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補中益気湯が合わない人とは?特徴・副作用・飲む際の注意点

補中益気湯は、体力や気力が落ち込んだ時に用いられる代表的な漢方薬の一つです。「疲れた」「だるい」「食欲がない」といった、いわゆる「気虚(ききょ)」や「脾虚(ひきょ)」の状態に効果が期待され、多くの人に利用されています。しかし、どんな薬にも言えることですが、全ての人に合うわけではありません。
体質や体の状態によっては、服用しても効果が感じられなかったり、思わぬ副作用が出たりすることもあります。この記事では、補中益気湯が「合わない」と感じる人がどのような特徴を持っているのか、また、服用を避けるべきケースや注意点、そしてもし合わないと感じた場合にどうすれば良いのかについて、詳しく解説します。

目次

補中益気湯が「合わない」と感じる人の特徴

補中益気湯を服用してみて、「どうも自分には合わないようだ」と感じる方もいらっしゃいます。その背景には、体質的な問題や、現在の症状に適していないといった理由が考えられます。

体質的に合わない可能性

漢方医学では、個人の体質や病気の状態を「証(しょう)」という概念で捉え、その「証」に合った漢方薬を選びます。補中益気湯は、主に「虚証(きょしょう)」、すなわち体力がなく、疲れやすく、胃腸が弱いといったタイプの「証」に適しているとされています。

具体的には、顔色が悪く、声に力がない、少し動くだけで疲れる、食が細い、胃もたれしやすい、お腹が張りやすいといった特徴を持つ人に合いやすい傾向があります。

もし、あなたがこうした「虚証」とは異なる体質、例えば「実証(じっしょう)」に近い場合、補中益気湯は合わない可能性があります。「実証」の人は、比較的体力があり、がっちりとした体格で、声も大きく、熱っぽい症状や炎症を起こしやすいといった特徴を持つことが多いです。このようなタイプの方が補中益気湯を服用すると、かえって体に負担がかかり、症状が悪化したり、効果が感じられなかったりすることがあります。

特定の症状がある場合

補中益気湯は、疲労倦怠感や食欲不振など、「気」や「胃腸」の働きが低下していることによる症状に用いられます。しかし、同じような「だるさ」や「食欲不振」であっても、その根本原因が補中益気湯の適応範囲外である場合、効果は期待できません。

例えば、体内に強い炎症や熱がある場合、あるいは激しい痛みがある場合など、体の状態が「実」に傾いているタイプの症状には、補中益気湯は不向きです。このような場合、補中益気湯を服用しても症状は改善せず、「効果がない=合わない」と感じることになります。また、稀にですが、症状によっては補中益気湯が体のバランスをさらに崩してしまう可能性もゼロではありません。

自分の体質や現在の症状が補中益気湯に合っているかどうかは、自己判断が難しい場合が多いです。もし「合わないかも」と感じたら、専門家のアドバイスを求めることが重要です。

服用を「注意・避けるべき」人

補中益気湯は比較的安全性の高い漢方薬とされていますが、体質や既往歴、現在服用している他の薬との関係によっては、服用に注意が必要であったり、服用を避けるべき場合があります。

含まれる成分へのアレルギーがある人(甘草など)

補中益気湯には、黄耆(おうぎ)、人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)、当帰(とうき)、陳皮(ちんぴ)、大棗(たいそう)、升麻(しょうま)、柴胡(さいこ)といった生薬が含まれています。これらの生薬のいずれかに対して過去にアレルギー反応を起こしたことがある人は、補中益気湯の服用を避ける必要があります。

特に注意が必要な生薬の一つに甘草があります。甘草は多くの漢方薬に含まれており、その作用の一つにステロイドのような働きがあります。この作用によって、一部の人に偽アルドステロン症という副作用を引き起こす可能性があります。

特定の疾患・症状がある人(高血圧、むくみ、心臓病、腎臓病など)

偽アルドステロン症は、体内の電解質バランス(特にカリウム)が崩れることで起こる副作用です。甘草を多量に、あるいは長期間服用することでリスクが高まります。症状としては、血圧上昇、むくみ、手足の脱力感やしびれ、筋肉痛(ミオパチー)、頭痛などが現れることがあります。

特に以下のような持病がある方や、なりやすい方は、偽アルドステロン症のリスクが高まる可能性があるため、補中益気湯に含まれる甘草の量や、他の薬との飲み合わせについて、必ず医師や薬剤師に相談してください。

  • 高血圧
  • 心臓病
  • 腎臓病(腎機能障害)
  • むくみやすい体質
  • 高齢者

これらの疾患がある方が補中益気湯を服用する際は、定期的な血圧測定や体調の変化に注意が必要です。

他の漢方薬・薬剤との併用

複数の漢方薬を同時に服用する場合、含まれている生薬成分が重複することがあります。特に甘草は多くの漢方薬に含まれているため、複数の漢方薬を併用することで、甘草の摂取量が過剰になり、偽アルドステロン症のリスクを高める可能性があります。

また、西洋薬の中にも、補中益気湯に含まれる成分と相互作用を起こす可能性のあるものがあります。例えば、甘草は一部の降圧剤や利尿剤、ステロイド剤などとの飲み合わせに注意が必要な場合があります。

現在、他の漢方薬や西洋薬、あるいはサプリメントなどを服用している方は、必ず医師や薬剤師に相談し、飲み合わせに問題がないか確認してから補中益気湯を服用してください。自己判断での併用は避けるようにしましょう。

妊娠中・授乳中の人

妊娠中や授乳中の漢方薬の服用については、一般的に安全性が十分に確立されていない場合があります。一部の生薬には、妊娠に影響を与えたり、母乳中に移行して赤ちゃんに影響を与えたりする可能性が考えられています。

補中益気湯に含まれる生薬についても、妊娠中や授乳中の服用に関する十分なデータがない場合があります。このため、妊娠している可能性のある方、妊娠中の方、授乳中の方は、補中益気湯を服用する前に必ず産婦人科医や漢方に詳しい医師に相談してください。

高齢者・小児

高齢者は、一般的に生理機能が低下しており、薬の代謝や排泄に時間がかかることがあります。そのため、副作用が出やすかったり、効果が強く出すぎたりする可能性があります。また、複数の疾患を抱えていたり、多くの薬を服用していたりする場合も多いため、薬の相互作用のリスクも考慮する必要があります。高齢の方が補中益気湯を服用する際は、少量から始めたり、より慎重な経過観察が必要となる場合がありますので、必ず医師や薬剤師に相談してください。

小児への投与については、大人とは異なる体質や薬への反応を示すことがあります。また、適切な用法・用量が大人とは異なります。補中益気湯は小児にも処方されることがありますが、必ず医師の診断のもと、指示された用法・用量を守って服用させてください。自己判断での服用は避けてください。

補中益気湯の主な副作用と対処法

補中益気湯を服用した際に起こりうる副作用について知っておくことは、安心して服用するために重要です。万が一副作用が出た場合も、慌てず適切に対処することができます。

副作用の種類(胃部不快感、発疹、偽アルドステロン症など)

補中益気湯の服用で報告されている主な副作用には、比較的軽度なものから注意が必要なものまであります。

比較的よく見られる副作用:

  • 胃部不快感、吐き気、食欲不振: 生薬の味や香りが合わなかったり、胃腸の弱い人が服用した場合に起こることがあります。
  • 発疹、かゆみ: 体質に合わない、またはアレルギー反応として皮膚症状が出ることがあります。

注意が必要な副作用:

  • 偽アルドステロン症: 前述の通り、甘草の過剰摂取や体質により、血圧上昇、むくみ、手足の脱力感、しびれ、筋肉痛(ミオパチー)などが起こることがあります。
  • ミオパチー: 偽アルドステロン症の一症状として、あるいは単独で、手足の筋肉痛、脱力感、こわばり感などが現れることがあります。
  • 肝機能障害、黄疸: 稀に、全身のだるさ、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、尿の色が濃くなるなどの症状とともに、肝機能を示す数値(AST, ALTなど)が上昇することがあります。

副作用の出現頻度は低いとされていますが、どのような症状があるかを知っておくことは重要です。以下に主な副作用をまとめました。

副作用の種類 主な症状 起こりうるリスク
胃部不快感、吐き気 胃が重い、ムカムカする、食欲がなくなる 比較的まれ
発疹、かゆみ 皮膚に赤いぶつぶつができる、かゆみを感じる 比較的まれ
偽アルドステロン症 血圧上昇、むくみ(顔や手足)、手足のしびれ、筋肉痛、だるさ、尿量減少 まれ
ミオパチー 手足の脱力感、筋肉痛、こわばり感 まれ(偽アルドステロン症に伴うことが多い)
肝機能障害、黄疸 全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目の黄染、褐色尿 ごくまれ

副作用が出た場合の対応

もし補中益気湯を服用中に上記のような副作用と思われる症状が現れた場合は、以下の対応をとってください。

  1. 直ちに服用を中止する: 症状が軽度であっても、まずは服用を中止してください。
  2. 専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談する: 服用を中止した後、早めに購入した薬局や処方を受けた医療機関に相談してください。いつから、どのような症状が出ているのか、他に服用している薬はないかなどを正確に伝えましょう。
  3. 特に注意が必要な症状: 血圧上昇、むくみがひどい、手足に力が入らない、ひどい筋肉痛がある、皮膚や白目が黄色い、尿の色が濃いなどの症状が出た場合は、重大な副作用の可能性があるため、自己判断せず、直ちに医療機関を受診してください。

副作用の多くは服用を中止することで改善しますが、自己判断は危険です。必ず専門家の指示を仰ぐようにしましょう。

補中益気湯を飲んでも「効果が出ない」場合

補中益気湯を飲んでいるのに、期待する効果が得られないと感じることもあります。「合わない」と感じる理由の一つとして、この「効果がない」という状況が挙げられます。効果が出ない背景には、いくつかの要因が考えられます。

体質や症状に合っていない可能性

前述の通り、補中益気湯は主に体力がなく、疲れやすく、胃腸が弱い「虚証」の人に適しています。もしあなたの体質がこれに当てはまらない場合、例えば比較的体力があり、がっちりしている「実証」タイプであったり、疲労感の原因が「気虚」ではなく、体内の「熱」や「湿(余分な水分)」がこもっていることによるものであったりする場合、補中益気湯を服用しても効果は期待できません。

漢方薬の効果は、その人の「証」に合っているかどうかに大きく左右されます。補中益気湯を飲んでも効果が出ない場合、そもそもあなたの体質や現在の症状に対して、補中益気湯という選択肢が適切ではない可能性が考えられます。

服用期間が短い

漢方薬は、一般的に効果が出るまでに西洋薬よりも時間がかかる場合があります。特に、体質改善を目的とする場合や、慢性的な症状に対して服用する場合、数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。

補中益気湯も例外ではありません。服用を始めてすぐに劇的な効果を感じられないからといって、「効果がない」「合わない」と判断してしまうのは時期尚早かもしれません。症状の程度や個人の体質にもよりますが、ある程度の期間(例えば数週間〜1ヶ月程度)は継続して服用してみる必要がある場合が多いです。ただし、自己判断で漫然と長期間服用するのではなく、専門家と相談しながら服用期間を決めることが重要です。

誤った服用方法

補中益気湯の効果を最大限に引き出すためには、添付文書に記載されている正しい用法・用量を守ることが重要です。

  • 服用量: 指示された量よりも少なく服用している場合、十分な効果が得られない可能性があります。逆に多すぎても効果が増すわけではなく、副作用のリスクを高めるだけです。
  • 服用タイミング: 一般的に、漢方薬は食前(食事の約30分〜1時間前)や食間(食事と食事の間で、食後約2時間後)に服用することが推奨されています。これは、胃の中に食物がない空腹時に服用することで、生薬成分の吸収が良くなると考えられているためです。食直後や食前に飲むのを忘れて食後に服用している場合など、服用タイミングが適切でないと効果が十分に得られないことがあります。
  • 服用方法: 水またはぬるま湯で服用するのが基本です。お茶やジュースなどで服用すると、成分の吸収に影響したり、相互作用を起こしたりする可能性もゼロではありません。

正しい服用方法を守っているか、今一度確認してみましょう。

他の原因による症状

疲労感や倦怠感、食欲不振といった症状は、様々な原因で起こり得ます。例えば、睡眠不足や過労といった生活習慣の乱れだけでなく、貧血、甲状腺機能の異常、糖尿病、あるいはうつ病などの精神的な疾患が原因で起こることもあります。

補中益気湯は、あくまで「気虚」や「脾虚」による症状に対して効果が期待される漢方薬です。もし、あなたの症状がこれらの根本原因とは異なる、別の病気によるものである場合、補中益気湯を服用しても効果は得られません。

補中益気湯をしばらく服用しても効果が感じられない場合は、安易に「合わない」と諦めるのではなく、そもそも症状の原因は何なのかを詳しく調べてもらうために、医療機関を受診することを検討してください。

補中益気湯が合わない・効果がない場合の相談先

補中益気湯を服用してみて「合わないかも」「効果がない」と感じた場合、あるいは服用を開始する前に不安がある場合は、自己判断せず必ず専門家に相談しましょう。適切なアドバイスを得ることで、より安全に、効果的に漢方薬を活用することができます。

医師(特に漢方に詳しい医師)

最も推奨される相談先は医師です。特に漢方に詳しい医師であれば、あなたの体質や現在の症状を漢方医学的な視点と西洋医学的な視点の両方から総合的に判断し、補中益気湯が適切かどうか、あるいは他の漢方薬や治療法の方が適しているかを判断してくれます。

医師に相談することのメリットは以下の通りです。

  • 正確な診断: 疲労や不調の原因が、単なる体質的なものなのか、それとも他の疾患によるものなのかを診断できます。
  • 最適な漢方薬の選択: あなたの「証」に合った、最も効果が期待できる漢方薬を選んでくれます。補中益気湯が合わない場合でも、他の適切な漢方薬を提案してもらえます。
  • 他の疾患との関連性の考慮: 服用中の他の薬や持病との飲み合わせ、副作用のリスクなどを考慮した上で、安全な処方をしてくれます。
  • 保険適用: 医療機関で医師に処方してもらった漢方薬は、保険が適用される場合があります。

もし、かかりつけ医が漢方に詳しくない場合は、漢方専門医を探すか、大学病院の漢方外来などを受診することも検討してみましょう。

薬剤師・登録販売者

薬局やドラッグストアで市販の補中益気湯を購入する場合、薬剤師や登録販売者に相談することができます。

薬剤師や登録販売者は、薬の専門家として以下の点で相談に乗ってくれます。

  • 薬の選択のアドバイス: あなたの現在の症状や体質を聞き、市販されている補中益気湯が適しているか、他の漢方薬の方が良いかなど、薬の選択について一般的なアドバイスをしてくれます。
  • 服用方法の確認: 正しい用法・用量や服用タイミングについて確認できます。
  • 飲み合わせの確認: 現在服用している他の市販薬やサプリメントとの飲み合わせについて確認できます。
  • 副作用に関する情報提供: 起こりうる副作用やその際の対処法について説明してくれます。
  • 受診勧奨: 症状が重い場合や、他の疾患の可能性が疑われる場合は、医療機関の受診を勧めてくれます。

ただし、薬剤師や登録販売者は「診断」を行うことはできません。根本的な体質診断や、他の疾患の可能性の判断、処方薬との飲み合わせなど、より詳細な判断が必要な場合は、医師に相談することが必要です。

薬局で購入する際も、ただ購入するだけでなく、ぜひ薬剤師や登録販売者に現在の体調や気になる症状、服用中の他の薬などを詳しく伝えて相談してみてください。

補中益気湯が合う人の特徴・期待できる効果

ここまで補中益気湯が合わない人や注意点について解説してきましたが、逆に補中益気湯が合う人とはどのような特徴を持ち、どのような効果が期待できるのでしょうか。

体力虚弱で疲労倦怠感がある人

補中益気湯が最も適しているとされるのは、「気虚(ききょ)」の状態にある人です。「気」とは、体を動かすエネルギーや生命力のようなものです。気虚の状態になると、以下のような症状が現れます。

  • 全身の疲労感、だるさ: 少し動いただけでも疲れやすく、休息しても疲れが取れにくい。
  • 気力・意欲の低下: 何をするにもおっくうで、やる気が出ない。
  • 声に力がない、話し方がおっとりしている: 声量が小さく、長い時間話すのが疲れる。
  • 顔色が悪く、ツヤがない: 青白い、黄ぐすみがあるなど。
  • 息切れ: 少し階段を上るだけで息が切れる。
  • 風邪をひきやすい: 免疫力が低下し、感染症にかかりやすい。

これらの症状が慢性的に続いているような、体力や気力が全般的に低下している人に、補中益気湯は「気を補う」効果が期待できます。

病後の回復期、胃腸機能低下

補中益気湯は、「中(胃腸)」を「補い」、「気」を「益す(増やす)」という名前の通り、胃腸の働きを助け、そこからエネルギーを作り出す力を高める効果も期待できます。

以下のような状態にある人に適しています。

  • 病気や手術後の回復期: 大きな病気や手術の後などで体力が著しく落ち、食欲がなく、だるさが続いている場合。
  • 胃腸の機能が低下している: 食欲不振、胃もたれ、お腹の張り、軟便・下痢といった胃腸の不調があり、それが原因で全身のだるさや栄養不足につながっている場合。

胃腸の働きが整うことで、食べたものからしっかりとエネルギーを作り出せるようになり、結果として全身の疲労感が改善されることが期待できます。

自律神経の乱れや更年期症状への間接的な効果

補中益気湯は、直接的に自律神経を調整したり、更年期症状を治療したりする薬ではありません。しかし、疲労や気力の低下といった「気虚」の状態は、自律神経のバランスを崩したり、更年期に伴う様々な不調(ホットフラッシュ、めまい、動悸、精神的な不安定さなど)を悪化させる要因となり得ます。

補中益気湯で体力を補い、疲労感を改善することで、結果的に自律神経のバランスが整いやすくなったり、更年期に伴う不定愁訴が軽減されたりする可能性が考えられます。あくまで間接的な効果であり、これらの症状に対する主要な治療薬として用いる場合は、他の漢方薬や治療法と組み合わせて使用されることが多いです。

このように、補中益気湯は「気虚」や「脾虚」の状態にある人に有効な漢方薬です。しかし、同じような症状でも原因や体質は人それぞれ異なるため、自分に合っているかどうかは専門家と相談の上で判断することが最も安全で効果的な方法です。

まとめ:合わない場合は自己判断せず専門家へ相談を

補中益気湯は、疲労倦怠感や食欲不振など、体力や気力の低下を改善する目的で広く用いられている漢方薬です。しかし、どんな薬にも言えることですが、全ての人に合うわけではありません。

  • あなたの体質(証)が補中益気湯の適応と異なる場合、効果が感じられなかったり、かえって体に合わないと感じたりすることがあります。
  • 特定の持病(高血圧、心臓病、腎臓病など)がある方や、妊娠・授乳中の方、高齢者、小児は、服用に注意が必要な場合があります。特に、含まれる甘草による偽アルドステロン症などの副作用のリスクを考慮する必要があります。
  • 他の漢方薬や西洋薬、サプリメントなど、服用中の薬との飲み合わせにも注意が必要です。
  • 服用中に胃部不快感、発疹といった比較的軽度な副作用や、血圧上昇、むくみ、手足の脱力感といった注意が必要な副作用が出た場合は、すぐに服用を中止し、専門家に相談してください。
  • しばらく服用しても効果が感じられない場合は、体質に合っていない、服用期間が短い、服用方法が誤っている、あるいは症状の原因が補中益気湯では対応できない別の疾患である、といった可能性が考えられます。

補中益気湯を安全に、そして効果的に活用するためには、自己判断せず、必ず専門家(医師、特に漢方に詳しい医師や、薬剤師、登録販売者)に相談することが最も重要です。あなたの体質や症状を正確に把握してもらい、補中益気湯が適切かどうか、適切な服用方法、他の選択肢などについてアドバイスを受けましょう。

この記事は情報提供を目的としており、医学的な判断や治療の代替となるものではありません。個別の症状や治療については、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。

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