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ADHD診断テスト50問完全版|自分で簡単セルフチェック

「もしかしてADHDかもしれない」「自分の特性について詳しく知りたい」
そうお考えなら、まずはADHDの傾向を自己チェックできる診断テストを受けてみるのがおすすめです。ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、不注意、多動性、衝動性といった特性を持つ発達障害の一つです。これらの特性は、子どもの頃だけでなく、大人になってからも日常生活や仕事において様々な困難を引き起こすことがあります。しかし、「自分はADHDではないか」と一人で悩んでいる方も少なくありません。

このページでは、ADHDの傾向を自己チェックできる無料の診断テスト(50問)をご紹介します。このテストは医学的な診断を行うものではありませんが、ご自身の特性の傾向を客観的に把握する上での一つの手がかりとなります。テストの内容や結果の見方、そしてADHDの診断基準や専門家への相談についても詳しく解説します。まずは気軽にテストに挑戦し、ご自身の傾向を確認してみましょう。

目次

ADHD診断テスト(50問)とは?

ADHD診断テスト(50問)は、ADHDの主要な特性である「不注意」「多動性」「衝動性」に関する質問に答えることで、それらの特性がどの程度当てはまるかを自己評価するためのツールです。これは、専門家による正式な診断に代わるものではありませんが、ご自身の傾向を知る上で有効な出発点となります。

テストでわかること(自己診断・傾向確認)

このテストでわかるのは、あくまで「ADHDの特性の傾向」です。具体的には、以下のような点について自己評価を通じて気づきを得ることができます。

  • 不注意傾向の度合い: 物事に集中し続けられるか、忘れ物やミスが多いか、指示を最後まで聞けるか、といった点。
  • 多動性傾向の度合い: 落ち着きのなさ、じっとしていることの困難さ、過剰な活動性、といった点。
  • 衝動性傾向の度合い: 順番を待つのが苦手か、衝動的に行動しやすいか、発言を抑えられないか、といった点。

これらの傾向を知ることで、「なぜ自分はこのような行動を取るのか」「なぜ特定の状況で困難を感じるのか」といった疑問に対する一つのヒントが得られる可能性があります。しかし、テスト結果だけで「あなたはADHDだ」と確定できるわけではありません。これは自己理解を深めるための最初のステップとして捉えることが重要です。

50問の内容:不注意・多動性・衝動性について

診断テストの50問は、日常生活や社会生活における様々な場面での行動や感じ方に関する質問で構成されています。これらの質問は、ADHDの診断基準で用いられる特性に基づいています。

例えば、

  • 不注意に関する質問: 「締め切りを守るのが難しい」
    ・「細かい作業でミスが多い」
    ・「話を聞いている途中で集中が途切れる」
    ・「忘れ物が多い」など、注意を維持することや物事を整理することの困難さに関連する項目が含まれます。
  • 多動性に関する質問: 「会議中や授業中に座っているのがつらい」
    ・「じっとしていると落ち着かない」
    ・「貧乏ゆすりなどをしてしまう」
    ・「過度に喋りすぎる」など、静止していることの困難さや過剰な活動性に関連する項目が含まれます。
  • 衝動性に関する質問: 「順番を待つのが苦手で割り込んでしまう」
    ・「衝動的に買い物をして後で後悔する」
    ・「思ったことをすぐに口にしてしまう」
    ・「危険な行動を取りやすい」など、考える前に衝動的に行動してしまう傾向に関連する項目が含まれます。

これらの質問に「全く当てはまらない」から「非常によく当てはまる」までの段階で回答することで、各特性の傾向を数値化して把握できるようになっています。

【無料】ADHD診断テスト(50問)を始める

ご自身のADHD傾向を自己チェックしたい方は、以下のリンクから無料診断テスト(50問)を始めることができます。(※ここではテスト自体は提供できませんので、架空のテストを受ける前提で解説を進めます。)

(※ここにテストへのリンクや埋め込みを配置することを想定)

テストはウェブ上で簡単に行うことができ、特別な準備は必要ありません。リラックスできる環境で、ご自身の普段の行動を振り返りながら回答してみましょう。

テストを受ける前の注意点

診断テストを受ける前に、以下の点にご留意ください。

  • 医学的な診断ではありません: このテストはあくまで自己評価のためのツールであり、専門家による医学的な診断に代わるものではありません。テスト結果だけでADHDであると決めつけたり、逆に否定したりしないようにしましょう。
  • 正直に回答しましょう: 結果を良く見せようとしたり、逆に悪く見せようとしたりせず、ご自身の普段の行動や感じ方に最も近い選択肢を選んでください。正直な回答が、より正確な傾向の把握につながります。
  • リラックスできる環境で: テストに集中できる、落ち着いた環境で受けることをお勧めします。時間に追われたり、周囲に邪魔されたりする状況は避けましょう。
  • 現在の状況を反映しています: テストの質問は現在のあなたの状態に基づいています。体調や置かれている状況によって結果が変動する可能性もあります。

これらの注意点を踏まえ、テストに取り組んでみてください。

ADHD診断テスト(50問)の結果の見方

テストが完了すると、不注意、多動性、衝動性の各項目について、それぞれスコアが表示されることが一般的です。このスコアは、それぞれの特性があなたにどの程度当てはまるかを示しています。

スコア別に見る傾向

テストによってスコアの算出方法や基準は異なりますが、一般的には以下のような傾向として解釈されます。

スコアの範囲 傾向 解釈のポイント
低い ADHDの不注意、多動性、衝動性といった特性は比較的少ない傾向にあります。 日常生活でこれらの特性による困難は少ないと考えられます。
中程度 ADHDの特定の特性が一部当てはまる可能性があります。 特性による困難を感じる場面があるかもしれません。他の要因も考慮が必要です。
高い ADHDの不注意、多動性、衝動性といった特性が強く当てはまる傾向にあります。 日常生活や仕事でこれらの特性による困難を感じやすい可能性があります。専門家への相談を検討することをお勧めします。

重要なのは、スコアが高いからといって直ちにADHDと診断されるわけではないということです。テスト結果は、あくまでご自身の特性に対する「気づき」や「傾向の把握」のためのものです。

結果が高かった場合

テスト結果でスコアが高かった場合、ADHDの特性が比較的強く当てはまる可能性が示唆されます。この結果を受けて、「やはりそうだったのか」と安心する方もいれば、逆に「どうしよう」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

もしテスト結果が高く、かつ日常生活や仕事においてADHDの特性に起因すると思われる困難(例えば、重要な仕事をやり遂げられない、人間関係でトラブルが多い、計画通りに物事が進められないなど)を実際に感じているのであれば、専門家への相談を検討する良い機会かもしれません。

結果が高かった場合に考えられること:
ADHDの特性が強く出ている: 不注意や多動性、衝動性といった特性が、あなたの行動や考え方に影響を与えている可能性があります。
特性による困難に直面している: これらの特性が原因で、学業、仕事、対人関係、日常生活の管理などで問題を抱えているかもしれません。
他の要因が影響している可能性: ストレス、睡眠不足、他の精神的な問題(うつ病や不安障害など)が、ADHDのような症状を引き起こしている場合もあります。テスト結果だけで決めつけず、様々な可能性を考慮することが大切です。

テスト結果はあくまで始まりです。もしご自身の特性や困難についてさらに深く知りたい、あるいは具体的な対策や支援を必要としていると感じるならば、次のステップとして専門機関への相談を強くお勧めします。

大人のADHDの特徴と診断基準

ADHDは、子どもの頃に診断されるイメージが強いかもしれませんが、特性は大人になっても持続することが一般的です。大人のADHDは、子どもとは異なる形で現れることがあります。

大人のADHDの主な症状(不注意・多動性・衝動性)

大人のADHDの症状は、子どもの頃と比べて多動性が目立たなくなる一方、不注意や衝動性が日常生活の様々な場面で問題を引き起こしやすい傾向があります。以下に、それぞれの主な症状の例を挙げます。

特性 大人のADHDにおける具体的な症状例
不注意 ・会議や会話に集中できない、上の空になりやすい
・細部への注意が行き届かず、ケアレスミスが多い
・整理整頓が苦手で、物をなくしやすい
・やるべきことの優先順位付けや段取りが難しい
・締め切りを守るのが苦手
・退屈な作業を継続するのが困難
・指示を聞き漏らす、または指示通りに行動できない
多動性 ・会議中やデスクワーク中にそわそわする、落ち着きがない
・長時間座っているのがつらい、頻繁に立ち歩く
・貧乏ゆすりや手遊びなどの多動が見られる
・過度に活動的で、休息を取るのが苦手
衝動性 ・思ったことをすぐに口にしてしまい、人間関係でトラブルになる
・衝動的に買い物をして後で後悔する
・順番待ちが極端に苦手で、割り込んでしまう
・衝動的に転職や引っ越しをする
・危険を顧みずに行動しやすい
・金銭管理が苦手

これらの症状は、誰にでも一時的に見られることがありますが、ADHDの場合は、子どもの頃から持続的に見られ複数の場所(家庭、職場、学校など)で生活に重大な支障をきたしているという点が重要です。

DSM-5による診断基準の概要

ADHDの診断は、国際的に広く用いられている診断基準に基づいて専門医が行います。現在主流となっているのは、アメリカ精神医学会が発行する「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」です。

DSM-5におけるADHDの診断基準の概要は以下の通りです。

  1. 不注意の症状: 以下の9つの症状のうち、6つ以上(17歳以上では5つ以上)が6ヶ月以上持続し、発達レベルに不相応で、社会生活や学業・職業生活に直接的に悪影響を与えている。
    • 細部に注意を払えない、ケアレスミスをする
    • 活動中に注意を持続するのが難しい
    • 話を直接聞かれていないように見える
    • 指示に従えず、課題を最後までやり遂げられない
    • 課題や活動を整理するのが難しい
    • 精神的な努力を要する課題を嫌がったり避けたりする
    • 物をなくしやすい
    • 外部の刺激で気が散りやすい
    • 日々の活動を忘れっぽい
  2. 多動性・衝動性の症状: 以下の9つの症状のうち、6つ以上(17歳以上では5つ以上)が6ヶ月以上持続し、発達レベルに不相応で、社会生活や学業・職業生活に直接的に悪影響を与えている。
    • 手足をもじもじさせる、座っている時にそわそわする
    • 席を離れるべきでない時に席を離れる
    • 走り回ったりよじ登ったりする(大人では落ち着きのなさとして現れる)
    • 静かに遊んだり活動したりするのが難しい
    • 「エンジンがついているかのように」活動的、駆り立てられるように感じる
    • 過度に喋る
    • 質問が終わる前に答えてしまう
    • 順番を待つのが難しい
    • 他人を邪魔したり、押し付けがましかったりする
  3. いくつかの不注意または多動性・衝動性の症状が12歳になる前から存在していた
  4. いくつかの症状が2つ以上の状況(例:家庭、学校/職場、友人関係、活動中など)で見られる
  5. これらの症状が、社会、学業、職業機能において臨床的に意味のある障害を引き起こしている
  6. これらの症状が、他の精神疾患(例:統合失調症、他の精神病性障害、気分障害、不安障害、解離性障害、パーソナリティ障害など)によってよりよく説明されない

専門医は、これらの基準に加え、本人や家族からの情報、生育歴、他の発達検査や心理検査の結果などを総合的に判断して診断を下します。自己診断テストは、あくまでこの診断基準にある特性の傾向を測るものであり、上記すべての条件を満たすかどうかは専門医でなければ判断できません。

子供のADHDとの違い

ADHDの特性は生涯にわたって持続することが多いですが、その現れ方は年齢とともに変化します。

特徴 子供のADHD 大人のADHD
多動性 走り回る、飛び跳ねるなど、身体的な多動性が目立ちやすい。 身体的な多動性は減少し、落ち着きのなさ、そわそわするといった内的な多動性になることが多い。
不注意 授業中にぼーっとしている、忘れ物が多い、宿題ができないなどが問題になりやすい。 仕事の段取りが悪い、締め切りが守れない、重要な書類をなくす、会議に集中できないなどが問題になりやすい。
衝動性 順番待ちができない、友達を叩いてしまうなど、対人関係での衝動性が目立ちやすい。 衝動買い、衝動的な転職、思ったことをすぐに口にしてしまう、金銭管理が苦手などが問題になりやすい。
社会生活 学校での学習や集団行動での適応に課題が出やすい。 仕事での評価、対人関係、家庭生活、金銭管理など、より複雑な社会生活での適応に課題が出やすい。
自己認識 周囲から「落ち着きがない子」「困った子」と見られがちだが、自己認識は低いことも。 自身の特性による困難を自覚し、「なぜ自分はこうなんだろう」と悩んでいることが多い。うつ病や不安障害を合併しやすい。

大人のADHDでは、不注意による仕事上のミスや、衝動性による人間関係のトラブル、金銭問題などが生活上の大きな困難となることがあります。また、自身の特性を理解できず、自己肯定感が低下したり、うつ病や不安障害などの二次的な精神疾患を合併したりすることも少なくありません。

ADHDとIQ、職業適性について(関連質問より)

「ADHDだとIQが低いのではないか?」「どんな仕事が向いているの?」といった疑問を持たれる方がいますが、ADHDであることと知能指数(IQ)の高さは直接的な関連はありません。ADHDの特性を持つ人の中にも、高いIQを持つ人は多くいます。

ADHDの特性は、集中力を持続させることや物事を計画的に進めることを困難にすることがありますが、同時に「興味のあることには驚異的な集中力を発揮する」「発想が豊か」「行動力がある」「困難な状況でも粘り強い」といった強みを持っていることもあります。

職業適性についても、ADHDだからといって特定の職業に就けないということはありません。むしろ、自身の特性を理解し、強みを活かせる環境や働き方を選ぶことが重要です。例えば、

  • 不注意傾向が強い場合: ルーチンワークよりも変化や刺激のある仕事、複数のタスクを並行して行うよりも一つのことに集中できる環境、締め切りやタスク管理のサポートがある環境などが向いている場合があります。
  • 多動性・衝動性傾向が強い場合: デスクワークよりも体を動かす仕事、ルーチンワークよりも新しいことに挑戦できる仕事、発想力や行動力が活かせる仕事などが向いている場合があります。

重要なのは、ご自身の特性を理解した上で、苦手な部分を補う工夫(環境調整、ツールの活用、周囲のサポートなど)を行いながら、強みを活かせる働き方を見つけることです。

ADHDと他の発達障害(ASDなど)との関連性

ADHDは、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)、協調運動障害(DCD)など、他の発達障害と合併しやすいことが知られています。特にASDとは共通する特性も多いため、併存している場合や、どちらの特性がより強く出ているかによって診断名が変わることもあります。

  • ASD(自閉スペクトラム症): 社会的なコミュニケーションや対人関係の困難、限定された興味やこだわり、感覚過敏・鈍麻といった特性を持ちます。ADHDとは「不注意」「衝動性」といった部分で重なることもありますが、ASDは対人関係の質的な問題限定された興味に特徴があり、ADHDは不注意・多動性・衝動性に特徴があります。併存する場合もあります(ADHDとASDの両方の診断がつく)。
  • LD(学習障害): 聞く、話す、読む、書く、計算するなど、特定の学習能力に著しい困難がある発達障害です。ADHDの不注意が学習に影響することもありますが、LDは知的な遅れがないにも関わらず特定の学習分野が苦手という点が特徴です。ADHDとLDを併存している人も多くいます。

発達障害の特性は一人ひとり異なり、これらの特性が複雑に絡み合っている場合も多いため、正確な診断には専門医による詳細な評価が必要です。自己診断テストの結果だけで安易に判断せず、気になる場合は専門家へ相談しましょう。

ADHD診断テストはあくまで自己判断の目安です

繰り返しになりますが、このADHD診断テスト(50問)は、あくまでご自身の特性傾向を把握するための自己判断の目安です。テスト結果が高かったからといって、あなたが必ずしもADHDであると確定するわけではありません。

テスト結果だけで確定診断はできません

ADHDの診断は、DSM-5などの診断基準に基づき、精神科医や心療内科医、児童精神科医などの専門医が総合的に判断して行います。診断にあたっては、以下のような様々な要素が考慮されます。

  • 詳細な問診: 現在の困りごと、生育歴、学業・職歴、家族関係などについて詳しく聞き取ります。
  • 家族からの情報: 可能であれば、親や配偶者など、あなたのことをよく知る人からの情報も診断の参考になります。
  • 幼少期の記録: 母子手帳、通知表、保育園や学校の記録など、子どもの頃の様子がわかる資料が診断の助けになることがあります。
  • 心理検査: 知能検査(例:WAIS-IV)、ADHDに特化した質問紙(例:ASRS、CAARSなど)、注意機能検査などを行うことがあります。
  • 他の可能性の検討: うつ病、不安障害、双極性障害、パーソナリティ障害など、ADHDと似た症状を示す他の精神疾患の可能性を除外します。

このように、専門医による診断は、多角的な視点から慎重に進められます。自己診断テストの結果は、あくまで「専門家への相談を検討するきっかけ」として捉えるべきです。

正確な診断と相談は専門機関で

もしADHDの特性についてさらに詳しく知りたい、日常生活や仕事での困難に対するサポートが必要だと感じているならば、迷わず専門機関に相談しましょう。

専門機関の種類(精神科・心療内科・発達障害者支援センター)

大人のADHDについて相談できる専門機関にはいくつかの種類があります。ご自身の状況や目的に合わせて適切な機関を選びましょう。

専門機関の種類 特徴 どのような場合に相談するか
精神科・心療内科 ADHDを含む精神疾患全般の診断・治療を行います。医師による医学的な診断や薬物療法を希望する場合に適しています。 診断を受けたい、薬物療法を検討したい、うつ病や不安障害など他の精神的な問題を合併している。
発達障害者支援センター 発達障害のある方やその家族からの相談に応じ、様々な支援機関との連携や情報提供、セミナー開催などを行います。医療機関ではありません。 診断はついていないが特性について相談したい、利用できる支援制度を知りたい、医療機関以外でのサポートを希望する。
精神保健福祉センター 各都道府県・政令指定都市に設置されており、精神保健福祉に関する相談や情報提供、デイケアなどを行っています。発達障害に関する相談窓口を設けている場合もあります。 どこに相談したら良いかわからない、公的な支援について知りたい、家族のことで相談したい。
就労移行支援事業所など 発達障害のある方の就労に関するサポートを行います。医療機関ではありません。 仕事探しや職場での困りごとについて具体的なサポートを受けたい。

まずは、ADHDの診断を行っている精神科や心療内科を探すのが一般的です。事前に電話やウェブサイトで「大人のADHDの診断を行っているか」「初診予約の方法」などを確認しておくとスムーズです。発達障害者支援センターは、診断を受けていない段階でも相談できるため、まずは気軽に話を聞いてほしいという場合に良いでしょう。

専門医による診察・診断プロセス

専門医によるADHDの診断プロセスは、一般的に以下のような流れで進みます。

  1. 予約: 多くの医療機関では予約が必要です。初診は予約が取りにくい場合もあるため、早めに連絡しましょう。
  2. 予診票の記入: 受診前に予診票(問診票)への記入を求められることがほとんどです。現在の困りごと、生育歴、家族歴などを詳しく記入します。
  3. 医師による問診: 予診票の内容に基づき、医師が現在の症状、困りごとの具体的な内容、それがいつ頃から現れているか、仕事や日常生活への影響などを詳しく聞き取ります。幼少期の様子がわかる記録(母子手帳、通知表など)を持参すると、診断の参考になる場合があります。
  4. 心理検査など: 必要に応じて、知能検査やADHDの特性を評価するための質問紙、注意機能検査などが行われます。これらの検査は診断を補うためのものであり、検査結果だけで診断が決まるわけではありません。
  5. 診断: 問診や検査の結果、幼少期の情報などを総合的に判断し、医師が診断を下します。診断が確定しない場合や、他の可能性を考慮する必要がある場合は、さらに詳しい検査や専門機関への紹介が行われることもあります。
  6. 診断結果の説明と今後の治療方針の相談: 診断名や特性について医師から説明を受けます。診断が確定した場合は、今後の治療や支援について話し合います。

診断プロセスは数回の受診にわたることもあります。疑問や不安な点は、遠慮なく医師に質問しましょう。

診断後の治療や支援について

ADHDと診断された場合、特性による困難を軽減し、より快適に生活できるよう、様々な治療や支援が提供されます。

  • 薬物療法: ADHDの主要な症状(不注意、多動性、衝動性)を軽減する効果が期待できる薬があります。主に、脳内の神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリン)の働きを調整する薬が用いられます。薬物療法は効果が期待できる一方で、副作用の可能性もあるため、医師とよく相談しながら、ご自身に合った薬の種類や量を見つけていくことが重要です。
  • 精神療法(心理療法):
    • 認知行動療法(CBT): ADHDの特性からくる考え方や行動パターンを修正し、より適応的な対処法を身につけることを目指します。衝動性のコントロール、計画性の向上、ストレス対処などに有効です。
    • ペアレントトレーニング(大人向け): ADHDの特性を持つ方が、ご自身の特性を理解し、パートナーや家族とのコミュニケーションを円滑にするためのスキルを学ぶプログラムです。
    • アサーショントレーニング: 自分の意見や感情を適切に表現するスキルを身につけ、対人関係を改善することを目指します。
  • 環境調整: 生活環境や職場環境を、ADHDの特性に配慮した形で整えることで、困りごとを軽減する方法です。例えば、集中できる作業スペースの確保、視覚的な情報を増やす(ToDoリストの貼り出しなど)、タスクを細分化して取り組む、片付けやすい収納方法を取り入れる、など様々な工夫があります。
  • ソーシャルスキルトレーニング(SST): 対人関係における適切なコミュニケーションスキルや問題解決スキルを身につけるためのトレーニングです。
  • 支援制度の活用: 発達障害のある方が利用できる様々な支援制度があります。
    • 自立支援医療(精神通院医療): 精神疾患の治療のために医療機関へ通院する場合の医療費の自己負担額を軽減する制度です。
    • 精神障害者保健福祉手帳: 一定程度の精神障害の状態にある方に交付される手帳です。この手帳があると、税金の控除や公共料金の割引など、様々なサービスを利用できる場合があります。
    • 障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳含む)による雇用: 障害者雇用枠での就職を検討することができます。
    • 就労移行支援事業所: 一般企業への就職を目指す障害のある方をサポートする福祉サービスです。
    • 発達障害者支援センター: 発達障害に関する相談や情報提供、関係機関との連携支援などを行います。

これらの治療や支援を組み合わせることで、ADHDの特性と上手に付き合いながら、より充実した生活を送ることが可能になります。診断は、これらのサポートへのアクセスを開く重要な第一歩となります。

【まとめ】ADHDの傾向を知る第一歩としてテストを活用し、必要なら専門家へ相談を

ADHDの診断テスト(50問)は、ご自身の不注意、多動性、衝動性といった特性の傾向を知るための便利なツールです。「もしかして…」という漠然とした不安や疑問に対し、具体的な気づきを与えてくれます。まずは気軽にテストに挑戦し、ご自身の特性について理解を深めることから始めてみましょう。

しかし、このテスト結果はあくまで自己判断の目安であり、医学的な確定診断ではありません。テスト結果が高かった場合や、日常生活や仕事でADHDの特性による困難を強く感じている場合は、一人で抱え込まず、必ず専門の医療機関(精神科や心療内科など)や発達障害者支援センターといった専門機関に相談してください。

専門医による正確な診断を受けることで、ご自身の特性をより深く理解し、適切な治療法や具体的な支援へと繋がることができます。ADHDの特性を理解し、適切なサポートを受けることは、生活の質を向上させ、可能性を広げることに繋がります。

ADHDの特性は、単に「できないこと」だけでなく、創造性や行動力といった「強み」にもなり得ます。自身の特性を理解し、工夫やサポートを取り入れながら、あなたらしい生き方を見つけていくための一歩として、この診断テストを活用し、必要に応じて専門家へ相談することを強くお勧めします。


免責事項
本記事に掲載されているADHD診断テストに関する情報は、一般的な知識を提供するものであり、医学的な診断や助言に代わるものではありません。ご自身の状態についてご心配な場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。本記事の情報に基づいて行われたいかなる行為についても、当方では責任を負いかねます。

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