、良好な精子の状態を保つ上で大切です。
ストレスや疲労も妊娠に影響を与える可能性があるため、夫婦ともに健康的な生活を送ることが望ましいです。

もし一定期間(一般的に、女性が35歳未満で1年間、35歳以上で6ヶ月間)妊活を続けてもなかなか妊娠しない場合は、一人で悩まずに不妊治療専門医に相談することも検討しましょう。
早期に相談することで、不妊の原因が見つかったり、適切な検査や治療法、生活習慣のアドバイスを受けることができます。

結局のところ、「妊娠しにくい時期」という言葉は、意図しない妊娠を防ぐ上では過信禁物な言葉です。
しかし、生理周期を理解し、自身の体の変化に意識を向けることは、妊娠を避ける場合でも、希望する場合でも、自身の健康管理において非常に役立ちます。
自身のライフプランに合わせて、正しい知識を持ち、適切な行動を選択することが大切です。

その他読者が疑問に持ちそうな点

Q: 生理中に性行為をすれば絶対に妊娠しない?

A: 前述の通り、生理中に性行為をしても絶対に妊娠しないわけではありません
生理期間中に排卵が起こる可能性は非常に低いですが、ゼロではありません。
特に生理周期が不規則な方や、生理期間が長い方の場合、生理の終わりかけに排卵が起こる可能性も考えられます。
また、精子は女性の体内で数日間生き続けることができるため、生理中の性行為で体内に侵入した精子が、生理終了直後の排卵を待ち構えて妊娠する可能性も理論上は存在します。
統計的に妊娠する確率は低い時期ですが、避妊をしない性行為には常に妊娠のリスクが伴うことを理解しておきましょう。

Q: アフターピル(緊急避妊薬)について知りたい。

A: アフターピル(緊急避妊薬)は、避妊に失敗した場合や避妊をせずに性行為をしてしまった場合に、妊娠を防ぐために服用する薬です。
性行為後、できるだけ早い時間(多くの場合72時間以内、または120時間以内)に服用することで、排卵を抑制したり、受精卵の着床を妨げたりする作用があります。
あくまで「緊急用」であり、通常の避妊法として日常的に使用するものではありません。
また、服用が遅れるほど効果は低下しますし、100%妊娠を防げるわけでもありません。
アフターピルは医師の処方が必要です。
必要な場合は、ためらわずに速やかに婦人科を受診して相談しましょう。
早期の服用ほど効果が高まります。

Q: 年齢によって妊娠のしやすさは変わる?

A: はい、年齢によって妊娠のしやすさは大きく変わります。
女性の場合、妊娠率は20代後半から30代前半をピークに、30代後半から徐々に低下し、40代に入ると大きく低下します。
これは、年齢と共に卵巣の機能(卵子の数や質)が低下するためです。
また、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患のリスクも年齢と共に高まる傾向があり、これらも妊娠しにくさの原因となることがあります。
男性の場合も、年齢と共に精子の質が低下する可能性が指摘されていますが、女性ほど年齢の影響は顕著ではないとされることが多いです。
妊娠を希望する場合は、女性の年齢を考慮して計画を立てることが重要になります。

Q: ストレスで生理周期や排卵は遅れる?

A: はい、強いストレスや急激な体重の変化(増加または減少)、過労、睡眠不足などは、ホルモンバランスを乱し、生理周期や排卵のタイミングに影響を与える可能性があります。
脳の視床下部という部分は、生理周期をコントロールするホルモンの分泌を司令していますが、ストレスなどの要因はこの視床下部の働きを乱すことがあります。
その結果、排卵が遅れたり、周期が不規則になったり、場合によっては一時的に生理が止まってしまう(無月経)こともあります。
日頃から心身の健康に気を配り、過度なストレスを避けることは、生理周期を安定させるためにも大切です。

Q: 基礎体温はどうやって測るの?どれくらい正確?

A: 基礎体温は、生命活動を維持するのに最低限必要なエネルギーしか消費していない安静時の体温のことで、通常、朝目が覚めたら起き上がる前に、寝たままの状態で舌の下に婦人体温計を挟んで測定します。
毎朝同じ時間帯に測定し、記録してグラフにすることで、生理周期における体温の変化パターンを確認します。
一般的に、排卵前は約2週間低温期が続き、排卵後に体温が0.3~0.5℃程度上昇して約2週間高温期が続きます。
この体温の変化から、排卵があったかどうか、生理周期が順調かどうかなどを把握する手がかりになります。
しかし、風邪の発熱、寝不足、不規則な生活、飲酒、夜勤などでも体温は変動するため、基礎体温だけで正確な排卵日をピンポイントで特定するのは難しいです。
あくまで目安として、自身の体のパターンや全体的な傾向を知るために活用するのが良いでしょう。
排卵日を知るには、他の方法(排卵検査薬など)と組み合わせるのが効果的です。

Q: 妊娠検査薬はいつから使える?

A: 市販の妊娠検査薬は、尿中に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを検出することで妊娠の可能性を調べます。
hCGは、受精卵が子宮内膜に着床した後に分泌され始めるホルモンです。
多くの妊娠検査薬は、hCGが検出できる量になるのが生理予定日を過ぎてからであることを考慮し、生理予定日を1週間過ぎた頃から正確な結果が得られるように作られています。
それよりも早い時期に検査すると、たとえ妊娠していてもhCGの量がまだ少なく、陰性(擬陰性)になる可能性があります。
また、ごく初期の流産(化学流産など)の場合、一時的に陽性が出た後で生理が来ることもあります。
正確な結果を知るためには、製品の説明書をよく読み、推奨されている時期に正しく使用することが重要です。
陽性反応が出た場合は、速やかに婦人科を受診して確定診断を受けましょう。

【まとめ】「妊娠しにくい時期」の過信は禁物!正しい知識と避妊が大切

この記事では、「妊娠しにくい時期」について、生理周期との関連や「安全日」の不確かさに焦点を当てて解説しました。

重要なポイントは以下の通りです。

  • 生理周期の中で、月経期や黄体期後半は一般的に妊娠確率が低いとされています。
  • しかし、生理中や生理後すぐ、生理前であっても、妊娠の可能性はゼロではありません
  • いわゆる「安全日」という言葉は誤解を生みやすく、生理周期や排卵日は簡単に変動するため、計算上の安全日に頼った避妊は非常に危険です。精子の寿命が長く、排卵がずれる可能性があるためです。
  • 生理周期が不規則な方は、安全日計算は全く無意味です。
  • 妊娠を望まない場合は、「妊娠しにくい時期」を当てにするのではなく、低用量ピルやコンドームといった科学的に証明された信頼性の高い避妊法を正しく使用することが最も重要です。
  • 不安がある場合や、自身の生理周期について詳しく知りたい、適切な避妊法について相談したい場合は、迷わず婦人科を受診して専門家のアドバイスを求めましょう。

「妊娠しにくい時期だから大丈夫」という安易な考えは、予期せぬ妊娠に繋がりかねません。
自身の体の仕組みを正しく理解し、リスクを認識した上で、パートナーと協力して適切な行動を選択することが、自分自身と大切な人を守ることに繋がります。
性に関する正確な知識は、健康で安心できる生活を送るための基盤となります。

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。
個人の健康状態に関する懸念や具体的な医療に関する判断については、必ず医師または専門の医療機関にご相談ください。
本記事の情報に基づいた行動による結果について、筆者および提供者は一切の責任を負いかねます。

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