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デエビゴで悪夢を見るのは本当?原因と見る確率は?【対策・対処法】

デエビゴ(一般名:レンボレキサント)は、不眠症に悩む多くの方に処方されている比較的新しいタイプの睡眠薬です。
脳内で覚醒を維持する働きを持つオレキシンという物質の働きを抑えることで、自然な眠りを促すとされています。
しかし、一部の服用者から「デエビゴを飲んでから怖い夢や鮮明な夢を見るようになった」「悪夢にうなされる」といった声が聞かれることがあります。
本当にデエビゴは悪夢を見やすくするのでしょうか?もしそうなら、それはなぜ起こるのでしょう。
この記事では、デエビゴと悪夢の関係性、悪夢を見てしまうメカニズム、悪夢が起きた場合の頻度や具体的な内容、他の睡眠薬との比較、そして最も重要な「悪夢への対処法」について詳しく解説します。
デエビゴによる悪夢に悩んでいる方、これから服用を始めるにあたって不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ただし、この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状に関する医学的なアドバイスに代わるものではありません。
悪夢に悩む場合は、必ず医師にご相談ください。

目次

デエビゴで悪夢を見るのは本当?

結論から言うと、デエビゴを服用している方の中には、悪夢や異常な夢を経験する方が一定数いらっしゃいます。
これは、デエビゴの副作用の一つとして、添付文書にも記載されている事実です。

不眠症の治療薬として効果を発揮する一方で、デエビゴがもたらす睡眠への影響が、結果として夢の内容や鮮明さに変化をもたらすことがあると考えられています。
ただし、全ての服用者が悪夢を見るわけではなく、その発生頻度は他の一般的な副作用(例:眠気や頭痛など)に比べて低い傾向があります。
また、悪夢を見るかどうか、その程度や内容は個人差が非常に大きいことも理解しておく必要があります。

デエビゴと悪夢の関係性

デエビゴ(レンボレキサント)は、従来の睡眠薬とは異なる作用機序を持つ「オレキシン受容体拮抗薬」というカテゴリーに属します。
多くの不眠症は、脳が覚醒しすぎてしまうことに関係していると考えられています。
ここで重要な役割を果たすのが、脳内で生成される神経伝達物質である「オレキシン」です。
オレキシンは、脳の覚醒状態を維持し、日中の活動性を高める働きを持っています。

デエビゴは、このオレキシンが脳内の特定の受容体(オレキシン受容体)に結合するのをブロックすることで、オレキシンの覚醒作用を抑え、眠気を誘います。
つまり、脳を強制的に鎮静させるのではなく、「覚醒のスイッチをオフにする」ことで、より自然な眠りを実現しようとする薬剤と言えます。

このオレキシン系への作用が、単に眠気を誘うだけでなく、睡眠中の脳活動、特に夢を見やすいとされるレム睡眠に影響を与える可能性が指摘されており、これが悪夢の発生と関連していると考えられています。

デエビゴで悪夢を見るメカニズム

デエビゴがなぜ悪夢を引き起こす可能性があるのかを理解するためには、まず私たちの睡眠サイクルと夢の関係、そしてオレキシンが睡眠にどう関わっているかを知る必要があります。

睡眠は、主に「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つの状態が約90分周期で繰り返されています。
ノンレム睡眠は脳が休息している深い眠りであり、レム睡眠は急速眼球運動(Rapid Eye Movement)が見られる浅い眠りで、脳は活発に活動しています。
私たちが夢を見るのは、主にこのレム睡眠中です。
レム睡眠中は、日中に経験したことや記憶が整理され、感情と結びつけられるといった処理が行われていると考えられています。

一方、オレキシンは、覚醒を維持するだけでなく、睡眠と覚醒のサイクル全体を調整する役割も担っています。
特に、レム睡眠から覚醒状態への移行に関与していることが示唆されています。
健常な睡眠では、ノンレム睡眠とレム睡眠がバランスよく出現し、夜中に何度も覚醒することなく朝まで眠り続けることができます。

オレキシン受容体拮抗薬の作用と夢

デエビゴのようなオレキシン受容体拮抗薬は、オレキシンの働きを抑えることで覚醒をブロックします。
この作用が、レム睡眠中の脳活動に間接的に影響を与える可能性が考えられます。

具体的には、以下のようなメカニズムが仮説として挙げられます。

  1. 睡眠構造の変化: デエビゴは、睡眠全体にわたる覚醒の時間を減らし、ノンレム睡眠とレム睡眠の割合に影響を与える可能性があります。
    特にレム睡眠の出現パターンや持続時間に変化をもたらすことが示唆されており、これが夢を見る機会や夢の内容に影響を及ぼすと考えられています。

  2. 情動や記憶の処理への影響: レム睡眠中は、脳の扁桃体(情動に関わる領域)や海馬(記憶に関わる領域)などが活発に活動します。
    オレキシン神経系がこれらの脳領域とも関連がある可能性が指摘されており、オレキシンの働きを阻害することが、レム睡眠中の情動や記憶の処理に影響を与え、結果として普段よりも鮮明で、感情的な(特にネガティブな)夢や悪夢を見やすくなるという推測があります。

  3. 覚醒抑制による影響: オレキシンを抑えることで、睡眠中の覚醒が抑制されます。
    通常、不快な夢や悪夢を見たとき、私たちは夢から覚めることで現実との区別をつけ、悪夢の影響を断ち切ります。
    しかし、覚醒が抑制されることで、悪夢を見ている状態が遷延したり、現実と夢の区別がつきにくくなったりすることが、悪夢をより鮮明で恐ろしく感じさせる要因となる可能性も考えられます。

これらのメカニズムは、現時点では完全に解明されているわけではなく、研究が進められている段階です。
しかし、オレキシン受容体拮抗薬という特異な作用機序が、従来の睡眠薬とは異なる形で夢や悪夢に影響を与えうる可能性は十分に考えられます。

デエビゴの悪夢はどのくらいの頻度で起こる?

デエビゴの服用に伴う悪夢の発生率は、統計的に見るとそれほど高くはありません。
多くの服用者にとっては、悪夢は経験しない副作用の一つです。

公式情報に見る悪夢の発生率

デエビゴ(レンボレキサント)の添付文書や承認時の臨床試験データによると、悪夢または異常な夢の発生頻度は、プラセボ(偽薬)と比較してわずかに高いものの、比較的低い数値で報告されています。

例えば、日本の成人不眠症患者を対象とした臨床試験では、悪夢または異常な夢の副作用が報告された割合は、デエビゴ5mg服用群で〇%、デエビゴ10mg服用群で〇%、プラセボ群で〇%といった具体的な数値が示されていることがあります(※実際の添付文書の数値をご確認ください。通常、頻度が高い順に記載されており、悪夢や異常な夢は「0.1%以上1%未満」や「1%未満」といった区分に該当することが多いです)。

これらの数値は、あくまで臨床試験という特定の条件下で得られた統計的なデータです。
実際の臨床現場では、患者さんの体質、併用薬、精神状態、生活環境など、さまざまな要因が影響するため、ここに示された発生率とは異なる場合があります。

重要なのは、たとえ統計的な発生率が低くても、悪夢を経験しているご本人にとっては非常に辛く、睡眠の質や日中の活動に影響を与える深刻な問題であるということです。
数値に惑わされず、ご自身の症状にしっかりと向き合うことが大切です。

悪夢の具体的な種類(鮮明・怖いなど)

デエビゴ服用者から報告される悪夢には、いくつかの特徴が見られることがあります。

  • 鮮明さ・リアルさ: 普段見る夢に比べて、色彩が鮮やかで、登場人物の表情や情景が非常にリアルに感じられるという声があります。
    まるで現実のできごとのように感じられ、目が覚めても夢の内容をはっきりと覚えていることが多いようです。

  • 内容の不快さ・怖さ: 追われる夢、落ちる夢、誰かに襲われる夢、失敗する夢、恥ずかしい思いをする夢など、不安や恐怖、悲しみといったネガティブな感情を強く伴う内容が多い傾向があります。
    過去のトラウマや、日中に抱えている悩みや不安が夢の内容に反映され、より強調されるような形で現れることもあります。

  • 現実との区別: 悪夢の途中で目が覚めた際に、一時的に現実と夢の区別がつきにくくなる、夢の内容が現実に影響を及ぼしているかのように感じて不安になる、といった経験をする方もいらっしゃるようです。

  • 目が覚めた時の状態: 悪夢で目が覚めると、動悸がする、冷や汗をかく、息苦しさを感じる、といった身体的な症状を伴うことがあります。
    また、恐怖や不安といった感情がしばらく続き、再び眠りにつくのが怖くなることもあります。

症例:フィクション

  • Aさん(40代男性)の場合:
    「デエビゴを飲み始めてから、毎晩のように怖い夢を見るようになりました。
    特に多いのが、会社で大きな失敗をして、取引先や上司に激しく責められる夢です。
    夢なのにまるで現実のように鮮明で、冷や汗びっしょりで目が覚めます。
    日中の仕事のストレスが影響しているのかもしれませんが、以前はこんな夢は見ませんでした。
    目が覚めてもドキドキが収まらず、また寝るのが怖くなってしまい、結局寝不足になってしまいます。」

  • Bさん(50代女性)の場合:
    「以前はほとんど夢を見なかったのですが、デエビゴを服用するようになってから、奇妙で鮮明な夢を頻繁に見るようになりました。
    内容はそれほど怖いわけではないのですが、現実にはありえないようなことが延々と続き、起きた時に『一体あれは何だったんだろう』と強い疲労感と混乱が残ります。
    夢のせいで熟睡できていないような気がして、薬が合っているのか不安になります。」

このように、悪夢の具体的な内容や、それによって引き起こされる影響は、個人によってさまざまです。
単なる嫌な夢として片付けられないほど、精神的な負担が大きい場合もあります。

デエビゴ以外の睡眠薬で悪夢を見ることはある?

悪夢や異常な夢は、デエビゴに限らず、他の様々な種類の睡眠薬でも副作用として報告されることがあります。
睡眠薬の種類によって、悪夢の発生メカニズムや頻度、夢の内容の傾向が異なる場合があります。

睡眠薬は、その作用機序によっていくつかの種類に分類されます。

  • ベンゾジアゼピン系睡眠薬: 脳のGABA受容体に作用し、脳の活動を抑制することで眠気を誘います。
    レム睡眠を抑制する傾向があり、長期連用や急な中止によってレム睡眠がリバウンドして増加し、悪夢を見やすくなることがあります。

  • 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Z薬): ベンゾジアゼピン系とは少し異なる機序でGABA受容体に作用します。
    こちらもレム睡眠への影響が指摘されており、奇妙な夢や悪夢、入眠時の幻覚や金縛りといった副作用が稀に報告されることがあります。

  • メラトニン受容体作動薬: 自然な眠りを誘うホルモンであるメラトニンの働きを模倣し、体内時計を調整することで睡眠リズムを整えます。
    レム睡眠を増加させる傾向があり、これが夢や悪夢を見る頻度を増やす可能性が指摘されています。

  • 抗うつ薬・抗精神病薬: 一部の薬剤は、その副作用として鎮静作用や催眠作用を持つため、不眠症の治療に用いられることがあります。
    これらの薬剤も、脳内の様々な神経伝達物質に作用するため、睡眠構造や夢に影響を与える可能性があります。

オレキシン系以外の睡眠薬と夢

デエビゴのようなオレキシン受容体拮抗薬は、覚醒を抑制することで眠気を誘うという点で、脳活動全体を抑制するベンゾジアゼピン系などとは作用機序が異なります。
この作用機序の違いが、夢への影響の現れ方の違いにつながっていると考えられます。

以下の表に、主な睡眠薬の系統と、夢(悪夢)への一般的な影響の傾向をまとめました。

睡眠薬の系統 主な作用機序 夢(悪夢)への影響の傾向(一般的な報告) 代表的な薬剤名(例)
オレキシン受容体拮抗薬 オレキシンによる覚醒維持をブロック レム睡眠への影響が示唆されており、鮮明な夢や悪夢の報告がある。 デエビゴ(レンボレキサント)、ベルソムラ(スボレキサント)
ベンゾジアゼピン系 GABA受容体作用→脳活動抑制 レム睡眠抑制傾向。中止後にレム睡眠増加による悪夢(リバウンド)の可能性。 ハルシオン、レンドルミン、デパス(※注意:依存性や副作用リスクから、近年は処方が控えられがち)など
非ベンゾジアゼピン系(Z薬) GABA受容体作用(BZ系とやや異なる) ベンゾジアゼピン系と同様の傾向や、奇妙な夢、入眠時幻覚、金縛りの報告も稀にある。 マイスリー(ゾルピデム)、ルネスタ(エスゾピクロン)など
メラトニン受容体作動薬 メラトニン受容体を介して概日リズム調整 レム睡眠増加傾向があり、夢や悪夢を見る頻度が増える可能性が指摘されている。 ロゼレム(ラメルテオン)、メラトベル(小児用)
バルビツール酸系(※現在ほとんど使用されない) GABA受容体作用(抑制作用が強い) レム睡眠を強く抑制。依存性や副作用リスクが高く、現在はごく限られたケースでのみ使用。 フェノバルビタールなど
抗うつ薬・抗精神病薬(催眠作用) セロトニン、ヒスタミン、アセチルコリンなどに作用 薬剤によって異なり、レム睡眠を抑制するものもあれば、悪夢の報告があるものもある。不安軽減効果で悪夢が減ることも。 リフレックス/レメロン(ミルタザピン)、セロクエル(クエチアピン少量)など(※本来の目的は抗うつ・抗精神病)

このように、睡眠薬の種類によって夢への影響は異なります。
デエビゴで悪夢を見るのは、オレキシン系という独特の作用機序による影響が大きいと考えられますが、他の薬剤でも起こりうる副作用であることを理解しておくことが重要です。
悪夢に悩む場合は、現在服用している薬剤の種類に関わらず、必ず医師に相談してください。

デエビゴによる悪夢への対処法

もしデエビゴを服用していて悪夢に悩まされている場合、最も重要なのは自己判断で対応せず、専門家の助けを求めることです。
悪夢は単なる不快な体験だけでなく、不眠症の悪化や日中のQOL低下につながる可能性があります。

まずは医師に相談することが重要

デエビゴを処方した医師に、悪夢を見ていることを必ず伝えてください。
悪夢は薬剤の副作用である可能性があり、医師はあなたの状況を正確に把握することで、最も適切で安全な対処法を検討することができます。

医師に相談する際には、以下の点を具体的に伝えることが役立ちます。

  • いつから悪夢を見始めたか(デエビゴ服用開始後いつ頃か)
  • 悪夢を見る頻度(毎晩か、週に数回かなど)
  • 悪夢の具体的な内容(怖い、不安、鮮明さ、現実との区別など)
  • 悪夢によって目が覚めるか、覚めた時の状態(動悸、冷や汗、不安など)
  • 悪夢によって睡眠の質がどう影響されているか(寝つきが悪くなった、熟睡感がないなど)
  • 日中の精神状態や活動への影響(日中の不安、疲労感など)
  • 他に服用している薬やサプリメント、健康食品など
  • 最近のストレスや生活環境の変化

これらの情報を医師に伝えることで、悪夢が本当にデエビゴによるものなのか、それとも他の要因(ストレス、他の病気、併用薬など)が関わっているのかを医師が判断する手助けとなります。

薬の減量や変更について

医師はあなたの訴えや健康状態を総合的に判断し、デエビゴによる悪夢が疑われる場合、以下の対応を検討する可能性があります。

  • デエビゴの用量調整: デエビゴの用量を減らすことで、悪夢が軽減されることがあります。
    ただし、用量を減らすことで不眠症の改善効果も弱まってしまう可能性もあるため、医師は不眠の程度と悪夢のバランスを考慮して判断します。

  • 他の睡眠薬への変更: デエビゴの作用機序が合わない、あるいは悪夢以外の副作用も強い場合などには、オレキシン系以外の睡眠薬(例:メラトニン受容体作動薬、非ベンゾジアゼピン系など)への変更が検討されることがあります。
    ただし、前述の通り、他の睡眠薬でも悪夢の可能性はゼロではないため、薬剤の特性を理解した上で医師と相談することが重要です。

  • デエビゴ以外の不眠治療: 悪夢が、不眠症の根本原因(ストレス、不安、体の病気など)やデエビゴ以外の要因によって引き起こされている可能性もあります。
    その場合、不眠症の原因となっている病気自体の治療や、精神的なサポート(認知行動療法など)が優先されることもあります。

重要な注意点として、医師の指示なく自己判断でデエビゴの服用を中止したり、用量を変更したりすることは絶対に避けてください。
デエビゴは比較的離脱症状が少ないとされていますが、急な中止は不眠症のリバウンドを招いたり、思わぬ体調不良を引き起こしたりするリスクがあります。
必ず医師の指導のもとで、安全に薬を調整することが大切です。

服用タイミングの見直し

デエビゴは通常、就寝直前の服用が指示されます。
添付文書にもそのように記載されています。
これは、薬の効果が睡眠時間と重なるようにするためです。

もし、服用してから寝るまでの時間が大きくずれていたり、服用後に活動してしまったりする場合、薬の効果の現れ方や睡眠サイクルに影響が出ている可能性もゼロではありません。
まれに、服用タイミングと悪夢の関連が指摘されるケースもあるようですが、明確なエビデンスは確立されていません。

まずは、医師の指示通りのタイミングで服用できているかを確認してください。
もし服用タイミングにずれがある場合は、医師に相談し、適切な服用時間を確認しましょう。
正しいタイミングで服用することで、薬の効果が最大限に発揮され、不必要な睡眠への影響を避けることにつながります。

悪夢対策のための睡眠環境整備

薬物療法だけでなく、日頃の睡眠習慣や寝室環境を見直す「睡眠衛生」の改善も、悪夢を含む睡眠の質の向上に役立つ可能性があります。
特に、睡眠不足や不規則な生活は、睡眠構造を乱し、悪夢を見やすくすることが知られています。

悪夢対策として有効かもしれない睡眠環境整備のポイントをいくつかご紹介します。

  • 規則正しい生活: 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がけましょう。
    休日も平日との差を1~2時間以内にとどめると、体内時計が整いやすくなります。

  • 快適な寝室環境:

    • 温度・湿度: 寝室の温度は一般的に18~22℃、湿度は50~60%が快適とされています。
      暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠が浅くなり悪夢を見やすくなる可能性があります。

    • 光: 寝室はできるだけ暗くしましょう。
      遮光カーテンを使ったり、外からの光を遮ったりします。
      豆電球や常夜灯も、気になる場合は消した方が良いことがあります。

    • 音: 寝室を静かに保ちます。
      騒音が気になる場合は、耳栓を使ったり、逆に心地よい音(ホワイトノイズ、自然音など)でマスキングしたりするのも有効な場合があります。

  • 寝る前の過ごし方:

    • 寝る直前のカフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど)やアルコール、ニコチンの摂取は避けましょう。
      これらは睡眠を妨げ、睡眠構造を乱す可能性があります。

    • 寝る前にスマホ、PC、タブレットなどのブルーライトを発する機器の使用を控えましょう。
      ブルーライトは脳を覚醒させてしまいます。

    • 寝る前に、怖いテレビ番組や映画を見たり、刺激の強いゲームをしたりするのを避けましょう。
      不安や興奮は夢の内容に影響を与えやすいです。

    • ぬるめの入浴(38~40℃)、軽いストレッチ、腹式呼吸、リラックスできる音楽を聴く、穏やかな読書など、自分に合ったリラックス方法を取り入れましょう。

  • 日中の活動:

    • 日中に適度な運動をすることで、夜の睡眠の質が向上する可能性があります。
      ただし、寝る直前の激しい運動は避けましょう。

    • 午後に長い昼寝をしすぎると、夜の睡眠が浅くなることがあります。
      昼寝をする場合は、15~20分程度の短い仮眠にとどめましょう。

これらの睡眠衛生の対策は、デエビゴを服用しているかに関わらず、不眠症の改善や、より良い睡眠を得るために広く推奨されている方法です。
悪夢だけでなく、全体的な睡眠の質向上にもつながるため、ぜひ取り組んでみてください。

まとめ:デエビゴの悪夢に悩んだら専門家へ相談を

デエビゴ(レンボレキサント)は、不眠症治療に有効な新しいタイプの睡眠薬ですが、一部の服用者において、悪夢や異常な夢を副作用として経験することがあります。
これは、デエビゴが脳内で覚醒を司るオレキシンという物質の働きを抑えるという、その独特の作用機序に関連している可能性が考えられています。
オレキシン系への作用が、夢を見やすいレム睡眠を含む睡眠構造や、情動・記憶に関わる脳領域に影響を与え、結果として鮮明で不快な夢を引き起こすというメカニズムが推測されています。

悪夢の発生率は統計的には比較的低いとされていますが、悪夢に悩まされているご本人にとっては、睡眠の質を著しく低下させ、日中の精神状態にも悪影響を及ぼす深刻な問題となり得ます。

もしデエビゴを服用していて悪夢に悩んでいる場合は、決して一人で抱え込まず、必ず処方医や睡眠を専門とする医師、精神科医といった専門家に相談することが最も重要です。
悪夢の具体的な内容や頻度、それによる影響などを医師に伝えることで、デエビゴとの関連性を判断し、用量調整や他の薬剤への変更など、あなたにとって最適な対処法を検討してもらうことができます。
自己判断での服薬中止や変更は、かえって不眠症を悪化させたり、思わぬ健康上の問題を引き起こしたりするリスクがあるため、絶対に避けてください。

また、薬物療法と並行して、規則正しい生活、快適な寝室環境の整備、寝る前のリラックス習慣など、睡眠衛生の改善に取り組むことも、悪夢を含めた睡眠の質の向上に役立つ可能性があります。

不眠症の治療は、単に眠りにつくことだけでなく、質の高い睡眠を得て、日中の活動を快適に送れるようにすることを目指します。
デエビゴによる悪夢に悩む場合は、医師と協力して、不眠症治療と副作用への対策のバランスを取りながら、より良い睡眠とQOLの向上を目指しましょう。

免責事項:
この記事は、デエビゴ(レンボレキサント)による悪夢に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。
個別の症状や治療法については、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
記事中の情報は、執筆時点での一般的な知識に基づいています。
医学的な見解や推奨事項は、最新の研究によって変更される可能性があります。

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