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【画像付き】産後の子宮脱の症状とは?写真で見るセルフチェック

産後のデリケートな体の変化に、「もしかして子宮脱?」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。「産後 子宮脱 写真」と検索して、ご自身の症状と見比べて確認したいと思うのは自然なことです。しかし、デリケートな部分の写真は抵抗がある、あるいは見つからなくて困っているという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、写真を使わずに、産後の子宮脱の症状や原因、そして自分でできるケアから専門的な治療法までを詳しく解説します。あなたの不安を和らげ、適切な一歩を踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。

産後の子宮脱とは、出産によってダメージを受けた骨盤底筋という筋肉や靭帯が緩み、子宮が正常な位置から下がってきてしまう状態を指します。

骨盤臓器脱の一種としての産後子宮脱

子宮脱は、骨盤内にある臓器(子宮、膀胱、直腸など)が下がってくる「骨盤臓器脱」の一つです。出産後は特に子宮が下がりやすい傾向にありますが、人によっては膀胱や直腸も一緒に下がってくることがあります。

産後に子宮脱が起こるメカニズム

妊娠中、子宮は大きくなる赤ちゃんを支えるために大きく伸び、それを支える骨盤底筋にも大きな負担がかかります。そして分娩時には、赤ちゃんが産道を通ることで骨盤底筋が引き伸ばされ、時に断裂してしまうこともあります。

この出産によるダメージが回復しきらないうちに、育児での無理な体勢や重いものを持つ動作が加わると、緩んだ骨盤底筋が子宮を支えきれなくなり、子宮が膣の方へ下がってきてしまうのです。

目次

産後の子宮脱の症状:写真で見る代わりに詳しく解説

「これって子宮脱?」と感じる症状は人それぞれです。写真で確認する代わりに、具体的な症状や感覚について詳しく見ていきましょう。

初期症状は気づきにくい?

ごく初期の子宮脱(子宮下垂)では、自覚症状がほとんどないことも少なくありません。「なんとなくお股に違和感がある」「夕方になると症状が気になる」程度のこともあります。

「お股から何か出てる」感覚(ピンポン玉のようなもの)

子宮脱が進行すると、多くの人が訴えるのが「お股から何か出てる」という感覚です。

  • 座った時や立った時に、丸いものが触れる
  • ピンポン玉のようなものが挟まっている感じがする
  • トイレットペーパーで拭いた時に、何かが触れる

このような異物感は、下がってきた子宮の一部が膣の入り口あたりまで到達しているサインかもしれません。

陰部の違和感、腫れぼったさ

常に陰部が腫れぼったい感じがしたり、股間に何かが挟まっているような違和感が続いたりすることもあります。また、長時間立っていたり、重いものを持ったりすると症状が強くなる傾向があります。

進行度による症状の違い(子宮下垂との違い)

子宮脱は進行度によって症状が異なります。

進行度 症状の目安
子宮下垂(軽度) 膣内に子宮が下がっているが、外には出ていない状態。無症状か、軽い違和感程度。
不全子宮脱(中等度) 力を入れた時などに子宮の一部が膣の外に出るが、力を抜くと戻る状態。「ピンポン玉」のような異物感をはっきり感じる。
完全子宮脱(重度) 常に子宮が膣の外に出ている状態。歩行が困難になったり、下着にこすれて出血したりすることもある。

排尿・排便のトラブル

子宮が下がることで、近くにある膀胱や直腸が圧迫され、排泄に関するトラブルが起こることがあります。

  • トイレが近い、尿が漏れる(尿失禁)
  • 排尿しにくい、残尿感がある
  • 便秘がちになる、排便しにくい

これらの症状は、生活の質(QOL)を大きく下げる原因となります。

その他の関連症状(陰部が開いてる感じなど)

「なんだか陰部が開いている感じがする」「お風呂でお湯が膣に入りやすい」といった感覚を覚える方もいます。これらも骨盤底筋の緩みが原因で起こる症状の一つです。

産後の子宮脱の主な原因

なぜ産後に子宮脱が起こりやすくなるのでしょうか。その主な原因を見ていきましょう。

出産による骨盤底筋へのダメージ

最大の原因は、妊娠・出産による骨盤底筋への直接的なダメージです。分娩時に赤ちゃんが産道を通る際、骨盤底筋は極限まで引き伸ばされます。このダメージが完全には回復しないことで、臓器を支える力が弱まってしまうのです。

高齢出産や難産のリスク

以下のような出産は、骨盤底筋への負担が大きくなり、子宮脱のリスクを高める可能性があります。

  • 高齢出産
  • 吸引分娩や鉗子分娩などの器械分娩
  • 赤ちゃんが大きかった(巨大児分娩)
  • 出産回数が多い(経産婦)

妊娠中の負担

妊娠中、大きくなった子宮の重みが長期間骨盤底筋にかかること自体が、筋肉の緩みにつながります。

その他のリスク要因(肥満、慢性的な咳など)

出産以外にも、日常的に腹圧がかかる状態は子宮脱のリスクを高めます。

  • 肥満・体重増加
  • 喘息などによる慢性的な咳
  • 便秘によるいきみ
  • 重いものを頻繁に持つ仕事

自分でできる産後子宮脱のケアと予防

軽度の産後子宮脱であれば、セルフケアで症状の改善や進行予防が期待できます。

骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)

骨盤底筋を鍛える最も効果的な方法です。

  • 仰向けに寝て、両膝を立ててリラックスします。
  • 膣と肛門をきゅっと締めるように力を入れ、5~10秒キープします。(おしっこを途中で止めるような感覚です)
  • ゆっくりと力を抜きます。
  • この動作を10回ほど繰り返すのを1セットとし、1日数セット行いましょう。

ポイントは、お腹やお尻に力を入れすぎず、骨盤底筋だけを意識することです。慣れてくれば、座った状態や立った状態でもできるようになります。

産後の過ごし方で気をつけること

産後1~2ヶ月は、骨盤底筋の回復にとって非常に重要な時期です。

  • 重いものを持つのを避ける
  • 長時間の立ちっぱなしを避ける
  • 腹圧のかかるような激しい運動は控える
  • 産後ガードルや骨盤ベルトを適切に活用する

体重管理の重要性

妊娠中に増えた体重が戻らないと、腹圧がかかり続け、骨盤底筋への負担となります。バランスの取れた食事と適度な運動で、緩やかに体重をコントロールしていくことが大切です。

排便習慣の改善

便秘は強いいきみを生み、子宮脱を悪化させる原因になります。食物繊維や水分をしっかり摂り、便通を整えましょう。

産後子宮脱の治療法

セルフケアで改善しない場合や、症状が重い場合は専門的な治療が必要になります。

保存的治療(ペッサリーなど)

手術以外の治療法です。膣の中に「ペッサリー」というリング状の器具を挿入し、子宮が下がってこないように物理的に支えます。定期的な交換や管理が必要ですが、手術を希望しない方や高齢の方などに選択されます。

手術による治療

下がった子宮を元の位置に戻し、緩んだ組織を補強する手術です。手術方法には、膣から行う方法(経膣手術)や腹腔鏡を使う方法など、いくつかの種類があります。どの手術が適しているかは、症状の程度や年齢、今後の妊娠希望の有無などを考慮して医師と相談して決定します。

自分で治すことの限界とリスク

骨盤底筋トレーニングは軽度の症状改善や予防に有効ですが、一度膣の外に出てしまった子宮がトレーニングだけで完全に元に戻ることは難しいのが現実です。自己判断で放置したり、不適切なマッサージなどを行ったりすると、症状を悪化させる危険性もあります。

産後子宮脱は自然に治る?放置するとどうなる?

「そのうち治るかも」と様子を見たくなる気持ちもわかりますが、正しい知識を持つことが重要です。

自然治癒の可能性について

産後すぐの軽度の子宮下垂であれば、体の回復とともに自然に改善することもあります。しかし、ある程度進行してしまった子宮脱が自然に完全に治ることは稀です。

放置した場合のリスク(症状悪化、日常生活への支障)

子宮脱を放置すると、症状は加齢とともに徐々に悪化していく傾向があります。

  • 異物感や痛みが強くなり、歩行が困難になる
  • 膣から出た部分が下着にこすれて出血や感染を起こす
  • 排尿・排便のトラブルが悪化する
  • 外出がおっくうになるなど、QOL(生活の質)が著しく低下する

早期に対処することで、これらのリスクを避けることができます。

こんな症状なら病院へ:受診の目安

少しでも気になる症状があれば、一度専門医に相談することをおすすめします。特に、以下のような場合は早めに受診を検討しましょう。

自分で触れるものがある場合

お風呂やトイレで、明らかに指に触れるものがある場合は、子宮脱が進行している可能性があります。

日常生活に支障が出ている場合

「何か挟まっている感じがして不快」「尿漏れが気になる」「痛みがある」など、日常生活に不便や苦痛を感じているなら、それは治療を始めるべきサインです。

どの科を受診すべきか(婦人科、泌尿器科、ウロギネ科)

産後の子宮脱は、まず「婦人科」を受診するのが一般的です。病院によっては、女性の骨盤臓器脱や尿失禁を専門に扱う「ウロギネ科」(女性泌尿器科)がある場合もあります。お近くの病院に専門外来があるか調べてみるのも良いでしょう。

まとめ:産後子宮脱の不安を解消し、適切なケアを

産後の子宮脱は、多くの女性が経験する可能性のあるトラブルです。決して珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。

  • 症状: 「お股からピンポン玉のようなものが出る」感覚、違和感、排尿トラブルなど。
  • 原因: 主に出産による骨盤底筋のダメージ。
  • 対策: 骨盤底筋トレーニングや生活習慣の見直しが有効。
  • 受診の目安: 異物感や生活への支障があれば、我慢せずに婦人科へ。

写真で確認できずに不安だったかもしれませんが、この記事でご紹介した症状に心当たりがあれば、それは体からの大切なサインです。一人で抱え込まず、まずは専門医に相談してみてください。適切なケアや治療を受けることで、不快な症状から解放され、快適な毎日を取り戻すことができます。

免責事項: この記事は情報提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。体の不調や症状については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

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