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20代女性の「寝ても寝ても眠い」|見過ごせない原因と対処法

寝ても寝ても眠いと感じる。特に若い20代女性の中には、しっかりと睡眠時間を確保しているはずなのに、日中に強い眠気に襲われたり、朝起きるのがつらかったりする悩みを抱えている方が少なくありません。この原因は一つではなく、女性特有の体の変化、現代のライフスタイル、さらには何らかの病気が隠れている可能性まで、様々な要素が複雑に絡み合っていることがあります。この記事では、「寝ても寝ても眠い 女性 20代」という悩みに焦点を当て、考えられる原因、自分でできる対策、そして医療機関を受診すべき目安について、詳しく解説していきます。つらい眠気を改善し、毎日をスッキリと過ごすためのヒントを見つけてください。

女性ホルモンバランスの変動

女性の体は生涯にわたって女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変動に大きく影響されます。特に20代はホルモンバランスが確立される時期であり、この変動が心身に様々な影響を及ぼします。睡眠も例外ではありません。

月経前症候群(PMS)と眠気
多くの女性が生理前に経験する月経前症候群(PMS)の症状の一つとして、強い眠気やだるさがあります。生理が近づくと、プロゲステロンというホルモンの分泌量が増加します。プロゲステロンには体温を上げたり、眠気を誘う作用があるため、この時期に「寝ても寝ても眠い」と感じやすくなることがあります。また、生理周期に伴う気分の落ち込みやイライラといった精神的な不調が、睡眠の質を低下させ、結果的に日中の眠気を招くこともあります。PMSによる眠気は、生理が始まると自然に軽減することが多いですが、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、婦人科で相談することも検討しましょう。低用量ピルや漢方薬などが症状緩和に有効な場合があります。

妊娠初期の眠気
妊娠初期には、プロゲステロンやhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)などのホルモンが急激に増加します。これらのホルモンの影響で、体のだるさや強い眠気を感じやすくなります。特に、妊娠初期の眠気は非常に強く、「寝ても寝ても眠い」「一日中眠い」と感じることが一般的です。これは、新しい命を育むために体が大きな変化に対応しているサインであり、自然な反応の一つです。もし、妊娠の可能性がある場合は、市販の妊娠検査薬を試したり、産婦人科を受診したりして確認することが重要です。

睡眠の量と質の不足

「寝ても寝ても眠い」と感じる最も直接的な原因として、睡眠そのものの問題が挙げられます。単に睡眠時間が短いだけでなく、睡眠の質が低い場合も、十分な休息が得られずに日中の眠気につながります。

不規則な生活リズムと夜更かし
20代は仕事や学業、プライベートなど、様々な活動で忙しくなりがちな年代です。これにより、生活リズムが不規則になったり、夜更かしが増えたりすることがよくあります。体内時計は、毎日ほぼ同じ時間に寝起きすることで正常に機能します。しかし、寝る時間や起きる時間が日によって大きく変動すると、体内時計が乱れてしまい、夜になっても眠れなかったり、朝起きるのがつらくなったりします。週末に寝溜めをしようとしても、かえって体内時計が乱れる原因となることもあります。慢性的な睡眠不足や体内時計の乱れは、日中の強い眠気の大きな原因となります。

睡眠環境の問題
寝室の環境が睡眠の質に大きく影響することを見過ごしているケースがあります。

  • 明るさ: 寝室が明るすぎると、眠りを誘うホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。遮光カーテンを使うなど、寝室を暗く保つことが重要です。
  • 温度・湿度: 寝室の温度や湿度が適切でないと、快適に眠ることができません。一般的に、寝室の適温は18〜22℃、湿度は50〜60%が快適と言われています。
  • 騒音: 外部の騒音や同居人の生活音などが睡眠を妨げることがあります。耳栓を使ったり、ホワイトノイズを活用したりするのも一つの方法です。
  • 寝具: 体に合わないマットレスや枕は、体の痛みや不快感を引き起こし、睡眠の質を低下させます。自分に合った寝具を選ぶことが大切です。

また、スマートフォンやタブレット、パソコンなどのブルーライトを寝る直前まで浴びることも、メラトニンの分泌を妨げ、入眠を困難にする原因となります。寝る1時間前からはこれらの使用を控えるように意識しましょう。

ストレスや精神的な要因

精神的な状態も、睡眠に大きな影響を与えます。20代は、新しい環境への適応(就職、引っ越しなど)、人間関係、仕事や将来への不安など、様々なストレスに直面しやすい時期です。

自律神経の乱れ
過度なストレスや不規則な生活は、心身のバランスを保つ自律神経(交感神経と副交感神経)を乱れさせます。通常、活動している昼間は交感神経が優位になり、リラックスして眠る夜間は副交感神経が優位になります。しかし、ストレスが続くと、夜間になっても交感神経が優位な状態が続き、体が休息モードに入れず、眠りたくても眠れない、眠りが浅いといった状態になります。自律神経の乱れは、日中のだるさや強い眠気、集中力の低下など、様々な不調を引き起こします。

うつ病などの可能性
強い眠気やだるさが続き、以前は楽しめていたことに関心が持てなくなったり、気分の落ち込みが激しかったりする場合は、うつ病などの精神疾患の可能性も考えられます。うつ病というと眠れないイメージがあるかもしれませんが、過眠(寝すぎてしまうこと)も症状の一つとして現れることがあります。特に若い世代では、非定型うつ病といって、気分の落ち込みと過眠が特徴的な場合もあります。もし、眠気以外にも意欲の低下、倦怠感、食欲の変化、体の痛みなどが長く続く場合は、一人で抱え込まず、専門機関に相談することが重要です。

栄養不足や低血糖

食生活の偏りも、眠気の原因となることがあります。20代は忙しさから食事を簡単に済ませたり、外食やコンビニ食に頼りがちになったりする人も多いでしょう。

  • 鉄分不足(貧血): 特に女性は月経があるため、鉄分が不足しやすく、貧血になりやすい傾向があります。貧血になると、全身に酸素が十分に行き渡らず、倦怠感やめまい、息切れとともに、強い眠気を感じることがあります。
  • ビタミンB群の不足: ビタミンB群はエネルギー代謝に不可欠な栄養素です。これらのビタミンが不足すると、エネルギーがうまく作られず、疲労感やだるさ、眠気につながることがあります。
  • 低血糖: 食事の時間が不規則だったり、糖分の多いものを摂りすぎたりすると、血糖値が急激に変動し、その後急降下して低血糖状態になることがあります。低血糖になると、だるさ、手足の震え、冷や汗、そして強い眠気を感じることがあります。朝食を抜いたり、ランチが遅くなったりするだけでも、午後に強い眠気に襲われる原因となり得ます。

バランスの取れた食事は、体に必要なエネルギーや栄養素を供給し、心身の機能を正常に保つために非常に重要です。

隠れている可能性のある病気

先に挙げた原因以外にも、まれではありますが、何らかの病気が原因で強い眠気が引き起こされている可能性も考えられます。特に、十分な睡眠時間を取っているのに眠い、眠気以外の症状もある、といった場合は注意が必要です。

睡眠障害(過眠症など)
睡眠障害には様々な種類がありますが、日中に耐えがたいほどの眠気に襲われる「過眠症」もその一つです。代表的なものに「ナルコレプシー」や「特発性過眠症」があります。

  • ナルコレプシー: 日中に突然強い眠気に襲われ、時間や場所に関係なく眠り込んでしまう(睡眠発作)のが特徴です。情動性脱力発作(笑ったり驚いたりすると体の力が抜ける)、入眠時幻覚、金縛りなどを伴うこともあります。
  • 特発性過眠症: 十分な睡眠をとっているにも関わらず、日中に強い眠気が続く状態です。寝起きが悪く、目覚めるのに時間がかかる(睡眠慣性)ことも特徴として挙げられます。

これらの睡眠障害は専門的な検査と治療が必要になります。

貧血
前述の栄養不足でも触れましたが、月経以外にも、病気(胃潰瘍や子宮筋腫などによる慢性的な出血)が原因で貧血が進行している可能性もあります。強い眠気、顔色の悪さ、動悸、息切れなどが続く場合は、医療機関での検査が必要です。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節するホルモンです。このホルモンの分泌が低下すると、体の機能が全体的にスローダウンし、疲れやすさ、むくみ、体重増加、寒がり、そして強い眠気などの症状が現れます。20代女性でも発症することがあります。

その他の病気
上記の他にも、慢性疲労症候群、糖尿病、腎臓病、心臓病、自己免疫疾患などが原因で、強い倦怠感や眠気を伴うことがあります。また、服用している薬の副作用として眠気が出ている可能性もゼロではありません。市販薬も含め、何か薬を服用している場合は、その影響も考慮する必要があります。

多様な原因が考えられるからこそ、自分の体の状態や生活習慣をよく観察し、必要に応じて医療機関で相談することが大切です。

目次

あなたの眠気をチェック

寝ても寝ても眠い?20代女性向けチェックリスト

以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。

  • 生理前になると、特に眠気が強くなりますか?
  • 生理周期に関係なく、常に眠気を感じますか?
  • 最近、月経の量が増えたり、期間が長くなったりしましたか?
  • めまいや立ちくらみをよく感じますか?
  • 顔色が悪く、人に指摘されることがありますか?
  • 食事を抜くことが多いですか?
  • 甘いものや炭水化物をまとめて食べることが多いですか?
  • 朝食を抜くことが多いですか?
  • 夜寝る時間が日によってバラバラですか?
  • 週末にまとめて寝溜めをしますか?
  • 寝る直前までスマートフォンやパソコンを見ていますか?
  • 寝室が明るすぎたり、騒がしかったりしますか?
  • 寝ても途中で何度も目が覚めますか?
  • 眠ろうとしてもなかなか寝付けないことが多いですか?
  • 寝起きが悪く、すぐに活動するのが難しいですか?
  • 日中に急に強い眠気に襲われ、我慢できないことがありますか?
  • 笑ったり驚いたりすると、体の力が抜けることがありますか?
  • 最近、仕事や人間関係で大きなストレスを感じていますか?
  • 気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりすることが増えましたか?
  • 以前は楽しめていたことに興味が持てなくなりましたか?
  • 体がむくみやすくなりましたか?
  • 寒がりになりましたか?
  • 体重が増えたり減ったりしましたか?
  • 何らかの病気で治療中ですか?
  • 定期的に服用している薬(市販薬含む)がありますか?

チェックリストの目安

このチェックリストはあくまで目安であり、医療診断に代わるものではありません。

  • 1〜5に「はい」が多い場合: 女性ホルモンの変動や貧血の可能性があります。
  • 6〜8に「はい」が多い場合: 食生活や血糖値の変動が関わっている可能性があります。
  • 9〜15に「はい」が多い場合: 睡眠習慣や睡眠環境に問題がある可能性があります。
  • 16〜17に「はい」が多い場合: 過眠症などの睡眠障害の可能性も考慮されます。
  • 18〜20に「はい」が多い場合: ストレスや精神的な要因が強く影響している可能性があります。
  • 21〜23に「はい」が多い場合: 甲状腺機能低下症などの病気の可能性も考えられます。
  • 24〜25に「はい」の場合: 治療中の病気や服用中の薬の影響も考慮が必要です。

複数の項目に当てはまる場合は、様々な要因が複合的に絡み合っていると考えられます。次のセクションで紹介する対策を試しても改善が見られない場合や、気になる症状がある場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

寝ても寝ても眠い 20代女性が今日からできる対策

「寝ても寝ても眠い」状態を改善するために、今日からでも始められる対策はたくさんあります。原因が一つでないように、対策も多角的にアプローチすることが効果的です。まずは、ご自身の生活習慣を見直すことから始めましょう。

睡眠の質を高める習慣

睡眠の量だけでなく、質を向上させることが、日中の眠気を軽減する鍵となります。

適切な睡眠時間の確保
一般的に、成人に必要な睡眠時間は7〜8時間と言われていますが、個人差があります。自分にとって最適な睡眠時間を見つけることが大切です。まずは毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつけることから始めましょう。体内時計が整い、自然な眠気や目覚めが得やすくなります。理想は、休日も平日と同じ時間帯に起きることです。難しい場合でも、平日との差を1〜2時間以内にとどめましょう。

就寝前のリラックス方法
寝る前に心身をリラックスさせることで、スムーズに入眠し、深い眠りに入りやすくなります。

  • ぬるめのお風呂に入る: 就寝1〜2時間前に38〜40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かると、体の深部体温が一時的に上がり、その後下がる過程で眠気を誘います。
  • ストレッチや軽いヨガ: 体の緊張をほぐし、リラックス効果を高めます。激しい運動は避けましょう。
  • アロマテラピー: ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のある香りを活用するのもおすすめです。
  • 読書や音楽: 静かな音楽を聴いたり、リラックスできる内容の本を読んだりするのも良いでしょう。ただし、スマートフォンやタブレットでの読書や音楽鑑賞はブルーライトの影響があるため注意が必要です。
  • 温かい飲み物: ホットミルクやハーブティーなど、カフェインを含まない温かい飲み物はリラックス効果が期待できます。

寝室環境の改善
快適な睡眠環境を整えることは非常に重要です。

  • 明るさ: 寝室はできるだけ暗くしましょう。遮光カーテンを利用したり、デジタル機器の光をシャットアウトしたりします。常夜灯も、できるだけ小さく控えめなものを選びましょう。
  • 温度・湿度: 快適な温度(18〜22℃)と湿度(50〜60%)を保ちましょう。エアコンや加湿器・除湿器などを活用します。
  • 騒音対策: 外の音が気になる場合は、厚手のカーテンをつけたり、窓を二重にしたり、耳栓を使ったりします。
  • 寝具: 自分に合ったマットレスや枕を選びましょう。体の痛みなくリラックスして眠れる寝具を選ぶことが、質の高い睡眠につながります。

また、スマートフォンやタブレット、パソコンなどのブルーライトを寝る直前まで浴びることも、メラトニンの分泌を妨げ、入眠を困難にする原因となります。寝る1時間前からはこれらの使用を控えるように意識しましょう。

食生活の改善

バランスの取れた食事は、エネルギーレベルを一定に保ち、日中の眠気を軽減するのに役立ちます。

血糖値の急激な変動を防ぐ食事
血糖値の急激な上昇と下降は、眠気の原因となります。これを防ぐために、以下の点を意識しましょう。

  • 規則正しい食事: 毎日決まった時間に3食しっかり食べるように心がけましょう。食事を抜くと、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。
  • バランスの取れた食事: 炭水化物だけでなく、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂りましょう。特に、たんぱく質や食物繊維は血糖値の急上昇を抑える効果があります。
  • ゆっくり食べる: よく噛んでゆっくり食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
  • 加工食品や砂糖が多い食品を控える: これらは血糖値を急激に上昇させやすい傾向があります。間食をするなら、ナッツやフルーツなど、血糖値への影響が穏やかなものを選びましょう。

鉄分など不足しがちな栄養素
20代女性に不足しがちな栄養素、特に鉄分を意識的に摂りましょう。

  • 鉄分: レバー、赤身の肉、マグロ、カツオ、ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆製品などに多く含まれます。鉄分の吸収を助けるビタミンC(オレンジ、いちご、ブロッコリーなど)と一緒に摂るのがおすすめです。コーヒーや紅茶は鉄分の吸収を妨げる可能性があるため、食事中や食後すぐに大量に飲むのは避けましょう。
  • ビタミンB群: 豚肉、うなぎ、レバー、卵、大豆製品、玄米などに多く含まれます。これらの食品を積極的に取り入れましょう。

必要に応じて、サプリメントで補うことも検討できますが、まずは食事からの摂取を基本とし、サプリメントを使用する場合は専門家(医師や薬剤師、管理栄養士)に相談しましょう。

ストレスへの対処法

ストレスは自律神経を乱し、睡眠の質を低下させる大きな要因です。自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。

自分に合ったリフレッシュ方法を見つける
ストレス解消法は人それぞれです。いくつか試してみて、自分にとって効果的な方法を見つけましょう。

  • 軽い運動: ウォーキング、ジョギング、ヨガ、ダンスなど、体を動かすことはストレス発散に効果的です。
  • 趣味の時間: 好きな音楽を聴く、映画を見る、絵を描く、手芸をするなど、没頭できる時間を持つことで気分転換になります。
  • 友人や家族と話す: 誰かに話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
  • 瞑想や深呼吸: 意識的にリラックスする時間を作ることも大切です。簡単な瞑想や深呼吸は、場所を選ばずに手軽に行えます。
  • 自然に触れる: 公園を散歩したり、植物を育てたり、自然の中に身を置くことで心が癒されることがあります。

忙しい日々の中でも、意識的にリフレッシュする時間を作り、ストレスを溜め込まないようにすることが重要です。

適度な運動を取り入れる

適度な運動は、心身のリフレッシュになるだけでなく、夜の入眠をスムーズにし、睡眠の質を高める効果があります。日中に体を動かすことで、夜に心地よい疲労感が生まれ、眠りやすくなります。

  • タイミング: 就寝直前の激しい運動は逆効果になることがあるため、避けましょう。夕方から寝る3時間前くらいまでの時間帯に行うのが理想的です。
  • 種類: ウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリングなど、有酸素運動がおすすめです。週に3回以上、1回あたり30分程度の運動を目標にすると良いでしょう。
  • 継続: 大切なのは無理なく続けられること。通勤中に一駅歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中に運動を取り入れる工夫をするのも良い方法です。

カフェイン・アルコールの影響を見直す

カフェインやアルコールは、睡眠に悪影響を与える可能性があります。

  • カフェイン: コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があり、脳を覚醒させてしまいます。夕食後や寝る前に摂取すると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする原因となります。日中の眠気を覚ますためにカフェインを摂りすぎると、夜眠れなくなり、さらに日中の眠気が悪化するという悪循環に陥ることもあります。午後の遅い時間帯からはカフェイン摂取を控えるようにしましょう。
  • アルコール: アルコールは一時的に眠気を誘いますが、眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めやすくなります。また、睡眠の質を低下させるため、たとえ長く眠っても十分な休息が得られないことがあります。寝酒は避けるようにし、就寝前にはアルコールを飲まないようにしましょう。

これらの対策を一つずつ試してみて、ご自身の体調や生活リズムにどのような変化があるか観察してみてください。すぐに効果が現れなくても、継続することが大切です。

もしかして病気?病院に行く目安

様々な対策を試してみても「寝ても寝ても眠い」状態が改善されない、あるいは眠気以外にも気になる症状がある場合は、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。その場合は、医療機関を受診して専門的な診断を受けることが重要です。

受診を検討すべき症状

以下の症状がある場合は、医療機関への受診を強く検討しましょう。

  • 十分な睡眠時間を確保している(7時間以上)にも関わらず、日中に耐えがたいほどの眠気に襲われる。
  • 日中の眠気で、仕事や学業、日常生活に支障が出ている(集中できない、ミスが増える、居眠りしてしまうなど)。
  • 眠気以外にも、強い倦怠感、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状がある。
  • 生理周期に関係なく、長期間(数週間以上)にわたって強い眠気が続いている。
  • 気分の落ち込み、やる気の低下、興味・関心の喪失など、精神的な不調を伴う。
  • 短時間だけ仮眠をとっても、眠気が解消されない。
  • 夜になってもなかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまう、早朝に目が覚めてしまうといった睡眠の質の問題を伴う。
  • 手足のむくみや冷え、寒がり、体重の変化などを伴う。
  • 笑ったり驚いたりした時に、体の力が抜けることがある。
  • 寝る直前や寝起きの際に、幻覚を見たり金縛りにあったりする。

これらの症状は、単なる生活習慣の乱れだけでなく、貧血、甲状腺機能低下症、睡眠障害(過眠症)、うつ病など、様々な病気のサインである可能性があります。自己判断せずに、専門家の診断を受けることが大切です。

何科を受診すべきか

「寝ても寝ても眠い」という症状で受診する場合、考えられる原因によって適した診療科が異なります。どこに行けば良いか迷う場合は、まずはかかりつけ医や内科で相談するのが良いでしょう。そこで問診を受け、必要に応じて適切な専門医を紹介してもらうことができます。

  • 内科: 全身の状態を診てくれるため、最初に相談しやすいでしょう。貧血、甲状腺機能低下症、糖尿病などの病気のスクリーニングや、服用中の薬の影響などを確認してくれます。
  • 婦人科: 月経周期に関連した眠気や、婦人科系の疾患(子宮筋腫など)による貧血が疑われる場合に適しています。ホルモンバランスの異常などについて相談できます。
  • 精神科・心療内科: ストレスや精神的な要因(うつ病、適応障害など)が疑われる場合に適しています。心理的な側面からのアプローチや、必要に応じて薬物療法などが行われます。
  • 睡眠外来・呼吸器内科(専門医療機関): 睡眠障害(過眠症、睡眠時無呼吸症候群など)が強く疑われる場合に適しています。終夜睡眠ポリグラフ検査などの専門的な検査を行い、正確な診断と治療計画を立ててもらえます。

複数の原因が考えられる場合や、症状が複雑な場合は、複数の診療科を連携して受診する必要が出てくることもあります。まずは、ご自身の最も気になる症状や状況を整理し、医師に正確に伝えることが重要です。

医療機関を受診することは、病気の早期発見につながるだけでなく、適切な診断と治療によって、長年悩まされてきたつらい眠気から解放される可能性があります。一人で悩まず、専門家のサポートを積極的に活用しましょう。

想定される原因 考えられる主な診療科 備考
月経関連の眠気(PMS含む)、婦人科疾患による貧血 婦人科 ホルモンバランスや婦人科系の問題を相談
貧血(婦人科以外が原因)、甲状腺機能低下症、糖尿病 内科 全身の健康状態を診る。必要に応じて専門医を紹介
ストレス、気分の落ち込み、やる気の低下 精神科・心療内科 心理的な側面からのアプローチ、精神疾患の診断・治療
日中の強い眠気(睡眠発作など)、夜間の睡眠の問題 睡眠外来、呼吸器内科(専門医療機関) 睡眠の専門的な検査・診断・治療
複数の原因が考えられる、どこに行けば良いか分からない まずはかかりつけ医や内科 初診で相談し、専門医を紹介してもらう

まとめ:つらい眠気を改善するために

20代女性が「寝ても寝ても眠い」と感じる悩みは、決して珍しいものではありません。その原因は、女性ホルモンの変動、睡眠の量や質の不足、ストレス、栄養不足、そして病気が隠れている可能性まで、多岐にわたります。

まずは、ご自身の生活習慣や体の状態を振り返り、この記事で紹介したチェックリストを活用して、どのような要因が関わっている可能性があるのか考えてみましょう。そして、今日からできる対策として、睡眠習慣の見直し、寝室環境の改善、食生活の工夫、ストレスへの対処、適度な運動などを試してみてください。これらのセクションで挙げた具体的な方法を参考に、ご自身のライフスタイルに取り入れやすいものから実践していくことが大切です。

しかし、様々な対策を試しても改善が見られない場合や、眠気以外にも気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関を受診しましょう。日中の強い眠気で日常生活に支障が出ている、長期間症状が続いている、気になる身体的・精神的な不調を伴う場合は、病気が隠れているサインかもしれません。内科、婦人科、精神科・心療内科、睡眠外来など、症状に応じて適切な診療科を選択し、専門家のアドバイスや診断を受けることが、つらい眠気を改善し、健康な毎日を取り戻すための第一歩となります。

「寝ても寝ても眠い」という状態を放置せず、ご自身の体と心に寄り添い、適切なケアをしてあげてください。この悩みを乗り越え、毎日をより活動的に、そして快適に過ごせるようになることを願っています。

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。個々の症状や状況については、必ず医療機関で専門家にご相談ください。本記事の情報によって生じたいかなる損害についても、当方は一切責任を負いかねます。

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