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精液検査とは?流れや結果の見方を徹底解説【男性不妊・妊活】

精液検査は、男性の生殖機能の状態を調べるために行われる検査です。特に妊活を始めるにあたり、パートナーとともに自身の体の状態を知るための第一歩として、非常に重要な意味を持ちます。
精液検査を受けることで、精子の数や動き、形といった状態を客観的に把握し、男性側の原因による不妊の可能性を探ることができます。

この検査は、男性不妊の診断や治療方針を決定する上で欠かせないだけでなく、「自分の体は大丈夫だろうか」という漠然とした不安を解消するためにも役立ちます。
妊活をより効率的に、そして安心して進めるためにも、精液検査について正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、精液検査で何がわかるのか、検査項目や基準値、検査を受ける際の費用や流れ、結果の見方まで、精液検査に関するあらゆる情報を分かりやすく解説します。

目次

精液検査とは?何がわかる?

精液検査は、男性が射出した精液を採取し、その質や量を詳しく調べる検査です。
主に男性不妊の原因を特定するために行われますが、最近ではブライダルチェックの一環として、妊活を始める前にパートナーと一緒に行う方も増えています。

この検査では、単に精液の見た目だけでなく、 microscopic(顕微鏡)レベルで精子の状態を詳細に分析します。
具体的には、精液量、精子濃度(精液1mlあたりの精子の数)、精子運動率(活発に動いている精子の割合)、精子正常形態率(正常な形の精子の割合)といった項目を評価します。
これらの数値は、自然妊娠の可能性を判断したり、もし妊娠が難しい場合にどのような不妊治療(例:人工授精、体外受精、顕微授精など)が適しているかを検討したりするための重要な手がかりとなります。

精液検査の結果が基準値から外れている場合でも、必ずしも不妊であると確定するわけではありません。
精子の状態は体調やストレスなどによって一時的に変動することもあるためです。
しかし、基準値を大きく下回る項目がある場合は、男性不妊の可能性を示唆しており、さらに詳しい検査や適切な治療へと進むきっかけとなります。

精液検査は、男性自身の体の状態を知り、妊活においてどのようなアプローチが必要かを具体的に考えるための、非常に有用な検査と言えるでしょう。

精液検査の検査項目と基準値

精液検査では、複数の項目を評価することで、精子の総合的な状態を把握します。
これらの検査項目と、国際的に用いられるWHO(世界保健機関)が定める基準値を知ることは、検査結果を理解する上で役立ちます。
ただし、基準値はあくまで参考値であり、個々の結果については必ず医師の説明を受けるようにしましょう。

検査項目一覧

精液検査で一般的に評価される項目は以下の通りです。
それぞれの項目が精液の質や量、精子の機能に関わる重要な指標となります。

検査項目 評価内容
精液量 1回の射出で得られる精液の総量。
液状化時間 射出直後はゼリー状の精液が液体になるまでの時間。
粘度 精液のドロつき具合。
pH 精液の酸性度・アルカリ性度を示す値。
精子濃度 精液1ミリリットルあたりに含まれる精子の数。
総精子数 精液量と精子濃度から算出される、1回の射出に含まれる総精子の数。
精子運動率 活発に前進運動する精子の割合(迅速運動率)、全体の動いている精子の割合(総運動率)など。
精子正常形態率 形が正常な精子の割合。頭部、頸部、尾部の形態を評価する。
精子生存率 生きている精子の割合。
白血球数 精液中の白血球の数。感染症などの炎症がある場合に増加する可能性がある。
外観・色 精液の色や濁り。通常は乳白色でやや濁っている。

これらの項目を組み合わせて評価することで、精子の生産機能、成熟過程、輸送経路などに異常がないかどうかのヒントを得ることができます。

WHOの基準値

精液検査の結果を評価する際に、国際的な標準として用いられるのがWHO(世界保健機関)が発表している基準値です。
最新の「WHO Human Semen Analysis Manual, 6th edition (2021)」における基準値(下限値)は以下の通りです。
これらの数値は、自然妊娠した男性の下位5パーセンタイル値を参考にして定められています。

検査項目 WHO 第6版 (2021) 基準値 (下限値)
精液量 1.4 mL
総精子数 3900 万個
精子濃度 1600 万個/mL
総運動率 42 %
前進運動率 30 %
精子正常形態率 4 %
生存率 54 %
白血球数 100 万個/mL 未満

注意点:

  • これらの基準値はあくまで参考であり、単一の検査結果が基準値から外れていても、すぐに不妊と診断されるわけではありません。
    精液の状態は日によって変動するため、複数回の検査が必要となる場合もあります。
  • 基準値は「この数値以上であれば妊娠が可能」というわけではなく、「この数値以下だと自然妊娠の可能性が統計的に低い」という目安です。
  • 最終的な診断や治療方針は、これらの数値だけでなく、問診やその他の検査結果、パートナーの状況なども含めて、医師が総合的に判断します。

精液検査の結果について不安がある場合は、遠慮なく医師に質問し、詳しい説明を受けるようにしましょう。

精液検査はどこで受けられる?

精液検査は、主に以下の医療機関で受けることができます。
それぞれの医療機関によって特徴が異なるため、ご自身の状況や希望に合わせて選択すると良いでしょう。

  • 泌尿器科:
    • 男性の生殖器や尿路系の専門医がいるため、男性不妊の原因特定や治療に詳しい場合が多いです。精液検査だけでなく、必要に応じてホルモン検査や超音波検査なども行えます。
  • 不妊治療専門クリニック:
    • 不妊治療を専門に行っているクリニックです。精液検査はもちろん、女性側の検査や、人工授精、体外受精、顕微授精といった高度生殖補助医療(ART)まで対応しています。不妊治療について包括的に相談したい場合に適しています。
  • レディースクリニック(婦人科):
    • 女性側の不妊検査や治療を中心に扱いますが、提携している検査機関で精液検査を受けられたり、パートナーも一緒に相談に乗ってくれたりする場合があります。パートナーがすでに通院している場合などに便利です。
  • 人間ドック・健康診断センター:
    • 一部の人間ドックやオプション検査として精液検査を実施している場合があります。手軽にスクリーニングとして受けたい場合に選択肢となりますが、詳細な診断や治療方針については、専門の医療機関での再検査や受診が必要となることがあります。

医療機関を選ぶ際には、以下の点を確認すると良いでしょう。

  • 精液検査を実施しているか、予約は必要か
  • 自宅採取が可能か、その場合の注意点
  • 費用はどのくらいか、保険適用となるか
  • 検査結果の説明は丁寧か、男性不妊に関する相談に乗ってくれるか

最近では、オンライン診療に対応しているクリニックも増えており、事前に医師に相談したり、検査キットを自宅へ送ってもらったりできる場合もあります。
自身のライフスタイルや検査の目的を考慮して、最適な医療機関を選びましょう。

精液検査の費用について

精液検査にかかる費用は、受ける医療機関や検査内容、そして保険適用となるかどうかによって大きく異なります。
一般的には、自由診療となる場合が多く、数千円から1万円程度が相場となります。

保険適用は?

精液検査が保険適用となるかどうかは、いくつかの条件によって変わってきます。

  • 不妊治療の一環として行う場合: 2022年4月より不妊治療に保険が適用される範囲が拡大され、男性不妊の検査や一部の治療も保険適用となりました。
    そのため、不妊の原因を探るために精液検査を行う場合、保険適用となる可能性が高くなっています。
    ただし、不妊治療として認められるための条件や、どの項目が保険適用になるかは医療機関によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
  • ブライダルチェックなど、妊活前のスクリーニングとして行う場合: 特に医学的な必要性が認められない、予防的な目的や自身の状態を知るために行う場合は、多くの場合自由診療(自費)となります。
  • 検査項目: 基本的な項目は保険適用内であっても、特別な検査(例:精密な形態分析、精子DNA断片化率など)を追加する場合は、自由診療となることがあります。

費用の目安(自由診療の場合):

医療機関の種類 費用の目安(1回あたり)
泌尿器科 5,000円~10,000円
不妊治療専門クリニック 5,000円~15,000円
レディースクリニック(提携先含む) 5,000円~10,000円
人間ドック・健康診断センター(オプション) 5,000円~10,000円

※上記はあくまで目安であり、医療機関によって異なります。

保険適用となる場合(3割負担)であれば、上記の金額よりも大幅に費用を抑えることができます。
例えば、保険点数が低い項目であれば1,000円〜3,000円程度で済む可能性もあります。

精液検査を受ける前に、必ず医療機関に費用について問い合わせ、保険適用の有無や自己負担額を確認しておくことを強くお勧めします。
また、再検査が必要になった場合の費用についても併せて確認しておくと安心です。

精液検査の受け方・流れ

精液検査を受ける際の流れや事前の準備について説明します。
スムーズに検査を受け、正確な結果を得るために、以下の点に注意しましょう。

禁欲期間は必要?何日?

精液検査を受けるにあたっては、一定期間の禁欲が必要とされています。
推奨されている期間は、一般的に2日以上7日以内です。

  • 禁欲期間が短すぎる(1日以下)場合: 精子濃度や総精子数が少なくなる可能性があります。
  • 禁欲期間が長すぎる(8日以上)場合: 精子の運動率や生存率が低下したり、奇形率が高まったりする可能性があります。
    古い精子が多くなるためと考えられています。

そのため、最新のWHOマニュアルでも2日~7日の禁欲期間が推奨されています。
検査を予約する際には、医療機関から禁欲期間について指示があることが多いので、それに従うのが最も確実です。
もし指示がない場合は、2~7日の範囲で、ご自身の都合の良い日を選びましょう。

なぜ禁欲期間が必要なのか

禁欲期間を設けるのは、精液検査の結果の標準化と正確性を高めるためです。
精子の数や質は、射精の頻度によって変動します。
禁欲期間を一定にすることで、検査時の精子の状態が、個々の男性の普段の生殖機能の状態をより正確に反映するようにするためです。

禁欲期間を定めずに検査を行うと、例えば検査前日に射精していれば精子数が少なく出てしまうかもしれませんし、逆に長期間射精していないと古い精子が多くなり運動率が悪く出てしまうかもしれません。
このような変動をなくし、誰がいつ検査を受けても比較可能な、信頼性の高いデータを得るために禁欲期間が重要となります。

病院での採取方法

病院で精液検査を受ける場合、多くは専用の採取室が用意されています。
プライバシーに配慮された個室で、リラックスして採取できるように配慮されています。

  1. 準備: 採取前に手を清潔に洗います。
    医療機関によっては、採取容器や採取方法に関する説明書が渡されます。
  2. 採取: 採取室に入り、自慰行為(マスターベーション)によって精液を採取します。
    コンドームや潤滑剤の使用は、精子の運動率などに影響を与える可能性があるため、医療機関から特別な指示がない限り使用しません。
    採取容器に全量が入るように注意が必要です。
  3. 提出: 採取が終わったら、すぐに容器の蓋をしっかり閉め、医療機関の指示に従って提出します。
    提出の際には、氏名や採取時間などを正確に伝えます。

病院によっては、採取が難しい場合のために、採取を補助する器具や、パートナーの協力を得られるように配慮してくれることもあります。
事前に相談しておくと良いでしょう。

自宅での採取方法と注意点

医療機関によっては、自宅での精液採取が可能な場合があります。
自宅での採取は、リラックスできる環境で行えるメリットがありますが、いくつかの重要な注意点があります。

  1. 採取キットの使用: 自宅採取が可能な場合は、必ず医療機関から渡される専用の採取キットを使用してください。
    市販の容器やコンドームは使用しないでください。
  2. 採取方法: 病院での採取と同様に、自慰行為によって採取します。
    この際も、石鹸や潤滑剤などが容器や精液に混入しないように十分に注意が必要です。
  3. 全量採取: 精液は、最初に射出される部分に最も多くの精子が含まれています。
    正確な評価のためには、射出された精液の全量を採取容器に入れることが非常に重要です。
    万が一、一部しか採取できなかった場合は、その旨を医療機関に正確に伝える必要があります。
  4. 温度管理: 精子は温度変化に弱いです。
    採取後は、人肌程度の温度(約20℃~37℃)を保つように、清潔なタオルで包むなどして、速やかに医療機関へ運びます。
    冷やしたり、逆に温めすぎたりしないように注意してください。
  5. 清潔さ: 採取前には、手と採取容器に触れる部分を清潔に保ちます。
  6. 事前の確認: 自宅採取が可能かどうか、採取キットの使い方、運搬方法、提出時間など、必ず事前に医療機関に詳しく確認しておきましょう。

検体の提出方法と時間

採取した精液は、できるだけ速やかに、原則として採取後1時間以内に医療機関へ提出する必要があります。
これは、採取してから時間が経つと精子の運動率や生存率が低下してしまうため、最も良い状態の精子を評価するためです。

  • 提出時間: 多くの医療機関では、精液検査の検体受け取り時間を指定しています。
    指定された時間内に、温度変化に注意しながら提出してください。
  • 提出方法: 医療機関の受付に直接持参します。
    郵送での提出は、精子の状態が劣化する可能性が高いため、原則として行いません。

自宅から医療機関までの距離や交通手段を考慮し、指定された提出時間内に余裕を持って運搬できるかを確認しておくことが重要です。
もし、どうしても時間内に提出が難しい場合は、事前に医療機関に相談し、採取方法や提出時間について指示を仰ぎましょう。

精液検査の結果について

精液検査の結果は、通常、採取した精液を検査技師が顕微鏡などで詳しく分析し、数日後に医師から説明があります。
結果を正しく理解し、今後の妊活や治療に繋げていくことが大切です。

結果の見方と解釈

検査結果は、精液量、精子濃度、運動率、正常形態率などの各項目ごとに数値で示されます。
これらの数値が、前述したWHOの基準値と比較してどうかを見るのが基本です。

  • 基準値内: 各項目がおおむね基準値内であれば、精子に関する限り、自然妊娠の可能性は十分に期待できると考えられます。
    ただし、基準値は絶対的なものではなく、あくまで目安です。
  • 基準値外: いずれかの項目が基準値を下回っている場合でも、すぐに「不妊である」と断定されるわけではありません。
    • 精子濃度が低い(乏精子症): 精液1mlあたりの精子数が少ない状態。
    • 精子運動率が低い(精子無力症): 運動している精子の割合が低い状態。
    • 精子正常形態率が低い(奇形精子症): 形が正常な精子の割合が低い状態。
    • 精液量が少ない、またはゼロ(精液減少症/無精液症): 精液の量が少ない、または全くない状態。
    • 精子がない(無精子症): 精液中に精子が全く確認できない状態。

これらの結果が出たとしても、一度の検査結果だけで判断せず、必ず医師による総合的な解釈を聞くことが重要です。
医師は、各項目の数値だけでなく、問診で得られた情報(既往歴、生活習慣、喫煙・飲酒の有無など)や、必要に応じて他の検査結果(ホルモン値など)も踏まえて判断を行います。

結果が悪かった場合の次のステップ

精液検査の結果が基準値を下回っていた場合や、医師がさらなる検査が必要と判断した場合は、以下のステップに進むことがあります。

  1. 再検査: 精子の状態は体調などによって変動するため、数週間~数ヶ月後に再度精液検査を行うことが推奨されます。
    複数回の検査で同様の結果が出る場合に、より正確な診断に繋がります。
  2. 精密検査: 精液検査の結果だけでは原因が特定できない場合、さらに詳しい検査が行われることがあります。
    • ホルモン検査: 精子の形成に関わるホルモン(テストステロン、FSH、LHなど)の値を調べます。
    • 染色体検査・遺伝子検査: 遺伝的な要因が不妊に関わっている可能性を調べます。
    • 超音波検査: 精巣や精巣上体、前立腺などに器質的な異常がないかを調べます。
    • 精巣生検: 精巣から組織の一部を採取し、精子形成が行われているかなどを顕微鏡で調べます(無精子症の場合など)。
  3. 治療法の検討: 検査結果やその他の情報に基づいて、適切な治療法が検討されます。
    • 薬物療法: ホルモン異常がある場合などに、ホルモン剤を使用することがあります。
    • 手術: 精索静脈瘤(精巣の血管の異常)など、手術によって改善が見込める原因がある場合に行われます。
    • 人工授精(AIH): 運動性の良い精子を選別し、排卵のタイミングに合わせて子宮内に注入する方法。
    • 体外受精(IVF): 卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す方法。
    • 顕微授精(ICSI): 非常に運動率や形態が悪い場合や、精子数が極端に少ない場合に、精子を一つ選んで直接卵子に注入する方法。
      精巣内精子を用いた顕微授精(TESA/PESA-ICSI)などもあります。

結果が悪かったとしても、落ち込みすぎず、まずは医師としっかりとコミュニケーションを取り、今後のステップについて相談することが大切です。
パートナーとも協力し、前向きに取り組んでいきましょう。

結果はいつわかる?当日?

精液検査の結果がいつわかるかは、医療機関や検査内容によって異なります。

  • 基本的な項目(精液量、精子濃度、運動率など): 多くの医療機関では、採取した検体を検査技師がその場で、または短時間で顕微鏡を用いて観察・測定するため、当日中に結果の概要がわかることがあります。
    特に専門の不妊治療クリニックでは、即日結果説明を行う体制が整っている場合が多いです。
  • 精密な項目(正常形態率、生存率、白血球数など): 精密な形態分析や特殊な染色を行う項目については、分析に時間がかかるため、結果が出るまでに数日~1週間程度かかる場合があります。
  • 培養検査など: 細菌感染の有無などを調べる場合は、培養に数日かかるため、結果判明までさらに時間がかかります。

検査を受ける前に、医療機関に「結果はいつ頃わかりますか?」「当日結果説明は受けられますか?」などと確認しておくと良いでしょう。
結果を早く知りたい場合は、即日結果説明に対応している医療機関を選ぶのも一つの方法です。

精液検査に関するよくある質問

精液検査を受けるにあたって、様々な疑問や不安があるかもしれません。
ここでは、よくある質問にお答えします。

検査に痛みは伴いますか?

精液検査は、基本的にご自身で精液を採取する方法(自慰行為)で行うため、直接的な身体的な痛みは伴いません。
注射をしたり、器具を挿入したりするような処置はありませんのでご安心ください。

ただし、慣れない環境での採取や、結果に対する不安などから、精神的な緊張やストレスを感じることはあるかもしれません。
医療機関はプライバシーに配慮した採取室を用意したり、リラックスできるように工夫したりしています。
もし、採取が難しい場合は、遠慮せずに医療機関のスタッフに相談してください。

検査の頻度は?

精液検査を受ける頻度は、個人の状況や目的によって異なります。

  • 初回検査: 妊活を始める前や、不妊の可能性がある場合に、まず最初に検査を行います。
  • 再検査: 初回の検査結果が基準値から外れていた場合や、精子の状態が一時的に悪化している可能性がある場合などに、数週間から数ヶ月後に再検査を行うことが推奨されます。
    精子の形成サイクルは約2ヶ月半~3ヶ月と言われているため、治療や生活習慣の改善の効果を見るためにも、一定期間を置いて再検査を行うことがあります。
  • 治療効果の判定: 治療(薬物療法や手術など)を受けている場合は、治療の効果が出ているかを確認するために定期的に検査を行うことがあります。
  • 妊活の継続: 特に具体的な治療は行わず自然妊娠を目指している場合でも、数年単位で妊活を継続している場合は、一度精子の状態を再確認するために検査を受けることもあります。

検査の頻度については、医師が個々の状況に合わせて適切にアドバイスしてくれますので、自己判断せず、医師の指示に従うようにしましょう。

その他よくある質問

  • Q: 風邪をひいているときや体調が悪いときに検査を受けても大丈夫ですか?
    A: 風邪や発熱、強い疲労など、体調が優れない時は、一時的に精子の状態が悪化する可能性があります。
    正確な状態を把握するためには、体調の良いときに検査を受けるのが望ましいです。
    もし予約日に体調が悪くなってしまった場合は、医療機関に相談して予約を変更しましょう。
  • Q: 喫煙や飲酒は精液検査の結果に影響しますか?
    A: 喫煙は精子の運動率や形態に悪影響を与える可能性が指摘されています。
    過度な飲酒も精子の質に影響を与える可能性があると言われています。
    正確な評価のため、また妊活全般のためにも、禁煙や適度な飲酒を心がけることが推奨されます。
    検査直前の影響も考えられるため、心配な場合は医師に相談しましょう。
  • Q: 射精が難しい場合はどうすれば良いですか?
    A: 病院の採取室という特殊な環境での採取は、緊張などから難しいと感じる方もいます。
    医療機関によっては、採取しやすいように配慮したり、採取補助具を用意したりしている場合があります。
    また、自宅採取が可能な場合もあります。
    事前に医療機関に相談し、難しいことを伝えれば、代替策やアドバイスを受けることができます。
    決して一人で悩まず、遠慮せずに相談しましょう。
  • Q: 精液検査で感染症もわかりますか?
    A: 通常の精液検査では、クラミジアなどの性感染症の有無は分かりません。
    感染症の検査は別途行う必要があります。
    心配な場合は、精液検査を受ける際に医師に相談し、性感染症検査についても検討しましょう。

まとめ:精液検査で妊活の第一歩を踏み出しましょう

精液検査は、男性が自身の生殖機能の状態を知り、妊活をよりスムーズに進めるための大切な検査です。
精子の数や運動率、形態などを客観的に評価することで、男性不妊の可能性を早期に発見し、適切な治療へと繋げることができます。

検査結果が基準値から外れていたとしても、すぐに悲観する必要はありません。
精子の状態は変動することもあり、再検査やさらに詳しい検査、そして適切な治療法によって、妊娠の可能性を高めることができます。
また、最近では男性不妊治療に対する保険適用も拡大されており、治療へのハードルも下がっています。

精液検査は、泌尿器科や不妊治療専門クリニックなどで受けることができ、多くの場合はご自身での採取となります。
推奨される禁欲期間を守り、医療機関の指示に従って、正確な検査結果が得られるように協力しましょう。
もし検査や結果について不安な点があれば、遠慮なく医師やスタッフに質問し、十分な説明を受けてください。

精液検査を受けることは、「もしかしたら」という漠然とした不安を解消し、パートナーと共に前向きに妊活に取り組むための第一歩となります。
一人で悩まず、まずは一歩踏み出して、検査について相談してみましょう。

【免責事項】
この記事で提供する情報は、一般的な知識としてのものであり、個々の状況に対する医学的なアドバイスではありません。
精液検査の診断や治療方針については、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
本情報の利用によって生じたいかなる問題についても、当方は一切の責任を負いかねます。

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