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パニック障害は何科?病院に行くべき目安と正しい治療法

パニック障害は、突然、動悸や息苦しさ、めまいといった激しい身体症状と強い不安に襲われる「パニック発作」を特徴とする疾患です。「このまま死んでしまうのでは」「気が狂ってしまうのでは」といった強い恐怖を感じることも少なくありません。

こうした発作を一度でも経験すると、「また発作が起きるのではないか」という「予期不安」に常に悩まされるようになります。さらに、発作が起きやすい状況や場所(電車、人混み、閉鎖空間など)を避けるようになり、「広場恐怖」と呼ばれる状態に至ることもあります。これにより、日常生活や社会生活に大きな支障が出てしまうことがあります。

パニック障害は決して珍しい病気ではなく、適切な治療を受けることで多くの人が回復を期待できます。しかし、「もしかしてパニック障害かも?」と思っても、「どこの病院に行けばいいのだろう」「どんな治療をするのだろう」と悩んでしまい、受診をためらってしまう方も少なくありません。

この記事では、パニック障害の主な症状、病院に行くべきタイミング、何科を受診すべきか、そしてどのような診断や治療が行われるのかについて、詳しく解説します。一人で悩まず、専門家へ相談するための第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

パニック障害の症状は多岐にわたり、個人差も大きいですが、いくつかの典型的なサインがあります。これらのサインに気づいたら、医療機関への受診を検討する重要な目安となります。

パニック発作の主な症状とは

パニック発作は、突然始まる強烈な不安や恐怖とともに、様々な身体症状が現れることが特徴です。通常、数分から長くても30分程度でピークを迎え、その後徐々に治まります。診断基準として挙げられる代表的な症状には、以下のようなものがあります。

  • 動悸や心拍数の増加: 心臓がドキドキしたり、脈が速くなるのを感じます。
  • 発汗: 突然、大量の汗をかきます。
  • 体の震え: 手足や体全体が震えることがあります。
  • 息苦しさや息切れ: 息がうまく吸えない、窒息してしまうような感覚に襲われます。
  • 胸の痛みや不快感: 心臓発作ではないかと心配になるような胸部の圧迫感や痛みを感じることがあります。
  • 吐き気や腹部の不快感: 胃がむかむかしたり、お腹の調子が悪くなることがあります。
  • めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ: 立っていられなくなるようなめまいや、倒れてしまうような感覚。
  • 現実感の喪失(離人感・現実感喪失): 自分自身が自分ではないように感じたり(離人感)、周囲の世界が現実ではないように感じたり(現実感喪失)します。
  • コントロールを失う、気が変になることへの恐れ: 「自分がおかしくなってしまうのではないか」という強い恐怖を感じます。
  • 死ぬことへの恐れ: 「このまま死んでしまうのではないか」という強い恐怖を感じます。
  • 体のしびれやうずき感: 手足などがピリピリしたり、感覚が異常になることがあります。
  • 悪寒または熱感: 急に寒く感じたり、ほてりを感じたりします。

これらの症状のうち、複数(一般的には4つ以上)が突然現れ、強い恐怖や不快感を伴う場合、パニック発作である可能性が考えられます。初めて発作を経験した際は、これらの症状が心臓発作などの重篤な病気ではないかと感じ、救急外来を受診する方も少なくありません。

繰り返す不安や予期不安を感じる

一度パニック発作を経験すると、発作そのものの苦痛だけでなく、「またいつ発作が起きるのだろうか」という強い不安に囚われるようになります。これを「予期不安」と呼びます。

予期不安は、発作が起きた状況や場所に近づくだけで生じることがあります。例えば、電車の中で発作を経験した場合、電車に乗ろうとするだけで動悸がしたり、息苦しさを感じたりすることがあります。この予期不安が強くなると、発作が起きそうな場所や状況を避けるようになり、自宅から出られなくなるなど、行動範囲が極端に狭まることがあります。これを「広場恐怖」といいます。

パニック発作が一度きりでなく繰り返す場合や、常に予期不安に悩まされている場合は、パニック障害の可能性が高くなります。

日常生活に支障が出始めたら

パニック発作や予期不安、広場恐怖によって、以下のような形で日常生活や社会生活に具体的な支障が出始めたら、それは受診を強く検討すべきサインです。

  • 電車やバス、飛行機など、閉鎖された空間での移動ができなくなった。
  • 人混みやレジ待ち、行列に並ぶのが困難になった。
  • 美容院や歯医者など、すぐに逃げ出せない場所に行けなくなった。
  • 一人での外出が怖くなり、誰かに付き添ってもらわないと外出できない、あるいは全く外出できなくなった。
  • 仕事や学校に行けなくなった、あるいは行くのが非常に辛くなった。
  • 買い物や友人に会うといった、以前は楽しんでいた活動ができなくなった。
  • 睡眠や食欲に影響が出始めた。

パニック障害は、症状を我慢していても自然に治ることは少なく、むしろ症状が進行し、社会生活からの孤立を深めてしまう可能性があります。これらのサインに気づいたら、「気の持ちよう」「頑張れば大丈夫」と無理せず、専門家である医師の助けを借りることを考えてみましょう。早期に適切な診断と治療を受けることが、回復への最も重要な一歩となります。

目次

パニック障害は何科を受診すべき?

パニック発作の症状は身体的なものが多いことから、最初は何科を受診すべきか迷うことが多いでしょう。しかし、パニック障害の場合は、特定の科への受診が推奨されます。

精神科と心療内科の違い

「精神科」と「心療内科」は、どちらも心の不調を扱う診療科ですが、厳密には対象とする範囲が異なります。

診療科 主な対象
精神科 気分や行動、思考の障害 統合失調症、うつ病、双極性障害、不安障害(パニック障害、社交不安障害など)、強迫性障害、依存症など
心療内科 心身症 ストレスが原因で身体症状が現れる病気(過敏性腸症候群、胃潰瘍、慢性頭痛、高血圧など)

このように、精神科は心そのものの疾患を専門とし、心療内科はストレスなど心の状態が原因となって体に症状が現れる「心身症」を主に扱います。

パニック障害は、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れなどが関係していると考えられている疾患であり、不安障害の一つです。発作に伴う身体症状はありますが、その根本原因は心や脳の機能に関連しています。

まずは精神科・心療内科への受診が基本

パニック障害が疑われる場合、まずは精神科または心療内科を受診するのが基本です。どちらの科でもパニック障害の診断と治療を行うことが可能ですが、パニック障害は不安障害という精神疾患に分類されるため、精神科の方がより専門的な知識や経験が豊富な場合が多いと言えます。

ただし、心療内科でもパニック障害を専門的に扱っているクリニックも多くあります。ご自身の症状が身体症状中心で、それがストレスと関連していると感じる場合は心療内科も選択肢になりますが、予期不安や広場恐怖といった精神的な症状が強い場合は、精神科の方がより適しているかもしれません。

どちらの科を選ぶか迷う場合は、インターネットでクリニックのウェブサイトを調べたり、電話で問い合わせたりして、パニック障害の診療実績があるか、どのような治療方針をとっているかなどを確認してみるのも良いでしょう。また、通いやすさやクリニックの雰囲気なども考慮して選ぶことが、治療を継続する上で重要になります。

内科など他科を受診した場合

パニック発作の症状(動悸、息苦しさ、胸痛など)があまりに激しいため、心臓病や呼吸器疾患を疑って、最初に内科や救急外来を受診するケースは少なくありません。これは自然な行動であり、間違いではありません。

内科などの医師は、まずパニック発作と似た症状を引き起こす可能性のある身体的な病気(不整脈、狭心症、甲状腺機能亢進症、過換気症候群など)ではないかを確認するために、様々な検査(心電図、血液検査、レントゲンなど)を行います。

これらの検査の結果、身体的な異常が見つからず、症状がパニック発作の特徴と一致する場合、医師からパニック障害の可能性を伝えられ、精神科や心療内科への受診を勧められることが一般的です。

このように、最初に内科などを受診しても、最終的には適切な専門医へと繋がります。発作が起きてどうしていいか分からない場合は、まずは身近な医療機関を受診することも一つの方法です。ただし、原因不明の身体症状を繰り返す場合は、早めに精神科・心療内科への相談を検討しましょう。

パニック障害の診断について

パニック障害の診断は、主に医師による問診と、他の病気を除外するための検査によって行われます。客観的な数値で診断できるものではないため、ご自身の症状を正確に伝えることが非常に重要です。

診断基準と問診

パニック障害の診断は、国際的な診断基準(DSM-5やICD-10など)に基づいて行われます。これらの基準では、パニック発作が繰り返して起こることや、「また発作が起こるのではないか」という予期不安が少なくとも1ヶ月以上続くこと、あるいは発作に関連した回避行動が見られることなどが重要な要素とされています。

医師は、これらの診断基準に照らし合わせながら、詳細な問診を行います。問診では、以下のようなことを聞かれることが多いです。

  • 初めて発作が起きたのはいつか、どのような状況だったか
  • 発作の頻度、時間帯、持続時間
  • 発作が起きたときの具体的な症状(動悸、息苦しさ、めまいなど、上で挙げた症状について一つずつ確認されることもあります)
  • 発作が起きることへの不安(予期不安)の程度
  • 発作を避けるために、避けている場所や状況があるか(広場恐怖)
  • 日常生活(仕事、学業、家事、外出など)にどのような影響が出ているか
  • 過去に似たような症状があったか、他の病気を患っているか
  • 服用している薬やサプリメントがあるか
  • 飲酒や喫煙の習慣
  • ご家族に似たような症状を持つ方がいるか
  • ストレスの原因となっていること(仕事、人間関係など)

問診は診断の根幹となるため、できるだけ具体的に、正直に答えることが大切です。もし、症状をうまく言葉で表現できない場合は、事前にメモに書き出しておくと良いでしょう。

身体的な病気の除外

パニック発作と似た症状は、心疾患(不整脈、狭心症など)、呼吸器疾患(喘息など)、内分泌疾患(甲状腺機能亢進症など)、脳神経疾患など、身体的な病気によっても引き起こされることがあります。そのため、パニック障害の診断を行う前に、これらの身体的な病気ではないことを確認する検査が不可欠です。

行われる可能性のある主な検査は以下の通りです。

  • 心電図検査: 不整脈などの心臓の異常がないかを確認します。
  • 血液検査: 甲状腺ホルモンの異常や貧血など、全身の状態を確認します。
  • 胸部X線検査: 肺や心臓の形態に異常がないかを確認します。
  • ホルター心電図: 24時間心電図を記録し、日常生活での不整脈の出現などを確認します。
  • 脳波検査: 脳の電気的な活動を調べます(てんかんなどが疑われる場合に行われることがあります)。

これらの検査で身体的な異常が見つからず、問診の結果と合わせて診断基準を満たす場合に、医師はパニック障害と診断します。身体的な病気ではないと確認されることは、病気に対する不安を軽減し、パニック障害の治療に専念するためにも非常に重要なステップです。

パニック障害の主な治療法

パニック障害の治療は、主に「薬物療法」と「精神療法」の二つの柱で行われます。多くの場合、これらを組み合わせて行う「併用療法」が有効とされています。

薬物療法(SSRIなどの抗うつ薬や抗不安薬)

薬物療法は、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることを目的とします。パニック障害の治療でよく用いられるのは、主に以下の種類の薬です。

  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬): セロトニンという脳内の神経伝達物質の働きを調整し、不安や抑うつ気分を改善する効果があります。パニック障害の予期不安や広場恐怖に対して効果が高く、治療の中心となる薬です。効果が現れるまでには通常2週間から数週間かかりますが、継続して服用することで発作の頻度や強度を減らすことができます。副作用として吐き気、頭痛、眠気、性機能障害などがありますが、多くは一時的で、飲み続けるうちに軽減することが多いです。急に中止すると離脱症状が出ることがあるため、医師の指示なく服用量を変えたり中止したりしてはいけません。
  • ベンゾジアゼピン系抗不安薬: 即効性があり、パニック発作が起きたときや、予期不安が強いときに頓服薬として使用されることがあります。不安を速やかに軽減する効果がありますが、漫然と使い続けると依存性を生じるリスクがあります。そのため、通常はSSRIなどの効果が現れるまでの間や、症状が特に強い場合に限定して使用されます。眠気、ふらつき、注意力の低下などの副作用があります。

その他、必要に応じて三環系抗うつ薬やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などが用いられることもあります。どの薬をどれだけ使うかは、患者さんの症状の程度、体質、併存疾患、他の薬との飲み合わせなどを考慮して、医師が慎重に判断します。

精神療法(認知行動療法など)

精神療法は、パニック障害に関連する考え方や行動パターンを修正し、不安や恐怖に対処するスキルを身につけることを目的とします。薬物療法と並んで、パニック障害の治療に非常に有効です。

  • 認知行動療法(CBT): パニック障害に最もよく用いられる精神療法です。パニック発作やそれに対する考え方、行動の悪循環を断ち切ることを目指します。具体的には、「発作は危険ではない」という正しい知識を身につける、発作につながる破局的な考え方(「心臓が止まる」「気が変になる」など)を修正する練習をする、発作が起きそうな状況にあえて少しずつ慣れていく(暴露療法)といったことを行います。呼吸法やリラクセーション法を学ぶこともあります。認知行動療法は、症状の改善だけでなく、再発予防にも効果があることが示されています。通常、専門のトレーニングを受けた医師や公認心理師、臨床心理士などによって行われます。

その他にも、不安に対する理解を深める精神教育や、不安を軽減するためのリラクセーション法などが行われることもあります。

併用療法の重要性

パニック障害の治療では、薬物療法と精神療法を組み合わせて行う「併用療法」が最も効果が高いとされています。薬物療法で症状を安定させつつ、精神療法で病気への理解を深め、不安への対処法を身につけることで、より高い治療効果と再発予防効果が期待できます。

ただし、すべての人が併用療法を必要とするわけではありません。症状が軽い場合は薬物療法のみで改善することもありますし、薬に抵抗がある場合は精神療法を優先することも考えられます。治療方針は、医師とよく相談し、ご自身の希望やライフスタイルに合わせて決めることが大切です。

治療には時間がかかることもあります。焦らず、根気強く治療を続けていくことが、パニック障害を乗り越える鍵となります。

病院に行くのが怖い・行けない場合の対処法

パニック障害の症状自体が、外出や人との接触を困難にすることがあります。「病院までたどり着けるか不安」「発作が起きたらどうしよう」「医師に症状をうまく伝えられるか心配」といった様々な理由から、受診をためらってしまう方も少なくありません。しかし、適切な治療を受けるためには、病院に行くことが不可欠です。ここでは、病院に行くのが怖い、行けない場合の対処法をいくつかご紹介します。

病院への不安を和らげるには

病院への不安を少しでも和らげるために、いくつかのステップを踏むことができます。

  • まずは情報収集から: クリニックのウェブサイトを見て、雰囲気や医師の経歴、診療内容を確認する。パニック障害の診療に力を入れているか、認知行動療法などを取り入れているかなども参考にします。
  • 事前に電話で相談してみる: クリニックに電話し、パニック障害で受診したい旨や、外出が不安であることを伝えてみましょう。受付の方に相談することで、どのようなサポートがあるか(待合室の配慮など)確認できる場合があります。
  • 付き添いを頼む: 家族や信頼できる友人、パートナーに病院まで付き添ってもらうことも大きな助けになります。一人ではないという安心感が、外出のハードルを下げてくれます。
  • 無理のない範囲で練習する: 病院に行く道のりを、まずはお付き合いのある人に付き添ってもらって歩いてみる、途中の休憩できる場所を確認しておくなど、少しずつ慣れていくことも有効です。
  • 症状をメモしておく: 医師に症状をうまく伝えられるか不安な場合は、発作が起きた日時、場所、状況、具体的な症状などを事前にメモしておくと、落ち着いて説明することができます。
  • 予約時間を工夫する: 比較的空いている時間帯(例えば午前中の早い時間や午後の遅い時間)に予約を取ることで、待合室での不安を軽減できる場合があります。

オンライン診療や訪問医療の可能性

近年、テクノロジーの進化により、対面診療以外の選択肢も増えてきました。

  • オンライン診療: スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながら医師の診察を受けることができるサービスです。特にパニック障害で外出が困難な方にとって、移動の負担や発作の心配なく受診できる大きなメリットがあります。多くの精神科・心療内科クリニックでオンライン診療を導入しています。初診からオンラインで可能な場合もあれば、再診以降のみの場合もありますので、事前に確認が必要です。処方された薬は郵送で送られてきます。ただし、オンライン診療には限界もあり、身体的な診察が必要な場合や、複雑なケースでは対面診療を勧められることもあります。
  • 訪問医療: 精神疾患を持つ方で、病状によって自宅からの外出が極めて困難な場合、医師や看護師が自宅を訪問して診療やケアを行うサービスです。すべての地域やクリニックで対応しているわけではありませんが、選択肢の一つとして検討する価値があります。

ご自身の状況に合わせて、これらの選択肢も医師や関係機関(地域の精神保健福祉センターなど)に相談してみると良いでしょう。

家族や支援者との連携

パニック障害の治療において、家族や身近な人の理解とサポートは非常に重要です。パニック発作や予期不安の辛さを理解してもらい、受診を後押ししてもらったり、病院への付き添いを頼んだりすることで、受診へのハードルが大きく下がります。

また、職場の同僚や上司、学校の先生などに病状を理解してもらうことも、復帰や両立を考える上で重要になる場合があります。病気についてオープンに話すことに抵抗があるかもしれませんが、信頼できる人に相談することで、不要な誤解を防ぎ、必要な配慮やサポートを受けやすくなります。

ただし、無理に一人で抱え込まず、医師や医療ソーシャルワーカーといった専門家にも相談し、利用できる社会資源(医療費助成制度など)について情報提供を受けることも大切です。

適切な病院選びのポイント

パニック障害の治療を成功させるためには、ご自身に合った病院や医師を見つけることが重要です。いくつか病院選びのポイントをご紹介します。

医師とのコミュニケーション

治療は医師との信頼関係に基づいて進められます。以下の点に注目してみましょう。

  • 話しやすさ: 症状や不安について、気軽に話せる雰囲気の医師か。
  • 丁寧な説明: 病気や治療法について、分かりやすく丁寧に説明してくれるか。質問しやすいか。
  • 傾聴の姿勢: あなたの話をしっかりと聞き、共感しようとしてくれるか。

医師との相性は個人によって異なります。一度診察を受けてみて、「違うな」と感じたら、セカンドオピニオンを求めたり、他のクリニックを探したりすることも検討して良いでしょう。

治療方針と実績

クリニックによって、パニック障害の治療に対するアプローチが異なります。

  • 治療の中心: 薬物療法を主体としているか、精神療法(特に認知行動療法)にも力を入れているか。ご自身の希望する治療法(例えば、できるだけ薬を使わずに治療したい、精神療法も受けたいなど)に合っているかを確認しましょう。
  • パニック障害の診療経験: パニック障害の診断・治療経験が豊富であるか。専門医がいるかなども参考にできます。クリニックのウェブサイトや医師の経歴などを確認してみましょう。
  • 連携体制: 必要に応じて、他の医療機関や心理士、相談機関などとの連携体制があるかどうかも、複雑なケースでは重要になることがあります。

アクセスや予約方法

治療は継続することが重要です。そのため、通いやすさは無視できないポイントです。

  • アクセス: 自宅や職場から通いやすい場所にあるか。交通手段は便利か。パニック障害の場合、電車やバスの利用が難しいこともあるため、駅から近いか、タクシーなどを利用しやすいかなども考慮しましょう。
  • 予約方法: 予約は取りやすいか。電話だけでなく、インターネットやLINEでの予約に対応しているかなども、忙しい方や電話が苦手な方にとっては重要な要素です。
  • 診療時間: ご自身のライフスタイルに合わせて受診しやすい時間帯に診療しているか。夜間や土日も診療していると、仕事との両立がしやすい場合があります。

また、実際に受診した人の口コミや評判も参考になりますが、個人の主観に基づくものであることを理解し、鵜呑みにせず、あくまで参考程度にとどめることが賢明です。複数の情報を総合的に判断しましょう。

まとめ:パニック障害は病院で適切な治療を受けましょう

パニック障害は、突然の激しいパニック発作と、それに伴う予期不安や広場恐怖によって、日常生活に大きな影響を与える可能性のある病気です。しかし、パニック障害は適切な診断と治療によって、症状をコントロールし、回復を十分に期待できる病気でもあります。

パニック発作の症状が現れたり、「また発作が起きるのでは」という不安に常に悩まされたり、それによって外出や社会活動に支障が出ている場合は、一人で抱え込まず、医療機関への受診を検討しましょう。

受診する際は、精神科または心療内科が基本となります。まずはどちらかの科に相談し、医師による詳細な問診と、身体的な病気を除外するための検査を受けましょう。

パニック障害の治療は、薬物療法(SSRIなど)と精神療法(認知行動療法など)を組み合わせた併用療法が一般的です。これらの治療によって、発作の頻度や強さを減らし、不安を軽減し、病気との向き合い方を学ぶことができます。

病院に行くのが怖い、外出が困難といった場合は、家族や信頼できる人に付き添いを頼む、事前に病院に相談してみる、オンライン診療を利用するといった方法も有効です。

ご自身に合った病院や医師を見つけるためには、医師との相性、治療方針、実績、通いやすさなどを考慮して、慎重に選びましょう。

パニック障害は、早期に治療を開始するほど回復も早い傾向にあります。勇気を出して専門家の助けを借りることが、平穏な日常生活を取り戻すための第一歩です。この記事が、その一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

免責事項:

この記事は、パニック障害および関連する病院受診に関する一般的な情報を提供することを目的としており、医学的な診断や治療法を推奨するものではありません。個別の症状や治療に関するご相談は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。当記事の情報に基づいて被りたいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。

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