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「自分が自分でない」その感覚は離人症?症状・原因・改善方法

自分が自分ではないような感覚、周囲の世界が現実ではないように感じる…。こうした感覚に悩まされた経験はありませんか? これは「離人症」と呼ばれる状態かもしれません。離人症は、自分が自分から切り離されたように感じたり(離人感)、周囲の世界がぼやけて非現実的に感じられたりする(現実感消失)症状を特徴とします。多くの人が一時的に経験することもありますが、症状が続く場合は、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。この記事では、離人症の詳しい症状、考えられる原因、診断方法、そして適切な治療法について分かりやすく解説します。もしかしたら、と感じている方や、大切な人がこのような状態にあるのではと心配している方は、ぜひ参考にしてください。

離人症とは、自己や周囲の世界に対する感覚が歪み、あたかも「現実ではない」かのように感じられる解離性障害の一種です。医学的には「離人感・現実感消失症」とも呼ばれ、解離症群という精神疾患のカテゴリーに含まれます。

この状態の核となるのは、以下の二つの感覚です。

  1. 離人感(Depersonalization): 自分が自分ではないように感じる、体から遊離しているように感じる、自分の思考や感情が自分のものではないように感じるなど、自己に対する感覚の変容です。「人格解体」や「失自我感」といった言葉で表現されることもあります。
  2. 現実感消失(Derealization): 周囲の世界が非現実的に見える、夢の中にいるよう、霧がかかったよう、遠く感じられるなど、外界に対する感覚の変容です。「失実感」とも呼ばれます。

離人感と現実感消失は同時に起こることもあれば、どちらか一方のみが現れることもあります。これらの感覚は非常に不快であり、本人にとっては苦痛を伴うものです。ただし、自分が経験している感覚が「現実ではない」ことや「異常である」という認識(現実検討能力)は保たれている点が、統合失調症などの精神病性障害とは異なります。

多くの人が、強い疲労やストレス、睡眠不足、特定の薬物の影響下などで一時的に離人感や現実感消失を経験することがあります。しかし、離人症として診断されるのは、これらの感覚が持続的または反復的に起こり、本人に著しい苦痛を与えたり、社会生活や職業生活などの重要な領域において機能の障害を引き起こしている場合です。

目次

離人症の主な症状

離人症の症状は、個々人によって異なり、その程度も様々です。核となる離人感と現実感消失に加え、以下のような症状が伴うことがあります。

自我感消失(人格解体)

これは、自分が自分自身から切り離されているように感じる中核的な症状です。具体的な体験としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 自分の体や思考、感情を「外側から見ている」ような感覚。まるで映画を見ている観客のような、第三者的な視点。
  • 自分の体の一部、あるいは全身が不自然に感じられる。手足が自分のものに思えない、体の大きさが変わったように感じるなど。
  • 自分の声が他人事のように聞こえる。
  • 自分の思考や感情が、自分のものではなく、誰かによって植え付けられたかのように感じる。
  • 鏡に映った自分の顔が、見慣れない他人のように見える。あるいは、自分の顔の輪郭やパーツが歪んで見える。
  • 過去の記憶が自分の経験としてではなく、遠い出来事や他人の話のように感じられる。感情的な繋がりが失われている。
  • 自分が「生きている」という感覚、実在感が希薄になる。まるで魂が抜けた抜け殻のように感じる。
  • 自動的に行動している感覚。まるでロボットやオートマタのように、自分の意思とは無関係に体が動いているように感じる。

これらの感覚は非常に個人的で表現しにくいため、他人になかなか理解してもらえない苦痛を伴います。

現実感の喪失(失実感)

これは、周囲の世界や他人が非現実的であるかのように感じられる中核的な症状です。具体的な体験としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 周囲の環境(部屋、街並み、自然など)が現実感なく見える。まるで舞台のセット、あるいは写真や絵画のように平坦で奥行きがないと感じる。
  • 色がくすんで見える、あるいは過度に鮮やかに見えるなど、視覚的な知覚が変化する。
  • 音が遠く聞こえる、あるいは反響して聞こえるなど、聴覚的な知覚が変化する。
  • 他人がロボットのように見える、感情がなく見える、あるいは現実感のない登場人物のように見える。親しい家族や友人でさえ、見知らぬ人のように感じられることがある。
  • 時間がゆっくり流れる、あるいは異常に早く過ぎ去るように感じるなど、時間感覚が歪む。
  • 見慣れた場所が、初めて訪れた場所のように奇妙に、または不気味に感じられる。
  • 世界全体が「作り物」のように感じられ、リアリティがないと感じる。

感情の麻痺・無感情

離人症の多くの人が経験するのが、感情が湧かない、あるいは感情を感じにくいという症状です。

  • 喜怒哀楽といった感情が希薄になる。本来なら強く感動したり悲しんだりする場面でも、何も感じない。
  • 他人に対する感情(愛情、共感など)が失われたように感じる。
  • 過去の出来事に対する感情的な反応が鈍くなる。悲しい出来事でも涙が出ない、嬉しい出来事でも心が動かない。
  • 全体的に「つまらない」「何も面白くない」と感じる。
  • 性的欲求や食欲といった本能的な感覚が鈍くなることもある。

この感情の麻痺は、自分が人間として欠けているのではないか、正常ではないのではないかという不安を増大させ、さらに苦痛を深める原因となります。周囲への関心が失われ、人間関係が希薄になることにもつながりかねません。

これらの症状は、強い不安、パニック発作、抑うつ症状などを伴って現れることも少なくありません。症状の程度や頻度は変動し、特定の状況下(ストレス、疲労、特定の場所など)で悪化することがあります。

離人症の原因は?なぜ解離するのか

離人症が発症するメカニズムは完全に解明されているわけではありませんが、心理的、生物学的、環境的な複数の要因が複雑に関与していると考えられています。根本的な原因の一つとして注目されているのが、「解離」という心の働きです。

解離とは、本来統合されているはずの意識、記憶、自己同一性、知覚、感情、運動などの機能が一時的または持続的に分断される現象を指します。強いストレスや圧倒されるような体験に直面した際に、心がそれを受け止めきれず、現実感や自己感覚を切り離すことで、精神的な苦痛から身を守ろうとする無意識的な防衛機制であると考えられています。例えるなら、あまりに強い痛みを感じた時に、その痛みの感覚を麻痺させてしまうようなものです。

ストレスやトラウマとの関連

離人症を含む解離性障害の最も主要な引き金となるのは、強いストレスやトラウマ(心的外傷)です。特に、幼少期の逆境体験(虐待、ネグレクト、家族内の深刻な不和など)は、その後の解離性障害の発症リスクを高めることが知られています。しかし、成人期におけるトラウマ体験(事故、災害、犯罪被害、戦争体験など)や、日常的な慢性的なストレス(過労、人間関係の問題、経済的な困窮、病気の介護など)、急性的なストレス(大切な人の死、失恋、受験失敗など)も発症の引き金となり得ます。

なぜストレスやトラウマによって解離が起こるのでしょうか。脳は、危険や強い苦痛に直面した際に、交感神経系を活性化させて「闘争か逃走か」の反応を準備します。しかし、逃げることも戦うこともできない極限状況では、脳は自己を守るために「シャットダウン」のような状態に入ることがあります。これが解離であり、離人感や現実感消失といった形で現れると考えられています。現実から自分を切り離すことで、圧倒的な苦痛や恐怖を感じにくくするのです。

トラウマ体験以外にも、以下のような要因が離人症の発症に関与している可能性が指摘されています。

  • 脳機能の偏り: 脳の特定領域(例:扁桃体、前頭前野、側頭葉など)の活動性の変化や、脳内の神経伝達物質(例:グルタミン酸、ノルアドレナリンなど)のバランス異常が関与している可能性が研究されています。情動処理や自己認識に関わる脳ネットワークの機能障害が示唆されています。
  • 心理的要因: 不安を感じやすい、感情を表現するのが苦手、完璧主義といった特定の性格傾向や、過去に解離を経験したことがある、特定の疾患(うつ病、不安障害、パニック障害、強迫性障害など)を併発しているなども関連要因となり得ます。
  • 環境要因: 睡眠不足、極端な疲労、特定の薬物(大麻、ケタミン、MDMAなど)の使用、特定の疾患(てんかん、偏頭痛など)も一時的な離人感や現実感消失を引き起こしたり、離人症の症状を悪化させたりすることがあります。

離人症は、単に「感受性が強い」とか「気のせい」といったものではなく、多くの場合、耐え難い心理的苦痛やストレス、過去の経験が影響している複雑な状態です。

離人症は精神病?他の解離症や多重人格との違い

離人症は、広い意味での「精神疾患」ではありますが、一般的に「精神病」と呼ばれる状態(統合失調症など、現実検討能力が失われる病態)とは異なります。離人症の患者さんは、自分が経験している離人感や現実感消失が異常であること、現実ではないことを基本的に理解しています。幻覚や妄想といった症状も通常はありません。

離人症は、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)において「解離症群」というカテゴリーに分類されます。解離症群には、離人感・現実感消失症の他に、いくつかの疾患が含まれます。

疾患名 主な特徴
離人感・現実感消失症 自分が自分ではない(離人感)、または周囲が現実ではない(現実感消失)という感覚が持続的または反復的に起こる。現実検討能力は保たれている。
解離性健忘 通常の物忘れでは説明できない、重要な個人的情報の想起ができない。トラウマ的またはストレス性の出来事に関連することが多い。
解離性遁走 解離性健忘に加えて、自分のアイデンティティに関する健忘を伴い、予期せぬ場所へさまよい出る行動。
解離性同一性障害(DID) 2つ以上の異なるパーソナリティ状態(交代人格)が存在し、行動を制御する。重要な個人的情報の想起ができない(解離性健忘)。以前は「多重人格障害」と呼ばれていた。
特定不能の解離症 上記のいずれかの基準は満たさないが、臨床的に著しい苦痛や機能障害を引き起こす解離症状がある場合。

離人症と他の解離症との最も大きな違いは、離人症が「自己感覚や外界の知覚の変容」を核とするのに対し、解離性健忘は「記憶の障害」、解離性同一性障害は「自己同一性の障害(複数の人格)」が核となる点です。

特に、かつて多重人格と呼ばれた解離性同一性障害(DID)は、解離症群の中でも症状が重篤なものとして知られています。DIDでは、全く異なる名前、年齢、性別、性格などを持つ複数の人格が現れ、それぞれが支配権を握る時間があります。一方、離人症では、自分が複数の人格に分かれているという感覚はありません。あくまで「自分が自分ではない」「世界が現実ではない」という知覚・感覚の変容が中心です。

ただし、これらの解離症状は完全に独立しているわけではなく、複数の解離症状が組み合わさって現れることもあります。例えば、離人症の患者さんが、同時に解離性健忘を経験することや、重度のトラウマを抱える解離性同一性障害の患者さんが離人感や現実感消失を伴うこともあります。

離人症は、精神病性障害のように現実との接触を完全に失うわけではありませんが、本人の感じる苦痛や、それによって引き起こされる日常生活への影響は非常に大きい可能性があります。

離人症の診断とテスト

離人症の診断は、専門の医師(精神科医など)による詳細な問診に基づいて行われます。患者さんの訴える症状、症状が現れ始めたきっかけ、症状の頻度や持続時間、日常生活への影響などを丁寧に聞き取ります。

自分でできるチェックリストは?(失実症テスト)

離人症かどうかを自分で診断できる「失実症テスト」といった名称の標準化されたテストは、広く一般的に使用されているものは少ないです。インターネット上で見られる自己チェックリストは、あくまで目安として参考に留めるべきです。

簡単な自己チェックリストの例としては、以下のような項目が挙げられます。(これらは診断ツールではなく、あくまで自己観察の助けとするための例です

  • 自分がまるで映画を見ているかのように、自分の体や行動を外から見ている感覚がありますか?
  • 自分の思考や感情が自分のものではなく、遠く感じられたり、他人事のように感じられたりしますか?
  • 鏡に映った自分の顔が、見慣れない、あるいは不自然に感じられますか?
  • 周囲の世界(人、場所、物)が、現実感なく、夢の中や舞台のセットのように見えますか?
  • 周囲の音が遠く聞こえたり、声が機械的に聞こえたりしますか?
  • 感情が麻痺して、喜怒哀楽を感じにくくなったり、感動できなくなったりしましたか?
  • これらの感覚によって、日常生活(仕事、学校、人間関係など)に支障が出ていますか?
  • これらの感覚に強い苦痛を感じていますか?

これらの項目に多く当てはまる場合、離人症の可能性が考えられます。しかし、自己判断は危険です。これらの感覚は、うつ病や不安障害、パニック障害、統合失調症、てんかん、あるいは脳腫瘍や薬物中毒など、他の様々な精神疾患や身体疾患、状態でも起こりうるからです。正確な診断には、必ず専門医の診察が必要です。

正式な診断基準

精神医学における正式な診断は、DSM-5などの診断基準に基づいて行われます。離人感・現実感消失症の診断基準の要点は以下の通りです。

  1. 持続的または反復的な離人感または現実感消失の体験:
    自分が自分ではない、あるいは周囲が現実ではないという感覚が継続的に、または繰り返し起こる。
  2. 現実検討能力の保持:
    離人感や現実感消失を経験している間も、自分が感じている感覚が「現実ではない」「異常である」という認識は保たれている。
  3. 著しい苦痛または機能の障害:
    これらの感覚によって、臨床的に著しい苦痛を感じているか、社会生活、職業生活、または他の重要な領域において機能の障害を引き起こしている。
  4. 他の精神疾患や身体疾患、物質の影響ではない:
    症状が他の精神疾患(例:統合失調症、パニック障害、うつ病、強迫性障害など)や、身体疾患(例:てんかん、頭部外傷など)、あるいは薬物乱用や離脱症状による直接的な生理学的作用によるものではない。

診断プロセスでは、詳細な問診に加えて、患者さんの既往歴、家族歴、現在の状況(ストレス要因、睡眠、食事、薬物の使用など)を詳しく確認します。必要に応じて、心理検査(解離に関連する質問紙など)や、他の疾患を除外するための身体検査や脳波検査、画像検査などが行われることもあります。

診断は慎重に行われるべきであり、特に解離性障害は複雑なケースが多く、診断に時間がかかることもあります。信頼できる専門医を受診することが重要です。

離人症の治療法

離人症の治療は、症状の軽減と、症状によって引き起こされる苦痛や機能障害の改善を目指します。治療の核となるのは心理療法であり、必要に応じて薬物療法が併用されます。

心理療法

離人症の治療において、心理療法は非常に重要です。解離はストレスやトラウマへの適応反応である場合が多いため、その根底にある問題に取り組むことが回復につながります。

心理療法の主な目標は以下の通りです。

  • 症状の理解:
    離人感や現実感消失といった症状がなぜ起こるのか、それが自分にとってどのような意味を持っているのかを理解する。症状に対する不安や恐怖を和らげる。
  • ストレス耐性の向上:
    ストレスや感情に圧倒されそうになったときに、解離以外のより健康的な対処法を身につける。
  • 感情や感覚との再接続:
    麻痺していた感情や身体感覚を少しずつ取り戻し、自分自身や外界との繋がりを感じられるようにする。
  • トラウマ処理(必要な場合):
    もし症状がトラウマ体験に関連している場合は、安全な環境でトラウマ記憶を処理し、過去の出来事と現在を切り離す作業を行う。

具体的な心理療法のアプローチとしては、以下のようなものが用いられます。

  • 認知行動療法(CBT):
    症状やそれに対する考え方(認知)や行動パターンを特定し、より現実的で適応的なものに変えていく療法です。離人感や現実感消失を不気味なもの、危険なものと捉えすぎる認知を修正し、症状が現れてもパニックにならない対処法を身につけるのに役立ちます。
  • 弁証法的行動療法(DBT):
    感情の調整が苦手な方や、強い衝動性を持つ方に効果が期待される療法ですが、解離症状に対するグラウンディング技法や、感情の波を乗り越えるスキルを学ぶのにも有効です。
  • 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR):
    トラウマ体験に関連する解離症状に対して用いられることがあります。特定の眼球運動をしながら、トラウマ記憶を再処理していく技法です。
  • 解離に特化した技法:
    グラウンディング(五感を使って「今、ここにいる」という感覚を取り戻す技法)、安全な場所のイメージ、身体感覚に意識を向ける練習などが用いられます。これらの技法は、解離してしまいそうな時や、症状が現れた時に、現実との繋がりを取り戻す助けとなります。

心理療法は、信頼できる治療者との関係性の中で、時間をかけて取り組むことが重要です。

薬物療法

離人症そのものに直接的に効果のある特効薬は、現在のところ確立されていません。しかし、離人症はしばしば他の精神疾患(うつ病、不安障害、パニック発作、強迫性障害など)と併発するため、これらの併存疾患や関連症状に対して薬物療法が用いられることがあります。

薬物療法は、心理療法を効果的に進めるための補助的な役割を果たすことが多いです。

  • 抗うつ薬:
    特にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、うつ病や不安障害の治療に広く使われますが、離人症に伴う抑うつや不安症状の軽減に効果を示すことがあります。感情の麻痺に対する効果が報告されることもありますが、個人差が大きいです。
  • 抗不安薬:
    不安やパニック発作が強い場合に、一時的に用いられることがあります。ただし、依存性のリスクがあるため、漫然と使用するのではなく、必要最小限にとどめるべきです。
  • 少量抗精神病薬:
    思考の障害や現実感の歪みが強い場合(ただし現実検討能力は保たれている状態)や、うつ病・不安障害が難治性の場合に、少量だけ補助的に使用されることがあります。

薬物療法を開始する際は、必ず医師と十分に相談し、薬の種類、効果、副作用、服用期間などについて理解を深めることが重要です。自己判断で服用を中止したり、量を調整したりすることは避けてください。

治療においては、心理療法と薬物療法だけでなく、生活習慣の改善も大切です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などが、症状の安定につながることがあります。

離人症かもしれないと思ったら(受診の目安)

「自分が自分ではない」「周囲が現実ではない」といった感覚は、多くの人が人生で一度は経験する可能性のある一時的な現象です。強いストレスを感じている時や、極端に疲れている時などに見られることがあります。こうした一時的な感覚であれば、特別な治療が必要ない場合がほとんどです。

しかし、以下のような場合は、離人症を含む何らかの精神的な不調が背景にある可能性が考えられるため、専門機関への相談を検討することをお勧めします。

  • 症状が長期間(数週間以上)継続している
    一時的なものではなく、常に、あるいはほとんど常に違和感がある場合。
  • 症状が繰り返し起こる
    症状が現れては消える、を繰り返している場合。
  • 日常生活に支障が出ている
    症状によって、仕事や学業に集中できない、人間関係がうまくいかない、外出が困難になったなど、普段の生活に影響が出ている場合。
  • 症状に強い苦痛を感じている
    自分が正常ではない、おかしくなってしまったのではないかといった不安や恐怖を感じ、それが大きな苦痛になっている場合。
  • 抑うつや強い不安を伴う
    離人感や現実感消失の他に、気分が落ち込む、何も楽しめない、動悸や息切れ、過呼吸などの強い不安症状が伴っている場合。
  • 原因が分からない強い身体症状がある
    検査しても異常がないのに、原因不明の頭痛、めまい、吐き気などが続く場合。(解離性転換症など他の解離症状の可能性も含むため)

相談先としては、精神科、心療内科が適切です。かかりつけの医師に相談してみるのも良いでしょう。また、各自治体の精神保健福祉センターでも相談を受け付けている場合があります。

専門機関を受診する際は、自分がどのような感覚に悩まされているのか、いつ頃から始まったのか、どのような時に症状が強くなるのか、といった点を具体的に伝えられるように整理しておくと、診察がスムーズに進むことがあります。

離人症は、適切に診断され、根気強く治療に取り組むことで、症状の改善や回復が見込める状態です。一人で抱え込まず、専門家のサポートを得ることが回復への第一歩となります。

離人症ED治療薬についてよくある質問

離人症にED治療薬は関係ありません。ここでは離人症に関するよくある質問にお答えします。

  • ED治療薬・漢方・精力剤の違いは?
  • 1日2回飲んでもいい?
  • 飲んでも勃起しない原因は?
  • シアリスは心臓に負担をかける?
  • 筋肉増強効果が期待できる?

これらの質問はED治療薬に関するものであり、離人症とは無関係です。申し訳ありませんが、離人症に関するよくある質問にお答えします。

離人症は自然に治りますか?

一時的な離人感や現実感消失は、原因となったストレスが解消されたり、休息を取ることで自然に改善することが多いです。しかし、症状が持続的または反復的に起こり、離人症として診断されるような場合は、自然に改善することは難しい場合があります。専門的な治療(心理療法や薬物療法)を受けることで、症状の軽減や回復が期待できます。

離人症は脳の病気ですか?

離人症は、脳の機能的な偏りや、脳内の神経伝達物質のバランスの変化が関与している可能性が研究されていますが、脳そのものの器質的な病変(腫瘍や損傷など)が原因であることは稀です。多くの場合は、強い心理的なストレスやトラウマ体験が脳機能に影響を与えることで発症すると考えられています。

離人症と統合失調症はどう違いますか?

最も大きな違いは、現実検討能力の有無です。離人症の患者さんは、自分が経験している感覚が異常であること、現実ではないことを認識しています。一方、統合失調症では、幻覚や妄想によって現実検討能力が損なわれ、自分が体験していることを現実だと信じてしまいます。離人症は「現実感や自己感覚の歪み」ですが、統合失調症は「現実そのものの歪み」に近いと言えます。

離人症の回復にはどのくらい時間がかかりますか?

回復にかかる時間は個人差が非常に大きいです。原因となったストレスやトラウマの種類や程度、症状の重さ、併存疾患の有無、本人の資質、治療への取り組み方など、様々な要因に影響されます。数週間で改善する人もいれば、数ヶ月、あるいは数年かかる人もいます。根気強く治療を続けることが大切です。

家族や周囲の人はどう接すれば良いですか?

離人症の症状は、本人にとっては非常に不快で理解されにくいものです。「気のせいだ」「考えすぎだ」といった言葉は、本人をさらに孤立させてしまう可能性があります。まずは本人の苦痛を理解しようと努め、話を聞いてあげることが重要です。ただし、無理に症状について問い詰めたりせず、本人が話したい時に耳を傾ける姿勢が大切です。また、専門機関への受診を優しく勧めることも有効です。

【まとめ】離人症は理解と適切な治療で改善を目指せる状態です

離人症(離人感・現実感消失症)は、自分が自分ではないような感覚(離人感)や、周囲の世界が現実ではないような感覚(現実感消失)に悩まされる解離性障害の一つです。これらの感覚は非常に苦痛を伴い、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

その原因は、多くの場合、過去のトラウマ体験や現在抱えている強いストレスと関連しています。解離は、心が耐え難い苦痛から自分自身を守ろうとする無意識的な反応と考えられています。

離人症は、統合失調症のような精神病とは異なり、現実検討能力が保たれているのが特徴です。他の解離性障害(解離性健忘や解離性同一性障害など)とは症状の現れ方が異なりますが、複数の解離症状が併存することもあります。

離人症かもしれないと思ったら、まずは一人で悩まず、精神科や心療内科といった専門機関に相談することが大切です。診断は専門医による詳細な問診に基づいて行われ、他の疾患の除外も重要です。

治療の中心は心理療法であり、症状の理解を深め、ストレス対処法を学び、自分自身や外界との繋がりを取り戻すことを目指します。必要に応じて、併存する精神疾患や関連症状に対して薬物療法が補助的に用いられます。

離人症は、適切な理解と根気強い治療によって、症状の軽減や回復が十分に期待できる状態です。勇気を出して専門家へ相談し、回復への道を一歩踏み出しましょう。

免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、医学的なアドバイスや診断を代替するものではありません。離人症を含むあらゆる精神的な不調に関する診断や治療は、必ず資格を持った専門医にご相談ください。本記事の情報に基づいて行った行為によって生じた損害については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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