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セラゼッタ(ミニピル)の効果は?避妊や生理への影響を解説

セラゼッタは、プロゲステロンという女性ホルモンだけを含む「ミニピル」と呼ばれる種類の経口避妊薬です。従来の低用量ピルに含まれるエストロゲンを含まないため、エストロゲンが原因で血栓症のリスクが高まる方や、喫煙される方、授乳中の方など、低用量ピルの服用が難しい場合に選択肢となり得ます。毎日決まった時間に服用することで高い避妊効果が期待できますが、その特徴から服用方法や副作用、生理への影響が低用量ピルとは異なる点もあります。この記事では、セラゼッタの効果やメカニズム、副作用、そして多くの方が気になる生理への影響や正しい飲み方、さらには日本での入手方法について詳しく解説していきます。

目次

セラゼッタとは?ミニピルとしての特徴

セラゼッタは、デソゲストレルという黄体ホルモン(プロゲステロン)のみを含む一相性の経口避妊薬です。一般的な低用量ピルがエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンを含むのに対し、セラゼッタはプロゲステロン単剤である点が最大の特徴です。

この「エストロゲンを含まない」という点が、多くの女性にとってメリットとなり得ます。エストロゲンは血栓症のリスクを高める可能性があるため、血栓症の既往がある方、喫煙習慣がある方、高血圧の方、特定の偏頭痛がある方などは低用量ピルを服用できない場合があります。セラゼッタのようなミニピルは、これらのリスクを回避しながら避妊を行いたい方のための重要な選択肢となります。

また、授乳中の女性も、エストロゲンを含む低用量ピルは母乳の分泌に影響を与える可能性があるため推奨されませんが、ミニピルであるセラゼッタは比較的安心して服用できるとされています。

セラゼッタは28錠入りで、すべてがホルモンを含む実薬であり、偽薬期間がありません。この連続服用という特徴も、後述する生理への影響に関連してきます。毎日同じ時間に服用することが非常に重要であり、飲み忘れに注意が必要です。

セラゼッタの避妊効果とメカニズム

セラゼッタの避妊効果は、主に3つのメカニズムによって発揮されます。

  • 排卵の抑制: セラゼッタに含まれるデソゲストレルは、脳の下垂体に作用し、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制します。特にLHサージ(排卵を促すホルモンの急激な増加)を効果的に抑えることで、ほとんどの場合で排卵を抑制します。これはエストロゲンを含む低用量ピルと同様の主要な避妊メカニズムです。
  • 頸管粘液の性状変化: 子宮の入り口にある頸管の粘液を変化させ、精子が子宮内へ侵入しにくくします。通常、排卵期には精子が通過しやすいようにサラサラになる頸管粘液が、セラゼッタを服用することで粘稠になり、精子の動きを阻害します。
  • 子宮内膜への影響: 受精卵が着床するためのベッドとなる子宮内膜を変化させ、着床に適さない状態にします。これにより、万が一排卵や受精が起こったとしても、妊娠が成立しにくくなります。

これらの複合的な作用により、セラゼッタは非常に高い避妊効果を発揮します。正しく(毎日同じ時間に)服用した場合の避妊率(パール指数)は、低用量ピルと同等かそれに近いと報告されており、理論上は年間100人中0.1~1人程度の妊娠率とされています。ただし、実際の使用においては飲み忘れなどが生じるため、一般的な使用での避妊率はこれより若干高くなる可能性があります。

重要なのは、高い避妊効果を得るためには、毎日決まった時間に忘れずに服用し続けることが不可欠であるという点です。飲み忘れがあった場合の対応については、後述の「セラゼッタの正しい飲み方」で詳しく解説します。

セラゼッタが生理に与える影響

セラゼッタを服用する上で、多くの方が気になるのが生理への影響です。ミニピルは従来の低用量ピルとは異なるホルモンバランスで作用するため、生理のパターンが変化することがよくあります。

セラゼッタで生理が来なくなる?

セラゼッタを含むミニピルを服用すると、生理(正確には消退出血)のパターンが不規則になることがあります。最も一般的な変化の一つが、生理が来なくなる(無月経になる)ことです。これは、プロゲステロン単剤による持続的なホルモン作用により、子宮内膜が十分に厚くならず、剥がれ落ちる出血(生理)が起こりにくくなるために生じます。

臨床試験では、セラゼッタ服用者の約20%が生理が全く来なくなるという報告があります。生理が来なくなることは、避妊効果がなくなったり、健康上の問題があるわけではありません。むしろ、生理に伴うPMS(月経前症候群)や生理痛、過多月経といった症状に悩む方にとっては、これらの症状が軽減または解消されるというメリットにもなり得ます。

ただし、生理が来なくなると妊娠の可能性を心配する方もいるかもしれません。正しくセラゼッタを服用している限り、避妊効果は維持されています。心配な場合は、定期的に妊娠検査薬を使用するか、医師に相談すると安心できるでしょう。

セラゼッタ服用中に生理が来た場合

セラゼッタ服用中に「生理」のような出血がある場合、それは多くの場合不正出血です。ミニピルはホルモンの波がない連続服用であるため、低用量ピルのように偽薬期間に定期的な消退出血が起こる、というパターンがありません。そのため、出血がある場合は、予測できないタイミングで起こる不正出血となります。

不正出血は、セラゼッタの服用を開始したばかりの頃や、飲み忘れがあった際に比較的起こりやすい副作用の一つです。出血の量や期間は個人差があり、ごく少量の茶色い出血が続くこともあれば、生理のようにまとまった量が出血することもあります。

多くの不正出血は、体がホルモンバランスの変化に慣れていくにつれて軽減していく傾向があります。服用を始めて数ヶ月は様子を見ても良いとされています。しかし、出血が大量であったり、痛みを伴ったり、何か心配な症状がある場合は、必ず医師に相談してください。不正出血の原因がセラゼッタ以外の可能性(妊娠、性感染症、子宮の病気など)も考慮する必要があるためです。

セラゼッタをやめたら生理はどうなる?

セラゼッタの服用を中止すると、ホルモンの外部からの供給がなくなるため、体の本来のホルモンバランスが回復し始めます。これに伴い、通常は服用中止から比較的早い時期に生理が再開します

多くの女性は、服用中止後1〜3ヶ月以内に排卵と生理が再開します。中には、服用中止後すぐに規則的な周期で生理が始まる方もいますし、一時的に周期が不規則になる方もいます。生理の再開までの期間には個人差がありますが、一般的には低用量ピルを中止した場合と比べて、より早く元の周期に戻りやすいとも言われています。

セラゼッタを中止して避妊をやめた場合、すぐにでも妊娠できる状態に戻る可能性があります。これは、セラゼッタが主に排卵を抑制する作用を持つものの、子宮内膜への影響は低用量ピルほど強くないため、内膜がすぐに着床可能な状態に戻りやすいためと考えられています。

もし服用中止後数ヶ月経っても生理が再開しない場合は、他の原因が考えられるため、婦人科を受診して医師に相談することをお勧めします。

セラゼッタの主な副作用と注意点

セラゼッタはエストロゲンを含まないため、エストロゲンによる血栓症などの重篤な副作用のリスクは低いとされていますが、他の副作用がないわけではありません。主な副作用を知っておき、適切に対応することが重要です。

不正出血について

前述の通り、不正出血はセラゼッタの最も一般的で、かつ最も悩ましい副作用の一つです。特に服用開始後の数ヶ月間に起こりやすく、出血のパターンも様々です。

不正出血の特徴:

  • 時期: 服用開始直後、飲み忘れがあった後、また特に誘因なく起こることもあります。
  • 量と期間: 少量で数日続くこともあれば、生理のようにまとまった量で1週間以上続くこともあります。出血の量や頻度は服用を続けるうちに落ち着いてくることが多いです。
  • 原因: プロゲステロンによる子宮内膜への影響が不規則であること、体のホルモンバランスが新しい状態に慣れる過程で起こると考えられます。

不正出血への対応:

  • まずは継続: 服用開始から数ヶ月であれば、多くの場合、体が慣れるとともに不正出血は軽減または消失します。まずは指示通りに服用を継続することが重要です。
  • 飲み忘れがないか確認: 飲み忘れは不正出血の大きな原因となります。毎日決まった時間に服用しているか再確認しましょう。
  • 医師に相談: 出血が大量、持続する、痛みを伴う、その他の症状があるなど、心配な場合は必ず医師に相談してください。不正出血が他の病気のサインである可能性(妊娠、性感染症、子宮の病気など)も考慮する必要があるためです。医師は必要に応じて、他の原因を調べるための検査を行ったり、出血を抑えるための処置や他の避妊法への変更を提案することがあります。

セラゼッタで痩せる?太る?体重への影響

ピル服用に関する懸念として、体重増加を挙げる方は少なくありません。セラゼッタと体重変化に関する研究結果は様々で、一概に「太る」「痩せる」と断言することは難しいのが現状です。

体重変化に関する知見:

  • プロゲステロン製剤は、食欲増進や体内の水分貯留を引き起こす可能性が指摘されることがあります。しかし、これが明確な体重増加に繋がるという一貫した医学的証拠は少ないです。
  • 臨床試験では、セラゼッタ服用群と非服用群で、平均的な体重変化に大きな差が見られないという報告があります。
  • 体重変化は、ホルモンの影響だけでなく、生活習慣(食事、運動)や個人の体質、ストレスなど、様々な要因が複合的に影響します。

したがって、「セラゼッタを飲むと必ず太る」ということはありません。服用中に体重が増加したと感じる方がいる一方で、変化がない方や、むしろ痩せたという方もいます。もし服用開始後に体重増加が気になる場合は、生活習慣を見直したり、医師に相談してみましょう。ホルモンの影響以外の原因や、適切な対処法についてアドバイスをもらえる可能性があります。

更年期症状への影響

セラゼッタは主に避妊薬として使用されますが、更年期症状の緩和にも一定の効果がある場合があります。更年期は女性ホルモンの分泌が大きく変動し、ホットフラッシュ、気分の落ち込み、不眠などの様々な症状が現れます。

更年期とセラゼッタ:

  • 更年期症状の治療としては、ホルモン補充療法(HRT)が一般的です。HRTは不足したエストロゲンとプロゲステロン(またはプロゲステロン単剤)を補う治療法です。
  • セラゼッタに含まれるデソゲストレルはプロゲステロンの一種であり、HRTで使用されるプロゲステロン製剤と同様の効果を持つ可能性があります。特に、子宮内膜を保護する目的でプロゲステロン単剤のHRTが用いられることがあり、セラゼッタがこれに類する働きをすることが期待できます。
  • また、生理周期が不規則になるプレ更年期(更年期移行期)において、避妊と生理周期の安定化を目的としてミニピルが処方されることもあります。不正出血が煩わしい一方で、無月経になれば生理に伴う不調から解放される可能性もあります。

ただし、セラゼッタはあくまで避妊薬として承認されており、更年期症状の治療薬として第一選択薬ではありません。更年期症状に悩んでいる場合は、専門医(婦人科医)に相談し、症状や体質に合った適切な治療法(HRTなど)についてアドバイスを受けることが最も重要です。

その他の副作用と対応

不正出血や体重変化以外にも、セラゼッタで起こりうるその他の一般的な副作用がいくつかあります。多くは軽度で、服用を続けるうちに軽減していく傾向があります。

その他の一般的な副作用:

  • 頭痛: 服用開始初期に起こりやすいですが、継続により軽減することが多いです。
  • 乳房の張りや痛み: ホルモンの影響で乳腺が刺激されることによるものです。
  • 気分の変動: 落ち込みやすくなる、イライラするなど、精神的な変化を感じることがあります。
  • ニキビや肌荒れ: ホルモンバランスの変化により、肌の状態が一時的に悪化することがあります。
  • 吐き気: ごく稀に服用初期に感じることがあります。
  • 性欲の変化: 性欲が増加または低下することがあります。
  • 卵巣のう腫: 比較的頻繁に発生する良性のう腫ですが、ほとんどは無症状で自然に消失します。

対応:

  • これらの副作用の多くは一過性のものであり、体が薬に慣れるにつれて軽減します。しかし、症状が重い場合や、長く続く場合、日常生活に支障をきたす場合は、我慢せずに医師に相談してください。症状を和らげるための対症療法や、他の避妊方法への変更など、適切なアドバイスを受けることができます。

稀だが注意すべき副作用:

エストロゲンを含まないミニピルは、低用量ピルと比較して血栓症のリスクが低いとされていますが、全くゼロではありません。特に、静脈血栓塞栓症(DVTや肺塞栓症)のリスクは、非服用者と比較するとわずかに高まると言われています。

血栓症の兆候:

  • 片側の足の急激な腫れ、痛み、熱感
  • 急な息切れ、胸の痛み、咳
  • 急激な視力低下や視覚異常
  • 激しい頭痛
  • 手足のしびれや脱力感

これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診してください。

また、肝機能障害や胆石症などのリスク上昇の可能性も指摘されることがありますが、非常に稀です。気になる症状がある場合は、必ず医師に相談してください。

低用量ピルとセラゼッタ(ミニピル)の違い

低用量ピルとセラゼッタ(ミニピル)は、どちらも経口避妊薬ですが、ホルモンの種類や含有量、服用方法、適応となる人などに違いがあります。これらの違いを理解することは、自分に合った避妊法を選択する上で非常に重要です。

ホルモン含有量の違い

特徴 低用量ピル セラゼッタ(ミニピル)
含まれるホルモン エストロゲン(合成エストロゲン)+プロゲステロン プロゲステロン(デソゲストレル)単剤
ホルモン量 エストロゲン量が比較的少ない(50μg未満) エストロゲンは含まない
服用パターン 通常21日間実薬+7日間偽薬(休薬)または低用量ピル 28日間連続実薬(休薬期間なし)
生理 偽薬・休薬期間に定期的な消退出血がある 不正出血が多い、無月経になることがある

低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンのバランスを調整することで排卵を抑制し、子宮内膜を変化させて避妊効果を発揮します。周期的に偽薬や休薬期間を設けることで、定期的な消退出血(生理のような出血)を起こさせます。

一方、セラゼッタはプロゲステロン単剤を連続服用します。エストロゲンを含まないことで血栓症リスクを低減しますが、ホルモンの波がないため子宮内膜の安定性が低く、不正出血が起こりやすくなります。また、連続してプロゲステロンを服用するため、無月経になる方も多くいます。

服用できる方の違い(血栓症リスクなど)

ホルモン含有量の違いから、低用量ピルは服用できないが、セラゼッタなら服用できる、というケースがあります。特に重要なのが血栓症リスクへの影響です。

条件 低用量ピル セラゼッタ(ミニピル)
血栓症の既往・リスク因子 血栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症など)の既往、重症の心疾患、脳血管疾患、重症の糖尿病、高血圧(コントロール不良)、特定の遺伝性血栓性素因などがある場合は服用できない エストロゲンを含まないため、低用量ピルよりリスクは低いとされる。ただし、全くリスクがないわけではない。医師の判断により服用可能な場合がある。
喫煙 35歳以上で1日15本以上喫煙する方は、心血管系リスクが高まるため服用できない。年齢に関わらず喫煙はリスク因子となる。 喫煙による血栓症リスクへの影響は低用量ピルほど大きくないとされる。喫煙者でも服用可能な場合がある。
授乳中 母乳の分泌量や成分に影響を与える可能性があるため、原則として推奨されない(特に産後早期)。 母乳の分泌や成分への影響は少ないとされ、比較的早期(産後6週以降など)から服用可能な場合がある。
片頭痛(前兆のあるもの) 前兆を伴う片頭痛がある場合、脳卒中のリスクが高まるため服用できない 前兆のある片頭痛がある場合でも、低用量ピルよりはリスクが低いとされ、医師の判断により服用可能な場合がある。
肝機能障害 重度の肝機能障害がある場合は服用できない 重度の肝機能障害がある場合は服用できない

このように、セラゼッタはエストロゲンによる影響を受けやすいいくつかの条件において、低用量ピルの代替として選択されることがあります。ただし、セラゼッタも医薬品であり、すべての方に適しているわけではありません。服用にあたっては、必ず現在の健康状態や既往歴、服用中の他の薬剤などを医師に伝え、適切なアドバイスを受けることが不可欠です。自己判断での服用は避けてください。

セラゼッタの正しい飲み方

セラゼッタの高い避妊効果を得るためには、正しく服用することが非常に重要です。飲み忘れは避妊効果を低下させる原因となります。

服用開始時期とタイミング

セラゼッタは、生理の初日(出血が始まった日)から服用を開始するのが一般的です。生理初日から服用を開始した場合、服用開始当日から避妊効果が得られるとされています。

もし生理初日以外の日に服用を開始する場合は、服用開始後7日間は他の避妊法(コンドームなど)を併用する必要があります。

セラゼッタは28錠すべてがホルモンを含む実薬であり、休薬期間がありません。1シート飲み終えたら、次のシートをすぐに開始します。シートの順番通りに、毎日1錠を服用し続けます。

最も重要なのは、毎日ほぼ同じ時間帯に服用するということです。セラゼッタはプロゲステロン単剤であり、血中のホルモン濃度を一定に保つことが避妊効果維持のために不可欠です。可能な限り、毎日決まった時間(例えば朝食後、寝る前など、自分が忘れにくい時間)に服用する習慣をつけましょう。理想的には、毎日同じ時間の服用から24時間を超えないようにすることが推奨されます。

飲み忘れた場合の対応

セラゼッタは飲み忘れに比較的敏感なピルです。飲み忘れに気づいたら、気づいた時間と最後に服用した時間からの経過時間に応じて対応が変わります。

飲み忘れに気づいた場合の対応:

  • 通常の服用時間から12時間未満の飲み忘れ:
    • 気づいた時点で、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。
    • その後の錠剤は、通常通りの時間に服用してください。
    • 避妊効果は維持されていると考えられます。他の避妊法を併用する必要はありません。
  • 通常の服用時間から12時間以上経過している飲み忘れ:
    • 気づいた時点で、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。
    • その後の錠剤は、通常通りの時間に服用してください(一度に2錠服用することになる場合もあります)。
    • 避妊効果が低下している可能性があります。今後7日間は、コンドームなどの他の避妊法を併用してください。
    • もし、飲み忘れがあった週に性交渉があった場合、妊娠の可能性を考慮し、必要に応じて緊急避妊薬の使用について医師に相談してください。

複数日飲み忘れた場合:

複数日飲み忘れた場合は、避妊効果が著しく低下しています。最後に気づいた時点で飲み忘れた分を1錠服用し、その後は通常の時間に服用を再開しますが、今後7日間は必ず他の避妊法を併用してください。心配な場合は、医師に相談して今後の対応について指示を仰ぐようにしましょう。

飲み忘れを防ぐためには、スマートフォンのアラーム機能を利用したり、目につく場所に置いておくなど、工夫することが大切です。

セラゼッタはどこで手に入る?通販や病院での入手方法

セラゼッタは医薬品であり、その入手方法には注意が必要です。現在の日本における認可状況を踏まえて解説します。

日本での認可状況(2025年の情報含む)

現状:日本国内では未承認(2024年現在)

2024年現在、セラゼッタ(成分名:デソゲストレル75μg錠)は日本国内では医薬品として承認されていません。したがって、日本の医療機関で医師の処方を受けて入手することはできませんし、薬局やドラッグストアで購入することも不可能です。

では、どのように入手されているかというと、多くは個人輸入という形になります。海外で合法的に販売されている医薬品を、個人が自己責任で使用する目的で輸入する制度です。個人輸入代行業者などを利用して入手することができます。

個人輸入のリスク:

  • 偽造薬・粗悪品の可能性: インターネット上の通販サイトなどでは、本物のセラゼッタに見せかけた偽造薬や、品質管理が不十分な粗悪品が流通している可能性があります。これらの薬には、有効成分が全く含まれていない、量が違う、不純物が混入しているなど、様々な問題があり、効果がないばかりか、健康被害を引き起こす危険性があります。
  • 自己判断での使用: 医師の診察を受けずに自己判断で服用することになります。これにより、自身の体質や既往歴、現在服用中の他の薬との飲み合わせを確認できず、予期せぬ副作用や重篤な健康被害を引き起こすリスクが高まります。特に、血栓症などの重大な副作用のサインを見逃してしまう可能性もあります。
  • 健康被害救済制度の対象外: 個人輸入した医薬品による健康被害は、日本の公的な健康被害救済制度(医薬品副作用被害救済制度など)の対象外となります。万が一重篤な副作用が生じた場合でも、十分な補償を受けられない可能性があります。

これらのリスクがあるため、厚生労働省も医薬品の個人輸入に対して注意喚起を行っています。

将来的な認可の見込み(2025年頃):

日本の製薬会社が、セラゼッタと同じ成分(デソゲストレル75μg)を含むミニピルの国内承認に向けて開発を進めており、2025年頃に承認申請または承認される見込みとの情報があります。

もし国内で承認されれば、日本の医療機関で医師の診察を受けて正規に処方してもらえるようになります。これにより、偽造薬のリスクなく、医師の適切な指導のもとで安全に服用できるようになるため、避妊の選択肢が大きく広がるものと期待されています。

現在の正規の入手方法:

2024年現在、日本国内でセラゼッタそのものを正規に入手する方法はありません。ただし、エストロゲンを含まない避妊薬として、国内で承認されているヤーズフレックス(ドロスピレノンとエチニルエストラジオールを含むが、連続服用により生理回数を減らすタイプ)や、黄体ホルモン放出IUD(ミレーナなど)といった代替の選択肢があります。

これらの代替方法や、ご自身の体質に合った避妊法について相談したい場合は、必ず日本の婦人科を受診してください。医師が、ご自身の健康状態、ライフスタイル、避妊に関する希望などを考慮し、最適な避妊方法についてアドバイスしてくれます。個人輸入という危険な方法に頼るのではなく、必ず専門医に相談し、安全な避妊法を選択するようにしましょう。

セラゼッタに関するよくある質問(FAQ)

セラゼッタについて、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。

ED治療薬・漢方・精力剤の違いは?

この質問は、セラゼッタ(女性の避妊薬)とは全く関係ありませんが、一般的な性機能に関する疑問としてお答えします。

  • ED治療薬: 主に男性の勃起不全(ED)を改善するための医薬品です。陰茎への血流を改善することで、性的な刺激があった際に勃起を助けます。医師の処方箋が必要です。
  • 漢方: 東洋医学の考え方に基づき、複数の生薬を組み合わせて作られた薬です。体全体のバランスを整えることで、様々な症状の改善を目指します。EDや精力減退に対して用いられる漢方薬もありますが、効果の現れ方や強さは個人差が大きく、即効性よりも体質の改善に重点が置かれます。
  • 精力剤: 主に栄養ドリンクやサプリメントとして販売されており、疲労回復や一時的な体力・精力の増強を目的とするものです。医薬品ではなく食品や清涼飲料水に分類されることが多く、医学的な効果や安全性が厳密に評価されているわけではありません。

セラゼッタは女性の避妊薬であり、これらの男性向けの製品とは全く異なるものです。

1日2回飲んでもいい?

セラゼッタは、1日1回1錠を服用するように定められています。

勝手に量を増やして1日2回服用しても、避妊効果がさらに高まるわけではありません。むしろ、ホルモン過剰により副作用(不正出血、吐き気など)のリスクが高まる可能性があります。たとえ飲み忘れに気づいて2錠まとめて服用する場合でも、それは飲み忘れによる血中濃度低下を補うための特別な対応であり、毎日のルーチンとして1日2回飲むのは間違いです。

必ず、1日1回、決まった時間に1錠だけを服用してください。

飲んでも勃起しない原因は?

この質問も男性の性機能に関するものですが、セラゼッタとは関係ありません。一般的に、ED治療薬を服用しても勃起しない場合、いくつかの原因が考えられます。

  • 性的刺激が不足している: ED治療薬は性的な興奮や刺激があって初めて効果を発揮します。薬を飲んだだけで自然に勃起するわけではありません。
  • 薬が体に合っていない、効果が不十分: 薬の種類や用量が体質に合わない、またはEDの原因に対して効果が不十分である可能性があります。
  • 服用方法が正しくない: 食事の影響やアルコールの摂取などが薬の効果を妨げている場合があります(薬の種類によります)。
  • 心理的な要因: 不安や緊張が強い場合、薬の効果が出にくいことがあります。
  • 他の疾患や薬の影響: EDの原因となる他の病気がある場合や、服用中の別の薬がED治療薬の効果を妨げている場合もあります。

いずれにしても、ED治療薬を服用しても効果が得られない場合は、自己判断せず必ず医師に相談してください。

セラゼッタは心臓に負担をかける?

セラゼッタに含まれるデソゲストレル(プロゲステロン)は、従来の低用量ピルに含まれるエストロゲンと比較して、心血管系(心臓や血管)への影響が小さいと考えられています。

特に、エストロゲンによる血栓症リスクの上昇は、セラゼッタでは低用量ピルほど顕著ではないとされています。そのため、血栓症リスクが高いとされる方でも、医師の判断によりセラゼッタが選択されることがあります。

ただし、全くリスクがないわけではありません。特に既往症がある方や、他のリスク因子を複数お持ちの方は注意が必要です。セラゼッタの服用中に、胸の痛み、息切れ、手足のしびれなど、心臓や血管に関わる異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

適切な診断と指導のもとで服用すれば、心臓への過度な負担を心配する必要は少ないと考えられますが、不安がある場合は医師に相談しましょう。

筋肉増強効果が期待できる?

セラゼッタに筋肉増強効果は期待できません。

セラゼッタは女性ホルモンであるプロゲステロン製剤であり、筋肉の発達を促進する男性ホルモン(テストステロンなど)とは作用が異なります。プロゲステロンは主に女性の生殖機能に関わるホルモンであり、避妊効果や月経周期の調整などに用いられます。

一部で、男性ホルモンと似た構造を持つプロゲステロン製剤がわずかに筋肉に影響を与える可能性が示唆されることがありますが、セラゼッタに含まれるデソゲストレルの量や作用機序から考えて、実用的な筋肉増強効果は期待できません。筋肉増強を目的としてセラゼッタを服用するのは、誤った使用方法であり、健康被害を招く可能性があります。

【まとめ】セラゼッタ(ミニピル)について理解し、安全な避妊法を選択しましょう

セラゼッタは、エストロゲンを含まないプロゲステロン単剤のミニピルとして、特に血栓症リスクや喫煙などの理由で低用量ピルが服用できない女性にとって、安全な避妊法として重要な選択肢となり得る薬剤です。毎日同じ時間に服用することで高い避妊効果が期待できますが、不正出血が多い、生理が来なくなることがあるなど、低用量ピルとは異なる特徴があります。

現在、セラゼッタは日本国内では未承認であり、個人輸入でしか入手できませんが、これには偽造薬のリスクや健康被害の危険が伴います。2025年頃には国内での承認が見込まれており、承認されれば日本の医療機関で正規に処方を受けられるようになります。

安全かつ効果的な避妊を行うためには、必ず医師の診察を受け、自身の体質や健康状態、ライフスタイルに最も適した避妊法について相談することが不可欠です。個人輸入という危険な方法に頼るのではなく、信頼できる医療機関を受診し、専門家のアドバイスのもとで、ご自身にとって最善の選択をするようにしましょう。


免責事項:

本記事は、セラゼッタに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医療行為や診断、治療に代わるものではありません。個々の健康状態や症状については、必ず医師または専門家にご相談ください。医薬品の服用に関しては、必ず医師の処方を受け、指示に従ってください。個人輸入による医薬品の使用は、日本の法律により認められていますが、その品質、有効性、安全性について保証はなく、健康被害のリスクが伴います。本記事の情報に基づいて生じたいかなる結果についても、筆者および公開者は責任を負いかねますのでご了承ください。

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