「カンジダ」とは、真菌(カビ)の一種であるカンジダ菌によって引き起こされる感染症の総称です。
このカンジダ菌は、実は健康な人の皮膚や粘膜(口の中、消化管、性器など)にも普段から存在している「常在菌」です。
通常は他の常在菌とのバランスが保たれており、特に問題を起こすことはありません。
しかし、何らかの原因で体の免疫力が低下したり、常在菌のバランスが崩れたりすると、カンジダ菌が増殖し、かゆみや炎症などの症状を引き起こします。
これがカンジダ症です。
カンジダ感染率という場合、いくつかの側面があります。
一つは、ある集団において特定の時期にカンジダ症を発症している人の割合(罹患率)です。
もう一つは、カンジダ菌を保有している人の割合(保菌率)です。
さらに、性交渉によってカンジダがパートナーにうつる確率も、「感染率」として捉えられることがあります。
一般的に、性器カンジダ症は女性に多く見られる疾患ですが、男性も感染する可能性があります。
性交渉によるカンジダ感染率
性器カンジダ症は、性行為によって感染が拡大する可能性がある感染症の一つです。
パートナーが性器カンジダ症にかかっている場合、性行為を通じてカンジダ菌を受け取り、自身も発症する可能性があります。
性行為でうつる可能性
カンジダ菌は常在菌であるため、性行為がなくても発症することがあります。
しかし、性行為はカンジダ菌がパートナー間で移動する経路となり得ます。
特に、症状があるパートナーとの性行為では、カンジダ菌が付着・侵入し、新たな感染を引き起こす可能性が高まります。
必ずしも性器と性器の直接接触だけでなく、オーラルセックスなどでも感染する可能性があります。
具体的な感染確率の目安
性交渉によるカンジダの感染率は、様々な要因によって変動するため、具体的な数値を一律に示すことは困難です。
パートナーの状態(症状の有無、重症度)、性行為の種類、性行為の頻度、個人の免疫状態など、多くの要素が影響します。
ただし、一般的な目安としては以下のような情報が挙げられます。
- 女性から男性へ: 女性が性器カンジダ症を発症している場合、一度の性行為で男性に感染する確率は、いくつかの研究で15〜20%程度とされることがあります。
しかし、これはあくまで平均的な推定値であり、男性側の免疫力や包茎の有無などによっても変動します。 - 男性から女性へ: 男性が性器カンジダ症(亀頭カンジダ症など)を発症している場合、女性に感染させる可能性もあります。
ただし、男性が症状を自覚しにくいため、どれくらいの頻度で感染が起きているかは把握しにくい面があります。
男性が無症状でもカンジダ菌を保有していることはあり、その場合でも感染源となる可能性はゼロではありません。
重要な点は、これらの数値はあくまで目安であり、統計的な平均値にすぎないということです。
感染するかどうかは個人差が非常に大きく、たとえ確率が低く見えても感染する可能性は十分にあります。
また、症状が出ていない保菌者からの感染リスクも考慮する必要があります。
カンジダの主な感染経路
カンジダ症は、性行為だけで感染するわけではありません。
カンジダ菌は私たちの体に常に存在している常在菌であり、性行為以外の様々な要因で増殖して症状を引き起こすことがあります。
常在菌としてのカンジダ
前述の通り、カンジダ菌は健康な人の体にも常在しています。
これは特別なことではなく、多くの人が持っている菌です。
通常、私たちの体内には様々な細菌や真菌が存在し、互いの増殖を抑制し合うことでバランスを保っています。
このバランスが保たれている限り、カンジダ菌が悪さをすることはありません。
口の中にいるカンジダ菌は口腔カンジダ症の原因に、消化管にいるカンジダ菌は消化器系のカンジダ症の原因になり得ますが、性器カンジダ症の原因となるカンジダ菌も、体の他の部位から移動してくることがありますし、もともと性器周辺に常在していることもあります。
性行為以外の感染原因
性行為以外でカンジダ症を発症する主な原因は、体の常在菌バランスや免疫力の変化です。
免疫力の低下
体が疲れていたり、大きなストレスを抱えていたりすると、免疫力が低下します。
免疫力が低下すると、普段は抑えられているカンジダ菌が増殖しやすくなります。
風邪やインフルエンザなど、他の感染症にかかっているときも、体力が消耗して免疫力が一時的に下がるため、カンジダ症を発症しやすくなることがあります。
糖尿病などの持病がある方も、免疫機能が低下しやすいため注意が必要です。
抗生物質の使用
細菌感染症の治療のために抗生物質を使用すると、病原菌だけでなく、体内の善玉菌も含めた様々な細菌が死滅します。
膣内においては、カンジダ菌の増殖を抑えている乳酸菌などの善玉菌が減少することがあります。
これにより、カンジダ菌が優位になり、急激に増殖してカンジダ症を引き起こすことがあります。
抗生物質を服用している期間中や服用後にかゆみやおりものの変化を感じた場合は、カンジダ症の可能性があります。
妊娠・病気など
妊娠中は、女性ホルモンのバランスが大きく変化します。
特にエストロゲンの増加は、膣内の環境を変化させ、カンジダ菌が増殖しやすい状態を作ることが知られています。
そのため、妊娠中にカンジダ症を経験する女性は少なくありません。
また、HIV感染症など、免疫機能が著しく低下する病気にかかっている場合も、カンジダ症を含む様々な日和見感染症を発症しやすくなります。
ステロイド薬や免疫抑制剤を使用している場合も同様です。
男女別のカンジダ感染率の特徴
カンジダ症、特に性器カンジダ症は、男女間で感染率や発症しやすさに違いがあります。
女性の感染率が高い理由
性器カンジダ症は、男性よりも女性に圧倒的に多く見られます。
その理由としては、以下の点が挙げられます。
- 解剖学的な構造: 女性の性器(外陰部や膣)は、男性器に比べてカンジダ菌が付着・増殖しやすい湿った環境になりやすい構造です。
また、膣の入り口が肛門に近いため、腸に常在するカンジダ菌が移行しやすいという側面もあります。 - ホルモンバランスの変化: 女性は月経周期、妊娠、出産、授乳、更年期など、一生を通じてホルモンバランスが大きく変動します。
これらのホルモン変化は、膣内のpHバランスや粘膜の状態に影響を与え、カンジダ菌が増殖しやすい環境を作り出すことがあります。
特に妊娠中は、前述のようにカンジダ症を発症しやすい時期です。 - 特定の時期や状態: 生理前はホルモンバランスの変化からカンジダ症になりやすい時期の一つです。
また、締め付けの強い下着や通気性の悪い素材の衣服、長時間のナプキンやタンポンの使用なども、湿気や温度がこもりやすく、カンジダ菌が増殖しやすい環境を作る要因となり得ます。
これらの要因が複合的に作用し、多くの女性が一生に一度は性器カンジダ症を経験すると言われています。
男性器カンジダ症の感染率
男性も性器カンジダ症にかかりますが、女性に比べて発症頻度は低い傾向にあります。
男性器カンジダ症は主に亀頭や包皮に症状が現れるため、「亀頭カンジダ症」と呼ばれることが多いです。
男性の感染率が女性より低い理由としては、男性器の構造上、女性器ほどカンジダ菌が増殖しやすい環境ではないこと、そして包皮がない亀頭部分は乾燥しやすいことなどが挙げられます。
しかし、以下のような場合は男性もカンジダ症を発症しやすくなります。
- 包茎: 包皮と亀頭の間に湿気がこもりやすく、カンジダ菌が増殖しやすい環境になります。
- 性交渉: 性器カンジダ症の女性パートナーとの性交渉は、男性が感染する主要な経路の一つです。
- 免疫力の低下: 女性と同様、ストレス、疲労、病気(糖尿病など)、ステロイド使用などは、男性でもカンジダ症の発症リスクを高めます。
- 清潔習慣: 清潔にしすぎないのも問題ですが、洗いすぎも皮膚のバリア機能を損ねて感染しやすくすることがあります。
不適切な洗浄習慣も影響する可能性があります。
男性の場合、症状が軽微であったり、無症状であったりすることも少なくありません。
そのため、自身がカンジダ菌を保菌していることに気づかず、パートナーに感染させてしまうケースもあります。
カンジダの症状
カンジダ症は、感染した部位によって様々な症状が現れます。
ここでは、性器カンジダ症を中心に、主な症状を解説します。
男性器カンジダ症の主な症状
男性器カンジダ症(亀頭カンジダ症など)の主な症状は以下の通りです。
- 亀頭や包皮の赤み(発赤): 炎症により、亀頭や包皮全体または一部が赤くなります。
- 強いかゆみ: 特に亀頭や包皮に強いかゆみを感じます。
かきむしると悪化することがあります。 - 白いかす、ブツブツ: 亀頭や包皮の表面に、ヨーグルトやカッテージチーズのような白いカスが付着したり、小さな白いブツブツができたりします。
- ただれやびらん: 炎症が悪化すると、皮膚がただれたり、浅い傷(びらん)ができたりすることがあります。
- 排尿時の痛み: ただれた部分に尿が触れると、しみるような痛みを伴うことがあります。
- 性交時の痛み: 炎症がある状態で性行為をすると、痛みを伴うことがあります。
これらの症状は必ずしもすべて現れるわけではなく、かゆみや軽い赤みだけで済む場合もあります。
女性器カンジダ症の主な症状
女性器カンジダ症は、外陰部や膣に症状が現れます。
主な症状は以下の通りです。
- 外陰部と膣の強いかゆみ: 耐えられないほどのかゆみを感じることが多く、カンジダ症の代表的な症状です。
夜間にかゆみが強くなることもあります。 - 白いおりもの: ポロポロとしたカッテージチーズ状、またはヨーグルトのような固まりを伴う、白く濁ったおりものが増えます。
臭いは強くないことが多いですが、酸っぱいような臭いがすることもあります。 - 外陰部の赤みやただれ: かゆみによってかきむしったり、炎症が進んだりすることで、外陰部が赤く腫れたり、ただれたりすることがあります。
- 排尿時の痛み: 外陰部がただれている場合、排尿時に尿が触れるとしみるような痛みを伴うことがあります。
- 性交時の痛み: 性行為の際に、膣の入り口や膣の奥に痛みを感じることがあります。
女性器カンジダ症の症状は、月経前や体調が悪いときに悪化しやすい傾向があります。
口腔カンジダ症などの症状
カンジダ菌は口の中や消化管にも常在しているため、性器以外にも感染症を引き起こすことがあります。
- 口腔カンジダ症: 口の中の粘膜(舌、頬の内側、歯ぐきなど)に白い苔のような斑点が付着します。
拭っても剥がれにくいのが特徴です。
痛みを伴うこともあります。
免疫力が低下した高齢者や、抗生物質を長期服用している方に多く見られます。 - 皮膚カンジダ症: 湿気のたまりやすい脇の下、乳房の下、指の間、おむつの当たる部分などに赤みやかゆみ、ただれなどが現れます。
- 消化管カンジダ症: 腸でカンジダ菌が増殖すると、下痢や腹痛、お腹の張りなどの症状が出ることがあります。
これらの性器以外のカンジダ症も、体の免疫力の低下などが原因で発症することが多いです。
カンジダは自然治癒する?
カンジダ症は、症状が軽度であれば、体の免疫力が回復したり、原因となっていた抗生物質の服用が終わったりすることで、自然に治癒することもあります。
特に男性の亀頭カンジダ症は、女性に比べて自然治癒しやすい傾向があると言われています。
しかし、自然治癒には時間がかかる場合が多く、その間にかゆみや痛みが続くのは辛いものです。
また、症状が長引くと悪化したり、不快な症状でQOL(生活の質)が著しく低下したりします。
さらに、性器カンジダ症の場合、放置するとパートナーに感染させてしまうリスクも常にあります。
症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な治療を受けることを強くお勧めします。
医師の処方する抗真菌薬を使用すれば、比較的短期間で症状を改善させることが可能です。
中途半端な対処や放置は、再発を招いたり、慢性化したりする原因にもなりかねません。
カンジダの検査・診断方法
カンジダ症が疑われる場合、医療機関では以下のような方法で検査・診断を行います。
- 問診: 患者さんの症状(かゆみ、おりものの状態、痛みなど)、いつから症状が出たか、性交渉の状況、既往歴(糖尿病、HIVなど)、服用中の薬(抗生物質、ステロイドなど)、妊娠の有無などを詳しく聞き取ります。
- 視診: 医師が患部(男性なら亀頭や包皮、女性なら外陰部や膣)を直接見て、赤み、ただれ、白いカス、おりものの状態などを確認します。
- 検査:
- 顕微鏡検査: 患部から採取した分泌物や白いカスを少量スライドガラスに取り、顕微鏡で観察します。
カンジダ菌の「菌糸」や「芽胞」が確認できれば、カンジダ症であると診断できます。
これは比較的短時間で結果が出る簡単な検査です。 - 培養検査: 採取した分泌物やカスを特殊な培地で培養し、カンジダ菌が増殖するかどうか、またどのような種類のカンジダ菌かを調べます。
培養には数日かかりますが、より確実な診断や、難治性のカンジダ症の原因菌特定に有効です。 - その他の検査: 稀に、カンジダ菌のDNAを検出するPCR検査などが行われることもあります。
他の感染症(性感染症など)の可能性も考慮される場合は、それらの検査も同時に行うことがあります。
- 顕微鏡検査: 患部から採取した分泌物や白いカスを少量スライドガラスに取り、顕微鏡で観察します。
これらの検査結果を総合的に判断して、カンジダ症の診断が確定します。
検査自体は痛みを伴うものではありませんので、安心して受けてください。
カンジダの治療法
カンジダ症の治療は、主に抗真菌薬(カンジダ菌に効果があるカビを殺す薬)を使用します。
感染した部位や症状の程度によって、様々な剤形が用いられます。
- 塗り薬(外用薬): 患部(外陰部、亀頭、包皮など)に直接塗るタイプの薬です。
かゆみや赤みなどの局所的な症状に効果的です。
市販薬もありますが、医療機関で処方される薬の方が成分が強力である場合や、原因菌の種類に適した薬を選択できるメリットがあります。 - 膣錠(女性の場合): 女性器カンジダ症の場合、膣の中に挿入する錠剤タイプの薬です。
膣内のカンジダ菌に直接作用し、増殖を抑えます。
通常、数日間連続して使用します。 - 内服薬: 症状が広範囲にわたる場合や、外用薬や膣錠で効果が不十分な場合、あるいは再発を繰り返す場合などに処方されます。
全身に作用するため、より効果が高いことが多いですが、副作用のリスクも考慮されます。
医師の指示に従って決められた量を服用します。
治療期間は、症状の程度によって異なりますが、通常は数日から1週間程度で症状が改善することが多いです。
しかし、症状がなくなったからといって自己判断で治療を中断せず、医師から指示された期間、しっかりと薬を使用することが重要です。
中途半端な治療は、カンジダ菌が完全に死滅せず、すぐに再発する原因となります。
また、性交渉によってパートナー間でカンジダを行き来させてしまう「ピンポン感染」を防ぐため、パートナーも同時に検査・治療を受けることが推奨される場合があります。
特にパートナーに症状がある場合は、一緒に医療機関を受診しましょう。
パートナーが無症状でも、再発を繰り返す場合はパートナーの保菌も考慮する必要があるかもしれません。
カンジダ感染の予防策
カンジダ症は、常在菌が原因となるため完全に予防することは難しいですが、発症リスクを減らすために日常生活や性交渉においていくつかの対策をとることができます。
性交渉時の予防策
性行為によるカンジダ感染のリスクを減らすためには、以下の点に注意しましょう。
- コンドームの使用: コンドームは、性器同士の直接的な接触を減らすため、カンジダ菌の移動を防ぐ効果が期待できます。
特に、パートナーのどちらかに症状がある場合は、必ずコンドームを使用しましょう。
ただし、コンドームだけでは完全に感染を防げるわけではありません。 - 症状がある場合の性行為を控える: パートナーのどちらかにカンジダ症の症状が出ている間は、性行為を控えるのが最も確実な予防策です。
治療が完了し、症状が改善してから性行為を再開するようにしましょう。 - オーラルセックスのリスク: 口腔カンジダ症がある場合、オーラルセックスを通じて性器にカンジダ菌がうつる可能性があります。
また、性器カンジダ症がある場合にオーラルセックスをすると、パートナーの口にカンジダ菌がうつる可能性もあります。
日常生活でできる予防
性行為以外でのカンジダ症の発症を防ぐために、日頃から以下の点に気をつけましょう。
- 清潔を保つ: 感染部位周辺を清潔に保つことは大切ですが、洗いすぎは皮膚のバリア機能を損ね、かえって感染しやすくすることがあります。
石鹸を使いすぎず、優しく洗い、しっかりと水分を拭き取ることが重要です。
特に女性は、生理中はナプキンをこまめに交換し、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。 - 通気性の良い下着を選ぶ: 綿などの天然素材でできた、通気性の良い下着を選ぶと、湿気がこもりにくく、カンジダ菌の増殖を抑えるのに役立ちます。
締め付けの強い下着や、化学繊維の下着は避けるのが望ましいです。 - 免疫力を維持する: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、体の免疫力を高く保つことが重要です。
ストレスを溜め込まないようにリラックスすることも大切です。 - 抗生物質の服用に注意: 抗生物質を服用している間や服用後にかゆみやおりものの変化を感じた場合は、早めに医師に相談しましょう。
必要に応じてカンジダ症の検査や予防的な治療が行われることがあります。 - 糖尿病の管理: 糖尿病の方は血糖コントロールを良好に保つことが、カンジダ症を含む様々な感染症の予防につながります。
- 体の状態に気を配る: 疲労がたまっているとき、寝不足のとき、風邪をひいたときなど、体調が万全でないときはカンジダ症を発症しやすい傾向があります。
ご自身の体調の変化に気を配りましょう。
カンジダ感染が疑われる場合に受診すべき医療機関
カンジダ感染症が疑われる症状がある場合は、早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
性器カンジダ症の場合、男女で相談する科が異なります。
感染が疑われる部位・症状 | 主な受診科 | 相談できること |
---|---|---|
男性器(亀頭、包皮) | 泌尿器科、性病科 | 亀頭や包皮の赤み、かゆみ、白いカス、痛みなどの症状に対する診断、検査、治療薬の処方。 |
女性器(外陰部、膣) | 婦人科 | 外陰部や膣のかゆみ、おりものの変化、ただれなどの症状に対する診断、検査、治療薬の処方。 |
口腔内 | 耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、内科 | 口の中の白い斑点、痛みなど。 |
皮膚(脇、股など) | 皮膚科 | 皮膚の赤み、かゆみ、ただれなど。 |
泌尿器科で相談できること
男性の場合、亀頭や包皮にカンジダ症のような症状が出た場合は、泌尿器科を受診するのが一般的です。
泌尿器科では、症状の視診に加え、亀頭や包皮から分泌物を採取して顕微鏡検査や培養検査を行い、カンジダ菌の有無を確認します。
カンジダ症と診断された場合は、抗真菌薬の塗り薬などが処方されます。
また、他の性感染症の可能性も考慮し、必要に応じてそれらの検査も同時に行うことができます。
包茎が関連している場合は、その相談も可能です。
婦人科で相談できること
女性の場合、外陰部や膣にかゆみや異常なおりものなどの症状が出た場合は、婦人科を受診します。
婦人科では、内診で外陰部や膣の状態を観察し、膣からおりものなどを採取して顕微鏡検査や培養検査を行います。
カンジダ症と診断されれば、抗真菌薬の膣錠や塗り薬、必要に応じて内服薬が処方されます。
婦人科は女性特有の体の変化や悩みについても専門的な知識を持っているため、ホルモンバランスや妊娠との関連など、幅広い相談が可能です。
他の性感染症の検査も同時に行えます。
皮膚科や耳鼻咽喉科、内科でもカンジダ症の診断・治療は可能ですが、性器カンジダ症の場合はそれぞれ専門である泌尿器科や婦人科を受診するのが最もスムーズで安心です。
まとめ
カンジダ菌は多くの人に常在する菌であり、性行為以外の様々な要因(免疫力の低下、抗生物質の使用、妊娠など)によってもカンジダ症を発症します。
性交渉によって感染する可能性もありますが、その感染率はパートナーの状態や個人の免疫力など、多くの要因によって変動するため、一律の数値を示すのは困難です。
男性よりも女性の方が性器カンジダ症を発症しやすい傾向にありますが、男性も発症しますし、無症状の保菌者である可能性もあります。
カンジダ症の主な症状は、かゆみ、赤み、白いカスやおりものなどです。
これらの症状は自然に改善することもありますが、放置すると悪化したり、パートナーにうつしたりするリスクがあります。
症状がある場合は、自己判断せずに医療機関(男性は泌尿器科、女性は婦人科など)を受診し、適切な検査と抗真菌薬による治療を受けることが重要です。
日頃から、清潔を保つ、通気性の良い下着を選ぶ、免疫力を維持するといった予防策を心がけることも大切です。
カンジダ感染に関して不安な点がある場合や、症状が出た場合は、遠慮なく専門の医療機関に相談しましょう。
免責事項:本記事はカンジダ感染率に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の診断や治療法を推奨するものではありません。
症状がある場合や感染が疑われる場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
本記事の情報に基づいて行われたいかなる行為についても、当方は責任を負いかねます。