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生理じゃないのに子宮が痛いのはなぜ?考えられる原因と対処法

生理じゃないのに子宮辺りに痛みを感じると、「何か大きな病気なのでは…」「どうしてだろう」と不安になりますよね。生理痛であれば時期が特定でき、対処法も比較的わかりやすいですが、生理期間以外に痛みがあると原因がわからず悩んでしまうことも少なくありません。

この痛みには、生理周期に伴う自然なものから、注意が必要な病気、さらには婦人科系以外の原因まで、さまざまな可能性が考えられます。原因を正しく理解することは、不要な心配を減らし、適切な対処や受診につながります。

この記事では、「生理じゃないのに子宮痛い」と感じる痛みの原因について、婦人科医監修のもと、生理周期、病気、その他の可能性に分けて詳しく解説します。痛む場所や痛みの種類別の原因、そして「こんな症状の場合はすぐに受診を」という目安もお伝えします。不安な痛みを抱えている方は、ぜひ最後まで読んで、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

生理周期に伴う自然な痛み

生理周期は、女性ホルモンの変動によってコントロールされています。このホルモンの変化や、それに伴う体の動きが、生理期間以外でも痛みを引き起こすことがあります。これらは病気ではないため、過度に心配する必要はありませんが、痛みが強い場合は婦人科医に相談することも可能です。

排卵痛

排卵痛は、生理と生理の中間期にあたる排卵期(通常、生理開始から約14日前後)に起こる下腹部痛です。卵巣から卵子が放出される際に、卵胞が破れる刺激や、少量の出血、卵管や子宮の収縮などが原因と考えられています。

  • 痛む時期: 排卵日またはその前後数日間。
    次の生理予定日の約2週間前。
  • 痛みの特徴: チクチク、ズキズキ、キリキリなど、比較的鋭い痛みが多いです。左右どちらかの下腹部、または両側に感じることもあります。
  • その他の症状: 少量の出血(中間期出血、排卵期出血)、腰痛、吐き気、胸の張りなどを伴うこともあります。

排卵痛は多くの女性が経験する生理的な現象ですが、痛みの程度は個人差が大きく、日常生活に支障をきたすほど強い痛みの場合は、鎮痛剤の使用や、場合によってはホルモン剤による排卵の抑制などが検討されることもあります。

PMS(月経前症候群)/ PMDD

PMS(月経前症候群)は、生理が始まる3~10日くらい前から起こり、生理が始まるとともに軽快するか、消失するさまざまな心身の不調の総称です。生理じゃない時期の痛みとして、PMSによる下腹部痛や腰痛を感じることがあります。

  • 痛む時期: 生理前の黄体期。
    生理が始まると痛みが和らぐ。
  • 痛みの特徴: 下腹部の鈍痛、重い感じ、張り、腰痛など。生理痛と似た性質の痛みが多いですが、生理が始まる前に現れるのが特徴です。
  • その他の症状: PMSの症状は非常に多岐にわたります。精神症状としてはイライラ、気分の落ち込み、不安感、集中力の低下など。身体症状としては胸の張り・痛み、頭痛、むくみ、眠気、倦怠感、肌荒れなどがあります。

PMSの中でも特に精神的な症状が強く、日常生活に大きな影響を与える場合をPMDD(月経前不快気分障害)と呼びます。PMDDでも下腹部痛などの身体症状を伴うことがあります。PMSやPMDDによる痛みや不調が辛い場合は、生活習慣の改善指導、漢方薬、低用量ピル、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)など、症状に応じた治療法があります。

婦人科系の病気の可能性

生理周期に伴う痛みやその他の原因と比較して、婦人科系の病気による痛みは、痛みが持続的であったり、次第に強くなったり、特定の行動(性交、排便など)で悪化したりといった特徴を持つことがあります。これらの病気は、早期発見と治療が重要です。

子宮内膜症

子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるはずの子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣、卵管、腹膜、直腸、膀胱など)で増殖する病気です。生理のたびにこれらの場所でも出血が起こり、周囲との癒着や炎症を引き起こします。

  • 痛みの特徴: 生理時以外にも慢性的な下腹部痛や腰痛が現れることがあります。痛みの強さは進行度や病巣の場所によって異なりますが、進行すると痛みが強くなる傾向があります。性交痛や排便痛を伴うことも特徴的です。
  • 痛む場所: 下腹部全体、左右どちらか、腰、肛門の奥など。病巣の場所によって痛む場所が変わります。
  • その他の症状: 不正出血、過多月経、不妊症の原因となることもあります。

子宮内膜症の痛みは、鎮痛剤で和らげにくいことも多く、痛みが強い場合はホルモン療法や手術が検討されます。放置すると進行し、痛みが悪化したり、将来の妊娠に影響したりする可能性があるため、疑わしい症状がある場合は早めに婦人科を受診することが重要です。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。できる場所や大きさ、数によって症状は大きく異なります。小さい筋腫であれば無症状のことも多いですが、大きくなったり、特定の場所にできたりすると、さまざまな症状を引き起こします。

  • 痛みの特徴: 下腹部の鈍痛、重い感じ、圧迫感、腰痛など。生理期間中だけでなく、生理じゃない時期にも持続的に痛みを感じることがあります。特に、筋腫が大きくなり、周囲の臓器(膀胱や直腸など)を圧迫するようになった場合に痛みが現れやすいです。まれに、筋腫の一部が変性(赤色変性など)を起こすと急激な激痛を引き起こすことがあります。
  • 痛む場所: 下腹部全体に重い感じや鈍痛として感じることが多いです。
  • その他の症状: 過多月経(生理の量が多い)、生理期間が長い、不正出血、貧血、頻尿、便秘、不妊症など。

子宮筋腫は悪性化することは非常にまれですが、症状によってQOL(生活の質)が著しく低下したり、貧血が重症化したりすることがあります。治療法は筋腫の大きさ、場所、症状、年齢、妊娠希望の有無などを考慮して決定され、経過観察、薬物療法(止血剤、GnRHアゴニスト/アンタゴニスト、LEP製剤など)、手術療法(筋腫核出術、子宮全摘術)などがあります。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫は、卵巣にできる袋状のできもので、中に液体や脂肪、髪の毛などが溜まったものです。多くは良性ですが、まれに悪性のこともあります。卵巣は左右に一つずつあるため、嚢腫ができた側の下腹部や腰に痛みを感じることがあります。

  • 痛みの特徴: 通常は無症状で経過することが多いですが、嚢腫が大きくなると下腹部の張りや圧迫感、鈍痛を感じることがあります。最も注意すべきは、卵巣嚢腫の茎捻転(卵巣がねじれること)や破裂です。この場合は、歩けないほどの突然の激痛が現れ、緊急手術が必要になります。
  • 痛む場所: 卵巣がある側の下腹部(左側または右側)や腰。茎捻転や破裂の場合は、痛みが広範囲に及ぶこともあります。
  • その他の症状: 頻尿、便秘(周囲臓器の圧迫による)、不正出血など。

卵巣嚢腫の診断は、内診や超音波検査で行われます。良性の場合は、大きさや症状に応じて経過観察となることが多いですが、大きい場合や茎捻転・破裂のリスクがある場合は手術(腹腔鏡手術や開腹手術)が検討されます。急激な激痛の場合は、救急医療機関を受診してください。

骨盤腹膜炎

骨盤腹膜炎は、骨盤内にある腹膜に炎症が及んだ状態です。多くの場合、子宮や卵管、卵巣などの炎症(子宮付属器炎など)が進行して腹膜に波及することで起こります。

  • 痛みの特徴: 非常に強い、持続的な下腹部痛が現れます。体を動かすと痛みが強くなる傾向があります。
  • 痛む場所: 下腹部全体に強い痛みを感じることが多いです。
  • その他の症状: 高熱(38℃以上)、悪寒、吐き気、嘔吐、全身倦怠感など。

骨盤腹膜炎は重症化する可能性のある病気で、迅速な治療が必要です。原因菌に応じた抗菌薬による治療が中心となりますが、膿瘍(膿の塊)を形成している場合は手術が必要になることもあります。高熱と激しい下腹部痛がある場合は、救急性の高い状態と考え、すぐに医療機関を受診してください。

骨盤内炎症性疾患(PID)

骨盤内炎症性疾患(PID)は、子宮、卵管、卵巣、骨盤腹膜などに細菌が感染して炎症を起こす病気の総称です。性感染症(クラミジア、淋菌など)や、出産・流産後の細菌感染、IUD(子宮内避妊具)の使用などが原因となることがあります。

  • 痛みの特徴: 鈍痛から激痛まで幅があり、持続的な下腹部痛が現れます。体を動かしたり、性交したりすることで痛みが強くなることがあります。
  • 痛む場所: 下腹部全体、または左右どちらかに痛みを感じることが多いです。
  • その他の症状: 発熱、悪寒、いつもと違うおりもの(量が増える、色やにおいが変化する)、不正出血、排尿時の痛みなど。

PIDも早期発見と治療が重要です。放置すると、卵管の癒着による不妊症や、子宮外妊娠のリスクを高めることがあります。抗菌薬による治療が中心となりますが、重症の場合は入院治療が必要です。性感染症が原因の場合は、パートナーも一緒に検査・治療を受ける必要があります。

その他の原因

婦人科系の問題だけでなく、妊娠や、消化器・泌尿器系の問題、ストレスなどが、生理じゃない時期の「子宮痛い」と感じるような下腹部痛の原因となることもあります。

妊娠初期症状としての痛み

生理予定日を過ぎても生理が来ず、下腹部にチクチク、キューッといった痛みを感じる場合、妊娠初期症状の可能性も考えられます。

  • 痛む時期: 生理予定日頃から妊娠初期(妊娠4〜7週頃)。
  • 痛みの特徴: 子宮が大きくなる過程や、着床(受精卵が子宮内膜にもぐりこむこと)による軽い刺激で、チクチク、キューッ、引っ張られるような感じの痛みを感じることがあります。持続することは少なく、一時的なことが多いです。
  • その他の症状: 生理が来ない、少量の出血(着床出血)、吐き気、胸の張り、だるさ、頻尿など。

妊娠の可能性がある場合は、市販の妊娠検査薬を試したり、婦人科を受診したりして確認することが重要です。ただし、妊娠初期に出血や強い腹痛がある場合は、流産や子宮外妊娠の可能性も考えられるため、すぐに医療機関を受診してください。

ストレスによる痛み

心と体は密接に関わっています。強いストレスや慢性的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、体のさまざまな不調を引き起こすことがあります。その一つとして、下腹部痛や胃腸の不調が現れることがあります。

  • 痛みの特徴: 痛みの性質や強さは人によって異なりますが、特定の病気では説明のつかない、漠然とした痛みや不快感として現れることがあります。精神的な不調(不安、イライラ、気分の落ち込みなど)を伴うことも多いです。
  • 痛む場所: 下腹部、お腹全体、胃など。痛む場所が移動することもあります。
  • その他の症状: 肩こり、頭痛、めまい、不眠、食欲不振、過敏性腸症候群(腹痛、下痢、便秘を繰り返す)など、全身のさまざまな不調を伴うことがあります。

ストレスが原因と考えられる場合でも、まずは他の原因(特に病気)を除外するために医療機関を受診することが大切です。医師と相談し、ストレスマネジメント、リラクセーション、場合によっては心理療法や薬物療法などが検討されます。

便秘や腸の不調

子宮は骨盤内の比較的低い位置にあり、その周辺には腸(大腸、小腸)や膀胱などがあります。そのため、便秘や腸の動きが悪くなることで生じる痛みが、子宮の痛みと紛らわしく感じられることがあります。

  • 痛みの特徴: 便秘による場合は、下腹部の張りや重い感じ、鈍痛として現れることが多いです。排便によって痛みが軽減することがあります。腸の痙攣による痛みは、差し込むような鋭い痛みとして現れることもあります。過敏性腸症候群の場合は、腹痛と下痢や便秘を繰り返します。
  • 痛む場所: 下腹部全体、またはお腹全体。便が滞っている場所によって左右どちらかに痛みを感じることもあります。
  • その他の症状: お腹の張り、おならが多い、吐き気、食欲不振など。

便秘や腸の不調が原因の場合、生活習慣の改善(水分・食物繊維を多く摂る、適度な運動)、整腸剤や下剤の使用が有効な場合があります。痛みが強い場合や、便に血が混じるなど他の症状を伴う場合は、消化器内科を受診することも検討しましょう。

更年期における変化

閉経を挟んだ約10年間を更年期と呼びます。この時期は卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変動します。エストロゲンの減少は、自律神経の乱れや、子宮・膀胱などの血行不良を引き起こし、下腹部痛や腰痛の原因となることがあります。

  • 痛みの特徴: 下腹部の鈍痛、重い感じ、張り、腰痛など。痛みの性質は人によって異なります。
  • 痛む時期: 更年期の間、不定愁訴として現れることがあります。
  • その他の症状: ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、発汗、動悸、不眠、イライラ、気分の落ち込み、関節痛、頻尿、性交痛など、多様な更年期症状を伴います。

更年期の症状は、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、抗うつ薬、生活習慣の見直しなどによって軽減できる場合があります。下腹部痛が更年期によるものか、他の病気によるものか判断するためにも、婦人科を受診して相談することが大切です。

目次

痛む場所(左側・右側)で考えられる原因の違い

下腹部痛は、痛む場所によって原因を推測するヒントになります。子宮自体が原因の場合は下腹部中央や全体に痛みを感じることが多いですが、子宮の左右にある卵巣や卵管、またはその近くの臓器に問題がある場合は、左右どちらかに痛みが偏って現れることがあります。

以下の表は、痛む場所によって考えられる主な原因をまとめたものです。ただし、痛む場所だけで原因を断定することはできないため、あくまで目安として参考にしてください。

痛む場所 考えられる主な原因(婦人科系) 考えられる主な原因(その他)
下腹部中央 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮付属器炎、PID初期 膀胱炎、過敏性腸症候群、便秘
左側下腹部 左卵巣嚢腫、左卵管炎、子宮内膜症(左側病巣) 左尿管結石(関連痛)、S状結腸の不調、便秘(S状結腸滞留)
右側下腹部 右卵巣嚢腫、右卵管炎、子宮内膜症(右側病巣) 虫垂炎(関連痛)、右尿管結石(関連痛)、盲腸の不調、便秘(上行結腸滞留)
下腹部全体 子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内炎症性疾患(PID) 便秘、過敏性腸症候群、ストレス、膀胱炎
子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫 腎盂腎炎、尿管結石
肛門の奥 子宮内膜症(ダグラス窩の病巣) 便秘、痔

このように、同じ「生理じゃないのに子宮痛い」と感じる痛みでも、痛む場所によって疑われる病気や状態は異なります。特に左右どちらかに強い痛みがある場合は、卵巣や卵管、または尿路系の病気なども考慮に入れる必要があります。自己判断せず、痛む場所や他の症状を医師に正確に伝えることが診断の手助けになります。

痛みの種類(チクチク、ツーン、ズキズキ)と原因

痛みの性質、つまり「どんな種類の痛みか」も、原因を推測する上で重要な情報です。同じ下腹部痛でも、チクチクするのか、ズキズキするのか、あるいは締め付けられるような痛みなのかによって、考えられる原因が異なります。

以下に、痛みの種類別に考えられる原因をまとめました。

痛みの種類 考えられる主な原因
チクチク 排卵痛、着床痛、子宮の軽い収縮、腹膜の軽い刺激、ストレス
キューッ 着床痛、子宮の軽い収縮、生理前や妊娠初期のホルモン影響
ツーン 炎症の初期、神経痛、膀胱炎
キリキリ 排卵痛、腸の痙攣、軽度の炎症
ズキズキ 排卵痛(強い場合)、炎症(子宮付属器炎、PID)、子宮筋腫の圧迫
ドクドク 炎症による血行増加、充血
重い感じ 子宮筋腫、子宮内膜症、便秘、骨盤内のうっ滞(血行不良)、PMS
鈍痛 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、便秘、過敏性腸症候群、更年期、ストレス、PID(慢性期)
締め付け 生理痛(生理時以外の場合は、子宮内膜症やPMSによるもの)、腸の痙攣
差し込む 腸の痙攣、尿管結石(関連痛)、軽度の茎捻転
鋭い痛み 排卵痛、茎捻転、破裂、急性炎症(虫垂炎、PID)、尿管結石(関連痛)
持続的 婦人科系疾患(子宮内膜症、子宮筋腫、PID、卵巣嚢腫)、便秘、ストレス
急激な激痛 卵巣嚢腫の茎捻転、卵巣嚢腫の破裂、骨盤腹膜炎、急性虫垂炎、急性尿管結石

痛みの種類に加えて、痛みがいつから始まったか、どのくらいの時間続くか、特定の体勢や行動で変化するか、温めると楽になるか、冷やすと楽になるか、といった情報も診断の手がかりになります。例えば、温めると楽になる鈍痛は血行不良や冷え、筋腫による痛みの可能性。体を動かすと響くような痛みは炎症や腹膜刺激の可能性などが考えられます。ご自身の痛みを詳しく観察し、メモしておくと、受診時に医師に伝える際に役立ちます。

こんな症状の場合は要注意!すぐに受診を検討しましょう

生理じゃない時期の痛みの中には、緊急性が高い、あるいは放置すると重篤な状態になる可能性がある病気が隠れていることがあります。「いつもの痛みと違う」「痛みがどんどん強くなる」と感じた場合は、迷わず医療機関を受診することが大切です。

特に以下の症状がある場合は、自己判断せずに速やかに婦人科を受診してください。夜間や休日で対応している婦人科がない場合は、救急外来を受診することも検討しましょう。

  • 痛みが急激に、あるいは突然始まった
    卵巣嚢腫の茎捻転や破裂、急性虫垂炎、急性尿管結石などの可能性があります。
  • 痛みが非常に強く、我慢できない、歩くのも辛い
    上記の救急性の高い病気や、骨盤腹膜炎などが疑われます。
  • 痛みが持続的で、市販薬で和らがない
    子宮内膜症や子宮筋腫、PIDなどの進行した病気が隠れている可能性があります。
  • 痛みに加えて、高熱(38℃以上)がある
    骨盤内炎症性疾患(PID)や骨盤腹膜炎、腎盂腎炎などの感染症が強く疑われます。
  • 痛みに加えて、いつもと違うおりもの(量が多い、色やにおいが変化した)がある
    PIDや子宮付属器炎など、性器からの感染による炎症が考えられます。
  • 痛みに加えて、不正出血(生理期間以外に出血がある)がある
    子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣出血、不正妊娠(切迫流産、子宮外妊娠)などの可能性があります。
  • 痛みに加えて、吐き気や嘔吐がある
    茎捻転、破裂、急性虫垂炎、PIDなど、緊急性の高い病気でよく見られる症状です。
  • 妊娠の可能性がある時期に、出血や強い下腹部痛がある
    切迫流産や子宮外妊娠など、妊娠に関するトラブルの可能性があります。
  • 排尿時に痛みを感じる、尿が濁っている、血尿がある
    膀胱炎や腎盂腎炎、尿管結石など、尿路系の病気の可能性が高いです。

これらの症状は、体の異常を知らせるサインです。ためらわずに医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。早期に原因を特定し、適切な治療を受けることで、症状の改善や病気の進行を防ぐことにつながります。

また、上記のような緊急性の高い症状ではないものの、痛みが続いている場合や、痛みのために日常生活に支障が出ている場合も、一度婦人科を受診することをおすすめします。「このくらいの痛みで受診していいのかな…」と悩む必要はありません。ご自身の不安を解消するためにも、専門家に相談しましょう。

生理じゃない子宮痛に関するQ&A

生理じゃない時期に子宮やその周辺が痛むことについて、よくある疑問にお答えします。

生理じゃないのに子宮辺りが痛いのはなぜですか?

生理じゃないのに子宮辺りが痛む原因は様々です。主なものとしては、生理周期に伴う生理的な変化(排卵痛、PMS)、婦人科系の病気(子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、骨盤内炎症性疾患など)、妊娠初期症状、そして婦人科系以外の原因(ストレス、便秘や腸の不調、膀胱炎など)が考えられます。痛みの時期や性質、伴う症状によって原因は異なりますので、自己判断せずに医療機関で相談することをおすすめします。

生理が来てないのに下腹部が痛むのはなぜですか?

生理が予定日を過ぎても来ず、かつ下腹部が痛む場合、まず妊娠の可能性を考える必要があります。妊娠初期には、着床や子宮の拡大に伴う軽い下腹部痛を感じることがあります。その他にも、PMSやPMDDによる生理前の痛みが生理が遅れているために続いている、あるいは、生理不順の原因となるようなホルモンバランスの乱れ自体が痛みを引き起こしている可能性も考えられます。また、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の病気、ストレス、便秘などの可能性も同様に考えられます。生理が来ない原因と痛みの原因を特定するためには、婦人科を受診することが重要です。

子宮内膜症は生理じゃない時も痛いですか?

はい、子宮内膜症による痛みは、生理期間中が最も強いことが多いですが、生理じゃない時にも慢性的な下腹部痛や腰痛を感じることがあります。特に進行した子宮内膜症では、生理周期に関係なく痛みが持続したり、性交痛や排便痛を伴ったりすることが特徴的です。生理時以外の痛みが続く場合は、子宮内膜症の可能性を考えて婦人科を受診することをおすすめします。

子宮が痛いのはストレスが原因ですか?

ストレスが直接的に子宮の病気を引き起こすわけではありませんが、ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、間接的に下腹部痛を引き起こしたり、痛みを悪化させたりする可能性があります。特に、検査を受けても器質的な異常が見つからない場合に、ストレスや心因性の原因が考えられることがあります。ただし、ストレスが原因と決めつける前に、必ず他の病気がないか医療機関で検査を受けることが重要です。他の原因を除外した上で、ストレスマネジメントやリラクセーションなどが有効な場合があります。

まとめ:生理じゃない子宮痛で悩んだら専門家へ相談を

生理じゃないのに子宮やその周辺が痛む場合、その原因は生理的なものから、注意が必要な病気、婦人科以外の問題まで、非常に多岐にわたります。排卵痛やPMSといった生理周期に伴う自然な痛みであることも多いですが、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫、骨盤内炎症性疾患といった婦人科系の病気が隠れている可能性も十分にあります。また、妊娠初期症状や、ストレス、便秘などの影響で痛みを感じることもあります。

痛む場所が左右どちらか、あるいは下腹部全体なのか、痛みの種類がチクチク、ズキズキ、重い感じなのかといった情報は、原因を推測する上で役立ちますが、自己判断は危険です。特に、痛みが急激に始まった、痛みが非常に強い、高熱や不正出血、異常なおりものなどを伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。

痛みや不安を一人で抱え込まず、まずは婦人科を受診して相談することが最も重要です。医師による問診、内診、超音波検査などを受けることで、痛みの正確な原因を特定し、適切な診断と治療を受けることができます。早期に原因がわかれば、不要な心配をせずに済みますし、もし病気が見つかった場合でも、早期治療によって症状の軽減や病気の進行を防ぐことが期待できます。

「生理じゃないのに子宮痛い」という痛みは、あなたの体が何かを伝えているサインかもしれません。勇気を出して専門家の扉を叩き、安心につなげてください。

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。具体的な症状や不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。本記事の情報に基づいて行った行為の結果について、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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