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陰部のできもの|原因・病気の見分け方と受診目安

陰部に突然できものができると、「これは何だろう?」「悪い病気だったらどうしよう」と不安に感じ、思わず画像を探してしまう方も多いのではないでしょうか。
デリケートな部分なだけに、誰にも相談できずに一人で悩んでいるかもしれません。

この記事では、陰部にできる「できもの」について、その見た目や症状の特徴から考えられる種類や原因、そして主な病気について詳しく解説します。ご自身の症状と照らし合わせながら、適切な対処法を知るための参考にしてください。

しかし、最も大切なことは、自己判断で放置せず、専門の医療機関を受診することです。この記事が、不安を解消し、専門家へ相談する一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

陰部のできものと一言でいっても、その原因は様々です。毛穴に細菌が入って炎症を起こす「毛嚢炎」のような身近なものから、ウイルスの感染による性感染症(STD)、皮脂腺が詰まることでできる良性の腫瘍、そして稀ですが悪性の腫瘍(がん)の可能性もゼロではありません。

できものの見た目、大きさ、痛みの有無、硬さなどによって、考えられる原因や病気はある程度推測できます。まずは、ご自身の症状をよく観察してみましょう。

目次

陰部のできものの状態特徴

【症状・見た目別】陰部のできものの主な特徴と原因

ここでは、症状や見た目の特徴別に、できものの種類を解説します。実際の患部の画像を掲載することはできませんが、文章による詳細な描写で特徴を説明します。

陰部のできもの(しこり)の種類と特徴

皮膚の下に硬い、あるいは弾力のある塊(かたまり)として触れるのが「しこり」です。触るとコリコリしていたり、皮膚と一緒に動いたり、逆に全く動かなかったりします。多くは良性のものですが、大きくなる、痛みを伴うなどの変化があれば注意が必要です。

陰部のできものに痛みを伴う場合

赤く腫れあがり、熱っぽさを感じたり、ズキズキと脈打つような痛みを伴ったりすることがあります。多くは細菌感染による炎症が原因です。下着が擦れるだけで痛むこともあり、日常生活に支障をきたす場合もあります。

陰部のできものに痛みを伴わない場合

痛みがないため、気づかないうちにできていたり、大きくなっていたりすることがあります。しこりとして触れるものや、イボ状のものなど見た目は様々です。痛みがないからといって安全とは限りません。性感染症や腫瘍の中には、初期段階では痛みを伴わないものも多くあります。

ニキビや吹き出物のような見た目のできもの

毛穴の周辺が赤く盛り上がり、中心に白い膿(うみ)を持つことがあります。顔にできるニキビと似ていますが、原因菌が異なる場合や、別の病気の初期症状である可能性も考えられます。

イボのような見た目のできもの

表面がカリフラワー状や鶏のトサカのようにザラザラ・ブツブツしていたり、乳頭状に盛り上がっていたりします。色は肌色や薄茶色、黒っぽいものまで様々です。多発することもあります。

水ぶくれのような見た目のできもの

赤みのある皮膚の上に、小さな水疱(すいほう)が複数できるのが特徴です。強い痛みを伴うことが多く、水ぶくれが破れると、ただれて潰瘍(かいよう)になることもあります。

陰部のできもので考えられる主な病気

上記のような症状から、具体的にどのような病気が考えられるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

病名 主な原因 主な症状
外陰毛嚢炎(がいいんもうのうえん) 細菌感染(主に黄色ブドウ球菌) ・毛穴の一致した赤いブツブツ、膿
・軽い痛みやかゆみ
バルトリン腺炎・嚢胞 バルトリン腺の閉塞、細菌感染 ・大陰唇の付け根にしこりや腫れ
・感染すると強い痛み、発熱
尖圭(せんけい)コンジローマ ウイルス感染(ヒトパピローマウイルス) ・イボ状(カリフラワー状、鶏冠状)
・痛みやかゆみはほとんどない
・性感染症の一種
アテローム(粉瘤) 皮膚の下に袋ができ、皮脂や垢が溜まる ・皮膚の下のしこり、弾力がある
・中央に黒い点が見えることも
・感染すると赤く腫れて痛む
性器ヘルペス ウイルス感染(単純ヘルペスウイルス) ・複数の小さな水ぶくれ、強い痛み
・破れると潰瘍になる
・発熱などの全身症状を伴うことも
・性感染症の一種
梅毒(ばいどく) 細菌感染(梅毒トレポネーマ) ・初期にしこりやただれができるが痛みはない(初期硬結)
・放置すると全身に症状が広がる
・性感染症の一種
外陰(がいいん)がん (原因不明の場合も多い) ・治りにくいしこりやただれ(潰瘍)
・かゆみ、出血、痛み
・皮膚の色の変化
・非常に稀な病気

注意: この表はあくまで一例です。自己判断せず、必ず医師の診断を受けてください。

危険なサインを見逃さない!すぐに医療機関を受診すべきケース

陰部のできものに気づいたら、基本的には早めに受診することが望ましいですが、特に以下のような症状が見られる場合は、放置せずにすぐに医療機関を受診してください。

  • できものが急に大きくなってきた
  • 痛みが非常に強い、またはだんだん強くなっている
  • 出血したり、膿が出たりしている
  • 熱を持っている、熱っぽさを感じる
  • できものが硬く、周辺の組織とくっついて動かない感じがする
  • 複数のできものができ始めた
  • 皮膚がただれたり、潰瘍になったりしている
  • 発熱や倦怠感など、全身の症状を伴う

これらのサインは、症状が進行している、あるいはより専門的な治療が必要な病気の可能性があります。迷った場合は、ためらわずに受診しましょう。

陰部のできものに関するよくある質問(Q&A)

ここでは、皆さまからよく寄せられる質問にお答えします。

陰部にニキビみたいなのができたのですが、何でしょうか?

A. 顔にできるニキビと同じように、毛穴が詰まったり細菌感染を起こしたりしてできる「毛嚢炎(もうのうえん)」の可能性が考えられます。しかし、性器ヘルペスの初期症状など、他の病気の可能性も否定できません。自分で潰そうとすると悪化する危険があるため、触らずに医療機関で相談することをおすすめします。

陰部に小さな出来物が出来たら何が原因ですか?

A. 小さなできものの原因は多岐にわたります。毛嚢炎尖圭コンジローマ性器ヘルペスの初期症状などが考えられます。かゆみや痛みの有無、数、形状などを観察し、気になる場合は早めに皮膚科や婦人科・泌尿器科を受診しましょう。

陰部にイボみたいなできものができたのですが、何でしょうか?

A. イボ状のできもので、特にカリフラワーのような形をしている場合、性感染症である「尖圭コンジローマ」の可能性が疑われます。痛みがないことが多く、放置すると数が増えたり大きくなったりすることがあります。パートナーにも感染させてしまう可能性があるため、必ず専門医の診断と治療が必要です。

陰部にできたしこりの原因は?

A. 痛みのないしこりの場合、皮脂腺が詰まってできるアテローム(粉瘤)や、膣の入口付近であればバルトリン腺嚢胞などが考えられます。細菌感染を起こすと痛みを伴うこともあります。非常に稀ですが、悪性腫瘍(がん)の可能性もゼロではないため、しこりに気づいたら一度は医療機関で診てもらうことが重要です。

陰部のできもの、何科を受診すればいい?

いざ病院へ行こうと思っても、何科を受診すればよいか迷うかもしれません。基本的には以下の科が専門となります。

  • 女性の場合:「婦人科」「産婦人科」または「皮膚科」
    おりものの異常など、他の婦人科系の症状もあれば婦人科が適しています。皮膚のトラブルとして相談したい場合は皮膚科でも構いません。
  • 男性の場合:「泌尿器科」または「皮膚科」
    排尿時の痛みなどがあれば泌尿器科が適しています。皮膚のみの症状であれば皮膚科でも対応可能です。

性感染症が疑われる場合は、パートナーと一緒に検査・治療ができる婦人科や泌尿器科がスムーズです。どの科を受診すればいいか迷う場合は、まずは通いやすい皮膚科で相談してみるのも一つの方法です。

まとめ|陰部のできものに不安を感じたら医療機関へ相談を

陰部にできる「できもの」について、その症状や原因、考えられる病気について解説しました。ご自身の症状と似たものがあったかもしれません。

陰部のできものを画像で検索して自己判断しようとする気持ちはよく分かりますが、正確な診断は医師にしかできません。良性のものもあれば、治療が必要な感染症や、ごく稀に悪性の病気が隠れている可能性もあります。

大切なのは、一人で悩み続けずに専門家に相談することです。早期に受診すれば、それだけ早く的確な治療を受けることができ、心身の負担も軽くなります。この記事を読んで少しでも不安を感じた方は、ぜひ勇気を出して医療機関の扉を叩いてください。


免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
陰部の症状に関しては、必ず専門の医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。

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