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ミレーナ挿入は痛い?痛みの程度と和らげる方法【不安解消】

ミレーナ(IUS:子宮内システム)は、避妊や月経困難症の治療などに使われる、子宮の中に留置するT字型の小さな医療機器です。長期間にわたり効果が持続するため、多くの方にとって便利な選択肢となっています。
しかし、「ミレーナを入れるのは痛い?」「入れた後も痛みが続くの?」といった不安を感じる方も少なくありません。ミレーナによる痛みは、挿入時だけでなく、その後に感じることもあります。この記事では、ミレーナの挿入時や装着後に感じる痛みの原因、痛みの期間、そして痛い場合の対処法について詳しく解説します。痛みが強い・続く場合の受診目安や、よくある疑問にもお答えしますので、ミレーナの痛みでお悩みの方はぜひ参考にしてください。

目次

ミレーナ挿入時の痛みについて

ミレーナを子宮内に挿入する処置は、多くの女性にとって最も心配な点の一つかもしれません。実際に痛みを伴うことがありますが、その程度は個人差が大きく、また痛みを和らげるための対策も存在します。

挿入時の痛みの程度(麻酔なし/あり)

ミレーナの挿入は、膣から子宮頸部を経て子宮腔内へと器具を挿入する手技です。子宮頸部を固定し、子宮腔の長さを測り、最後にミレーナを挿入するという段階を経ます。この過程で痛みが生じる可能性があります。

痛みの感じ方は人それぞれですが、一般的には生理痛の重いバージョンや、子宮を掴まれるような感覚と表現されることが多いです。特に、子宮頸部を把持したり、子宮腔の長さを測る際に痛みを感じやすいとされています。

多くの医療機関では、挿入時の痛みを軽減するために、麻酔を使用することがあります。麻酔にはいくつか種類があり、主に以下のような方法があります。

  • 局所麻酔(子宮頸部への注射): 子宮頸部に直接麻酔薬を注射する方法です。痛みの原因となる子宮頸部を麻痺させることで、痛みを大幅に軽減することが期待できます。麻酔の注射自体に多少の痛みは伴いますが、その後の処置の痛みに比べれば軽微であることがほとんどです。
  • 鎮痛剤の内服/点滴: 処置前に痛み止めを内服したり、点滴で投与したりする方法です。これにより、挿入時の痛みを和らげることができます。特に、痛みに弱い方や不安が強い方に対して用いられることがあります。
  • 笑気ガス麻酔: 鼻から吸入するタイプの麻酔で、リラックス効果や鎮痛効果があります。意識は保たれますが、痛みを和らげ、緊張を和らげるのに役立ちます。

これらの麻酔を使用しない場合、特に痛みに敏感な方や、子宮の入り口が硬い方(出産経験のない方など)は、強い痛みを感じる可能性があります。しかし、多くの場合は一過性の痛みで、処置が終われば比較的早く落ち着きます。

麻酔を使用するかどうか、どの麻酔を使用するかは、医療機関の方針や患者さんの希望、痛みの感じやすさなどを考慮して医師と相談して決定します。痛みが不安な場合は、事前に医師に相談し、麻酔についてよく話し合うことが大切です。

挿入時の痛みを和らげる方法

ミレーナの挿入時の痛みを完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、痛みを和らげるためにいくつかの方法があります。

  • 処置のタイミング: 生理の期間中に挿入することが推奨されることが多いです。生理中は子宮頸部が少し柔らかく開いているため、ミレーナの挿入が比較的スムーズに行える可能性があり、痛みの軽減につながることが期待できます。生理中でも出血量の少ない日や終わりかけの時期が選ばれることが多いようです。
  • 事前の準備: 処置への不安や緊張は、痛みを増強させることがあります。事前に医師や看護師から処置の流れについて説明を受け、疑問点を解消しておくことで、安心して処置に臨むことができます。リラックスすることも痛みの軽減につながります。
  • 医師とのコミュニケーション: 処置中に痛みを感じたら、我慢せずにすぐに医師や看護師に伝えましょう。痛みの程度に応じて、処置の進行を調整したり、必要に応じて麻酔を追加したりするなどの対応が可能です。
  • 鎮痛剤の服用: 処置の数時間前に市販の鎮痛剤(イブプロフェンなど)を服用しておくことで、痛みを予防または軽減できる場合があります。ただし、これは自己判断ではなく、事前に医師に相談してから行うようにしましょう。医療機関によっては、処置前にあらかじめ鎮痛剤が処方されることもあります。
  • 麻酔の使用: 前述のように、医療機関によっては局所麻酔やその他の麻酔を使用することが可能です。痛みが非常に不安な場合は、積極的に麻酔の使用について相談してみましょう。
  • リラックスした状態を保つ: 処置中は深呼吸をするなど、できるだけリラックスを心がけましょう。体の力が抜けることで、子宮頸部が硬くなるのを防ぎ、痛みを軽減できる可能性があります。

これらの方法を組み合わせることで、ミレーナ挿入時の痛みを軽減し、より安心して処置を受けることができます。どの方法が自分に合うか、医師とよく相談して準備を進めましょう。

ミレーナ装着後の痛み・違和感

ミレーナを挿入した後も、しばらくの間、痛みや違和感を感じることがあります。「ミレーナ 痛い」と感じるケースの中で、挿入後の痛みに悩む方も少なくありません。

装着初期の痛み(生理痛のような腹痛)

ミレーナを子宮内に挿入した直後から数日間、多くの女性が経験する痛みに「生理痛のような腹痛」があります。これは、子宮が異物であるミレーナを排除しようとして収縮することで起こる痛みと考えられています。

痛みの程度は個人差があり、軽い生理痛程度で済む方もいれば、普段の生理痛より強く感じる方もいます。痛みとともに、腰痛や吐き気、だるさなどを伴うこともあります。

この装着初期の痛みは、子宮がミレーナに「慣れる」につれて徐々に軽減していくのが一般的です。通常、数日〜1週間程度で落ち着くことが多いですが、個人によってはもう少し長く続くこともあります。

この期間の痛みに対しては、以下のような対処法が有効です。

  • 市販または処方された鎮痛剤の使用: イブプロフェンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が効果的です。痛みが我慢できない場合は、我慢せずに鎮痛剤を服用しましょう。
  • 体を温める: 腹部や腰を温めることで、子宮の収縮が和らぎ、痛みが軽減されることがあります。カイロを使ったり、温かいお風呂に入ったりするのも良いでしょう。
  • 安静にする: 無理をせず、体を休ませることも大切です。激しい運動などは避け、ゆったりと過ごしましょう。
  • リラックス: ストレスや緊張は痛みを悪化させる可能性があります。音楽を聴く、好きな本を読むなど、リラックスできる時間を作りましょう。

装着初期の生理痛のような痛みは、ミレーナが正しく装着されているにも関わらず起こる可能性のある症状です。ほとんどの場合は自然に改善するため、過度に心配する必要はありませんが、痛みが強い場合や長引く場合は医療機関に相談することが重要です。

装着後の激痛や長引く痛みの可能性

装着初期の生理痛のような痛みとは異なり、ミレーナ装着後に「激しい痛み」を感じたり、「痛みが数週間以上長引く」場合は、注意が必要です。このような痛みは、単なる慣れる過程での痛みではない可能性が考えられます。

激しい痛みや長引く痛みの原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • ミレーナの位置異常: ミレーナが子宮内の正しい位置からずれてしまったり、子宮壁に食い込んでしまったりしている可能性があります。これにより、子宮が常に刺激され、強い痛みが生じることがあります。
  • 子宮の穿孔: 非常に稀ではありますが、ミレーナの挿入時やその後に、ミレーナが子宮壁を突き破ってしまう(穿孔)ことがあります。これは強い腹痛や出血を伴う緊急性の高い状態です。
  • 感染症: ミレーナ挿入後、特に初期に子宮内膜炎などの感染症を起こすことがあります。感染症は、下腹部痛に加えて、発熱、おりものの異常(量が増える、臭いが気になる、色がつくなど)、不正出血などを伴うことが多いです。
  • 骨盤内炎症性疾患(PID): 子宮内膜炎からさらに進行し、卵管や卵巣、骨盤内の腹膜などに炎症が広がることで、より強い痛みや発熱が生じることがあります。
  • ミレーナ以外の原因: ミレーナとは無関係に、卵巣嚢腫の茎捻転や破裂、虫垂炎など、他の婦人科疾患や外科的疾患によって腹痛が引き起こされている可能性もあります。

これらの原因による痛みは、自然に改善することは少なく、適切な診断と治療が必要です。もし、ミレーナ装着後に以下のような症状が現れた場合は、ためらわずに速やかに医療機関を受診してください。

  • 我慢できないほどの激しい腹痛
  • 痛みが数週間以上続く、または一度落ち着いた痛みが再び強くなる
  • 痛みに加えて、38℃以上の発熱がある
  • いつもと違う、量が増えたり、臭いがきつくなったり、色がついたりするおりものがある
  • 不正出血が続いたり、量が多い
  • 性行為の際に強い痛みを感じる(性交痛)

これらの症状は、放置すると重篤な状態に進行する可能性もあるため、早期の受診が非常に重要です。医師による内診や超音波検査などでミレーナの位置や子宮の状態を確認し、必要に応じて感染症の検査などが行われます。

ミレーナによる痛みの主な原因

「ミレーナ 痛い」と感じる背景には、いくつかの医学的な原因が考えられます。ここでは、ミレーナによって引き起こされる可能性のある痛みの主な原因を詳しく見ていきましょう。

子宮の収縮による痛み

ミレーナは子宮にとっては異物です。体は異物を排除しようとする自然な防御反応として、子宮を収縮させることがあります。この子宮の収縮が、痛みの主な原因の一つとなります。

生理中にも子宮は経血を体外に排出するために収縮しますが、この収縮が過剰になると生理痛として感じられます。ミレーナ装着後の子宮収縮による痛みは、この生理痛に似たメカニズムで起こります。特に、ミレーナを挿入したばかりの頃は、子宮がミレーナの存在に慣れていないため、収縮が起こりやすく、痛みをより強く感じることがあります。

痛みの特徴としては、下腹部の周期的な痛みや、キューっと締め付けられるような痛み、重い感じなどが挙げられます。個人差がありますが、数日から数週間で子宮がミレーナに慣れてくると、痛みが軽減または消失していくことがほとんどです。

この痛みに対しては、前述のように鎮痛剤や体を温めることなどが有効な対処法となります。

ミレーナのサイズや位置の不一致

ミレーナは一般的に多くの女性の子宮のサイズに合わせて作られていますが、すべての方の子宮に完全にフィットするわけではありません。子宮のサイズや形は個人差が大きいため、ミレーナが子宮腔に対して大きすぎたり、小さすぎたりする場合、また子宮の形とミレーナの形が合わない場合に、子宮が常に刺激され、痛みや違和感が生じることがあります。

また、ミレーナが子宮内の正しい位置に適切に留置されていない場合も、痛みの原因となります。例えば、ミレーナが子宮腔の下の方にずれてしまったり、一方が子宮壁に食い込むような形になってしまったりすることがあります。これにより、子宮が不快感や痛みを感じ続けることがあります。

ミレーナが適切な位置にあるかどうかは、内診や超音波検査で確認することができます。痛みが続く場合や、痛みの種類が装着初期の生理痛とは違うと感じる場合は、ミレーナの位置に問題がないか医療機関で確認してもらうことが重要です。位置異常が確認された場合は、ミレーナを正しい位置に戻す処置や、場合によってはミレーナを抜去する判断がなされることもあります。

ミレーナの位置ずれや脱落

ミレーナは子宮内にしっかりと留置される設計になっていますが、何らかの原因で位置がずれてしまったり、完全に子宮から排出されてしまったり(脱落)することがあります。位置ずれや脱落は、痛みの原因となるだけでなく、避妊効果が低下する可能性があります。

位置ずれや脱落が起こりやすいタイミングとしては、ミレーナ挿入後数週間以内、特に生理中です。生理の際に子宮が収縮する力が、ミレーナを押し出す方向に働くことがあるためです。

位置ずれや脱落の兆候としては、以下のようなものがあります。

  • 下腹部痛や腰痛: 以前はなかった、または以前より強い痛みを感じる。
  • ミレーナの紐が触れない、または異常に長く/短く感じる: 通常、ミレーナには膣の外に少し紐が出ており、指で触って確認できます。この紐が触れなくなったり、普段と長さが違うと感じたりした場合、位置がずれている可能性があります。
  • 不正出血: 生理でもないのに出血が続く。
  • 性交痛: 性行為の際に、パートナーがミレーナの紐に触れる、または痛みを感じる。
  • ミレーナが排出されたように感じる: トイレなどでミレーナそのものが体外に出てしまったと感じる。

もしこれらの兆候に気づいた場合は、すぐに医療機関を受診してください。医師による内診や超音波検査でミレーナの位置を確認し、適切な対応(位置の修正、再挿入、抜去など)が行われます。自己判断で放置せず、速やかに受診することが重要です。

感染症(子宮内膜炎など)

ミレーナの挿入は、子宮内に外部から器具を入れる医療行為です。そのため、非常に稀ではありますが、挿入時やその後に細菌感染を起こし、子宮内膜炎などを発症することがあります。特に、挿入前に膣や子宮頸部に感染がある場合や、挿入後の性行為などが原因となることがあります。

感染症による痛みの特徴は、一般的に炎症に伴う痛みであり、装着初期の子宮収縮による痛みとは異なる場合があります。痛みは下腹部の鈍痛やズキズキとした痛みが続くことが多く、痛みに加えて以下のような症状を伴うことが一般的です。

  • 発熱: 37.5℃以上の微熱から、38℃以上の高熱が出ることもあります。
  • おりものの異常: 量が増える、色が黄色や緑色になる、悪臭を放つ、膿のような状態になるなど。
  • 不正出血: 生理でもないのに出血が見られる。
  • 性交痛: 性行為の際に痛みを感じる。

これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。感染症が疑われる場合、医師は内診やおりもの検査、血液検査などを行います。診断が確定すれば、抗生物質による治療が開始されます。感染症を放置すると、骨盤内炎症性疾患に進行したり、不妊の原因となる可能性もあるため、早期の発見と治療が極めて重要です。

その他の原因

ミレーナによる痛みや違和感は、上記以外にもいくつかの原因が考えられます。

  • 子宮筋腫や子宮腺筋症などの既存の病気: ミレーナを装着する前から子宮筋腫や子宮腺筋症がある場合、これらの疾患に伴う症状(生理痛、過多月経など)がミレーナ装着後も続いたり、場合によっては痛みが強くなったように感じたりすることがあります。ミレーナはこれらの疾患の治療に使われることもありますが、症状の改善には個人差があります。
  • 子宮内膜ポリープ: 子宮内膜にポリープがある場合、不正出血や痛みの原因となることがあります。ミレーナ装着後に痛みが続く場合、ポリープの存在が原因である可能性も考えられます。
  • ホルモンバランスの変化: ミレーナはレボノルゲストレルという黄体ホルモンを放出するため、ホルモンバランスに影響を与えます。このホルモンバランスの変化が、一部の女性にむくみや乳房の張り、頭痛など、生理前に似た症状や、下腹部痛や腰痛といった痛みを引き起こす可能性もゼロではありません。
  • 心理的な要因: ミレーナ装着への不安や、痛みに対する恐れといった心理的な要因が、痛みの感じ方を強めてしまうこともあります。

これらの原因による痛みが疑われる場合も、自己判断せずに医療機関で相談することが大切です。医師は患者さんの状態を詳しく診察し、必要に応じて超音波検査やその他の検査を行い、痛みの正確な原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。ミレーナが原因でない場合は、それぞれの原因に応じた治療が必要となります。

ミレーナの痛みはいつまで続く?痛みの期間

ミレーナによる痛みがいつまで続くかは、痛みの原因や個人の体質によって大きく異なります。しかし、一般的な経過を知っておくことは、不要な不安を軽減するのに役立ちます。

挿入直後から数日間の痛み

ミレーナ挿入直後から数日間続く痛みは、前述の通り、子宮が異物であるミレーナに慣れようとして収縮するために起こる生理痛に似た痛みであることがほとんどです。

この種類の痛みは、個人差はありますが、通常は挿入から2~3日以内、長くても1週間程度で自然に軽減または消失することが一般的です。この期間は、市販や処方された鎮痛剤を使用したり、体を温めたり、安静にしたりすることで、痛みを和らげることができます。

もし、この期間に痛みが非常に強い場合や、我慢できないほどの痛みがある場合は、子宮の穿孔など、稀ですが緊急性の高い状態の可能性も否定できません。このような場合は、速やかに医療機関に連絡し、指示を仰いでください。

数週間続く痛みや違和感

挿入後数日が経過しても痛みが続いたり、生理痛のような痛みが数週間にわたって感じられたりする場合もあります。この場合、子宮がミレーナに慣れるのに時間がかかっている、またはミレーナが子宮腔にフィットするまで時間がかかっている可能性が考えられます。

痛みの程度は個人差がありますが、多くの場合は我慢できる範囲の鈍痛や違和感であることが多いです。この期間も、必要に応じて鎮痛剤を使用しながら様子を見ることができます。

しかし、痛みが数週間以上続く場合や、痛みの程度が強い場合、または痛みに加えて不正出血やおりものの異常、発熱などの症状を伴う場合は、ミレーナの位置異常や感染症などの可能性も考えられます。この場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、原因を調べてもらうことが重要です。

長期間続く痛みや再発する痛み

ミレーナ装着後、数ヶ月が経過しても痛みが続く場合や、一度痛みがなくなったのに再び痛みが出てきた場合は、注意が必要です。

長期間続く痛みの原因としては、ミレーナの子宮への不適合(サイズや形が合わない)、ミレーナの位置ずれ、または慢性的な骨盤内の炎症などが考えられます。

一度痛みがなくなった後に再び痛みが出てきた場合、これはミレーナの位置がずれたり、脱落しかけたりしているサインである可能性があります。また、感染症が遅れて発症した場合や、ミレーナ装着後に新たに子宮や卵巣の病気(子宮筋腫、卵巣嚢腫など)が見つかったり、その症状が悪化したりしている可能性も考えられます。

長期間続く痛みや再発する痛みは、ミレーナが正しく機能していない、または他の病気が隠れている可能性を示唆します。痛みを我慢せず、必ず医療機関を受診して医師に相談してください。医師は痛みの経過や他の症状について詳しく聞き取り、内診や超音波検査などでミレーナの状態や子宮・卵巣の状態を詳しく調べ、痛みの原因を特定するための検査を行います。原因に応じた適切な治療が行われることで、痛みの改善が期待できます。

ミレーナの痛みへの対処法

ミレーナ装着後に痛みを感じた場合、痛みの程度や原因によって対処法は異なります。適切な対処を知っておくことは、痛みを和らげ、安心してミレーナを使用するために重要です。

鎮痛剤の使用

ミレーナ装着初期の生理痛に似た痛みに対しては、鎮痛剤の使用が有効な対処法です。

  • 市販の鎮痛剤: イブプロフェンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、子宮の収縮を抑えたり、炎症を和らげたりする効果があるため、ミレーナによる痛みに効果的です。用法・用量を守って服用しましょう。痛みが予想されるミレーナ挿入前に予防的に服用することも、医師の指示があれば可能です。
  • 処方された鎮痛剤: 痛みが強い場合や、市販薬で効果が不十分な場合は、医師に相談してより効果の高い鎮痛剤を処方してもらうことができます。痛みの程度に合わせて、適切な種類の鎮痛剤や服用方法について医師から指導を受けましょう。

鎮痛剤は痛みを和らげる対症療法ですが、痛みが続く期間を快適に過ごすために重要な役割を果たします。ただし、鎮痛剤を服用しても痛みが改善しない場合や、痛みが悪化する場合は、鎮痛剤で痛みを抑えながらも、根本的な原因を調べるために医療機関を受診する必要があります。

安静にする

ミレーナ装着後の痛みがある期間は、無理をせず体を休ませることが大切です。激しい運動や重労働は、子宮への刺激となり、痛みを増強させる可能性があります。

特に挿入直後や痛みが強い期間は、できるだけ安静に過ごし、体に負担をかけないようにしましょう。ソファで横になったり、早めに就寝したりと、リラックスできる時間を作ることも痛みの軽減につながります。家事や仕事なども、可能な範囲でセーブできると良いでしょう。

また、性行為も子宮への刺激となる可能性があるため、痛みが強い期間は控えることが推奨されます。痛みが落ち着いてから再開するようにしましょう。

安静にすることは、体の回復を促し、子宮がミレーナに慣れる過程をサポートすることにつながります。

医療機関への相談・受診

ミレーナによる痛みで最も重要な対処法は、痛みが続く場合や痛みが強い場合に、ためらわずに医療機関に相談・受診することです。

「このくらいの痛みで病院に行っていいのかな…」と迷う必要はありません。患者さんが「ミレーナ 痛い」と感じて不安になっていること自体が、受診する十分な理由になります。

医療機関では、痛みの種類、強さ、持続時間、他の症状(出血、発熱、おりものの変化など)の有無について詳しく問診が行われます。その後、内診や超音波検査を行い、ミレーナが正しい位置にあるか、子宮や卵巣に異常がないかなどを詳しく調べます。必要に応じて、おりもの検査や血液検査などの追加検査が行われることもあります。

これらの検査によって痛みの原因が特定されれば、原因に応じた適切な治療法が提案されます。例えば、

  • ミレーナの位置異常の場合: ミレーナの位置を修正する、または抜去する。
  • 感染症の場合: 抗生物質による治療を行う。
  • 他の婦人科疾患が見つかった場合: その疾患に対する治療を行う。
  • 特に異常が見られない場合: 鎮痛剤の処方や、痛みを和らげるためのアドバイスを受ける。

痛みを放置すると、原因によっては状態が悪化する可能性があります。また、痛みの原因がミレーナではない別の深刻な病気である可能性もゼロではありません。そのため、「ミレーナ 痛い」と感じて不安な場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けることが最も安全で確実な対処法となります。定期検診以外で痛みを感じた場合も、遠慮なく相談しましょう。

痛みが強い・続く場合に考えられること(受診の目安)

ミレーナ装着後の痛みは、多くの場合一過性で自然に改善します。しかし、痛みの種類や程度によっては、医療的な介入が必要なサインである可能性があります。ここでは、痛みが強い場合や続く場合に考えられることと、どのような場合に医療機関を受診すべきかの目安を具体的に解説します。

激しい腹痛がある場合

ミレーナ装着後に、我慢できないほどの「激しい腹痛」が生じた場合は、緊急性の高い状態である可能性があります。これは、装着初期の生理痛のような痛みとは明らかに異なる、強い痛みが突然起こったり、持続したりする状態です。

考えられる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 子宮穿孔(しきゅうせんこう): ミレーナが子宮壁を突き破ってしまう非常に稀な合併症です。強い腹痛、出血、腹膜炎の症状(お腹が硬くなる、押すと痛いなど)を伴うことがあります。速やかに手術などの処置が必要になる場合があります。
  • 骨盤内炎症性疾患(PID): 子宮内膜炎が悪化し、卵管や卵巣などに炎症が広がった状態です。激しい下腹部痛に加えて、高熱、悪寒、吐き気、おりものの増加・悪臭などの症状が現れます。
  • 卵巣嚢腫の茎捻転や破裂: ミレーナとは直接関係ありませんが、以前からあった卵巣嚢腫が捻じれたり破裂したりして激しい腹痛を引き起こすことがあります。

【受診の目安】
我慢できないほどの激しい腹痛が突然発生した場合は、時間帯に関わらず救急外車や休日診療などを利用し、速やかに医療機関を受診してください。夜間や休日であってもためらわないことが重要です。

出血や発熱を伴う場合

ミレーナ装着後に、痛みだけでなく「普段と違う出血」や「発熱」を伴う場合も、注意が必要です。

  • 不正出血: 生理期間ではないのに出血が続く、出血量が多い、血の色がおかしい(黒っぽい、大量など)などの不正出血は、ミレーナの位置異常や感染症のサインである可能性があります。
  • 発熱: 37.5℃以上の微熱や、38℃以上の高熱は、体のどこかで炎症や感染が起きているサインです。特に下腹部痛やおりものの異常を伴う場合は、子宮内膜炎や骨盤内炎症性疾患などの感染症が強く疑われます。

【受診の目安】
下腹部痛に加えて、
* 生理でもないのに出血が続き、量が増えたり、色がおかしかったりする場合
* 発熱(特に38℃以上)がある場合
* おりものの量が増えたり、色がついたり、悪臭がする場合
これらの症状がある場合は、ミレーナ挿入後の日数に関わらず、できるだけ早く医療機関を受診してください。特に発熱を伴う場合は、感染症の可能性が高く、早期に抗生物質による治療を開始する必要があります。

痛みが改善しない、悪化する場合

ミレーナ装着初期の生理痛のような痛みが、数週間経過しても改善しない、あるいは一度落ち着いた痛みが再び強くなる、徐々に痛みが悪化していくといった場合も、医療機関を受診する目安となります。

考えられる原因としては、ミレーナの子宮への不適合、ミレーナの位置ずれ、またはミレーナとは直接関係ない他の婦人科疾患などが考えられます。痛みが慢性化すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きくなります。

【受診の目安】
* ミレーナ挿入から2~3週間以上経過しても、痛みが続いている場合
* 一度痛みが落ち着いたのに、再び痛みが強くなってきた場合
* 痛みが徐々に悪化している場合
これらの場合は、痛みを我慢せずに医療機関を受診し、医師に痛みの状況を詳しく伝えてください。痛みの原因を特定し、適切な対処法を検討する必要があります。

ミレーナがずれたと感じる場合

ミレーナが子宮内で正しい位置からずれたり、脱落しかけたりしていると感じる場合も、痛みの原因となることがあります。

兆候としては、下腹部痛に加えて、

  • 自分で触れるミレーナの紐の長さが変わった(非常に短くなった、長くなった、全く触れない)
  • ミレーナの一部が膣から出ているように感じる
  • 性行為の際にパートナーが痛みを感じる
  • ミレーナそのものが排出されたように感じる

などがあります。

【受診の目安】
上記のような「ミレーナがずれたかもしれない」と感じる兆候がある場合は、痛みがあるかどうかにかかわらず、速やかに医療機関を受診してください。位置異常は避妊効果の低下につながるだけでなく、子宮壁への食い込みなど痛みの原因となる可能性もあります。自己判断でミレーナを引っ張ったりせず、必ず専門医に確認してもらいましょう。

以下の表に、痛みの種類と受診の目安をまとめました。

痛みの種類・症状 考えられる主な原因 受診の目安
生理痛のような下腹部痛(軽~中等度)
(挿入後数日~1週間程度)
子宮のミレーナへの慣れ、収縮 鎮痛剤、安静などで様子見。痛みが強すぎる、長引く場合は受診。
激しい腹痛(突然の強い痛み) 子宮穿孔(稀)、骨盤内炎症性疾患、卵巣嚢腫の合併症など 夜間休日問わず、速やかに救急外来などを受診
長引く痛み(数週間以上) ミレーナ不適合、位置ずれ、慢性炎症、他の婦人科疾患 医療機関を受診し、原因を調べる
痛みの再発 ミレーナ位置ずれ、脱落、感染症、他の病気の発症/悪化 医療機関を受診し、原因を調べる
痛みに加えて、出血や発熱がある場合 感染症(子宮内膜炎、PID)、位置異常、脱落 できるだけ早く医療機関を受診(発熱時は特に速やかに)
ミレーナがずれたと感じる場合 ミレーナ位置ずれ、脱落 痛みがなくても速やかに医療機関を受診(避妊効果低下、痛みの原因となる可能性)

痛みの感じ方は非常に個人的なものです。「これは大丈夫かな?」と迷うよりは、「念のため」と医療機関に相談する方が安心です。遠慮せずに受診しましょう。

ミレーナによる痛みの体験談

ここでは、ミレーナによる痛みを経験した女性たちのフィクションに基づいた体験談をいくつかご紹介します。個人の感じ方には大きな差があることをご理解ください。

体験談1:挿入時の痛みと初期の腹痛

「30代、出産経験ありです。避妊目的でミレーナを選びました。挿入する時は、生理痛の重い時みたいに、キューっと下腹部が痛くなりました。時間は数分で終わったんですが、結構痛くて、処置後に少し休ませてもらいました。麻酔は使いませんでした。帰ってからも一日中、重い生理痛みたいな鈍痛が続いて、処方された痛み止めを飲みました。次の日もまだ少し痛かったけど、痛み止めで過ごせるくらいに。3日目にはほとんど痛みはなくなりました。最初は少し不安だったけど、今は全く痛みを感じません。」

体験談2:装着初期の長引く痛み

「20代、出産経験なしです。月経困難症の治療でミレーナを装着しました。挿入時は局所麻酔を使ったんですが、それでも鈍い痛みはありました。処置自体はあっという間に終わりました。問題はその後で、生理が終わったのに生理痛のような痛みがずっと続いたんです。我慢できないほどではないんですが、常に下腹部に違和感と重い痛みがあって、なんとなく体がだるい感じでした。2週間経っても痛みが続いたので、病院に連絡したら、『子宮が慣れるのに時間がかかってるのかもしれないけど、一度見せに来て』と言われて受診しました。超音波で確認してもらったら、ミレーナの位置に問題はなく、感染症でもないとのこと。先生からは『まだ慣れてないだけでしょう。痛み止めを使いながら様子を見てください』と言われ、少し強めの痛み止めを処方してもらいました。結局、痛みが完全に消えるまで1ヶ月くらいかかりましたが、今は全く痛みはありません。あの時は不安だったけど、受診して安心できたのは良かったです。」

体験談3:位置ずれによる痛みと再受診

「40代、出産経験ありです。過多月経と避妊のためにミレーナを装着して、もう3年になります。最初の頃は軽い生理痛みたいなのが少しありましたが、すぐに落ち着いて快適でした。それが、半年前くらいから急に、生理の時でもないのに下腹部がシクシク痛む日が出てきたんです。最初は疲れかなと思っていたんですが、痛みが続くようになって、特に体を動かすと痛む感じでした。自己チェックで紐を触ってみたら、いつもより短いような…?と思って心配になり受診しました。先生に診てもらうと、エコーでミレーナが少し下がってきていると判明。完全に脱落はしていなかったんですが、位置が悪かったようです。痛みもそれが原因だろうということで、一度抜いて新しいミレーナを入れ直すことになりました。再挿入は一度目よりはスムーズで、その後は痛みも完全に消えました。紐のチェックは大事なんだなと実感しました。」

体験談4:感染症による痛みと発熱

「30代前半、出産経験なしです。避妊目的でミレーナを装着し、順調に使っていました。装着して半年くらい経った頃、急に下腹部が強く痛くなり、その日の夜には熱も出てきました。普段はほとんど熱を出さないのでびっくりして。痛みも生理痛とは違う、もっと内側が痛む感じでした。おりものも黄色っぽくて量が増えた気がして、翌日すぐに病院に行きました。診察の結果、子宮内膜炎を起こしているとのことで、抗生物質を処方されました。ミレーナが原因かどうかは断定できないけど、挿入後に感染が起こりやすい時期があると説明を受けました。抗生物質を飲み始めてすぐに熱は下がり、痛みも数日で良くなりました。その後は特に問題なく使っています。変だなと思ったらすぐに病院に行くのが大事だと改めて思いました。」

これらの体験談からわかるように、ミレーナの痛みは様々です。多くは一過性ですが、中には位置異常や感染症など、医療的な対応が必要なケースもあります。自分の痛みがいつもと違うと感じたり、不安を感じたりした場合は、ためらわずに医療機関に相談することが大切です。

痛みが続く場合の検査と治療

ミレーナ装着後に痛みが続き、「ミレーナ 痛い」という状態が改善しない場合、医療機関では痛みの原因を特定し、適切な治療を行うための検査や処置が行われます。

内診や超音波検査

痛みが続く場合にまず行われるのが、内診と超音波検査です。

  • 内診: 医師が腟に指を挿入して子宮や卵巣の状態を確認したり、器具(クスコと呼ばれる腟鏡)を使って腟壁や子宮頸部を観察したりします。この際に、子宮頸部に炎症がないか、ミレーナの紐が適切に見えるかなどを確認します。
  • 超音波検査: 経腟超音波検査(腟の中に超音波のプローブを挿入する検査)は、ミレーナの位置を正確に確認するために最も重要な検査です。超音波画像で、ミレーナが子宮腔内の適切な位置にあるか、子宮壁に食い込んでいないか、子宮のサイズや形にミレーナがフィットしているかなどを詳しく調べます。また、子宮筋腫や子宮腺筋症、卵巣嚢腫などの他の病気がないかどうかも同時に確認できます。

これらの検査によって、痛みの原因がミレーナの位置異常や子宮・卵巣の異常であるかどうかの判断が可能です。

感染症の検査と治療

痛みに加えて、発熱やおりものの異常があるなど、感染症が疑われる場合は、感染の有無や原因菌を特定するための検査が行われます。

  • おりもの検査: 腟や子宮頸部からおりものを採取し、顕微鏡で観察したり、細菌培養検査を行ったりします。これにより、細菌やその他の病原体の感染がないか、どのような菌が原因かを調べます。
  • 血液検査: 血液中の炎症反応を示す数値(CRPなど)を調べることで、体内で炎症が起きているかどうかの程度を把握することができます。

感染症が確認された場合は、原因菌の種類や症状の程度に応じて、抗生物質による治療が行われます。通常は内服薬が処方されますが、症状が重い場合や点滴が必要な場合もあります。抗生物質を適切に使用することで、感染症は改善し、それに伴う痛みや発熱などの症状も緩和されます。

鎮痛剤の処方

検査の結果、ミレーナの位置に問題がなく、明らかな感染症や他の病気も見つからないけれど痛みが続く場合、または子宮がミレーナに慣れるまでの期間の痛みを和らげるために、鎮痛剤が処方されます。

市販薬よりも効果の高い鎮痛剤が処方されることもあります。医師は痛みの程度や患者さんの体質に合わせて、適切な種類の鎮痛剤や服用方法(例えば、痛みが強い時だけ飲む、一定期間規則的に飲むなど)を指導してくれます。

鎮痛剤はあくまで痛みを和らげる対症療法ですが、痛みが続く期間を快適に過ごすために有効です。痛みが続く間は、我慢せずに適切に鎮痛剤を使用しましょう。

ミレーナの抜去・再挿入

検査の結果、痛みの原因がミレーナの子宮への不適合や、子宮壁への食い込み、抜去しそうな位置にあるなど、ミレーナそのものに問題があると考えられる場合は、ミレーナの抜去や再挿入が検討されます。

  • ミレーナの抜去: ミレーナの痛みが続く主な原因がミレーナそのものにある場合や、患者さんの希望がある場合、ミレーナを抜去するという選択肢があります。抜去は比較的簡単な処置で、子宮頸部から出ているミレーナの紐を引っ張ることで行われます。痛みは個人差がありますが、挿入時ほどではないと感じる方が多いようです。ミレーナを抜去すれば、それに伴う痛みは改善することが期待できます。
  • ミレーナの再挿入: ミレーナがずれてしまったり、子宮の形に合っていないために痛みが起きている場合、一度抜去して、子宮のサイズや形に合った別のミレーナ(もしあれば)、または同じミレーナを正しい位置に入れ直す「再挿入」が行われることもあります。再挿入の処置自体は、最初の挿入と同様のステップで行われます。

ミレーナの抜去や再挿入は、医師と患者さんが十分に話し合い、痛みの原因や今後の治療方針を考慮して決定されます。痛みを我慢し続けるのではなく、医療機関で相談し、自分に合った対処法を選ぶことが大切です。

まとめ:ミレーナの痛みは対処可能です

ミレーナは非常に有効な避妊法であり、月経困難症や過多月経の治療にも用いられる便利な医療機器です。しかし、ミレーナの挿入時や装着後に痛みを経験する方がいることは事実です。

  • 挿入時の痛みは、子宮頸部を通る際に起こりやすく、生理痛に似た感覚や、子宮を掴まれるような痛みとして感じられることがあります。麻酔を使用したり、処置のタイミングを考慮したり、リラックスを心がけることで痛みを和らげることが可能です。
  • 装着初期の痛みは、子宮がミレーナに慣れようとして収縮することで起こる生理痛のような腹痛が一般的です。これは通常、数日~1週間程度で自然に改善します。鎮痛剤や温めることなどで対処できます。
  • 長引く痛みや強い痛みは、ミレーナの位置異常、脱落、子宮の不適合、感染症、または他の婦人科疾患など、様々な原因が考えられます。

「ミレーナ 痛い」と感じて不安な場合、特に痛みが強い、長引く、出血や発熱を伴う、ミレーナがずれたように感じる場合は、ためらわずに医療機関を受診することが最も重要です。医師は内診や超音波検査などで原因を特定し、原因に応じた適切な検査や治療(鎮痛剤の処方、感染症の治療、ミレーナの抜去・再挿入など)を行ってくれます。

ミレーナによる痛みは、適切な対処をすることで改善することがほとんどです。痛みを我慢し続けたり、自己判断したりせず、専門家である医師に相談することが、安心してミレーナを使用するために最も大切なステップです。

ミレーナを使用中の方、またはこれからミレーナを検討されている方は、痛みが起こりうる可能性を知っておき、もし痛みが現れた際にはこの記事を参考に適切な対応をしてください。

ミレーナに関するよくある質問

ミレーナの痛みについて、よくある質問にお答えします。

ミレーナの抜去は痛いですか?

ミレーナの抜去は、一般的に挿入時ほどの痛みはないと感じる方が多いようです。医師が子宮頸部から出ているミレーナの紐を引っ張ることで、ミレーナが子宮からスムーズに排出されます。処置自体は数分で終わることがほとんどです。

痛みの感じ方には個人差があり、生理痛のような軽い痛みや違和感を感じることもありますが、我慢できる程度であることが多いです。抜去前に不安がある場合は、事前に医師に相談することで、必要に応じて痛み止めを使用するなどの配慮をしてもらえることもあります。

ミレーナ装着後に性交痛はありますか?

ミレーナ装着後、一時的に性交時に痛みや違和感を感じることがあります。これは、ミレーナが子宮内に収まるまで時間がかかることや、子宮がミレーナに慣れていないことなどが原因として考えられます。また、稀にミレーナの紐がパートナーに当たって痛みを感じさせてしまう場合もあります。

ほとんどの場合、ミレーナが子宮に馴染むにつれて性交痛も改善していきます。紐がパートナーに当たってしまう場合は、医師に相談して紐を短く切ってもらうことも可能です。

もし、性交痛が続く場合や痛みが強い場合は、ミレーナの位置異常や骨盤内の炎症など、他の原因が隠れている可能性もあります。痛みを我慢せず、医療機関を受診して相談することをおすすめします。

痛みがなくても定期検診は必要ですか?

はい、痛みがなくてもミレーナ装着後は定期的な検診が非常に重要です。ミレーナは長期間使用できる医療機器ですが、正しく機能しているか、位置に異常がないかなどを定期的に確認する必要があります。

定期検診では、医師による内診や超音波検査が行われ、ミレーナが子宮内の正しい位置にあるか、子宮や卵巣に異常がないかなどが確認されます。痛みがなくても、ミレーナが知らない間にずれていたり、脱落しかけていたりする可能性もゼロではありません。位置異常は避妊効果の低下につながるため、定期的なチェックが不可欠です。

定期検診の頻度は、通常、挿入後1ヶ月、その後は1年に1回程度が推奨されています。医療機関によって異なる場合もあるので、挿入時に医師から今後の検診スケジュールについて指示を受けてください。定期検診は、ミレーナを安全かつ効果的に使用するために、痛みの有無に関わらず必ず受けるようにしましょう。


免責事項:
本記事は情報提供のみを目的としており、診断や治療を保証するものではありません。ミレーナによる痛みが続く場合や強い痛みを伴う場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示を仰いでください。個人の状況によって原因や対処法は異なります。

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