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眠れない時、どうする?原因と今すぐできる対処法

眠れない時、時計の針の音だけが響き、時間だけが過ぎていく…。
そんなつらい夜を経験したことはありませんか?
多くの人が一度は経験する「眠れない時」ですが、その原因はさまざまです。
そして、原因によって適切な対処法も異なります。
この記事では、眠れない主な原因から、今すぐ試せる具体的な対処法、実はやってはいけないNG行動、さらに良い睡眠のための根本的な対策までを詳しく解説します。
あなたの眠れない夜を少しでも楽にし、快眠へとつながるヒントを見つけるお手伝いができれば幸いです。
慢性的な不眠でお悩みの方のために、専門家への相談についても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

眠れない主な原因

眠れない時には、様々な要因が複雑に絡み合っていることがあります。
自分の不眠の原因を知ることは、適切な対処法を見つける第一歩となります。
ここでは、眠れない時に考えられる主な原因を詳しく見ていきましょう。

心理的な原因(ストレス、不安、考えすぎ)

私たちの心は睡眠と深く結びついています。
強いストレスを感じている時、将来への不安がある時、あるいは仕事や人間関係の悩みが頭から離れない時など、心理的な負担は脳を覚醒させ、眠りを妨げることがあります。
特に、寝床に入ってから「眠れないこと」自体に焦りや不安を感じ、「今日も眠れないのではないか」と考えてしまうことが、さらに眠りを遠ざける悪循環を生み出すことも少なくありません。
考え事が止まらず、脳が常に活動している状態では、リラックスして眠りにつくことが難しくなります。

生理的な原因(年齢、女性ホルモン、体内時計の乱れ)

年齢を重ねると、睡眠の質やパターンに変化が現れることがあります。
一般的に、高齢になるにつれて必要な睡眠時間が短くなったり、夜中に目覚めやすくなったりする傾向があります。
また、女性の場合は、月経周期や妊娠、更年期など、女性ホルモンの変動が睡眠に影響を与えることがあります。
これらのホルモンバランスの変化に伴い、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。
さらに、時差ボケや夜勤など、体内時計(サーカディアンリズム)の乱れも、自然な眠りを妨げる大きな要因となります。

生活習慣による原因(カフェイン、アルコール、運動不足、不規則な睡眠時間)

日々の生活習慣も、眠りの質に大きく影響します。

  • カフェイン: コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があり、摂取から数時間は効果が持続します。
    特に夕方以降の摂取は、寝つきを悪くする原因となります。
  • アルコール: 寝酒としてアルコールを飲む人もいますが、アルコールは一時的に眠気を誘うものの、分解される過程で睡眠を浅くし、夜中に目覚めやすくするなど、睡眠の質を低下させます。「眠れない時」に頼るのは避けたい習慣です。
  • 運動不足: 適度な運動は良い睡眠につながりますが、運動不足は心身の疲労感を減少させ、寝つきを悪くすることがあります。
  • 不規則な睡眠時間: 毎日違う時間に寝たり起きたりすることは、体内時計を混乱させ、自然な眠りのリズムを崩してしまいます。
    特に、週末の寝坊や夜更かしは、週明けの不眠につながりやすい傾向があります。
  • 寝る前の喫煙: ニコチンには覚醒作用があるため、寝る前の喫煙も睡眠を妨げる原因となります。

環境的な原因(寝室の温度・湿度、騒音、光)

寝室の環境も、快適な睡眠には不可欠です。

  • 温度・湿度: 寝室が暑すぎたり寒すぎたり、乾燥しすぎたりしていると、体がリラックスできず眠りにつきにくくなります。
    一般的に、快眠のためには室温20℃前後、湿度50%前後が適しているとされています(個人差があります)。
  • 騒音: 外の車の音や近所の話し声、同居家族の立てる音など、予期しない騒音は眠りを妨げ、夜中に目を覚ます原因となります。
  • 光: 寝室が明るすぎると、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制され、眠りにくくなります。
    特に、スマートフォンやパソコンの画面から出るブルーライトは脳を覚醒させるため、就寝前の使用は避けたいところです。
    また、夜中にトイレなどで強い光を浴びることも、眠りを妨げることがあります。

体の病気や精神疾患による原因

不眠の背景に、何らかの病気が隠れていることもあります。

  • 体の病気: 痛みやかゆみ、咳、頻尿など、身体的な不快感は眠りを妨げます。
    また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のように、睡眠中に呼吸が止まる・弱くなることで何度も目が覚めてしまう病気や、むずむず脚症候群のように、寝床に入ると脚に不快な感覚が生じて動かしたくなる病気なども、不眠の原因となります。
  • 精神疾患: うつ病や不安障害、統合失調症などの精神疾患も、しばしば不眠を伴います。
    特にうつ病では、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」が見られることがあります。

これらの原因が単独で、あるいは複数組み合わさって、「眠れない時」を引き起こしています。
自分の状況に照らし合わせて、心当たりがないか考えてみましょう。

眠れない時の具体的な対処法

今まさに眠れない時、どのように過ごせば良いのでしょうか?
焦りは禁物です。
ここでは、つらい夜を乗り越えるための具体的な対処法をご紹介します。
これらの方法は、全ての人に効果があるわけではありませんが、いくつか試してみて、自分に合う方法を見つけることが大切です。

眠ろうと焦らないリラックス法(一度ベッドから出る)

「眠らなければ」と強く意識するほど、脳は覚醒してしまい、かえって眠りから遠ざかってしまいます。
眠れない時は、「眠ろう」とすることから一度離れてみましょう。

具体的な方法:
もし20〜30分経っても眠りにつけない、または夜中に目が覚めてしまって再び眠れない場合は、一度ベッドから出て、寝室以外の部屋へ移動しましょう。
薄暗い照明の下で、静かでリラックスできることをします。

  • リラックスできる活動:
    • 静かな音楽を聴く
    • 読書をする(退屈な内容のものが良いかもしれません)
    • 軽いストレッチやヨガをする
    • 温かい飲み物を飲む(カフェインを含まないハーブティーなど)
  • NG行動: スマートフォンやパソコンを見る、明るい電気をつける、刺激的なテレビ番組を見るなど、脳を覚醒させる行動は避けましょう。

眠気を感じ始めたら、再びベッドに戻ります。
この「一度ベッドから出る」という行動は、「ベッド=眠る場所」という関連付けを強め、「ベッド=眠れない場所」という関連付けを弱める効果が期待できます。

体をリラックスさせる方法(筋弛緩法、腹式呼吸)

体の緊張を和らげることは、心の緊張を和らげることにもつながり、リラックスして眠りに入りやすくなります。

筋弛緩法(きんしかんほう):
体の各部分に順番に力を入れ、数秒キープしてから一気に力を抜く、というのを繰り返す方法です。
力を抜いた時の体の緩みを感じることで、リラックス効果が得られます。

具体的な方法:

  1. 仰向けになり、楽な姿勢をとります。
  2. 両手にグーッと力を入れ、5〜10秒キープします。
  3. 一気に力を抜き、両手の力が抜けていく感覚を味わいます。
  4. 次に、肩や首、顔、お腹、足など、体の各部分に順番に力を入れたり抜いたりを繰り返します。
  5. 全身の力が抜けていく感覚を感じながら、ゆったりと呼吸を続けます。

腹式呼吸:
お腹を膨らませながら鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹をへこませながら口からゆっくり息を吐き出す呼吸法です。
副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めます。

具体的な方法:

  1. 仰向けになり、楽な姿勢をとります。
  2. 片方の手をお腹の上に置きます。
  3. 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じます(お腹の上の手が持ち上がります)。
  4. 口からゆっくりと、吸うときの倍くらいの時間をかけて息を吐き出します。
    お腹がへこむのを感じます(お腹の上の手が下がります)。
  5. これを数回繰り返します。
    呼吸に意識を集中することで、余計な考え事から注意をそらす効果もあります。

副交感神経を優位にする方法(ぬるめのお風呂、温かい飲み物)

リラックスした状態は、副交感神経が優位になっている状態です。
体を温めることは、副交感神経の働きを高めるのに役立ちます。

ぬるめのお風呂:
就寝の1〜2時間前に、38〜40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。
体温が一時的に上がり、その後下がる過程で眠気を誘います。
熱すぎるお湯はかえって交感神経を刺激してしまうので避けましょう。

温かい飲み物:
カフェインを含まない温かい飲み物も、リラックス効果があります。

  • おすすめの飲み物:
    • ホットミルク
    • カモミールティーなどのハーブティー
    • 白湯

温かい飲み物をゆっくりと飲むことで、心も体も落ち着かせることができます。

寝る前に試せるリラクゼーション(アロマ、音楽)

感覚に働きかけるリラクゼーションも、眠りを誘うのに効果的です。

アロマテラピー:
ラベンダーやカモミール、サンダルウッドなどの香りは、リラックス効果があるとされています。
アロマディフューザーを使ったり、枕元にアロマスプレーを軽く吹きかけたりして、心地よい香りの中で眠りにつく準備をしましょう。

音楽:
心拍数に近いテンポのゆっくりとした音楽や、自然の音(雨音、波の音など)は、リラックス効果があり、入眠を助けることがあります。
歌詞のないインストゥルメンタルの方が、考え事をせずに済むのでおすすめです。

眠くなるツボを押す

東洋医学的なアプローチとして、特定のツボを優しく押すこともリラックス効果や眠気を誘う効果があると言われています。

  • 安眠(あんみん): 耳の後ろにある骨(乳様突起)の下端から指1本分後ろのくぼみにあるツボ。
  • 失眠(しつみん): 足の裏、かかと中央のややへこんだ部分にあるツボ。
  • 労宮(ろうきゅう): 手のひらの中央、軽く指を曲げた時に中指と薬指の先端の間にあるツボ。

これらのツボを、息を吐きながらゆっくりと数秒間優しく押したり揉んだりしてみましょう。
強く押しすぎるとかえって緊張してしまうので注意が必要です。

寝室の環境を整える(温度、湿度、光、音)

快適な睡眠には、寝室の物理的な環境が非常に重要です。
「眠れない時」に焦って何かをするよりも、日頃から寝室環境を整えておくことが予防にもつながりますが、今からでもできることがあります。

温度・湿度:
エアコンや加湿器・除湿機などを活用して、寝室を快適な温度(20℃前後)と湿度(50%前後)に保ちましょう。
夏は涼しく、冬は暖かく、そして一年中適切な湿度を保つことが大切です。

光:
寝室はできるだけ暗くしましょう。
厚手のカーテンを使ったり、遮光カーテンに替えたりするのも有効です。
常夜灯や、外部からの光も最小限にする工夫をします。
夜中に目を覚ました時に、強い光を浴びないように、フットライトなどを使うのも良いでしょう。

音:
外部からの騒音対策として、防音カーテンを使ったり、耳栓を使ったりすることも考えられます。
また、全くの無音よりも、ホワイトノイズやピンクノイズのような一定の環境音の方が、周囲の騒音をごまかして眠りやすくなる人もいます。

これらの環境調整は、「眠れない時」だけでなく、普段から意識することで睡眠の質全体を向上させることができます。

寝床に入る時間を調整する

眠れないにも関わらず、早すぎる時間に寝床に入っていませんか?
眠気がないのに長時間寝床で過ごすと、「ベッド=眠れない場所」というネガティブな関連付けが強まってしまいます。

具体的な方法:
眠気を感じるまでは寝床に入らないようにしましょう。
どうしても眠れない時は、前述のように一度ベッドから出てリラックスできることをして、眠気を感じてから再び寝床に戻ります。
また、翌朝の起床時間を一定に保つことも、体内時計を整える上で重要です。
不眠の翌日も、普段と同じ時間に起きるように心がけましょう。

これらの対処法は、あくまで「眠れない時」に試せる一時的なものです。
しかし、適切な行動をとることで、不眠による焦りや不安を軽減し、自然な眠りへとつながる可能性を高めることができます。

眠れない時にやってはいけないNG行動

眠れない時に良かれと思ってやっていることが、実はかえって不眠を悪化させている場合があります。
「眠れない時」に避けたいNG行動を知っておきましょう。

スマートフォンやパソコンを見る(ブルーライト)

寝床でスマートフォンやパソコンの画面を見るのは、不眠を悪化させる典型的なNG行動です。
これらの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させてしまい、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。
また、SNSを見たり、メールをチェックしたりするなど、画面からの情報刺激は脳を活動させ、リラックスを妨げます。
「眠れない時」についつい手にとってしまいがちですが、ぐっと我慢して避けましょう。

寝酒を飲む

「お酒を飲むと眠くなる」と感じる人は多いかもしれません。
しかし、これは一時的な効果にすぎません。
アルコールは体内で分解される過程でアセトアルデヒドなどの物質を生成し、これが睡眠を浅くしたり、夜中に目が覚めやすくしたりします。
特に、睡眠の後半部分の質を大きく低下させ、結果として休息感が得られにくくなります。
「眠れない時」の寝酒は、不眠を根本的に解決するどころか、さらに悪化させる原因となります。

夕方以降にカフェインを摂取する

カフェインには覚醒作用があり、その効果は摂取後数時間持続します。
カフェインの分解能力には個人差がありますが、一般的に夕方以降(就寝時間の数時間前)のカフェイン摂取は、寝つきを悪くしたり、眠りを浅くしたりする原因となります。
「眠れない時」だけでなく、普段から午後の早い時間帯以降はカフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど)を控えるようにしましょう。

長時間寝床で過ごす

眠れないまま、長時間ベッドの中でゴロゴロするのは避けましょう。
「ベッド=眠れない場所」という関連付けが強まり、寝床に入ること自体がストレスになってしまう可能性があります。
前述のように、20〜30分経っても眠れない場合は、一度ベッドから出て、リラックスできる別の場所で過ごすのがおすすめです。

眠れないことに焦りを感じる

「どうしよう、また眠れない…」と焦りを感じることは、最も避けたいNG行動の一つです。
焦りや不安は交感神経を刺激し、脳をさらに覚醒させてしまいます。
眠れない時は、「眠れない自分」を受け入れ、「今は眠れない時間なんだ」と割り切るくらいの気持ちでいる方が、結果的にリラックスして眠りに入りやすくなります。
気にしないようにするのは難しいかもしれませんが、焦る気持ちを一旦手放してみましょう。

夜遅くに食事や激しい運動をする

就寝直前の食事は、消化活動のために胃腸が活発になり、体がリラックスできません。
また、血糖値の変動も睡眠を妨げる可能性があります。
就寝時間の2〜3時間前までに夕食を済ませるのが理想的です。

同様に、就寝直前の激しい運動も、体を興奮させ体温を上げてしまい、眠りにつきにくくします。
運動するなら、就寝の数時間前までに終えるか、ストレッチや軽いヨガなどリラックス効果のあるものを選びましょう。

これらのNG行動を避けることは、「眠れない時」の一時的な対処だけでなく、普段からの快眠習慣を身につける上でも非常に重要です。

慢性的な不眠は専門家へ相談を

「眠れない時」が一時的なものではなく、何日も、あるいは何週間も続いている場合は、慢性的な不眠の可能性があります。
不眠が続くと、日中の眠気やだるさ、集中力の低下、気分の落ち込みなど、日常生活に様々な支障をきたすことがあります。
慢性的な不眠は、単なる寝不足ではなく、治療が必要な睡眠障害かもしれません。
気になる場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することを検討しましょう。

医療機関を受診する目安

どのような場合に医療機関を受診すべきでしょうか?
一般的に、以下のような状態が続く場合は、専門家への相談を検討する目安となります。

項目 目安
不眠が続いている期間 週に3日以上、1ヶ月以上続いている場合
日中の活動への影響 眠気やだるさ、集中力の低下、意欲の低下、イライラなど、日常生活に支障が出ている場合
不眠の内容 寝つきが悪い(30分以上かかる)、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める、眠りが浅く熟睡感がないなど
その他の症状 体の痛み、かゆみ、咳、頻尿など、不眠の原因となりうる身体的な症状がある場合
睡眠中の異常な行動 大きないびきや呼吸の停止(睡眠時無呼吸症候群)、寝言、歯ぎしり、夢遊病などが見られる場合

これらの項目に心当たりがある場合は、一度専門医に相談してみましょう。
不眠の背景に隠された病気が見つかることもありますし、適切な診断と治療によって不眠が改善される可能性も高まります。

相談できる診療科(精神科、心療内科、睡眠外来)

不眠に関する相談は、いくつかの診療科で受け付けています。

  • 精神科・心療内科: ストレスや不安、うつ病などの精神的な要因による不眠の場合に専門的なアプローチが可能です。
    心の状態と睡眠は密接に関わっているため、これらの科が適している場合があります。
  • 睡眠外来: 睡眠障害全般を専門的に診る外来です。
    不眠症だけでなく、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、ナルコレプシーなど、様々な睡眠障害の診断と治療を行っています。
    専門的な検査(睡眠ポリグラフ検査など)が必要な場合も対応できます。

まずはかかりつけ医に相談してみるか、近くに睡眠外来があるかを調べてみるのが良いでしょう。
インターネットで「(お住まいの地域名) 睡眠外来」などで検索すると見つかることがあります。

専門医による診断と治療法(睡眠薬、認知行動療法など)

専門医は、問診や必要に応じて行う検査(睡眠日誌の記録、アクチグラフィー、睡眠ポリグラフ検査など)に基づいて、不眠の原因やタイプを診断します。
診断に基づき、様々な治療法の中から最適なものを選びます。

  • 睡眠薬: 不眠の症状を和らげるために処方されることがあります。
    様々な種類の睡眠薬があり、寝つきを良くするもの、夜中に目が覚めるのを防ぐものなど、効果や持続時間が異なります。
    専門医は患者さんの状態に合わせて適切な種類の薬を、必要最低限の量で処方します。
    睡眠薬に対して不安がある場合は、医師とよく相談することが大切です。
  • 認知行動療法(CBT-I): 不眠に対する認知の歪み(例:「眠れないことは恐ろしいことだ」)や、不眠を維持・悪化させている行動パターン(例:ベッドでの長時間滞在、日中の居眠り)を修正していく心理療法です。
    睡眠薬に頼らず、根本的な不眠の改善を目指す治療法として、近年注目されています。
    通常、複数回のセッションを通して行われます。
  • その他の治療: 不眠の原因となっている病気(睡眠時無呼吸症候群など)がある場合は、その病気に対する治療が行われます。
    また、生活習慣の改善指導なども行われます。

専門家への相談は、慢性的な不眠の改善に向けた非常に重要なステップです。
適切な診断と治療を受けることで、不眠の苦しみから解放され、健康的な睡眠を取り戻せる可能性が高まります。

良い睡眠のための生活習慣の改善

「眠れない時」を減らし、毎日気持ちよく眠りにつくためには、日々の生活習慣を見直すことが非常に効果的です。
ここでは、良い睡眠のために取り入れたい生活習慣の改善策をご紹介します。

毎日同じ時間に寝起きする

体内時計を整える上で最も重要なことの一つが、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることです。
特に起床時間を一定に保つことが、体内時計のリズムを安定させるのに役立ちます。
休日も平日との差を1〜2時間以内にとどめるように心がけましょう。
規則正しい生活リズムは、自然な眠気と目覚めをもたらします。

朝日を浴びる

朝起きたら、カーテンを開けて朝日を浴びましょう。
朝日には体内時計をリセットする効果があり、目覚めを促し、夜には自然な眠気を引き起こす睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を促進します。
理想的には、起きてから1時間以内に15分〜30分程度、屋外で朝日を浴びるのが良いとされています。

適度な運動を取り入れる

日中の適度な運動は、心身の疲労感を高め、夜の眠りを深くする効果があります。
ただし、就寝直前の激しい運動は体を覚醒させてしまうため避けましょう。
ウォーキング、ジョギング、水泳、ヨガなど、自分が継続できる運動を習慣にするのがおすすめです。
運動は、不眠の原因となるストレスの解消にも役立ちます。

バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事は、体全体の健康にとって重要であり、良質な睡眠にもつながります。
特に、特定の栄養素(トリプトファンなど)は睡眠に関わるホルモンの材料となります。
また、夜遅い時間の食事や、カフェイン・アルコールの過剰摂取は避けるべきです。
夕食は寝る時間の2〜3時間前までに済ませるように心がけましょう。

就寝前の習慣を見直す

寝る前の過ごし方も、スムーズな入眠に大きく影響します。
リラックスできる習慣を取り入れましょう。

  • ぬるめのお風呂: 就寝1〜2時間前にぬるめのお湯にゆっくり浸かる。
  • リラクゼーション: 静かな音楽を聴く、読書をする(刺激の少ない内容)、アロマを焚くなど。
  • ストレッチや軽いヨガ: 体の緊張をほぐす。
  • カフェイン・アルコール・喫煙を避ける: 就寝数時間前からは摂取しない。
  • スマートフォンやパソコンの使用を控える: ブルーライトや情報刺激を避ける。

これらの習慣を継続することで、「眠れない時」が減り、睡眠の質が向上していくことが期待できます。

【まとめ】眠れない時、原因を知り、自分に合った対処法・対策を

眠れない時は本当につらいものです。
しかし、「眠れない時」の原因は一つではなく、心、体、生活習慣、環境など、様々な要因が絡み合っています。
まずは自分の不眠の原因に心当たりがないか考えてみることが大切です。

そして、今すぐ眠りたい時には、今回ご紹介した「眠ろうと焦らない」「体をリラックスさせる」「副交感神経を優位にする」などの具体的な対処法を試してみてください。
同時に、不眠を悪化させるNG行動(ブルーライト、寝酒など)は避けるようにしましょう。

もし「眠れない時」が長く続き、日常生活に支障が出ている場合は、慢性的な不眠の可能性があります。
一人で悩まず、精神科、心療内科、睡眠外来などの専門家に相談することを強くお勧めします。
専門医による適切な診断と治療を受けることで、不眠から解放される道が開けるかもしれません。

さらに、良い睡眠を継続するためには、日々の生活習慣の改善が不可欠です。
毎日同じ時間に寝起きする、朝日を浴びる、適度な運動、バランスの取れた食事、そして就寝前のリラックス習慣など、できることから少しずつ取り入れてみましょう。

この記事が、あなたの「眠れない時」を乗り越え、心身ともに健康で充実した毎日を送るための一助となれば幸いです。

免責事項:
この記事で提供する情報は一般的な知識であり、個々の症状や状況に適用されるものではありません。
特定の健康問題については、必ず医療専門家の診断と指導を受けてください。
この記事の情報に基づいて行った行動に関する責任は負いかねます。

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