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夜中に目が覚める原因と対策|熟睡できない悩みを解消する方法

夜中に目が覚めてしまい、
そこからなかなか眠りにつけずお困りではありませんか?
快適な睡眠は、日中の活動に不可欠です。
夜中に目が覚める「中途覚醒」は、多くの方が経験する睡眠の悩みの一つですが、
原因は様々であり、適切な対処法や予防法を知ることで改善が期待できます。
この記事では、夜中に目が覚める主な原因から、
眠れない時の具体的な対処法、
普段からできる予防策、さらに医療機関への相談目安まで、
専門家の知見を基に詳しく解説します。
あなたの夜中の目覚めが少しでも改善されるよう、ぜひ最後までお読みください。

目次

夜中に目が覚める主な原因

夜中に目が覚める現象は「中途覚醒」と呼ばれ、
睡眠障害の一つに数えられます。
私たちの睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠が
約90分周期で繰り返されています。
健康な人でも一晩に数回、浅い眠りのタイミングで自然に覚醒することがありますが、
多くの場合すぐに再び眠りにつくことができます。
しかし、中途覚醒が問題となるのは、一度目が覚めるとなかなか寝付けない、
あるいは覚醒の頻度が多くて睡眠が分断されてしまう場合
です。

中途覚醒の背景には、実に多様な要因が潜んでいます。
大きく分けると、生活習慣や睡眠環境の問題、精神的なストレス、
そして加齢や特定の疾患
などが考えられます。
これらの原因が単独で影響することもあれば、
複数組み合わさっていることも少なくありません。

生活習慣や睡眠環境

日々の生活習慣や、寝室の環境は睡眠の質に大きく影響します。
特に、夜中の目覚めと関連が深い習慣や環境を見ていきましょう。

  • カフェインやアルコールの摂取:
    • カフェイン:コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があり、寝る前に摂取すると寝つきが悪くなるだけでなく、睡眠を浅くして中途覚醒を引き起こしやすくなります。特にカフェインの効果は数時間にわたるため、夕食後以降の摂取は控えるのが賢明です。
    • アルコール:寝酒としてアルコールを摂取する方もいますが、アルコールは一時的に眠気を誘うものの、体内で分解される過程で覚醒作用を持つアセトアルデヒドが生成され、睡眠が浅くなり、夜中の目覚めの原因となります。また、利尿作用によりトイレのために目が覚めることもあります。
  • 喫煙: タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があります。特に寝る前の喫煙は、中途覚醒のリスクを高めます。
  • 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用: スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは脳を覚醒させ、眠りを促すメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。これにより寝つきが悪くなるだけでなく、睡眠の質が低下し中途覚醒につながることがあります。
  • 不規則な生活: 毎日同じ時間に寝て起きるという規則正しい生活ができていないと、体内時計が乱れ、夜中に目が覚めやすくなります。特に、週末に寝坊をしたり、夜更かしをしたりすると、体内時計のリズムが大きく崩れてしまいます。
  • 寝室環境: 寝室の温度、湿度、明るさ、音は、快適な睡眠に欠かせません。
    • 温度・湿度:暑すぎたり寒すぎたりすると、体は体温調節にエネルギーを使ってしまい、眠りが浅くなります。理想的な温度は18〜22℃、湿度は50〜60%程度と言われています。
    • 明るさ:寝室が明るすぎると、メラトニンの分泌が抑制され、眠りが妨げられます。真っ暗が苦手な場合でも、フットライトなどごく小さな明かりに留めましょう。
    • :騒音はもちろん、小さな音でも敏感な方は目が覚めてしまいます。外部の音が気になる場合は、耳栓の使用や、ホワイトノイズマシンを活用するのも一つの方法です。

ストレスや精神的な要因

日々のストレスや、不安、悩みなどの精神的な状態も、夜中の目覚めに深く関わっています。

  • ストレス: 仕事や人間関係、将来への不安など、慢性的なストレスは心身を緊張させ、自律神経のバランスを乱します。交感神経が優位な状態が続くと、リラックスできず、眠りについても脳が十分に休まらず、浅い眠りになりがちです。その結果、ちょっとした刺激でも目が覚めてしまうことがあります。
  • 不安や悩み: 寝る前にその日の出来事や抱えている問題を考え始めると、脳が活性化してしまい、なかなか寝付けなくなったり、眠りについても気になって夜中に目が覚めてしまったりします。特に、嫌なことや心配事を考え始めると、負のループに陥りやすい傾向があります。
  • 緊張: 大切なプレゼンテーションの前日や試験前など、一時的な強い緊張も睡眠を妨げ、中途覚醒を引き起こすことがあります。

加齢や身体の変化、特定の疾患

年齢を重ねるにつれて、睡眠の質は自然と変化します。
また、体の特定の状態や病気が夜中の目覚めの原因となることもあります。

  • 加齢による生理的な変化: 年齢とともに、睡眠は浅くなり、深い眠りの時間が減少します。また、体内時計のリズムも前倒しになる傾向があり、早朝に目が覚めやすくなるだけでなく、中途覚醒の頻度も増加します。これは自然な生理的変化であり、ある程度は受け入れる必要がありますが、過度に悩む必要はありません。
  • 身体の変化:
    • 頻尿: 夜中にトイレに行くために目が覚めるのは、中途覚醒の典型的な原因の一つです。加齢や前立腺肥大(男性)、膀胱炎など、様々な原因が考えられます。
    • 痛みやかゆみ: 腰痛、関節痛、皮膚のかゆみなど、体の不調や痛みによって目が覚めてしまうこともあります。
    • ホットフラッシュや発汗: 特に更年期の女性に多く見られる症状で、突然の体のほてりや大量の汗によって目が覚めてしまうことがあります。
  • 特定の疾患: 夜中の目覚めは、以下のような様々な疾患の症状として現れることがあります。
    • 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中に繰り返し呼吸が止まったり浅くなったりする病気で、酸素不足により脳が覚醒し、夜中に何度も目が覚めます。大きないびきや日中の強い眠気が特徴です。
    • むずむず脚症候群: 寝ている間や安静時に脚に不快な感覚(むずむず、かゆみ、痛みなど)が生じ、脚を動かしたくなる衝動に駆られる病気です。この不快感で目が覚めてしまいます。
    • 周期性四肢運動障害: 睡眠中に無意識に手足が周期的にぴくつく運動で、睡眠が妨げられ中途覚醒を引き起こします。
    • 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、胸焼けや胃もたれなどの症状が夜間に悪化し、目が覚めることがあります。
    • 心疾患や呼吸器疾患: 心不全による息苦しさや、喘息発作などが夜間に起こり、睡眠が中断されることがあります。
    • 内分泌疾患: 甲状腺機能亢進症など、ホルモンバランスの異常が睡眠リズムを乱すことがあります。
    • 神経疾患: パーキンソン病など、特定の神経疾患の症状や、治療薬の副作用として中途覚醒が見られることがあります。

うつ病と夜中の目覚め

うつ病の代表的な睡眠障害は「早朝覚醒」(予定より早く目が覚めてしまい、
その後眠れない)ですが、中途覚醒もうつ病の重要な症状の一つです。
うつ病では、脳機能の変化により睡眠の質が低下し、
睡眠が浅くなりやすいため、夜中に目が覚めやすくなります。
不安や抑うつ気分が強い夜間は、目が覚めるとさらにネガティブな思考に囚われ、
再入眠が困難になることも少なくありません。
もし、気分の落ち込みや興味・関心の喪失、疲労感、食欲不振、集中力低下などの
うつ病が疑われる症状とともに夜中の目覚めが続いている場合は、
精神科や心療内科の専門医に相談することが非常に重要です。
適切な診断と治療によって、睡眠の問題も改善されることが期待できます。

ADHDと夜中の目覚め

注意欠如・多動性障害(ADHD)自体が直接的に中途覚醒の原因となるわけではありませんが、
ADHDの特性やそれに伴う二次的な問題が睡眠に影響を与えることがあります。
例えば、衝動性や多動性から生活リズムが乱れやすく、
体内時計が不安定になりやすい
ことが挙げられます。
また、ADHDの人は不安障害やうつ病、ASD(自閉スペクトラム症)などを併存することも多く、
これらの精神的な問題が睡眠障害を引き起こす可能性があります。
さらに、ADHDの治療薬(特に覚醒作用のあるもの)の種類や服用時間によっては、
睡眠に影響を及ぼす
ことも考えられます。
ADHDと診断されている方で夜中の目覚めに悩んでいる場合は、
主治医に相談し、睡眠の問題についても詳しく診てもらうことが大切です。
必要に応じて、睡眠専門医への受診を勧められることもあります。

夜中に目が覚めて眠れない時の対処法

夜中に目が覚めてしまった時、「どうしよう、眠れない」と焦ったり不安になったりすると、
余計に目が冴えてしまいます。
そんな時に試せる具体的な対処法をご紹介します。

夜中に目が覚めてしまったら?

  1. 時間を確認しすぎない: 時計を見ることで「もうこんな時間なのに眠れない」と焦りを感じ、それがストレスとなってさらに目が冴えてしまうことがあります。目が覚めても、すぐに時間を確認する習慣はやめましょう。
  2. 一度寝床から出る: 20分以上経っても眠れない場合は、思い切って一度寝床から出てみましょう。眠れないまま寝床にいると、「寝床=眠れない場所」というネガティブな関連付けがされてしまい、ますます眠りづらくなります。リビングなど、寝室とは別の場所に移動します。
  3. リラックスできることをする: 眠りから意識をそらし、リラックスできる静かな活動をします。
    • 軽い読書: 内容があまり面白すぎず、リラックスできるような本を読みましょう。スマホやタブレットではなく、紙媒体の本がおすすめです。
    • 静かな音楽を聴く: リラックス効果のあるクラシックやヒーリングミュージックなどを小さな音量で聴きます。
    • 腹式呼吸や軽いストレッチ: ゆったりとした腹式呼吸を繰り返したり、体の力を抜くような簡単なストレッチをしたりして、心身の緊張をほぐします。
    • 温かい飲み物: ノンカフェインのハーブティー(カモミールなど)やホットミルクなど、体を温めリラックス効果のある飲み物を少量飲みます。
  4. 眠気を感じたら寝床に戻る: リラックスできる活動を続けているうちに眠気を感じてきたら、再び寝床に戻ります。「眠ろう」と強く意識せず、「横になったら気持ちいいな」くらいの軽い気持ちで布団に入りましょう。

眠れない夜の過ごし方

  • スマートフォンやパソコンは避ける: 夜中の目覚め時にスマホを見てしまう方も多いですが、ブルーライトや情報過多は脳を刺激し、眠りを遠ざけます最大のNG行動の一つです。
  • 考え事をしすぎない: 心配事や悩み事が頭に浮かんでしまう場合は、紙に書き出すなどして頭の中を整理するのも有効です。考えすぎてしまうループから抜け出すことを意識しましょう。
  • 明るい光を避ける: トイレに行く時なども、できるだけ明るい電気はつけず、フットライトなど低い照度の明かりを利用します。明るい光は体内時計を刺激して覚醒させてしまいます。

【やってはいけないこと】

  • 時計を何度も確認する
  • 「眠らなきゃ」と強く焦る
  • スマホやパソコンを見る
  • アルコールを飲む(一時的な効果の後に覚醒を招きます)
  • 熱いお風呂に入る(寝る前に体温を上げすぎると寝つきが悪くなります)
  • 夜食を食べる(消化活動で体が覚醒してしまいます)

夜中の目覚めを予防する方法(普段からできる対策)

夜中の目覚めを減らし、睡眠の質を高めるためには、
日頃からの生活習慣や環境を整えることが非常に重要です。

規則正しい生活習慣

  • 毎日同じ時間に起きる: これが最も基本的な体内時計の調整法です。休日も平日との差を1〜2時間以内にとどめましょう。
  • 朝日を浴びる: 起床後すぐにカーテンを開け、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、覚醒を促すセロトニンが分泌されます。
  • 三食を規則正しく摂る: 特に朝食は体内時計を整える上で重要です。

寝室環境の整備

前述の「生活習慣や睡眠環境」で触れた通り、寝室の環境は非常に大切です。

  • 温度: 18〜22℃が理想。夏場はエアコンで適切な温度を保ち、タイマー機能などを活用しましょう。
  • 湿度: 50〜60%を保ちましょう。冬場は加湿器を使用するなど乾燥対策を。
  • 明るさ: 可能な限り暗くしましょう。遮光カーテンを使ったり、カーテンの隙間から光が漏れないようにしたり工夫します。常夜灯は避けましょう。
  • : 静かで落ち着ける環境を作りましょう。外部の騒音が気になる場合は、二重窓にしたり、防音カーテンを使ったり、耳栓を検討します。

就寝前の注意点

  • カフェイン・アルコール・喫煙を控える: 就寝前のカフェインは4時間前、アルコール・喫煙は寝る直前を避けるのが理想です。
  • 夕食は寝る3時間前までに: 食後すぐに寝ると、消化活動のために胃腸が働き、体が十分にリラックスできません。
  • 入浴: 就寝1〜2時間前に、38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。体の中から温まることで、その後体温が下がり眠気を誘います。熱すぎるお湯は逆に体を興奮させてしまいます。
  • 軽い運動: 就寝数時間前の適度な運動は睡眠の質を高めますが、寝る直前の激しい運動は体を興奮させてしまうため避けましょう。
  • リラックスする時間を作る: 寝る前にゆったりとした音楽を聴く、アロマを焚く、ストレッチやヨガをするなど、自分なりのリラックス習慣を取り入れましょう。
  • 寝る前のスマホ・PCをやめる: 最低でも寝る1時間前からは使用を避けましょう。

【睡眠の質を高めるポイント】

項目 おすすめの対策 避けるべき行動
起床時間 毎日同じ時間に起きる (休日も±1時間以内) 週末の寝坊
太陽光 起床後すぐに朝日を浴びる (15分〜30分程度) 日中、屋内にこもりきりになる
食事 規則正しい時間に摂る、特に朝食をしっかり摂る。夕食は就寝3時間前までに。 就寝前の食べ過ぎ・飲み過ぎ、夜食
カフェイン 午後以降は控える 寝る前にコーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどを飲む
アルコール 適量に留める、寝酒は避ける 寝る直前に多量に飲む
喫煙 就寝前は避ける 寝る直前に喫煙する
運動 日中〜夕方にかけて適度な運動を取り入れる 就寝直前の激しい運動
入浴 就寝1〜2時間前にぬるめのお湯に浸かる (38〜40℃) 寝る直前に熱いお風呂に入る
寝る前の過ごし方 リラックスできる静かな活動 (読書、音楽、ストレッチ、瞑想) スマートフォン、パソコン、テレビの長時間視聴、ゲーム、脳を活性化させるような作業(仕事、勉強など)
寝室環境 温度18〜22℃、湿度50〜60%。暗く静か。快適な寝具を選ぶ。 明るすぎる照明、騒音、不快な温度・湿度
日中の過ごし方 適度な運動、日中に眠気を感じたら20分以内の短い仮眠(午後3時までに)。 日中の長すぎる仮眠、夕方以降の仮眠

夜中の目覚める頻度や同じ時間の目覚めについて

夜中の目覚めの頻度や、いつも同じ時間に目が覚めるという経験は、
それぞれ異なる意味合いを持つことがあります。

毎日夜中に目が覚める場合

「毎日夜中に目が覚める」という状態は、
慢性的な不眠(特に中途覚醒)のサインである可能性が高いです。
数日程度であれば、一時的なストレスや環境の変化などが原因であることも多いですが、
毎日、あるいは週に数日以上、数週間〜数ヶ月にわたって夜中に目が覚める状態が続いている場合は、
単なる生活習慣の問題だけでなく、前述した特定の疾患や精神的な問題が背景にある可能性
より強く疑う必要があります。

毎日続く場合は、複数の原因が絡み合っていることも考えられます。
例えば、日中のストレスが睡眠の質を低下させ、
さらに不規則な生活習慣が体内時計を乱し、
その結果として毎日同じ時間帯でなくても頻繁に目が覚める、
といった複合的な問題です。
このような状態は、自分で原因を特定し改善するのが難しく、
日中の眠気や倦怠感、集中力低下など、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
毎日夜中に目が覚める状態が2週間以上続くようであれば、
一度専門家に相談することを強くお勧めします。

特定の時間(2時など)に目が覚める場合

「いつも夜中の2時頃に目が覚める」「決まった時間に目が覚めることが多い」といった
特定の時間の目覚めには、いくつかの解釈があります。

一つは、睡眠サイクルの特定の段階(特に浅い眠りのレム睡眠期)で
目が覚めやすい体質や状態になっている
という可能性です。
睡眠周期は約90分なので、寝床に入ってから90分、180分(3時間)、
270分(4時間半)といったタイミングで目が覚めやすいということは起こり得ます。
例えば、夜11時に寝て、3時間後の2時に目が覚める、といったパターンです。

また、特定の生活習慣や体の状態と関連している可能性もあります。

  • 寝る前の飲食:寝る直前に水分を多く摂った場合、数時間後に膀胱に尿が溜まり、トイレに行きたくなって目が覚める時間帯が決まってくることがあります。
  • 服薬時間: 特定の薬を寝る前に服用している場合、その薬の効果が切れる時間や、利尿作用などの副作用が出る時間帯に目が覚める可能性があります。
  • 体の痛みや不快感: 特定の時間帯に体の痛み(例:明け方にかけて腰痛が悪化するなど)や不快感が増す場合、それが覚醒の引き金となることがあります。
  • 体内時計の乱れ: シフトワークなどで生活リズムが不規則な場合、体内時計が乱れて特定の時間帯に覚醒しやすくなることがあります。

ただし、「〇時に目が覚めるのは〇〇の病気だ」と特定の時間帯だけで原因を断定することはできません
例えば、東洋医学では「肝臓の時間」「肺の時間」といった考え方がある場合もありますが、
現代医学において特定の覚醒時間と特定の病気を直接結びつける科学的な根拠は乏しいのが現状です。
特定の時間に目が覚めることが気になる場合は、
その時間帯以外にも気になる症状はないか、生活習慣に心当たりはないかなどを総合的に振り返り、
必要に応じて専門家に相談することが大切です。

年代別の夜中目覚めの特徴(20代・30代など)

夜中の目覚めの原因や特徴は、年代によっても異なります。
それぞれの年代が抱えやすいライフスタイルや身体の変化が影響するためです。

年代別の夜中目覚めの主な特徴と原因

年代 主な睡眠の特徴 夜中目覚めの主な原因
10代 必要な睡眠時間が最も長い。睡眠リズムが後ろにずれやすい(夜型になりやすい)。 受験勉強や深夜のスマホ・ゲームによる睡眠時間不足や体内時計の乱れ。友人関係や学業のストレス。起立性調節障害など身体的な問題。
20代 必要な睡眠時間は減少し始める。生活リズムが不規則になりやすい。 仕事や人間関係のストレス、将来への不安など精神的な要因。夜勤や交代制勤務。深夜までの残業や飲み会。スマートフォンやSNSの利用時間過多。一人暮らしによる生活リズムの乱れ。
30代 必要な睡眠時間は20代と同様。社会的責任が増加する。 仕事の責任増加や昇進に伴うストレス。結婚、出産、育児、住宅購入などのライフイベントに伴う環境変化や精神的な負担。子どもの夜泣きなどによる睡眠中断。運動不足や不規則な食生活。
40代 加齢により徐々に睡眠が浅くなり始める。深い睡眠が減少する。 更年期による身体の変化(ホットフラッシュ、発汗、気分の変動)。仕事での中間管理職としてのストレス。親の介護問題。老眼や肩こりなど身体の不調。生活習慣病の初期症状。
50代 睡眠がさらに浅くなる。睡眠時間自体が短くなる傾向。 更年期症状の継続または新たな出現(女性)。頻尿。関節痛や腰痛などの身体的な痛み。高血圧や糖尿病など持病による影響や服薬。退職や子どもの独立などライフイベントによる精神的な変化。睡眠時無呼吸症候群のリスク増加。
60代 睡眠時間はさらに短縮。睡眠がより浅く断片的になる。体内時計が前倒しになる傾向。 頻尿が最も多い原因。関節痛や腰痛、かゆみなど身体的な不調。持病の悪化や複数の薬の服用。睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群などの睡眠関連疾患。孤独感や将来への不安など精神的な要因。
70代以上 必要な睡眠時間は短縮し、日中のうたた寝が増える。夜間の睡眠は非常に浅くなる。 頻尿、体の痛み、持病の症状悪化が顕著。睡眠薬を含む複数の薬の服用による影響。認知機能の低下に伴う昼夜逆転。睡眠時無呼吸症候群などの睡眠関連疾患。活動量の低下。

このように、年代によって夜中目覚めの背景にある原因は変化していきます。
若い世代では生活習慣やストレスの影響が強く、
年齢を重ねるにつれて加齢による生理的な変化や身体的な不調、
持病の影響が大きくなる傾向があります。
もちろん、これは一般的な傾向であり、個々の状況によって原因は異なります。
自分の年代で起こりやすい原因を参考にしつつ、
自分自身の生活や体の状態を振り返ってみることが、原因特定の第一歩となります。

医療機関や専門家への相談目安

夜中の目覚めが続く場合、どのような状態であれば医療機関や専門家に相談すべきでしょうか。
目安となる基準を知っておくことは大切です。

医療機関への相談を検討すべき目安

  • 夜中の目覚めが週に数回以上あり、それが2週間以上続いている場合。
  • 夜中に目が覚めることによって、日中の生活に支障が出ている場合(強い眠気、倦怠感、集中力低下、イライラ、気分の落ち込みなど)。
  • 自分でできる対策(生活習慣の見直し、寝室環境の改善など)を試しても改善が見られない場合。
  • 夜中の目覚め以外にも、気になる症状がある場合(例:大きないびき、呼吸の乱れ、足の不快感、胸焼け、体の痛み、気分の落ち込み、強い不安など)。
  • 夜中の目覚めに対する不安や恐怖心が強く、それがさらに睡眠を妨げている場合。

このような場合は、自己判断せずに専門家の助けを借りることをお勧めします。
夜中の目覚めの原因が、生活習慣の問題なのか、精神的な問題なのか、
あるいは特定の疾患によるものなのかを診断してもらい、
適切な治療やアドバイスを受けることが改善への近道です。

何科を受診すれば良いか

夜中の目覚めの原因によって、受診すべき科は異なります。

考えられる原因 受診を検討する科
睡眠障害全般 (原因が特定できない、あるいは睡眠の問題が主訴の場合) 精神科、心療内科、睡眠専門外来
ストレス、不安、うつ病などの精神的な問題 精神科、心療内科
生活習慣病(高血圧、糖尿病など)やその他の内科的疾患との関連 内科、かかりつけ医
睡眠時無呼吸症候群(いびき、呼吸停止) 耳鼻咽喉科、呼吸器内科、睡眠専門外来
むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害 神経内科、睡眠専門外来
頻尿 泌尿器科
更年期症状(ホットフラッシュなど) 婦人科
痛みやかゆみなど身体的な不調 整形外科、皮膚科、かかりつけ医など、原因疾患に応じた科
現在服用中の薬の副作用が疑われる場合 処方医、かかりつけ医

まずはかかりつけ医に相談してみるのも良いでしょう。
かかりつけ医が、あなたの症状や健康状態を把握しているため、
適切な診療科を紹介してくれることが多いです。
あるいは、前述の「相談を検討すべき目安」に当てはまる場合は、
最初から精神科、心療内科、または睡眠専門外来を受診することも選択肢の一つです。
睡眠専門外来では、睡眠ポリグラフ検査など専門的な検査を行うことができるため、
より詳細な診断が可能です。

問診で医師に伝えるべきこと

診察を受ける際には、以下の情報を整理しておくと、医師が原因を特定しやすくなります。

  • いつ頃から夜中の目覚めが始まったか
  • どれくらいの頻度で目が覚めるか(毎日か、週に何回か)
  • 目が覚める時間帯(おおよそで構いません)
  • 一度目が覚めるとどれくらいの時間眠れないか
  • 夜中の目覚め以外にどのような睡眠の問題があるか(例:寝つきが悪い、朝早く目が覚めてしまう、熟睡感がない、いびき、足の不快感など)
  • 日中の状態(眠気、倦怠感、集中力、気分など)
  • 現在の生活習慣(就寝・起床時間、食事、運動、カフェイン・アルコール・喫煙習慣、寝る前の行動など)
  • 仕事や人間関係などでストレスを感じているか、悩みや不安があるか
  • これまでに診断された病気や現在治療中の病気、服用中の薬(市販薬やサプリメント含む)
  • 女性の場合、生理周期や更年期症状の有無
  • 寝室の環境(温度、湿度、明るさ、音など)

これらの情報を具体的に伝えられるように準備しておきましょう。

【まとめ】夜中の目覚めに悩んだら、まずは原因の特定と対策から

夜中に目が覚める「中途覚醒」は、多くの人が経験する身近な悩みです。
しかし、その背景には、生活習慣の乱れやストレスといった比較的軽いものから、
睡眠障害や他の疾患といった医学的な問題まで、様々な原因が隠されています。

まずはご自身の生活習慣や寝室環境を見直し、
日頃からできる予防策(規則正しい生活、寝室環境の整備、就寝前の注意点など)を実践してみましょう。
これだけでも改善が見られることがあります。

もし、これらの対策を試しても夜中の目覚めが続いたり、日中の生活に支障が出ている場合は、
一人で悩まずに専門家に相談することが大切です。
原因が特定できれば、適切な治療やアドバイスによって、
睡眠の質を改善し、快適な毎日を取り戻すことが十分に可能です。

夜中の目覚めは、体の声である場合もあります。
その声に耳を傾け、必要に応じて専門家の力を借りながら、より良い睡眠を目指しましょう。

免責事項:この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療法を示すものではありません。個々の症状については、必ず医師や専門家の診断を受けてください。この記事の情報に基づいて行った行為によって生じたいかなる結果に関しても、当サイトは責任を負いかねます。

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