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女性の陰部のできもの【画像で解説】原因・症状・病院に行く目安

女性のデリケートゾーンに「できもの」や「しこり」ができると、不安を感じる方は少なくありません。特に、見た目が気になり、画像検索で調べようとする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、陰部にできるできものには様々な種類があり、原因も多岐にわたります。中には性感染症や、ごく稀に悪性の可能性も否定できません。自己判断は危険を伴う場合があります。
この記事では、女性の陰部にできるできものについて、画像検索の前に知っておきたい原因や症状、それぞれの病気の特徴、そして何科を受診すべきかについて詳しく解説します。ご自身の状態と照らし合わせ、適切な対処の参考としてください。

女性の陰部、特に外陰部やその周辺は非常にデリケートな部分であり、様々な原因でできものやしこりができることがあります。これらの症状は、一時的な肌トラブルから性感染症、さらには悪性の疾患まで、多様な可能性を含んでいます。人によっては、小さくて目立たないものから、痛みや腫れを伴う大きなものまで、症状はさまざまです。

陰部にできるできものやしこりは、見た目の問題だけでなく、かゆみや痛み、違和感といった不快な症状を引き起こすこともあります。また、性行為の際に痛みを感じたり、出血したりすることもあり、日常生活やパートナーとの関係にも影響を与える可能性があります。

この部位の症状は、非常に個人的な悩みであり、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。しかし、適切な診断と治療を受けるためには、恥ずかしがらずに医療機関を受診することが非常に重要です。

痛みの有無や見た目で判断する

陰部にできたできものやしこりが、どのような病気であるかを判断する上で、ご自身で確認できるいくつかのポイントがあります。特に重要なのは、「痛みの有無」と「見た目」です。

見た目としては、以下のような点を観察してみてください。

  • 形:イボ状、水ぶくれ、ぷつぷつしたもの、しこり、ただれ(びらん)など
  • 色:肌色、ピンク色、赤色、黒色、白色など
  • 大きさ:米粒大、豆粒大、それ以上など
  • 数:一つだけ、複数、広がりがあるか
  • 表面の状態:滑らか、ざらざらしている、潰瘍になっているか
  • できる場所:大陰唇、小陰唇、クリトリス周辺、会陰部、肛門周辺など

また、痛みやかゆみ、熱感といった症状があるかどうかも大切な情報です。これらの情報と、症状が現れた時期、進行速度、性行為の経験、全身の症状(発熱など)などを合わせて考えることで、ある程度の病気の絞り込みが可能になります。ただし、これらの自己観察はあくまで目安であり、確定診断は必ず医療機関で行う必要があります。インターネット上の画像検索で安易に自己診断することは避け、正確な情報に基づいて判断することが大切です。

目次

【画像での見え方・痛み別】陰部のできものから考えられる病気

陰部にできるできものは多種多様ですが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。見た目や痛みの特徴によって、ある程度原因となる病気を推測することができます。ただし、以下に挙げるのはあくまで可能性の一部であり、これ以外の病気である可能性もあります。

陰部のできもの・しこりの主な原因と特徴

病気名 見た目の特徴 痛み・かゆみ 主な原因 性感染症?
尖圭コンジローマ イボ状(カリフラワー、鶏冠) なし〜かゆみ HPV(ヒトパピローマウイルス) はい
性器ヘルペス 水ぶくれ → 潰瘍 強い痛み、かゆみ HSV(単純ヘルペスウイルス) はい
バルトリン腺炎・膿瘍 しこり、腫れ 痛み(膿瘍時は強い痛み) 細菌感染(バルトリン腺の閉塞) 場合による
毛嚢炎 ニキビに似た赤いぶつぶつ 痛み、かゆみ 毛穴の細菌感染 いいえ
粉瘤 皮膚の下のしこり、中心に黒点も 痛み(炎症時) 皮膚の袋に垢などが溜まる いいえ
外陰がん しこり、びらん、治りにくい潰瘍 かゆみ、痛み、出血 HPV感染、慢性炎症など(高齢者に多い) 場合による
梅毒(第1期) 痛みのない硬いしこり(硬結) なし 梅毒トレポネーマ はい
伝染性軟属腫 小さな光沢のあるドーム状、中央にへこみ なし MCV(伝染性軟属腫ウイルス) はい(大人)

尖圭コンジローマ【イボ状・痛みなし〜かゆみ】

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症の一つです。陰部やその周辺に、イボ状のできものができるのが特徴です。

尖圭コンジローマの見た目と特徴

典型的な見た目は、小さないくつものイボが集まって、カリフラワー状や鶏冠(とさか)状になります。色は肌色、ピンク色、あるいは少し灰色がかったものなど様々です。大きさも数ミリから数センチになるまで増殖することがあります。できる場所は、外陰部(大陰唇、小陰唇、クリトリス周辺)、会陰部、肛門周辺、膣内、子宮頚部など広範囲に及びます。

多くの場合、痛みはありませんが、かゆみや軽い違和感を伴うことがあります。摩擦や刺激によって出血することもあります。初期の小さなうちは気づきにくいこともあり、時間とともに大きくなったり数が増えたりして、初めて自覚するケースが多いです。

尖圭コンジローマの原因と感染経路

原因は、主に性的接触によって感染する特定の種類のHPVです。HPVは非常にありふれたウイルスで、性的活動を行う多くの人が生涯で一度は感染するといわれています。尖圭コンジローマの原因となるHPVは、子宮頸がんの原因となる高リスク型のHPVとは種類が異なりますが、両方に重複感染しているケースもあります。

感染経路は主に性行為(膣性交、オーラルセックス、アナルセックスなど)ですが、皮膚や粘膜の直接的な接触によっても感染する可能性があります。公衆浴場や温泉などでの感染リスクは低いと考えられています。感染してもすぐに症状が出るわけではなく、数週間から数ヶ月、長い場合は1年以上もの潜伏期間を経てからイボが現れることがあります。

診断は、医師による視診が基本ですが、拡大鏡(コルポスコープ)で詳しく観察したり、酢酸溶液を塗布してイボが白く変化するかを確認したりすることがあります。治療は、塗り薬による治療や、切除、冷凍凝固、レーザー治療などがあり、できものの大きさや数、できた場所によって適切な方法が選択されます。治療後も再発する可能性があり、根気強く治療を続ける必要があります。

性器ヘルペス【水ぶくれ・痛み・かゆみ】

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって引き起こされる性感染症です。陰部に水ぶくれや潰瘍ができ、強い痛みを伴うのが特徴です。

性器ヘルペスの見た目と特徴

初めて感染した場合(初感染)と、再発の場合で症状の程度は異なります。

初感染の場合、感染から数日〜10日程度の潜伏期間の後、まず陰部にピリピリ、チクチクとしたかゆみや違和感、熱感が生じることが多いです。その後、赤く腫れた部分に小さな水ぶくれがいくつか集まってできます。この水ぶくれはすぐに破れて、浅い潰瘍(ただれ)になります。潰瘍は強い痛みを伴い、排尿時や歩行時に痛みを感じることがよくあります。鼠径部(足の付け根)のリンパ節が腫れて痛んだり、発熱や全身のだるさといったインフルエンザのような症状を伴うこともあります。症状は数週間続くことがあります。

再発の場合、通常は初感染時よりも症状が軽く、水ぶくれや潰瘍も小さく、痛みもそれほど強くないことが多いです。全身症状を伴うことは稀です。再発の頻度や程度には個人差があります。

性器ヘルペスの原因と症状

原因は、主にHSV-2ですが、最近ではHSV-1(口唇ヘルペスの原因ウイルス)による性器ヘルペスも増えています。感染経路は、ウイルスが含まれる体液(唾液、精液、膣分泌液)や、感染部位の皮膚・粘膜との直接的な接触による性的接触が主なものです。

性器ヘルペスの特徴は、一度感染するとウイルスが神経節に潜伏し、体の免疫力が低下した際などに再活性化して再発を繰り返すことです。ストレス、疲労、月経、紫外線などが再発の誘因となることがあります。

診断は、医師による視診と、病変部から検体を採取してウイルスの存在を確認する検査(抗原検査、PCR検査)によって行われます。血液検査でヘルペスウイルスに対する抗体があるか調べることもありますが、これは過去の感染を知るのに役立ちます。治療は、抗ヘルペスウイルス薬の内服や塗り薬が用いられます。これらの薬はウイルスの増殖を抑え、症状を軽減したり治癒を早めたりする効果があります。再発を繰り返す場合は、ウイルスの再活性化を抑えるために、低用量の内服薬を毎日服用する再発抑制療法が行われることもあります。

バルトリン腺炎・膿瘍【しこり・痛み・腫れ】

バルトリン腺は、膣の入り口の左右にある小さな腺で、性行為の際に分泌液を出して潤滑を助ける働きがあります。このバルトリン腺の開口部が詰まったり、細菌感染を起こしたりすることで炎症が起きるのがバルトリン腺炎です。炎症が進んで膿が溜まると、バルトリン腺膿瘍となります。

バルトリン腺炎・膿瘍の見た目と特徴

バルトリン腺炎の初期では、陰部の入り口付近(大陰唇のやや後方)にしこりのような膨らみを感じることがあります。これはバルトリン腺の開口部が詰まって分泌液が溜まったバルトリン腺嚢胞の場合もあります。嚢胞自体に痛みがないこともありますが、感染を起こすとバルトリン腺炎となり、赤く腫れて押すと痛みを感じるようになります。

さらに炎症が進み、中に膿が溜まるとバルトリン腺膿瘍となります。この状態では、鶏の卵大、あるいはそれ以上に大きく腫れ上がり、熱を帯びて赤く硬くなり、非常に強い痛みを伴います。歩くのが辛くなったり、座るのも困難になったりすることもあります。膿瘍が自然に破裂して膿が出ると、痛みは和らぎますが、再発することも少なくありません。通常、片側にできますが、稀に両側にできることもあります。

バルトリン腺炎・膿瘍の原因

バルトリン腺の開口部が、炎症や外傷などで詰まることが発端となることが多いです。開口部が詰まると、分泌液が外に出られずに溜まり、嚢胞を形成します。この嚢胞や、開口部の詰まりによって、本来膣などにいる常在菌(大腸菌、ブドウ球菌など)がバルトリン腺に入り込み、感染を起こして炎症や膿瘍を引き起こします。

性感染症の原因菌(淋菌やクラミジアなど)が感染してバルトリン腺炎・膿瘍を引き起こすこともあります。そのため、バルトリン腺炎・膿瘍と診断された場合は、性感染症の検査も合わせて行うことが推奨される場合があります。

治療は、炎症が軽度であれば抗生物質の投与などで改善することがあります。膿瘍を形成している場合は、切開して膿を排出する処置が必要です。繰り返す場合や嚢胞が大きい場合は、バルトリン腺の開口部を広げる手術(造袋術)や、バルトリン腺そのものを摘出する手術が検討されることもあります。

毛嚢炎・粉瘤【ニキビに似たできもの・痛み】

陰部の皮膚にも毛穴があり、毛穴が炎症を起こしたり、皮膚の構成物が溜まって袋状になったりすることで、ニキビに似たできものができることがあります。代表的なものに毛嚢炎と粉瘤があります。

毛嚢炎・粉瘤の見た目と特徴

毛嚢炎(もうのうえん):毛穴とその周囲に細菌が感染して炎症を起こした状態です。陰部にも毛があるため、毛穴の多い部分にできやすいです。見た目は、毛穴を中心に赤く腫れた小さなぶつぶつで、中心に膿点が見えることもあります。触ると痛みを感じることがあります。数個できることもあれば、広範囲に多数できることもあります。原因菌としては、黄色ブドウ球菌などが挙げられます。

粉瘤(ふんりゅう):皮膚の下に袋状のものができ、その中に垢(古い角質や皮脂)が溜まってできる良性の腫瘍です。アテローマとも呼ばれます。陰部にも発生することがあります。初期は皮膚の下の小さなしこりとして触れますが、時間とともに大きくなることがあります。多くの場合、中央に黒い点(開口部)が見られます。通常は痛みはありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みが生じ、膿瘍を形成することもあります。内容物が溜まった袋が破裂すると、独特の強い臭いを伴う内容物が出てくることがあります。

毛嚢炎・粉瘤とニキビの違い

毛嚢炎はニキビと非常に似ていますが、ニキビが皮脂腺の炎症であるのに対し、毛嚢炎は毛穴の炎症です。陰部の場合、ニキビの原因となる皮脂腺の分布が顔などとは異なるため、毛穴の炎症である毛嚢炎が多いと考えられます。

粉瘤は、ニキビや毛嚢炎と異なり、皮膚の表面のできものではなく、皮膚の下に袋状の構造物があるのが特徴です。中心に黒い点が見えることや、感染を起こすと独特の臭いを伴う内容物が出ることが、ニキビや毛嚢炎との大きな違いです。

毛嚢炎は、清潔を保つことや、必要に応じて抗生物質の塗り薬などで改善することが多いです。繰り返す場合や範囲が広い場合は内服薬が処方されることもあります。粉瘤は基本的に放置しても問題ありませんが、感染を繰り返す場合や大きくなって気になる場合は、手術によって袋ごと摘出する必要があります。感染して腫れている場合は、まず切開して膿を出し、炎症が治まってから摘出術を行うこともあります。

外陰がん【しこり・びらん・治りにくい】

外陰がんは、女性の外陰部(大陰唇、小陰唇、クリトリス、会陰部など)にできるがんの総称です。比較的稀ながんですが、陰部のできものやしこりの中には、ごく稀に外陰がんの可能性も含まれます。

外陰がんの見た目と特徴

初期の外陰がんは、小さなしこりや皮膚の色や厚さの変化、あるいはただれ(びらん)として現れることがあり、見た目だけでは他の良性疾患と区別が難しい場合があります。しかし、時間とともに大きくなったり、盛り上がってきたり、表面がただれて出血しやすくなったり、治りにくい潰瘍になったりすることが特徴です。色は赤色、白色、褐色など様々です。

痛みよりも、治りにくいかゆみが最初の症状として現れることも少なくありません。進行すると、しこりや潰瘍の痛み、出血、おりものの異常、排尿時の痛みなどの症状が現れることがあります。

外陰がんの症状とリスク

外陰がんの症状は、かゆみ(特に持続的で治りにくいもの)、外陰部のしこりや腫れ、治りにくいただれや潰瘍、出血、痛み、排尿時の痛み、鼠径部のしこり(リンパ節転移)などがあります。これらの症状は、他の良性疾患でも見られることがあるため、自己判断はせず、気になる症状があれば必ず医療機関を受診することが大切です。

外陰がんの主なリスク因子としては、高齢(特に60歳以上)、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(特に高リスク型)、外陰ジストロフィー(外陰部の皮膚が萎縮したり硬くなったりする病気)、扁平苔癬などの慢性的な皮膚炎症、喫煙などがあります。HPV感染は、若年層の外陰がんに関与することが知られています。

診断は、医師による視診・触診に加え、病変の一部を採取して顕微鏡で調べる病理検査(生検)によって確定診断が行われます。がんの進行度を調べるために、画像検査(CT、MRIなど)が行われることもあります。治療は、病気の進行度によって異なりますが、手術療法が中心となります。進行がんでは、放射線療法や化学療法も組み合わせて行われることがあります。早期に発見すれば治癒の可能性も高いため、異変に気づいたらすぐに医療機関を受診することが非常に重要です。

その他考えられる病気(梅毒、伝染性軟属腫など)

ここまで代表的な病気を挙げてきましたが、陰部のできものの原因は他にも様々なものがあります。

梅毒(ばいどく):梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。感染から約3週間の潜伏期間の後、感染部位(陰部、口唇など)に痛みのない硬いしこり(硬結、初期硬結)ができることがあります。これは第1期梅毒の症状です。このしこりは放置しても数週間で自然に消えますが、病気は進行します。痛みがなく見過ごされやすいため注意が必要です。血液検査で診断し、抗生物質(主にペニシリン)で治療します。

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ):伝染性軟属腫ウイルス(MCV)による感染症です。子供によく見られる皮膚病ですが、大人では性行為によって性器やその周辺に感染することがあり、性感染症の一つとみなされることもあります。見た目は、小さくて光沢のある、ドーム状のできもので、中央にへそ状のへこみがあるのが特徴です。通常は痛みやかゆみはありません。自然に治ることもありますが、数が増えたり広がることもあるため、摘除などの治療が行われることもあります。

脂腺嚢腫(しせんのうしゅ):皮膚にある脂腺が詰まり、分泌物が溜まってできる嚢腫です。比較的柔らかいしこりとして触れます。痛みはなく、感染を起こさなければ放置しても問題ありませんが、大きくなったり感染を繰り返す場合は摘出することもあります。

血管腫(けっかんしゅ):血管が増殖してできる良性の腫瘍です。赤や紫色の平らな、あるいはやや盛り上がったできものとして見られます。痛みはなく、通常は治療の必要はありません。

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい、いぼ):ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によってできる、いわゆる「いぼ」です。体の他の部分にできるいぼと同様に、陰部にもできることがあります。表面がざらざらしていたり、盛り上がっていたりします。性行為とは関係なく感染することもあります。尖圭コンジローマとの区別が難しい場合があり、診断には専門医の診察が必要です。

これらの病気以外にも、接触性皮膚炎(かぶれ)、薬剤による発疹、ヘルペス以外のウイルス感染症など、様々な原因が考えられます。陰部のできものやしこりは、自己判断せずに専門医に相談することが最も重要です。

陰部のできもの、受診を検討すべき目安

陰部にできものができると、「いつものことかな」「様子を見ようかな」と迷う方もいるかもしれません。しかし、中には早期発見・早期治療が重要な病気も含まれています。以下のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早く医療機関を受診することを強くお勧めします。

痛みや大きさに変化がある場合

できものやしこりに、以下のような変化が見られる場合は注意が必要です。

  • 急に痛みが強くなってきた、痛みが続いて改善しない
  • 最初は小さかったのに、数日や数週間で急に大きくなってきた
  • 触ると硬くなってきた、または柔らかくなったなど、硬さが変わった

特に、強い痛みや急激な大きさの変化は、感染や炎症が急速に進行しているサインである可能性があります。また、良性の腫瘍であっても、急に大きくなる場合は念のため専門医の診察を受けるべきです。

数が増えたり、びらんやただれを伴う場合

できものの数が徐々に増えている場合や、広がりが見られる場合は、感染症(特に性感染症)の可能性が考えられます。例えば、尖圭コンジローマや伝染性軟属腫などは、放置すると数が増えたり範囲が広がったりすることがあります。

また、できものの表面がただれている(びらん)、皮膚が剥がれて赤くなっている、出血しやすいといった状態を伴う場合も、単純な肌荒れではない可能性があります。ヘルペスによる潰瘍や、外陰がんの一部ではびらんや治りにくい潰瘍として現れることがあります。このような症状が見られる場合は、自己処置をせず、医療機関を受診してください。

性行為の経験がある場合

陰部にできものができた原因として、性感染症は重要な可能性の一つです。性行為の経験がある方で陰部にできものができた場合は、性感染症の可能性も考慮し、医療機関を受診して検査を受けることをお勧めします。特に、不特定多数との性行為があった場合や、コンドームを使用しない性行為があった場合は、性感染症のリスクが高まります。

性感染症は、ご自身の健康だけでなく、パートナーの健康にも影響を与える可能性があります。万が一性感染症であった場合、適切な治療を受けるとともに、パートナーにも受診・検査・治療を勧めることが重要です。また、性感染症の中には、放置すると不妊の原因になったり、全身に影響を及ぼしたりするものもありますので、早期の診断と治療が非常に大切です。

上記以外にも、気になる症状がある場合や、不安を感じる場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。自己判断で様子を見ているうちに、症状が悪化したり、治療が難しくなったりする可能性もあります。

陰部 できもの は何科で診てもらう?

陰部にできものやしこりができた場合、何科を受診すれば良いか迷うかもしれません。女性の場合、主に婦人科または皮膚科が考えられます。

女性の場合は婦人科または皮膚科へ

婦人科:女性の生殖器(外陰部、膣、子宮、卵巣など)に関する専門医です。陰部の症状に加え、不正出血やおりものの異常といった内性器の症状も伴う場合や、性感染症の可能性を心配している場合は、婦人科を受診するのが適切です。婦人科では、性器の外側だけでなく、膣や子宮頚部といった内側の診察も可能です。性感染症の検査や治療も専門的に行っています。

皮膚科:皮膚の病気全般に関する専門医です。陰部の皮膚にできたできもの(毛嚢炎、粉瘤、いぼ、炎症など)を診てもらうことができます。外陰部の皮膚病に詳しい皮膚科医も多くいます。性感染症の中にも皮膚症状として現れるものがあるため、皮膚科でも対応可能な場合があります。

どちらを受診しても良い場合が多いですが、迷う場合はまず婦人科を受診するのが良いでしょう。婦人科医は女性のデリケートゾーンの悩みに慣れており、必要に応じて皮膚科など他の診療科への紹介もスムーズに行ってくれるでしょう。また、産婦人科は婦人科と同じ診療科です。

病院での検査と診断

医療機関を受診すると、医師はまず問診を行い、症状について詳しく尋ねます。いつから、どのようなできものか、痛みやかゆみはあるか、性行為の経験、過去の病歴などを聞かれます。

次に、視診や触診が行われます。できものの場所、形、色、大きさ、硬さ、数などを詳しく観察し、触って確認します。この際、診察台に上がっていただく必要がありますが、医師は患者さんのプライバシーに配慮して診察を行いますので、安心して臨んでください。

必要に応じて、さらに詳しい検査が行われることがあります。

  • 細胞診・組織診(生検):できものの一部を採取し、顕微鏡で細胞や組織を詳しく調べる検査です。特に、悪性の可能性が疑われる場合や、見た目だけでは診断が難しい場合に行われます。
  • ウイルス検査:ヘルペスやHPVなどのウイルスの感染を確認するための検査です。できものの表面を綿棒でこすったり、血液検査を行ったりします。
  • 細菌培養検査:細菌感染が疑われる場合に、できものや膿から菌を採取し、どのような菌がいるか、どの抗生物質が効くかを調べる検査です。
  • 血液検査:梅毒などの性感染症や、全身の状態を調べるために行われることがあります。

これらの検査結果を総合的に判断して、病気の診断が確定されます。診断に基づき、医師から適切な治療法について説明があります。不安な点や疑問点は、遠慮なく医師に質問し、納得した上で治療に進むことが大切です。

陰部 できものに関するよくある質問【Q&A】

陰部のできものについて、よくあるご質問とその回答をご紹介します。

Q. 女性の陰部にイボみたいなものができたのですが、何でしょうか?

A. 陰部にイボのようなものができる病気としては、尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫、尋常性疣贅(いわゆる「いぼ」)などが考えられます。特に尖圭コンジローマは性感染症であり、放置すると数が増えたり大きくなったりします。見た目だけでは正確な診断は難しく、他の病気との区別も必要です。自己判断せずに、婦人科または皮膚科を受診して専門医に診てもらうことを強くお勧めします。正確な診断に基づいた適切な治療を受けることが大切です。

Q. 陰部に小さなできものができた原因は?

A. 小さなできものの原因は非常に多岐にわたります。一時的な毛嚢炎(毛穴の炎症)やバルトリン腺の詰まりによる小さな嚢胞、粉瘤の初期段階、あるいは性感染症の初期病変である可能性もゼロではありません(例:第1期梅毒の初期硬結は痛みがなく小さめの場合があります)。かゆみや痛み、数が増える、大きくなるといった症状が伴う場合は、特に注意が必要です。原因を特定するためには、医師による診察が必要です。症状が続く場合や、変化が見られる場合は、早めに医療機関を受診してください。

Q. デリケートゾーンにニキビみたいなのができたのですが、何でしょうか?

A. デリケートゾーンにできるニキビに似たできものは、毛嚢炎である可能性が高いです。毛穴に細菌が感染して炎症を起こした状態です。陰部は蒸れやすく、毛も多いため、毛嚢炎ができやすい部位と言えます。多くは清潔を保つことで自然に治るか、市販薬や処方された塗り薬で改善しますが、繰り返しできる場合や広範囲にできる場合は、原因を探る必要があります。粉瘤が炎症を起こしてニキビのように見えることもあります。自己判断で潰したりせず、症状が悪化する場合や、ニキビとは明らかに違うと感じる場合は、念のため医療機関を受診しましょう。

Q. 陰部 できもの 画像 女性 何科に行けばいいですか?

A. 女性の陰部にできたできものについて診てもらう場合は、婦人科または皮膚科を受診してください。どちらの科でも診察は可能ですが、性器の内側(膣など)に症状がある場合や、性感染症の可能性が気になる場合は、婦人科の方が適していることが多いです。陰部の皮膚病全般を診てもらいたい場合は皮膚科でも良いでしょう。どちらの科を受診するか迷う場合は、まず婦人科に相談してみるのが一つの方法です。予約の際に症状を伝えて、どの科を受診すべきか相談してみるのも良いでしょう。

まとめ:自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう

女性の陰部にできたできものやしこりは、多くの女性にとって不安な症状です。その原因は、一時的な肌トラブルから、感染症(性感染症を含む)、良性腫瘍、そしてごく稀に悪性の疾患まで多岐にわたります。インターネットで画像検索をしてご自身の症状と比較する方もいらっしゃるかもしれませんが、見た目が似ていても全く異なる病気であることも少なくありません。自己判断は、適切な治療の機会を逃したり、かえって症状を悪化させたりする危険性があります。

この記事で解説したように、陰部のできものには様々な可能性があるため、正確な診断には専門的な知識と検査が必要です。特に、痛みや大きさに変化がある、数が増えている、びらんやただれを伴う、性行為の経験があるといった場合は、放置せずに早めに婦人科または皮膚科を受診することが非常に重要です。

恥ずかしさや抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、医師は多くの患者さんのデリケートな悩みに向き合っています。安心して相談し、正確な診断と適切な治療を受けることで、症状の改善や病気の早期発見につながります。

ご自身の体の変化に気づいたら、まずは冷静になり、この記事を参考にしながら、必要であれば迷わず医療機関の門を叩きましょう。早期の受診が、あなた自身の心と体の健康を守る第一歩となります。

免責事項:この記事は情報提供を目的としたものであり、医療行為や診断を代替するものではありません。個々の症状については必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。この記事の情報によって生じたいかなる結果についても、当方では責任を負いかねます。

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