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毛ジラミ症の治療薬|市販薬で治す方法・おすすめと注意点を解説

毛ジラミ症は、主に性行為を介して感染する陰部に寄生するシラミによって引き起こされる疾患です。強いかゆみを伴い、放置すると不快な症状が続くだけでなく、周囲への感染拡大のリスクも生じます。この厄介な毛ジラミ症を治療するために、薬は非常に重要な役割を果たします。適切な毛ジラミ症 治療薬を選択し、正しく使用することで、多くの場合、完治を目指すことが可能です。

この記事では、毛ジラミ症の症状や感染経路から、日本で認可されている治療薬の種類、それぞれの正しい使い方、薬以外の駆除方法、そして医療機関での治療や再発予防策まで、毛ジラミ症に関する知りたい情報を網羅的に解説します。

目次

毛ジラミ症とは?原因と感染経路

毛ジラミ症は、ヒトに寄生する外部寄生虫である毛ジラミ(Pthirus pubis)が原因となって発症する寄生虫症です。アタマジラミやコロモジラミとは種類が異なります。主に陰毛に寄生しますが、稀に脇毛、胸毛、腹部の毛、太ももの毛、眉毛やまつげに寄生することもあります。

毛ジラミの症状と特徴

毛ジラミは体長が約1〜2mm程度の小さな昆虫で、カニに似た平たい形をしています。毛にしっかりと爪を食い込ませてしがみつき、皮膚から吸血して生きています。成虫だけでなく、卵も毛に産み付けられ、肉眼でも確認できる場合があります。

毛ジラミ症の最も一般的な症状は、強いかゆみです。特に夜間に悪化することが多い傾向があります。これは、毛ジラミが吸血する際に唾液を注入し、その成分に対してアレルギー反応が起こるためです。かゆみのために患部を掻きむしることで、皮膚に湿疹や傷ができることもあります。

吸血された部位には、点状の出血痕(青点、紫斑)が見られることがあります。これは毛ジラミが吸血する際に皮膚の血管から出血したり、掻き壊したりすることによって生じます。また、下着に黒っぽい小さな砂のようなものが付着している場合があり、これは毛ジラミの糞です。

肉眼で注意深く観察すると、毛の根元付近に白いゴマのような(0.8mm程度)や、動きの遅い成虫を見つけることができる場合があります。卵は毛にしっかりと付着しており、簡単には取り除けません。

主な感染経路

毛ジラミの主な感染経路は、性的接触です。感染者との性行為によって、陰毛同士が接触することで毛ジラミが移動し、感染が成立します。毛ジラミ症が性感染症の一つとされるのはこのためです。複数のパートナーがいる場合や、不特定多数との性行為の経験がある場合は、感染リスクが高まります。

ただし、性的接触以外の経路でも感染する可能性はゼロではありません。稀ではありますが、毛ジラミが付着した衣類や寝具、タオルなどを感染者と共有することによって感染が起こることも報告されています。特に狭い空間で寝具などを共有した場合にリスクが高まる可能性が考えられます。公衆浴場やサウナ、プールの脱衣所などを介した感染も理論上は考えられますが、毛ジラミは宿主の体温から離れると長く生きられないため、この経路での感染確率は低いとされています。

感染が確認された場合は、自分だけでなくパートナーも感染している可能性が非常に高いため、同時に検査・治療を行うことが再感染を防ぐ上で極めて重要です。

毛ジラミ症の治療が必要な理由|放置するとどうなる?

毛ジラミ症にかかると、不快な症状を伴うだけでなく、様々なリスクが生じます。そのため、適切な治療を行うことが非常に重要です。

毛ジラミは自然治癒しない

毛ジラミはヒトの体から栄養を得て生きており、体温から離れると長く生存できません。しかし、ヒトの毛に産み付けられた卵は生命力が強く、成虫がいなくなっても孵化して再び繁殖を始めます。

一度毛に卵を産み付けられると、何もしないで自然に治癒することは期待できません。放置すれば、毛ジラミは卵を産み、孵化して増殖を繰り返します。その結果、寄生する毛ジラミの数はどんどん増えていき、症状も悪化の一途をたどることになります。

放置によるリスク

毛ジラミ症を放置することには、以下のような様々なリスクが伴います。

  • 症状の悪化とQOL(生活の質)の低下: 強いかゆみが続き、睡眠障害を引き起こしたり、日常生活に支障をきたしたりします。掻きむしりによる痛みや不快感も増します。
  • 二次感染: かゆみに耐えかねて患部を強く掻きむしることで、皮膚に傷ができます。この傷からブドウ球菌などの細菌が侵入し、細菌感染を引き起こす可能性があります。化膿や炎症が悪化し、治療が複雑になることがあります。
  • 感染の拡大: 感染者が適切な治療を行わないまま過ごしていると、性的パートナーだけでなく、家族など近しい人へ感染を広げてしまうリスクが高まります。特に衣類や寝具を共有する機会が多い家族間での感染は、稀ながら起こり得ます。
  • 精神的な苦痛: 毛ジラミ症であることへの羞恥心や、周囲への感染への不安から、精神的なストレスや苦痛を感じる人も少なくありません。

これらのリスクを避けるためにも、毛ジラミ症が疑われた場合は、速やかに適切な治療を開始することが大切です。

毛ジラミ症の治療薬について

毛ジラミ症の治療の中心となるのは、シラミを駆除するための薬剤の使用です。日本で一般的に使用されている治療薬は、安全性が高く、多くの薬局やドラッグストアで購入できる市販薬(OTC医薬品)です。

日本で認可されている治療薬の種類

日本で毛ジラミの駆除薬として認可されている薬剤の有効成分は、主にフェノトリンというピレスロイド系の殺虫成分です。フェノトリンは、シラミの神経系に作用して殺虫効果を発揮します。ヒトに対しては安全性が高いとされています。

このフェノトリンを配合した薬剤は、主にシャンプータイプパウダータイプがあります。

フェノトリン配合のシャンプー

シャンプータイプは、一般的なシャンプーと同じように泡立てて使用します。

  • 特徴:
    液状で、毛に塗布しやすく、洗い流しやすい。
    比較的広範囲の毛を処理しやすい。
    入浴時に使用できる。
  • 使い方:
    事前に毛を濡らしてから、適量を手に取り、泡立てながら毛全体(特に根元付近)にしっかりとなじませます。
    指定された時間(製品によるが、一般的に3~5分程度)そのまま放置します。
    放置時間終了後、水またはぬるま湯で薬剤を十分に洗い流します。
  • 注意点:
    目や口に入らないように注意が必要です。
    洗い流す必要があるため、外出前などには不向きです。

フェノトリン配合のパウダー

パウダータイプは、患部の毛に薬剤を直接振りかけて使用します。

  • 特徴:
    洗い流しが不要な製品が多い。
    衣服や寝具など、薬剤が付着しても問題ない場所で使用しやすい。
    特に陰部など、局所的な使用に適している。
  • 使い方:
    薬剤を毛の根元を中心に、全体に均等に振りかけます。
    揉みこむようにして毛全体になじませます。
    指定された時間(製品によるが、洗い流し不要の場合はそのまま)放置します。
  • 注意点:
    粉末のため、吸い込んだり目に入ったりしないように注意が必要です。
    洗い流さないタイプのパウダーは、薬剤が毛に残るため、衣服や寝具に付着する可能性があります。

どちらのタイプを選ぶかは、個人の好みや使用部位、生活スタイルによって異なります。製品の添付文書をよく読み、指示に従って使用することが重要です。

治療薬の正しい使い方と注意点

毛ジラミ症の治療薬は、正しい方法で使用しないと十分な効果が得られなかったり、再発したりする可能性があります。製品添付文書の指示に必ず従ってください。

治療薬を使用する期間と頻度

フェノトリンなどの殺虫成分は、成虫や幼虫には高い効果を発揮しますが、卵には効果が低いとされています。毛ジラミの卵は、約7〜10日で孵化します。そのため、一度薬を使用しても、その時に残っていた卵が孵化して再び成虫となり、症状が再燃する可能性があります。

この繁殖サイクルを断ち切るためには、孵化してくる幼虫や成虫を繰り返し駆除する必要があります。一般的に、毛ジラミ症の治療薬は数日間隔で複数回使用することが推奨されています。多くの製品では、3日に1回を目安に、3〜4回繰り返して使用することが推奨されています。

例えば、1回目の使用から3日後に2回目、さらに3日後に3回目、というスケジュールです。これにより、最初に薬を使ったときに残った卵が孵化しても、その後に続く薬剤使用で駆除することができます。最後の薬剤使用から1週間程度経過しても、かゆみがなく、新しい卵や成虫が見られなければ、治療は成功したと考えられます。

薬が使えない場合の対策

フェノトリン配合の治療薬は安全性が高いとされていますが、乳幼児、妊婦、授乳婦、薬剤アレルギーのある方、喘息などの呼吸器疾患がある方など、使用に注意が必要な場合や使用できない場合があります。

このような場合は、自己判断せず医療機関を受診し、医師に相談してください。医師の指導のもと、薬剤以外の方法を検討したり、他の薬剤を選択したりすることがあります。

薬剤が使えない場合の代替策としては、以下のような方法がありますが、薬剤ほどの確実な効果は期待できないため、医療機関での相談が最も推奨されます。

  • 剃毛: 寄生している毛を物理的に全て剃り落とす方法です。成虫も卵もまとめて除去できるため、効果は高いですが、広範囲の毛を剃る必要があることや、見た目の問題などから抵抗を感じる人も多いでしょう。
  • 目の細かいクシ(梳き櫛)での除去: 特殊な目の細かいクシを使用して、毛に付着した卵や成虫を物理的にこそぎ落とす方法です。根気が必要であり、全ての卵を除去するのは難しい場合があります。
  • 衣類・寝具の熱処理: 毛から離れたシラミや卵は熱に弱いため、感染している可能性のある衣類や寝具を熱湯で洗濯したり、高温乾燥機にかけたりすることで駆除できます。薬剤が使えない場合の補助的な対策として有効です。

治療薬の購入方法

日本で認可されている毛ジラミ症の治療薬は、基本的に市販薬として販売されています。

薬局やドラッグストアでの購入

多くの薬局やドラッグストアで購入することができます。毛ジラミ症の治療薬は、第2類医薬品や第1類医薬品として販売されていることが多く、薬剤師または登録販売者の説明を受けて購入する必要があります。

カウンター越しに購入する必要がある場合が多く、プライバシーに配慮した対応を心がけている店舗がほとんどですが、対面での購入に抵抗を感じる人もいるかもしれません。その場で薬剤師に相談できる点はメリットです。

オンラインでの購入

一部の市販薬は、オンラインのドラッグストアやECサイトでも購入が可能です。インターネットで購入できるため、店舗に足を運ぶ必要がなく、他人の目を気にせずに購入できる点が利点です。

ただし、オンラインで購入する場合でも、薬剤師による情報提供や相談が必要な場合があります。また、信頼できる販売元から購入することが重要です。個人輸入代行サイトなどで海外製の未承認薬を購入することは、品質や安全性が保証されておらず、健康被害のリスクがあるため絶対に避けてください。

治療薬以外の毛ジラミ駆除・対策

毛ジラミ症の治療は、薬剤の使用が中心ですが、薬剤の効果を最大限に引き出し、完治を確実にするためには、薬剤以外の方法も併せて行うことが重要です。これらの対策は、薬剤が効きにくい卵の除去や、環境中のシラミの駆除に有効です。

患部の剃毛

最も効果的な物理的駆除方法の一つが患部の剃毛です。毛ジラミは毛にしっかりと付着して生活しているため、寄生している毛を根元から全て剃り落とすことで、成虫、幼虫、そして薬剤が効きにくい卵をまとめて物理的に除去することができます。

特に陰毛など、特定の部位に限定して寄生している場合は、その部分の毛を徹底的に剃ることで、薬剤を使わずに完治させることも可能です。ただし、広範囲に寄生している場合や、眉毛など剃ることが難しい部位の場合は、この方法は現実的ではありません。また、剃毛後の毛の伸び始めにかゆみを感じることもあります。パートナーも感染している場合は、同様に剃毛するか、薬剤治療を同時に行う必要があります。

衣類・寝具の洗濯と乾燥

毛から離れた毛ジラミは長く生きられませんが、感染者の体から落ちたシラミや卵が付着している可能性のある衣類、下着、寝具、タオルなどを適切に処理することも重要です。これらの環境中に残ったシラミや卵が、再感染の原因となることがあります。

毛ジラミは熱に非常に弱い性質を持っています。55℃以上の熱に5分以上さらされると死滅するとされています。

  • 洗濯: 衣類や寝具は、通常より高温の洗濯コース(可能であれば55℃以上)で洗濯すると効果的です。
  • 乾燥: 高温設定の衣類乾燥機を55℃以上で20分以上使用すると、より確実に駆除できます。
  • 熱湯処理: 下着など、乾燥機にかけられないものは、バケツなどに入れて55℃以上の熱湯に5分以上浸け置きするのも有効です。
  • ビニール袋での密閉: 洗濯や乾燥が難しい衣類やぬいぐるみなどは、大きなビニール袋などに密閉して2週間以上保管しておくと、その間にシラミが死滅します。毛ジラミは宿主から離れると長く生きられないため、2週間もすれば生存できなくなります。

家族がいる場合は、感染者だけでなく、共用した可能性のある家族全員の衣類や寝具を同時に処理することをお勧めします。

目の細かいクシ(梳き櫛)の使用

薬剤使用や剃毛と併せて、目の細かいクシ(梳き櫛)を使用して、毛に付着した卵や死んだ成虫を物理的に取り除くことも補助的な対策として有効です。特に卵は毛にセメント質で強固に付着しているため、梳き櫛でこそぎ落とす作業は根気が必要ですが、薬剤では死滅しにくい卵の数を減らすのに役立ちます。

梳き櫛は、ドラッグストアやオンラインストアなどで毛ジラミ対策グッズとして販売されています。濡れた毛にコンディショナーなどをつけてから行うと、櫛の滑りが良くなり、卵やシラミを取り除きやすくなります。取り除いたシラミや卵は、ティッシュなどにくるんでビニール袋に入れ、口をしっかり縛って捨てるようにしましょう。

アルコール消毒は効果があるか?

市販されている消毒用アルコール(エタノール濃度70%程度)は、細菌やウイルスに対する消毒効果が高いですが、毛ジラミに対する効果は限定的です。アルコールが毛ジラミの体表面を乾燥させ、ある程度の効果はあるかもしれませんが、卵にはほとんど効果がありません。

衣類や寝具にアルコールスプレーを使用しても、熱処理ほどの効果は期待できません。毛ジラミ症の駆除においては、アルコール消毒を主な対策とするのではなく、上記で述べた薬剤の使用、剃毛、熱処理などを中心に行うべきです。

医療機関での毛ジラミ症治療

毛ジラミ症は市販薬で治療できることが多いですが、以下のような場合は医療機関を受診することをお勧めします。医療機関では、より正確な診断と適切な治療法のアドバイスを受けることができます。

どんな場合に受診すべきか

  • 市販薬を使用しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合。
  • 診断に自信が持てない場合(かゆみの原因が毛ジラミ症か他の皮膚疾患か不明な場合)。
  • かゆみが強く、掻きむしりによって皮膚が化膿しているなど、二次感染を起こしている場合。
  • 毛ジラミが広範囲(陰部以外にも脇、胸、眉毛など)に寄生している場合。
  • 乳幼児、妊婦、授乳婦など、薬剤の使用に不安がある、または使用できない場合。
  • 心臓病、喘息、アレルギー疾患などの基礎疾患があり、薬剤使用について医師に相談したい場合。
  • パートナーも感染している可能性が高く、一緒に治療について相談したい場合(性感染症の検査も視野に入れる)。

皮膚科や性感染症科、泌尿器科、婦人科などで相談することができます。

医療機関で行われる治療

医療機関を受診した場合、医師はまず問診を行い、かゆみの状況や感染経路について詳しく聞き取ります。次に、患部の視診を行い、必要に応じて顕微鏡を使って毛や付着物を観察し、毛ジラミの成虫や卵の有無を確認して診断を確定します。

診断が確定すれば、治療法について説明が行われます。医療機関で処方される毛ジラミ駆除薬は、市販薬と同じフェノトリンを有効成分とする薬剤が中心ですが、市販薬とは異なる剤形や濃度の場合もあります。医師の指示に従って、正しく薬剤を使用します。

二次感染を起こしている場合は、抗生物質を含む軟膏や内服薬が処方されることもあります。また、かゆみが強い場合には、かゆみを抑えるための抗ヒスタミン薬などが処方されることもあります。

毛ジラミ症は性感染症としての側面もあるため、パートナーへの感染の可能性や、他の性感染症に同時に感染している可能性についても説明があり、必要に応じて性感染症の検査や治療が推奨されることもあります。

医療機関では、薬剤の使用方法だけでなく、剃毛や衣類・寝具の処理といった自宅でできる対策についても具体的なアドバイスを受けることができます。

毛ジラミ症の完治と再発予防

毛ジラミ症は適切な治療を行えば完治可能な疾患です。しかし、完全に駆除できたかどうかを判断すること、そして再び感染しないように予防することが重要です。

治療完了の目安

毛ジラミ症の治療が成功したかどうかを判断するには、以下の点を注意深く観察します。

  • かゆみがなくなる: 治療開始から数日〜1週間程度でかゆみが軽減し、最終的には消失します。ただし、かゆみが完全に消えるまでには時間がかかることもあります。
  • 新しい卵や成虫が見られなくなる: 薬剤を規定の回数使用し終えた後、数週間にわたって患部の毛を注意深く観察し、新しい卵が付着していないか、成虫がいないかを確認します。目の細かいクシで梳いてみるのも有効です。
  • 点状出血などの皮膚症状が改善する: 掻き壊しによる湿疹や出血痕などの皮膚症状も、原因である毛ジラミがいなくなることで徐々に改善していきます。

薬剤の使用スケジュールを完了した後、最低でも1〜2週間程度は患部を観察し、再発の兆候がないか確認することが推奨されます。もし再びかゆみが出たり、卵やシラミが見つかったりした場合は、治療が不十分であったか、再感染の可能性があるため、再度治療を行うか医療機関に相談する必要があります。

再感染・再発を防ぐために

毛ジラミ症の治療は、寄生している毛ジラミを全て駆除することを目指しますが、治療が成功しても再感染する可能性があります。再感染・再発を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

  • パートナーの同時治療: 毛ジラミ症の最も一般的な感染経路は性的接触です。自分が治療しても、パートナーが感染したままでは、再び性行為によってうつされてしまいます。パートナーも同時に検査・治療を行うことが、再感染を防ぐ上で最も重要です。パートナーに伝えにくいと感じるかもしれませんが、お互いの健康のために必ず相談し、一緒に治療を進める必要があります。
  • 環境中の徹底的な駆除: 感染源となった可能性のある衣類、下着、寝具、タオルなどを、上記で解説したように熱処理や密閉保管などで徹底的に駆除します。これにより、環境中に残ったシラミや卵から再感染するリスクを減らします。
  • 感染源の特定と対策: 感染源が特定できる場合は、その後の接触について注意が必要です。

毛ジラミ症は恥ずかしい病気ではありません。適切な治療と対策を行えば完治し、再感染も予防できます。一人で悩まず、必要であれば医療機関や保健所に相談することも検討しましょう。

毛ジラミ症に関するよくある質問 (Q&A)

毛ジラミ症について、多くの方が抱く疑問とその回答をまとめました。

毛じらみは放置すると自然治癒しますか?

いいえ、毛ジラミ症は放置しても自然治癒することはありません。毛ジラミはヒトの体から離れると長く生きられませんが、毛に産み付けられた卵は生命力が強く、時間経過と共に孵化して幼虫となり、成虫へと成長して繁殖を繰り返します。そのため、何もしなければ毛ジラミの数は増え続け、症状も悪化していきます。早期に適切な治療薬を使用するか、他の駆除方法を行うことが必要です。

毛ジラミの退治方法は?

毛ジラミの主な退治方法は以下の通りです。

  • 治療薬の使用: 日本ではフェノトリンを有効成分とするシャンプータイプやパウダータイプの薬剤が一般的です。これらの薬剤を、指示された期間と頻度で正しく使用します。
  • 患部の剃毛: 寄生している毛を物理的に全て剃り落とすことも非常に効果的な駆除方法です。
  • 衣類・寝具の熱処理: 毛から落ちたシラミや卵を駆除するために、感染した可能性のある衣類や寝具を55℃以上の熱湯で洗濯したり、高温乾燥機にかけたりします。
  • 目の細かいクシ(梳き櫛)での除去: 補助的な方法として、毛に付着した卵や死んだシラミを梳き櫛でこそぎ落とすことも有効です。

これらの方法を組み合わせて行うことで、より確実に駆除できます。

ケジラミの治療薬は?

日本で一般的に使用されている毛ジラミの治療薬は、主にフェノトリンを有効成分とした薬剤です。これは市販薬として薬局やドラッグストアで購入できます。製品としては、泡立てて使うシャンプータイプと、振りかけて使うパウダータイプがあります。どちらも毛に付着した成虫や幼虫を殺虫する効果がありますが、卵には効果が低いため、孵化サイクルに合わせて数日間隔で複数回使用する必要があります。医療機関でも、これらの成分を含む薬剤が処方されることが一般的です。

毛ジラミは完治しますか?

はい、毛ジラミ症は正しい治療と対策を行えば完治します。治療薬を規定通り使用し、さらに衣類や寝具などの環境対策、そして最も重要なパートナーの同時治療を行うことで、毛ジラミを完全に駆除することができます。治療完了後も数週間は再発の兆候がないか観察し、もし再感染が疑われる場合は再度治療を行うか医療機関に相談しましょう。適切な対応で、多くの場合、毛ジラミ症は克服できます。

毛ジラミの症状をチェックしたい

毛ジラミ症の主な症状は以下の通りです。これらの症状が複数見られる場合は、毛ジラミ症の可能性を疑い、患部を詳しく確認してみましょう。

  • 強いかゆみ: 特に夜間に悪化する、陰部やその周辺の強いかゆみ。
  • 皮膚の症状: かゆみによる掻きむしりの結果、湿疹や小さな傷ができる。
  • 点状の出血痕(青点): 吸血された部位に、針先ほどの青〜紫色の小さな斑点が見られることがある。
  • 黒っぽい付着物: 下着などに、砂粒のような黒っぽい小さな粒(毛ジラミの糞)が付着していることがある。
  • 虫や卵の確認: 注意深く見ると、毛の根元付近に1〜2mm程度のカニのような形をした成虫や、白いゴマのような卵が毛に固く付着しているのが肉眼で確認できることがある。

これらの症状に気づいたら、恥ずかしがらずに適切な対応を取りましょう。

まとめ:毛ジラミ症は正しい治療薬と対策で完治を目指しましょう

毛ジラミ症は、強いかゆみを伴う不快な疾患ですが、適切な毛ジラミ症 治療薬を使用し、自宅での対策を併せて行うことで、十分に完治が可能な病気です。放置すると症状が悪化したり、二次感染を起こしたり、周囲に感染を広げたりするリスクがあるため、早期の対応が重要です。

毛ジラミの治療薬としては、フェノトリンを有効成分とするシャンプータイプやパウダータイプの市販薬が一般的です。これらの薬剤を、卵の孵化サイクルを考慮して数日間隔で複数回使用することが効果的です。薬剤使用と並行して、患部の剃毛や、衣類・寝具の熱処理なども行うことで、より確実に毛ジラミを駆除できます。

最も重要な再発予防策は、パートナーも同時に検査・治療を行うことです。毛ジラミ症は主に性行為で感染するため、パートナーが感染している限り再感染のリスクは避けられません。

もし市販薬で改善が見られない場合や、診断に迷う場合、二次感染を起こしている場合、薬が使えない場合などは、一人で悩まず医療機関を受診してください。皮膚科などで適切な診断と治療を受けることができます。

毛ジラミ症は誰にでも起こりうる疾患であり、治療法も確立されています。正しい知識を持ち、適切な治療薬と対策を実践することで、完治を目指し、安心して快適な生活を取り戻しましょう。

【免責事項】
この記事は毛ジラミ症に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や薬剤を推奨するものではありません。また、医学的なアドバイスや診断を代替するものではありません。症状がある場合や治療に関しては、必ず医師や薬剤師にご相談ください。掲載内容は執筆時点の情報に基づいており、時間経過や医学的知見の更新により変更される可能性があります。この記事によって生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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