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生理を遅らせるなら何日前から?失敗しないピルでの月経移動ガイド

生理が来るタイミングをコントロールしたい、特定のイベントと生理が重なるのを避けたい、そうお考えの方もいらっしゃるでしょう。生理日移動は、婦人科で相談することで安全かつ確実に行うことが可能です。特にピルを使った方法は一般的で、多くの女性が利用しています。

この記事では、生理を遅らせる方法として最も一般的なピル(中用量ピル)を用いた生理日移動について、いつから服用を開始すべきか、生理直前でも間に合うのか、服用方法、起こりうる副作用、費用、そして医療機関での診察やオンライン診療について詳しく解説します。生理日移動を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

生理を遅らせる方法(ピルによる生理日移動)

生理日を移動させる方法として、最も一般的に行われているのがピルを使った方法です。これは、女性ホルモンの働きを利用して、計画的に生理周期を調整するものです。主に「生理を遅らせる」方法と「生理を早める」方法がありますが、イベントと生理が重なるのを避けたい場合に選択されることが多いのは「生理を遅らせる」方法です。

生理を遅らせるピルとは?(中用量ピル・低用量ピル)

生理日移動に用いられるピルは、主に女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが配合された「中用量ピル」です。低用量ピルも女性ホルモンが配合されていますが、日常的な避妊や月経困難症の治療などに継続的に服用されるもので、生理日移動の目的で単発的に使用されるのは一般的ではありません。

中用量ピルには、低用量ピルよりも多くのホルモン量が配合されています。このホルモンの働きを利用して、排卵後の黄体期を意図的に延長し、生理が始まるタイミングを遅らせることが可能になります。生理は、黄体ホルモンの分泌が低下することで起こります。中用量ピルを服用することで、体内の黄体ホルモンレベルを高いまま維持し、服用している間は生理が起こらないようにするのです。

生理遅らせるピルはいつから服用?(開始時期・期間)

生理を遅らせるためにピルを服用する場合、その開始時期と服用期間が非常に重要です。適切でないタイミングで服用を開始すると、生理日移動ができないだけでなく、不正出血などのトラブルにつながる可能性もあります。

生理予定日の何日前から飲む?

生理を遅らせるピルの服用は、一般的に生理予定日の5日前から開始することが推奨されています。これは、生理が始まる直前のホルモンバランスが不安定になる時期よりも前にホルモン補充を開始することで、確実に生理を抑制するためです。

生理周期は、卵胞期、排卵期、黄体期を経て生理が始まります。生理を遅らせるためには、黄体期に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きを維持する必要があります。生理予定日の約1週間前は黄体期にあたり、この時期にピルを服用することで体内のホルモンレベルを意図的に高く保ち、生理が来るのを防ぎます。生理予定日ギリギリになってしまうと、すでに生理の準備が始まっており、ピルを服用しても効果が得られにくいことがあります。

ピルの服用は、生理を遅らせたい期間中(イベント当日など)も毎日続け、生理が来ても大丈夫な日まで服用します。

生理遅らせる直前でも間に合う?

結論から言うと、生理予定日の直前(例えば1~2日前や当日)からの服用では、生理を遅らせることは難しい可能性が非常に高いです。

生理予定日の直前は、すでに体内の黄体ホルモンレベルが低下し始め、生理の準備が進んでいる状態です。このタイミングでピルを服用しても、ホルモンレベルを十分に引き上げ、生理を抑制する効果が得られないことが多いのです。無理に服用しても、生理が始まってしまったり、不正出血が続いたりするだけで、期待した効果が得られないだけでなく、体の負担になることもあります。

そのため、生理日移動を希望する場合は、遅くとも生理予定日の5日前までには医療機関を受診し、ピルの処方と服用を開始する必要があります。旅行やイベントなどの予定がある場合は、生理予定日を確認し、余裕を持って2週間程度前には婦人科を受診することをおすすめします。

生理遅らせるピルの具体的な服用方法

生理を遅らせるピルの服用方法は、医師の指示に厳密に従うことが重要です。一般的な服用スケジュールは以下のようになります。

  • 服用開始: 生理を遅らせたい期間の生理予定日5日前からピルの服用を開始します。毎日同じ時間に1錠ずつ服用します。
  • 服用期間: 生理を避けたい期間中、毎日継続して服用します。旅行やイベントの最終日までなど、生理が来ても良い日まで服用を続けます。例えば、生理を5日間遅らせたい場合は、生理予定日の5日前から数えて、避けたい期間の終了日+5日間服用することになります。服用期間は最大で10日~2週間程度が目安とされますが、医師と相談して決めます。
  • 服用中止後: ピルの服用を中止すると、数日(通常2~4日程度)で生理が来ます。この生理は「消退出血」と呼ばれ、ピルの服用によって人工的に起こされた生理です。

飲み忘れに注意: ピルの効果を確実に得るためには、毎日決まった時間に服用することが大切です。もし飲み忘れてしまった場合は、気がついた時点ですぐに1錠服用し、その後の服用は通常通り行います。ただし、飲み忘れた時間や日数によっては、生理日移動が失敗したり、不正出血が起こったりする可能性があります。飲み忘れに気づいたら、必ず処方を受けた医師や薬剤師に相談してください。

生理遅らせるピル以外の方法はある?(薬なし・市販)

生理を遅らせるために、ピル以外の方法、特に薬を使わない方法や市販薬を探している方もいるかもしれません。しかし、科学的根拠に基づいた確実な方法は、医療機関で処方されるピルに限られます。

薬を飲まずに生理を遅らせる方法

「激しい運動で生理が遅れる」「特定の食べ物や飲み物で生理がコントロールできる」といった情報を見聞きすることがあるかもしれません。しかし、これらの「薬を飲まずに生理を遅らせる方法」には、科学的な根拠はほとんどありません。生理周期は女性ホルモンの複雑なバランスによってコントロールされており、一時的な運動や食事で意図的に、かつ確実に生理を遅らせることは不可能です。

根拠のない情報に頼ることは、期待する効果が得られないだけでなく、かえって体調を崩したり、正しい対処が遅れたりするリスクもあります。生理日移動が必要な場合は、必ず専門の医療機関に相談してください。

生理遅らせる市販薬やドラッグストアでの購入について

残念ながら、生理日移動の目的で使用するピル(中用量ピルなど)は、薬局やドラッグストアで市販されていません。これは「処方箋医薬品」に分類されるため、医師の診察を受け、処方箋がなければ入手できない医薬品だからです。

ピルは女性ホルモンに作用する薬であり、個人の健康状態や既往歴、他の服用薬との相互作用などを考慮して、医師が安全に使用できると判断した場合にのみ処方されるべきものです。自己判断での使用は、予期せぬ副作用や健康被害を引き起こす可能性があります。

インターネットなどで個人輸入されたピルを入手することも可能ですが、これは非常に危険です。個人輸入された医薬品の中には、有効成分が全く含まれていなかったり、不純物が混ざっていたりする偽造品が多く存在します。また、万が一健康被害が発生した場合でも、「医薬品副作用被害救済制度」の対象とならないため、適切な補償を受けられないというリスクもあります。安全のためにも、必ず国内の医療機関を受診し、正規のピルを処方してもらってください。

生理遅らせるピルの副作用と注意点

生理を遅らせるために中用量ピルを服用する際には、いくつかの副作用が出ることがあります。また、服用できない人もいます。事前に知っておくことで、安心して服用できるようになります。

服用中に起こりうる主な副作用

中用量ピルは、低用量ピルに比べてホルモン量が多い分、副作用が出やすい傾向があります。個人差がありますが、以下のような症状が出ることがあります。

  • 吐き気、嘔吐: 特に服用開始初期に見られることがあります。空腹時を避け、食後に服用することで軽減されることがあります。
  • 頭痛: ホルモンバランスの変化によって起こることがあります。
  • 乳房の張り: ホルモンの影響で乳腺が刺激されることで起こります。
  • むくみ: 体内の水分バランスが変化することが原因です。
  • 眠気、倦怠感: 体がホルモン環境の変化に慣れるまでに見られることがあります。
  • 不正出血: まれに服用中に少量の出血が見られることがありますが、通常は心配ありません。しかし、出血量が多い場合や続く場合は医師に相談が必要です。

これらの副作用は、服用を続けるうちに軽減されることがほとんどですが、症状が重い場合や長く続く場合は、必ず処方医に相談してください。

血栓症リスク: ピル服用による最も注意すべき副作用として、血栓症(血管の中に血の塊ができ、血管が詰まる病気)があります。発生頻度は非常に稀(中用量ピルの場合、年間1万人あたり数人程度と言われています)ですが、重篤になる可能性があるため注意が必要です。特に喫煙者、肥満の方、ご家族に血栓症になった方がいる方などはリスクが高まることがあります。服用中に以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください(血栓症の初期症状の例:ふくらはぎの痛み・むくみ・発赤、急な息切れ、胸の痛み、手足のしびれ、激しい頭痛、見えにくさなど)。

服用できないケース(禁忌)

以下に該当する方は、中用量ピルを服用できない、または慎重な服用が必要な場合があります。必ず医師に正確な情報を伝えてください。

  • 過去に血栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症など)になったことがある方
  • 血栓症のリスクを高める病気(例えば、コントロール不良の高血圧、重度の糖尿病、脂質異常症など)がある方
  • 前兆を伴う片頭痛がある方
  • 重度の肝機能障害や肝腫瘍がある方
  • 診断されていない性器からの異常出血がある方
  • 乳がんや子宮がんなど、ホルモン依存性の悪性腫瘍がある、またはその疑いがある方
  • 妊娠中または授乳中の方
  • ピルの成分に対してアレルギーがある方
  • 特定の薬を服用している方(抗けいれん薬、一部の抗生物質、抗ウイルス薬など)

これらの他にも、個々の健康状態によっては服用が適さない場合があります。問診時には、既往歴、アレルギー、現在服用している全ての薬(市販薬やサプリメント含む)について正直に医師に伝えることが非常に重要です。

服用中止後の生理について

生理を遅らせるためにピルを服用し、イベントなどが終了して服用を中止すると、通常2~4日程度で生理(消退出血)が来ます。これは、ピルによって人為的に高められていたホルモンレベルが服用中止によって急激に下がることで起こる出血です。

服用中止後の生理は、通常の生理よりも量が少なかったり、期間が短かったりすることがあります。また、生理日移動を行った次の周期は、排卵のタイミングがずれたりして、生理周期が一時的に不安定になる可能性があります。しかし、ほとんどの場合は自然に元の周期に戻ります。

もし服用中止後1週間以上経っても生理が来ない場合や、生理周期の乱れが続く場合は、念のため医師に相談することをおすすめします。

生理遅らせる際の費用と診察の流れ

生理日移動のためのピル処方は、病気の治療ではないため保険適用外となり、全額自己負担となります。費用はクリニックによって異なりますが、診察料と薬代がかかります。

婦人科での診察から処方まで

婦人科を受診して生理日移動の相談をする場合、一般的な流れは以下のようになります。

  1. 予約: クリニックに電話またはインターネットで予約します。生理日移動希望であること、生理予定日やイベントの予定日などを伝えるとスムーズです。
  2. 問診: 受付を済ませた後、問診票に記入します。生理周期、最終生理日、生理を避けたい期間、既往歴、アレルギー、現在服用している薬、喫煙習慣などを正確に記入しましょう。
  3. 医師の診察: 医師が問診票の内容を確認し、生理周期や健康状態について詳しく問診します。血栓症などのリスクがないか確認するため、血圧測定や体重測定などが行われることもあります。必要に応じて内診や超音波検査などが行われる場合もありますが、生理日移動のみを目的とした場合は内診がないことも多いです。
  4. 説明・処方: 医師が生理日移動の方法(ピルの種類、服用方法、開始時期、期間)や、起こりうる副作用、注意点について詳しく説明します。疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。問題がなければ、ピルが処方されます。
  5. 会計・薬の受け取り: 会計を済ませ、薬を受け取ります。薬局で受け取る場合と、クリニック内で直接受け取る場合があります。

費用相場: 生理日移動のための費用は、クリニックや処方されるピルの種類、診察内容によって異なります。目安としては、診察料と薬代を含めて3,000円~5,000円程度が多いようです。ただし、これはあくまで目安であり、これより高くなることもあります。事前にクリニックのウェブサイトなどで費用を確認しておくと良いでしょう。

オンライン診療の活用

近年、婦人科のオンライン診療を活用して生理日移動の相談・ピル処方を受けることも可能です。オンライン診療には、以下のようなメリットがあります。

  • 場所を選ばない: 自宅や外出先からでも診察を受けられます。
  • 時間短縮: 通院にかかる移動時間や待ち時間を削減できます。
  • プライバシー: クリニックで他の患者さんと顔を合わせる心配がありません。
  • 手軽さ: スマートフォンやパソコンがあれば利用できます。

オンライン診療の流れも、対面診療とほぼ同じですが、診察はビデオ通話や電話で行われます。問診票はオンラインで入力し、処方された薬は自宅に配送されます。

オンライン診療の利用例:

項目 DMMオンラインクリニック(例) クリニックフォア(例)
診察方法 オンライン診療(ビデオ通話/電話) オンライン診療(ビデオ通話/電話)
診察時間 日中〜夜遅くまで対応している場合が多い 幅広い時間帯で対応している場合が多い
費用相場 診察料+薬代(4,000円~6,000円程度) 診察料+薬代(4,000円~6,000円程度)
配送方法 最短当日〜翌日配送など 最短翌日配送など
支払い方法 クレジットカード、DMMポイントなど クレジットカード、GMO後払いなど
事前準備 アプリダウンロード、本人確認書類など必要 アプリダウンロード、本人確認書類など必要

※上記の費用やサービス内容は一般的な例であり、変更される可能性があります。必ず各クリニックの公式サイトで最新の情報をご確認ください。

オンライン診療は便利ですが、対面診療に比べて医師が得られる情報が限られるという側面もあります。持病がある方や、服用中の薬が多い方、問診で医師が対面での詳しい診察が必要と判断した場合は、オンライン診療が受けられないこともあります。ご自身の状況に合わせて、オンライン診療にするか対面診療にするかを検討しましょう。

生理日移動に関するよくある質問

生理を遅らせるピルは体に影響ない?

生理を遅らせる目的で中用量ピルを一時的に服用することは、適切に医師の指導のもとで行われれば、将来の妊娠に影響を与えたり、体に長期的な悪影響を及ぼしたりすることはほとんどありません。一時的なホルモンバランスの変化による副作用(吐き気、頭痛など)は起こり得ますが、服用を中止すれば通常は数日で改善します。

ただし、これは健康な女性が医師の指示通りに服用した場合です。禁忌に該当する方が服用したり、自己判断で不適切な方法で服用したりした場合は、体に負担をかけたり、思わぬ健康被害を招いたりするリスクがあります。また、頻繁な生理日移動は体のリズムを乱す可能性もあるため、本当に必要な場合にのみ行うことが推奨されます。

旅行やイベントと生理が重なりそう

旅行や結婚式、試験、スポーツイベントなど、大切な予定と生理が重なりそうな場合は、生理日移動を検討する方が多いです。このような場合、余裕を持って早めに婦人科に相談することが何よりも大切です。

生理予定日の直前になってからでは、ピルの服用が間に合わない可能性が高まります。旅行やイベントの日程が決まったら、まずはご自身の生理予定日を確認し、イベント開始日の少なくとも2週間前までには婦人科を受診することを目指しましょう。医師にイベントの日程や生理予定日を伝えれば、最適なピルの服用スケジュールを提案してもらえます。

生理を早める方法は?

生理を遅らせる方法とは別に、生理を早めることでイベントに生理が重なるのを避ける方法もあります。こちらも通常、中用量ピルを服用して行います。

生理を早める場合は、生理が始まってから5日目頃から中用量ピルを約10日間毎日服用します。服用を中止すると、数日後に生理(消退出血)が来ます。この人工的な生理をイベント前に終わらせてしまう、という方法です。

項目 生理を遅らせる方法 生理を早める方法
服用開始時期 生理予定日の5日前から 生理開始5日目頃から
服用期間 生理を避けたい期間中 約10日間
服用中止後の生理 服用中止後2~4日程度で来る 服用中止後2~4日程度で来る
メリット 比較的直前でも間に合う可能性が高い イベント後に生理が来ないので安心できる
デメリット 服用期間中に副作用が出る可能性 生理開始5日目までに受診が必要

生理を早める場合も遅らせる場合も、どちらの方法が適しているかは、イベントの日程と現在の生理周期によって異なります。医師と相談し、ご自身の状況に合った方法を選択しましょう。どちらの場合も、計画的に早めに医療機関を受診することが重要です。

生理日移動のご相談は婦人科クリニックへ

生理を遅らせたい、または早めたいという希望は、誰にでもある自然なものです。大切なイベントを安心して過ごすために、生理日移動は有効な手段となります。

しかし、生理日移動のためのピルは医療用医薬品であり、医師の管理のもとで適切に使用される必要があります。自己判断や誤った情報に基づく方法に頼ることは危険です。必ず婦人科を受診し、ご自身の健康状態や生理周期に合わせた安全な方法について医師に相談してください。

直接医療機関を受診する時間がない場合や、プライバシーを重視したい場合は、オンライン診療という選択肢もあります。オンライン診療を活用すれば、自宅などから手軽に医師の診察を受け、ピルを処方してもらうことが可能です。

生理日移動に関する不安や疑問は、一人で抱え込まず、専門家である医師に相談しましょう。適切なアドバイスとサポートを受けることで、安心して生理日移動を行うことができます。


免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。生理日移動をご希望の場合は、必ず医師の診察を受け、指示に従ってください。記事の情報は、執筆時点のものであり、医療や薬剤に関する情報は常に更新される可能性があります。

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