生理が来ないと、「もしかして妊娠?」「何か病気かも?」と不安になったり、焦りを感じたりすることがありますよね。
生理周期は女性の体の健康状態を示すバロメーターの一つです。
いつも規則的に来ていたのに、突然遅れたり、全く来なくなったりすると心配になるのは当然のことです。
この記事では、生理が来ない場合に考えられる様々な原因について、妊娠の可能性からストレス、病気まで、幅広く解説します。
また、「いつまで待てば大丈夫?」「どんな時に病院に行くべき?」といった疑問にもお答えします。
生理が来なくて不安を感じている方が、少しでも安心して、次に取るべき行動がわかるように、分かりやすく丁寧にご説明します。
妊娠の可能性と確認方法
生理が来ない、という時にまず多くの女性が考えるのが妊娠の可能性でしょう。
性行為があった場合、生理予定日を過ぎても生理が来なければ、妊娠のサインである可能性があります。
妊娠は、排卵された卵子と精子が受精し、受精卵が子宮内膜に着床することで成立します。
着床が完了すると、胎盤のもととなる組織からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌され始めます。
このhCGホルモンが生理を止める働きをします。
妊娠を確認する最も一般的な方法は、市販の妊娠検査薬を使用することです。
妊娠検査薬は、尿中に含まれるhCGホルモンを検出する仕組みになっています。
多くの妊娠検査薬は、生理予定日を1週間過ぎた頃から正確な判定が可能とされています。
これは、着床後、hCGホルモンが尿中に検出できるようになるまでに数日かかるためです。
生理予定日よりも早く検査できる「早期妊娠検査薬」もありますが、正確な判定のためには、やはり生理予定日から1週間後以降の検査が推奨されます。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、速やかに産婦人科を受診しましょう。
妊娠の確定診断は医師によって行われます。
超音波検査で子宮内に胎嚢(たいのう:赤ちゃんが入る袋)や胎芽(たいが:赤ちゃんの元)が確認され、心拍が確認できることで、子宮内妊娠が確定します。
妊娠週数によっては、まだ超音波で見えない場合もありますので、医師の指示に従って再受診が必要になることもあります。
妊娠検査薬で陰性だった場合でも、生理が来ない状態が続くようであれば、再検査を行うか、別の原因を探るために産婦人科を受診することが推奨されます。
検査薬の精度は高いですが、使用方法の間違いや、検査時期が早すぎた場合などに、正しい結果が出ない可能性もゼロではありません。
また、妊娠初期には、つわり、眠気、胸の張り、頻尿、倦怠感、味覚の変化といった様々な体の変化が現れることがあります。
これらの症状は、生理前の症状と似ていることも多いため、生理が遅れていることと合わせて総合的に判断することが大切です。
基礎体温をつけている方は、高温期が2週間以上続く場合は妊娠の可能性が高いと考えられます。
妊娠以外の主な原因(ストレス、体重、生活習慣)
妊娠以外の原因で生理が来ない場合、最も多いのはホルモンバランスの乱れです。
そして、ホルモンバランスは非常にデリケートで、様々な外部要因や体内の変化によって容易に乱れてしまいます。
特に、私たちの日常的なストレス、体重の変化、そして生活習慣は、生理周期に大きな影響を与えることが知られています。
ストレスが生理に与える影響
私たちの体は、脳の視床下部、下垂体、そして卵巣が連携してホルモンを分泌し、生理周期をコントロールしています。
この連携は非常に繊細で、「視床下部-下垂体-卵巣系」と呼ばれます。
強いストレスがかかると、脳の視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)のリズムが乱れます。
GnRHは下垂体に働きかけ、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)といった性腺刺激ホルモンの分泌を促します。
これらのホルモンは卵巣に働きかけ、卵胞の成長や排卵、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌を調節しています。
しかし、ストレスによってGnRHのリズムが乱れると、FSHやLHの分泌も不安定になり、結果として卵巣からの女性ホルモンの分泌がうまくいかなくなります。
エストロゲンやプロゲステロンが十分に分泌されないと、子宮内膜が厚くならなかったり、剥がれ落ちるタイミングが遅れたりして、生理が来なくなってしまうのです。
精神的なストレスだけでなく、睡眠不足や過労といった身体的なストレスも、同様に生理周期に影響を与えることがあります。
例えば、受験、就職、異動、人間関係の悩み、引っ越しなど、大きな環境の変化や精神的な負担は、生理が遅れる原因としてよく見られます。
適度なストレスは体の機能にとって必要な場合もありますが、過度なストレスは心身のバランスを崩し、生理不順を引き起こす可能性があることを理解しておくことが大切です。
急激なダイエットや体重増加の影響
体重、特に体脂肪率も生理周期と密接に関連しています。
女性ホルモンであるエストロゲンは、卵巣だけでなく脂肪組織からも少量分泌されます。
そのため、体脂肪率が極端に少ない状態や、逆に急激に体重が増加した状態では、ホルモンバランスが崩れやすくなります。
特に、短期間で大幅に体重を減らすような急激なダイエットは、体に大きなストレスを与え、必要な体脂肪まで失われてしまう可能性があります。
体脂肪率が低すぎると、体が「妊娠・出産に適さない状態だ」と判断し、卵巣の働きを抑制して性腺刺激ホルモンの分泌を抑え、排卵を止めてしまうことがあります。
これにより、生理が止まったり、不規則になったりします。
これは「視床下部性無月経」と呼ばれる状態の一つです。
標準体重よりも著しく痩せている人や、激しい運動をしているアスリートなどに多く見られます。
一方で、急激な体重増加もホルモンバランスを乱す原因となります。
特に、肥満はインスリン抵抗性を引き起こしやすく、これが女性ホルモンや男性ホルモンのバランスに影響を与え、生理不順や排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群など)を引き起こす可能性があります。
健康的な生理周期を維持するためには、適正な体重を維持し、無理なダイエットや暴飲暴食を避けることが重要です。
バランスの取れた食事と適度な運動は、心身の健康だけでなく、ホルモンバランスを整えるためにも不可欠です。
生活習慣(睡眠不足、不規則な生活)
私たちの体には、約24時間周期の生体リズムがあり、これを「サーカディアンリズム」と呼びます。
このリズムは、睡眠・覚醒、体温、ホルモン分泌など、様々な生理機能に関与しています。
視床下部はこのサーカディアンリズムの中心的な役割を担っており、同時に性腺刺激ホルモンの分泌も制御しています。
不規則な生活、特に夜勤の多い仕事、頻繁な徹夜、過度な夜更かしによる睡眠不足は、このサーカディアンリズムを大きく乱します。
リズムが乱れると、視床下部からのGnRH分泌パターンも影響を受け、結果としてFSHやLHの分泌、ひいては卵巣機能や生理周期に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させることが知られています。
コルチゾールの慢性的な上昇も、性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、生理不順の原因となり得ます。
また、食事の時間や内容が不規則になることも、体のリズムを乱す要因です。
バランスの偏った食事や、特定の栄養素の不足も、ホルモン合成に必要な材料が不足し、生理周期に影響を与える可能性が指摘されています。
健康的な生理周期のためには、できるだけ毎日同じ時間に寝て起きる、十分な睡眠時間を確保する、バランスの取れた食事を規則的に摂るといった基本的な生活習慣を整えることが非常に重要です。
忙しい現代社会では難しいことも多いかもしれませんが、意識して改善することで、生理周期の安定につながる可能性があります。
生理不順や病気の可能性
生理が来ない、または遅れる原因として、特定の婦人科疾患やその他の病気が隠れている可能性もあります。
特に、これまで生理が規則的だった人が急に不順になったり、数ヶ月にわたって生理が来なかったりする場合は、注意が必要です。
多嚢胞性卵巣症候群などの婦人科疾患
生理が来ない、または周期が非常に長い(例えば35日以上)、といった「稀発月経」や、数ヶ月間生理が全く来ない「無月経」の原因として比較的よく見られるのが、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」です。
PCOSは、卵巣の中に小さな嚢胞(のうほう、袋状のもの)がたくさんできる特徴的な超音波所見と、排卵がうまくいかない(排卵障害)、そして男性ホルモンが高値を示す、といった複数の条件を満たす場合に診断される疾患です。
排卵障害があるため、生理周期が不規則になったり、生理が来なくなったりします。
また、男性ホルモンが高いことで、ニキビができやすくなったり、体毛が濃くなったりするといった症状が現れることもあります。
PCOSの原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因や、インスリン抵抗性(血糖を下げるインスリンというホルモンが効きにくい状態)などが関連していると考えられています。
PCOSは不妊の原因となるだけでなく、将来的に糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病のリスクを高める可能性があるため、適切な診断と治療が重要です。
PCOS以外にも、子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮や卵巣の疾患が、生理周期の乱れや異常出血の原因となることがありますが、「生理が来ない」という症状よりも、生理痛がひどい、出血量が多い、といった症状の方が典型的です。
しかし、稀に子宮の機能に影響を与え、生理が来なくなるケースもゼロではありません。
その他のホルモン異常や病気
生理周期は、卵巣ホルモンだけでなく、脳の下垂体から分泌される他のホルモンや、甲状腺ホルモンなど、体全体の様々なホルモンによって影響を受けます。
そのため、婦人科系の疾患だけでなく、他の病気が原因で生理が来なくなることもあります。
例えば、脳の下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンは、通常、妊娠中や授乳中に母乳の分泌を促進する働きをします。
しかし、妊娠も授乳もしていないのにプロラクチンの値が高くなる「高プロラクチン血症」になると、排卵が抑制され、生理が来なくなることがあります。
高プロラクチン血症の原因としては、特定の薬剤(精神安定剤、胃薬など)の服用、下垂体にできる腫瘍(プロラクチン産生腫瘍)、あるいは原因不明の場合などがあります。
また、体の代謝を調節する甲状腺ホルモンも、生理周期に大きな影響を与えます。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)」や、分泌が不足する「甲状腺機能低下症(橋本病など)」の場合、生理周期が乱れることがよくあります。
甲状腺機能亢進症では生理周期が短くなったり、出血量が減ったりすることがありますが、機能低下症では生理が不規則になったり、出血量が増えたり、場合によっては生理が止まったりすることもあります。
その他にも、稀ではありますが、脳腫瘍、副腎の病気、早期閉経(40歳未満で卵巣機能が停止する)なども、生理が来なくなる原因として考えられます。
生理が来ない状態が続く場合は、自己判断せず、これらの可能性も考慮に入れて、医療機関で適切な検査を受けることが重要です。
特に、生理不順に加えて、体重の著しい変動、全身の倦怠感、動悸、手足の震え、顔や体のむくみ、脱毛など、他の症状がある場合は、基礎疾患の可能性も疑われますので、早めに受診しましょう。
生理こない期間はどれくらいまで大丈夫?受診目安
生理が遅れると心配になりますが、「何日くらいまでなら様子を見ても大丈夫なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
生理周期には個人差があり、通常25日から38日の範囲であれば正常とされています。
また、健康な女性でも、一時的な体調の変化やストレスなどで数日遅れることはよくあります。
しかし、遅れが長引く場合は、何か原因があると考えられます。
ここでは、生理が遅れている期間に応じた受診目安について解説します。
生理予定日から1週間遅れの場合
生理予定日を1週間過ぎた時点で、まずは妊娠の可能性を考えましょう。
性行為があった場合は、市販の妊娠検査薬を使用してみるのが最も簡単な確認方法です。
ほとんどの妊娠検査薬は、生理予定日から約1週間後で正確な判定ができるように作られています。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、できるだけ早く産婦人科を受診してください。
妊娠週数の確認や、正常な妊娠であるかどうかの診断を受ける必要があります。
妊娠検査薬で陰性だった場合でも、生理が来ない状態が続いているのであれば、妊娠以外の原因を考える必要があります。
一時的なストレスや体調不良で生理が遅れている可能性も高いですが、念のため数日後に再度妊娠検査薬を試してみるのも良いでしょう。
検査薬の感度や、まだhCGホルモンの量が十分ではない場合もあります。
この時点で、もし不安が大きい場合や、遅れの原因に心当たりがない場合は、産婦人科に相談してみるのも良いタイミングです。
医師に状況を話すことで、アドバイスをもらえたり、必要に応じて簡単な検査を受けられたりします。
生理予定日から2週間以上遅れの場合
生理予定日から2週間以上経っても生理が来ない場合は、自己判断せずに産婦人科を受診することを強く推奨します。
妊娠検査薬をまだ試していない場合は、まず試してみましょう。
この時期になっても生理が来ず、かつ妊娠検査薬が陰性であれば、妊娠以外の原因で生理が止まっている可能性がより高くなります。
考えられる原因としては、前述したようなストレス、過度なダイエット、不規則な生活習慣によるホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
しかし、これらの原因が続くことで生理不順が慢性化したり、稀に甲状腺機能異常や高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群などの病気が隠れている可能性も考慮する必要があります。
産婦人科では、問診でこれまでの生理周期、性行為の有無、現在の体の状態、ストレス、生活習慣などについて詳しく聞かれます。
必要に応じて、内診、超音波検査で子宮や卵巣の状態を確認したり、血液検査でホルモン値を調べたりして、生理が来ない原因を探ります。
原因が判明すれば、それに応じた適切なアドバイスや治療を受けることができます。
単なる一時的なホルモンバランスの乱れであれば、生活指導などで改善することもありますし、病気が見つかればその治療が必要になります。
3ヶ月以上生理が来ない場合(無月経)
生理が3ヶ月以上全く来ない状態を「無月経」と呼びます。
無月経は、体のどこかに異常があるサインである可能性が非常に高いため、必ず医療機関を受診してください。
無月経を放置することは、様々な健康リスクを高めることにつながります。
無月経の原因は多岐にわたりますが、脳の視床下部や下垂体の異常、卵巣機能の低下(早発閉経など)、多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常などが考えられます。
また、過度なストレスやダイエット、激しい運動も、脳からのホルモン分泌を抑制し、無月経を引き起こすことがあります。
無月経の状態が続くと、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下したままになります。
エストロゲンは子宮や卵巣だけでなく、骨、血管、皮膚など、全身の健康に関わる重要なホルモンです。
エストロゲンが不足すると、以下のようなリスクが高まります。
- 骨粗しょう症: 骨密度が低下し、骨が脆くなりやすくなります。
特に若い頃からの無月経は、将来の骨粗しょう症リスクを大幅に高めます。 - 動脈硬化: エストロゲンは血管を保護する働きがあるため、不足すると動脈硬化が進みやすくなり、心血管疾患のリスクが上昇します。
- 不妊: 排卵が止まっているため、自然妊娠が難しくなります。
- 子宮内膜増殖症・子宮体がんリスク(稀に): 無月経の原因によっては、黄体ホルモン(プロゲステロン)が不足し、エストロゲンの刺激だけが続くことで子宮内膜が異常に厚くなる(子宮内膜増殖症)ことがあり、これが子宮体がんのリスクとなるケースも報告されています(原因によりますので、全てが無月経でこのリスクがあるわけではありません)。
このように、無月経は単に生理が来ないというだけでなく、全身の健康に長期的な影響を及ぼす可能性がある深刻な状態です。
原因を特定し、適切な治療を開始することが非常に重要です。
産婦人科医は、無月経の原因を診断し、必要に応じてホルモン補充療法や、基礎疾患の治療など、その方に合った治療法を提案してくれます。
生理遅れ期間 | 考えられる主な原因(妊娠以外) | 推奨される行動 |
---|---|---|
1週間遅れ | 一時的なストレス、体調不良、軽微なホルモンバランスの乱れ | 妊娠検査薬を試す(性行為があった場合)。不安なら産婦人科に相談。 |
2週間以上遅れ | ホルモンバランスの乱れ、生活習慣の影響、一部の病気の可能性 | 妊娠検査薬を試す(陰性なら)。必ず産婦人科を受診し、原因を調べる。 |
3ヶ月以上来ない | 慢性的なホルモンバランスの乱れ、様々な病気、卵巣機能低下など | 必ず産婦人科を受診し、原因の特定と治療を行う。放置せず早期受診が重要。 |
生理が来そうで来ない時の状態
生理予定日が近づくと、多くの女性は「生理が来そうだな」と感じる体のサインを経験します。
胸が張る、下腹部が重い、眠気を感じる、イライラするなど、いわゆる「月経前症候群(PMS)」の症状です。
しかし、これらの症状があっても、生理が来ないという場合があります。
「生理が来そうで来ない」という宙ぶらりんな状態は、期待と不安が入り混じり、心理的なストレスにもなり得ます。
おりものの変化と生理の関係
生理周期を通じて、おりものの量や性状は変化します。
排卵期には透明でとろみがあり、よく伸びるおりものが増えますが、これは受精を助ける働きがあります。
排卵後、黄体期に入ると、プロゲステロンの影響でおりものの量は減少し、白っぽく濁ったり、ベタベタしたりする性状に変わることが多いです。
そして、生理直前には、再び少量のおりものが出たり、経血が混じって茶色っぽくなったりすることもあります。
生理が近づいているサインとして、おりものの変化を経験する人もいます。
しかし、「生理が来そうで来ない」場合、これらの通常見られるおりものの変化が起きているにも関わらず、子宮内膜が剥がれ落ちる(=生理)に至らない状態です。
これは、排卵はあったものの、その後の黄体機能が十分ではなかったり、ホルモンバランスがわずかに乱れていたりする場合に起こりえます。
黄体期に分泌されるプロゲステロンが十分に働かないと、子宮内膜を維持することができず、生理が来るはずですが、そのホルモンバランスが崩れると、生理が遅れたり、いつもの生理とは違う少量の出血(不正出血)が見られたりすることがあります。
また、妊娠初期にも、おりものの変化が見られることがあります。
妊娠すると、ホルモンの影響で通常よりもおりものが増え、サラサラしたり、白っぽく濁ったりすることがあります。
しかし、このおりものの変化だけで妊娠を確定することはできません。
「生理が来そうで来ない」という状態は、体が次の生理に向けて準備をしかけているものの、何らかの理由でそのプロセスがスムーズに進んでいないことを示唆しています。
一時的なものであれば問題ないことが多いですが、この状態が繰り返し起きたり、生理が来ない期間が長引いたりする場合は、やはりホルモンバランスの乱れや排卵障害の可能性を考えて、産婦人科に相談してみるのが良いでしょう。
生理を来させる方法はある?
生理が来ないと、「早く生理に来てほしい」「どうすれば生理が来るのだろう?」と考える方もいるでしょう。
しかし、基本的に生理は体の自然なリズムに委ねられるものであり、無理にコントロールしようとすることは推奨されません。
ただし、原因によっては、自分でできる対処法や、医療的なアプローチで生理周期を整えることは可能です。
自分でできる対処法(生活改善、リラックス)
生理が来ない原因がストレスや生活習慣の乱れにある場合は、自分でできる対処法として、まず生活習慣の見直しが挙げられます。
- ストレスの軽減: ストレスは生理周期に大きな影響を与えます。
心身のリラックスを心がけましょう。
趣味の時間を持つ、軽い運動をする(ウォーキング、ヨガなど)、十分な睡眠をとる、瞑想や深呼吸を取り入れるなど、自分に合った方法でストレスを解消することが大切です。
悩みや不安を一人で抱え込まず、信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうことも有効です。 - 十分な睡眠: 毎日同じ時間に寝起きし、7〜8時間程度の十分な睡眠時間を確保するように努めましょう。
睡眠不足は体のリズムを崩し、ホルモンバランスを乱す原因となります。 - バランスの取れた食事: 偏食を避け、主食、主菜、副菜をバランス良く摂りましょう。
特に、女性ホルモンの合成に必要な栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)を意識して摂取することが大切です。
無理なダイエットは避け、適正な体重を維持しましょう。 - 適度な運動: 軽い運動は血行を促進し、心身のリフレッシュにもつながります。
ただし、過度な運動はかえって生理を止めてしまうことがあるので、無理のない範囲で行いましょう。 - 体を温める: 体が冷えると血行が悪くなり、ホルモンバランスが乱れやすくなることがあります。
温かい飲み物を飲む、湯船にゆっくり浸かる、腹巻をするなどして、体を冷やさないように工夫しましょう。
これらのセルフケアは、生理が遅れている原因が一時的なものや、軽度なホルモンバランスの乱れである場合に効果が期待できます。
ただし、これらの対処法を試しても改善しない場合や、遅れている期間が長い場合は、別の原因が考えられるため、医療機関を受診することが必要です。
病院での治療法(ホルモン療法など)
生理が来ない原因が病気や、自己改善だけでは難しいホルモンバランスの乱れにある場合は、病院での治療が必要になります。
産婦人科では、問診や検査の結果に基づき、原因に応じた治療が行われます。
最も一般的な治療法の一つに「ホルモン療法」があります。
これは、不足しているホルモンを薬で補うことで、生理周期を整える治療です。
- 黄体ホルモン剤の使用: 排卵後の黄体期に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)が不足している場合に、黄体ホルモン剤を一定期間内服することで、子宮内膜を剥がれやすくし、生理を誘発する方法です。
これは、主に排卵があるものの、生理周期が不安定な場合や、数ヶ月生理が来ていない場合に、一度リセットする目的で行われます。 - カウフマン療法: エストロゲンと黄体ホルモンを周期的に投与することで、人工的に生理周期を作り出す治療法です。
脳からのホルモン分泌や卵巣機能が低下している場合などに行われ、周期的な出血(生理のようなもの)を起こすことで、子宮や骨などの健康を維持することを目的とします。 - 排卵誘発剤: 多嚢胞性卵巣症候群などで排卵がうまくいかない場合は、排卵誘発剤を使用して排卵を促す治療が行われることがあります。
これは主に妊娠を希望する場合に行われる治療です。
病気が原因で生理が来ない場合は、その病気の治療を優先します。
例えば、高プロラクチン血症であればプロラクチンを下げる薬を、甲状腺機能異常であれば甲状腺ホルモンの分泌を調整する薬を使用します。
病院での治療は、医師の正確な診断に基づいて行われます。
自己判断でホルモン剤などを手に入れることは非常に危険ですので、必ず医師の指導のもとで治療を受けてください。
生理がこないことへの焦り、どうすれば?
生理が来ない状態が続くと、体のことだけでなく、精神的にも大きな負担になります。
「いつ来るんだろう」「もしかしたら大変な病気かも」といった不安から、焦りやイライラ、落ち込みを感じてしまう人も少なくありません。
このような焦りや不安は、さらにストレスとなり、生理周期の乱れを助長するという悪循環に陥ることもあります。
まずは、生理が来ないことが必ずしも深刻な問題ではない場合も多いということを理解し、冷静に対処することが大切です。
- 原因の切り分けと確認: まず、妊娠の可能性を冷静に考え、必要であれば妊娠検査薬で確認しましょう。
これにより、一つ大きな不安が解消されるかもしれません。 - 情報収集: 生理が来ない原因には様々なものがあることを知り、自分に当てはまる可能性のある原因について正しく理解しましょう。
ただし、インターネットの情報に振り回されすぎず、信頼できる情報源(医療機関のウェブサイト、専門家の解説など)を参照することが重要です。 - 一人で抱え込まない: 不安な気持ちを家族やパートナー、信頼できる友人に話してみましょう。
話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。 - 専門家への相談: 何よりも心強いのは、産婦人科医や看護師といった医療の専門家に相談することです。
自分の体の状態を正確に把握し、適切なアドバイスや検査を受けることで、不安を解消し、安心して次に進むことができます。
特に、生理が遅れている期間が長い場合や、他の気になる症状がある場合は、躊躇せずに受診しましょう。 - リラックスを心がける: 不安や焦りを感じている時こそ、意識的にリラックスする時間を作りましょう。
温かい飲み物を飲む、好きな音楽を聴く、軽いストレッチをするなど、心地よいと感じる方法で心身を休ませることが大切です。
「生理がこない」という状況は、自分の体と向き合う良い機会でもあります。
体のサインに耳を傾け、必要に応じて専門家のサポートを得ながら、心身ともに健康な状態を目指しましょう。
いつ産婦人科を受診すべき?チェックリスト
ここまで、生理が来ない様々な原因や、受診の目安について解説しました。
最後に、改めて「どんな時に産婦人科を受診すべきか」を簡単に確認できるチェックリストをまとめました。
一つでも当てはまる場合は、産婦人科への受診を検討しましょう。
- 生理予定日から2週間以上遅れている
- 3ヶ月以上生理が全く来ていない(無月経)
- 妊娠検査薬で陽性反応が出た
- 妊娠検査薬で陰性だったが、生理が来ない状態が続いて不安が大きい
- 急激な体重の増減や、過度なダイエットをした後に生理が来なくなった
- 強いストレスや環境の変化があった後に生理が来なくなった
- 生理不順に加えて、全身の倦怠感、体重の変化(増減)、動悸、手足の震え、顔や体のむくみ、ニキビ、多毛、脱毛などの気になる症状がある
- 過去に婦人科系の病気やホルモン異常を指摘されたことがある
- その他、生理が来ないことについて、どうしても不安で誰かに相談したい
このチェックリストはあくまで目安です。
上記に当てはまらなくても、ご自身が生理のことで不安を感じる場合は、いつでも産婦人科を受診して相談して良いのです。
医師は、あなたの状況を詳しく聞き、適切なアドバイスや検査を行ってくれます。
監修者情報
[ここに架空の監修者情報が入ります。例:〇〇大学医学部附属病院 産婦人科医 山田 花子]
まとめ
生理が来ない、または遅れることは、多くの女性が経験することです。
その原因は、妊娠、ストレス、体重の変化、生活習慣の乱れ、そして様々な病気まで、多岐にわたります。
生理が遅れた場合にまず考えるべきは妊娠の可能性です。
性行為があった場合は、生理予定日を1週間過ぎた頃に市販の妊娠検査薬を使用してみましょう。
陽性であれば、早めに産婦人科を受診してください。
妊娠検査薬が陰性でも生理が来ない場合は、妊娠以外の原因が考えられます。
一時的なストレスや体調不良で生理が遅れることはよくありますが、生理予定日から2週間以上遅れる場合や、3ヶ月以上生理が全く来ない(無月経)場合は、必ず産婦人科を受診して原因を調べるようにしましょう。
無月経を放置すると、将来の健康に影響を及ぼす可能性があります。
病院では、問診や超音波検査、ホルモン検査などが行われ、生理が来ない原因を特定します。
原因に応じた適切な治療(ホルモン療法など)や生活指導を受けることで、生理周期を整え、健康を維持することができます。
生理が来ないことへの不安や焦りを感じることもあると思いますが、一人で悩まず、家族や友人に相談したり、必要であれば医療機関を頼ったりすることが大切です。
自分の体の変化に注意を払い、気になることがあれば早めに専門家に相談することで、安心して過ごせるでしょう。
生理が来ないことへの不安は、正しい知識と適切な行動によって軽減することができます。
この記事が、生理が来なくて悩んでいる方の助けになれば幸いです。
免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。
個人の健康状態に関するご質問や懸念がある場合は、必ず医療専門家にご相談ください。
この記事の情報に基づいて行動する前に、必ず医師の診断と指導を受けてください。